タイトルはいささか大げさだが、「札幌市下水道科学館」を見学して、札幌市の下水道の実状に多少は触れることができたかな?と思えた「大人の社会見学」だった。
※ 「札幌市下水道科学館」の外観です。受講者たちは見学先の「水再生プラザ」に向かっています。
本日(6月24日)午後、私が学ぶ「めだかの学校」のもう一つの野外講座「大人の社会見学」で札幌市北区の「創成川水再生プラザ」に併設された「札幌市下水道科学館」を訪れた。下水道科学館は、札幌市の下水道事業について市民に広く広報し、啓蒙するための施設である。特に小学生をはじめとして学校の児童・生徒の見学箇所として機能しているようだ。
※ カラー版のマンホールは、札幌市内にはここともう一か所の2か所しかないそうです。もう一か所はどこ?
下水道は、道路や上水道と共に社会の重要なインフラである。特に下水道は発達した文明社会にとっては不可欠な大切なインフラの一つと云えるかもしれない。その下水道普及率が札幌市の場合99.7%とお聞きして、その普及率の高さに改めて驚くとともに、ある種の誇りさえも覚えた。
見学はまず、下水道事業をPRするDVDを視聴した。内容は小学生にも理解できるように作成された易しい内容で、私にもよく理解できた(??)。
続いて、科学館々長直々の案内で「創成川水再生プラザ」内を見学して回り、市内の家庭、工場などからの排水を浄化するシステムを実際に見て回った。この工程についてはこれまでも何度か見学したことがあり格別新しい発見はなかった。
※ 「創成川水再生プラザ」の建物ですが、この地下に下水道の水を再生するシステムが埋まっていました。
※ 館長(黄色のベストの方)直々の案内で水再生プラザ内を見て回りました。
※ なにやら大型の機械がびっしりと占めています。おそらくモーター類だと思われます。
それより私が感心したことがあった。それは見学に際して、一人一人にトランシーバーのようなものが手渡されたことだ。それは案内者(ガイド)が発する案内をそれぞれが耳元で聴くことができるシステムだった。理由の一つは再生プラザ内が機械音などで案内が聴きづらいということがあるからだ、と説明された。こうした見学の場合、ガイドの傍でなければ聴き取れないことが多いのだが、このシステムだとそうしたストレスから解放される。多くのところで採用してほしい方法である。
※ この端末からガイドの声を聞くことができ、非常にクリアな案内を聴くことができました。
最後は科学館の2階で、さまざまな機器を使って下水道の仕事を体験するコーナーであるが、小学生たちに興味をもってもらう施設として、子どもたちにはきっと人気の施設なのだろうと思われた。
※ 科学館2階にあった体験コーナーです。
札幌市内全域に整備された下水道であるが、問題は今後であろう。下水道管をはじめ施設の老朽化に伴う維持・更新の費用が今後は膨らんでくると予想される。下水道ばかりでなく、各種インフラにおいても人口減少傾向が続く我が国においては大きな問題となってくるであろう。いただいた資料によると、いわゆる下水道事業の運転予算(収益的収入・支出)において収入の部では下水道使用料によって賄われている収入は全体の40%である。残りは税などによる負担である。また、施設設備の事業にかかる費用はまるまる税の持ち出しとなっている。この辺りが今後どう推移していくのか、大いに気になる問題である。
※ 科学館の地下4階にある雨水貯留管です。口径が5mとか?窓越しの撮影でした。
雨水が少し溜まっていますね。そのため直接に観ることは叶いませんでした。