田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

移植医療を考える

2009-03-16 17:06:45 | 講演・講義・フォーラム等
 これまで真剣に考えたことのなかった移植医療について、いろいろと考える機会を与えてくれた市民公開講座でした。

 私のブログとしては珍しくシリアスな話題を取り上げてしまうことになりました。
 特別関心があったということではなかったのですが、3月13日(金)夕刻道新ホール(中央区大通西3丁目 こちら地図)で開催された日本移植学会が主催する市民公開講座「日本の移植医療を考えるシンポジウム」に参加してきました。
        

 開催の趣旨をごく粗くまとめると以下のようになるでしょう。
「先進医療技術を持つ国の中で日本は極めて臓器移植の少ない移植医療後進国であり、移植医療を必要とする患者の多くが国外で臓器移植を受けている現状である。(特に小児の臓器移植)ところが2008年のイスタンブール宣言において、国外での臓器移植が原則的にできなくなった。日本国内において脳死状態での臓器提供者を増やすために国民的な理解と協力によって、臓器提供を待ち続ける患者の命を救いたい。」
という趣旨と理解しました。
        
      ※ 元HBCアナウンサーの松永俊之さんが総合司会を務めました。

 シンポジウムでは、著名な移植医やそれに関わる医療者が国内外から出席し、日本の憂慮すべき現状やアメリカの状況などについて報告・発言がありました。
 また、移植を待つ患者、移植を受けた患者の声も報告されました。
 特に北海道内において膵臓・腎臓の同時移植を受けた患者さんが実名で登壇し、32年間の長きにわたる闘病生活を経た後、健康体に戻った喜びを語った話には胸を打たれました。
        
        ※ 国内外から5名の医療者が参加しパネルディスカッション
         が行われました。

 私のように価値観のやや固まった人間はどうしても「臓器移植」ということには及び腰のところがある、というのが正直な気持ちです。人間の死ということに対してもこれまでの伝統的な考え方に縛られている面があることも事実です。
 しかし、今回のシンポジウムに参加して「臓器移植」によって救える命がたくさんあること、たくさんの患者が「臓器移植」を切望していることが分かりました。
 今は健康体である自分が「臓器移植」を望む側になった場合のことなどを想定しながらこの問題を考えてみたいと思いました。 (フーッ、シリアスな問題は肩が凝りますね)