今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

根を張る

2013-04-14 12:55:19 | 気持ち

近所の人との一斉清掃。

昭和が終わるころにできた

旧い新興住宅地に

引っ越してきて3年半。

近所の人と顔を合わせ

言葉を交わす

年に2回の貴重な機会。

草を抜きながら

少しずつこの地に

根を張っていく。

草が地に根を張って

生きるように

人は人に根を張って

生きていくのだろう。

草たちよりは

ずっと時間がかかり

そのやり方も不器用だけど…。

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ドウダンツツジ〈ツツジ科〉         夕景(鳥取県大山)

copyright Maoko Nakamura


恋の季節

2013-04-13 10:13:43 | 自然・植物

塀の上に

雀が一羽やってきて

日向ぼっこしながら

毛づくろい。

すっかり支度を整えて

さてさて、

恋を探しにまいります。

電線に

山鳩が二羽やってきて

寄り離れつ

恋のかけひき。

さらに一羽飛んできて

あらあら、

恋のバトルとなりました。

春…

かしこで

恋が始まる季節。

あなたの恋が

実りますように!

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シバザクラ〈ハナシノブ科〉

copyright Maoko Nakamura


まどろみ

2013-04-12 09:49:32 | 

抱き上げられた

幼子は

「もう少し起きていてね」と

声かけられる。

けれど

どうして

起きていられよう。

ふわふわ温かな腕の中。

抱き上げられた

幼子は

すとんすっかり夢の中。

大人はあきらめ

ゆ~らん、ゆ~らん。

幼子の夢を

ともに楽しむ。

ゆ~らん、ゆ~らん。

ゆ~らん、ゆ~らん。

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アネモネ〈キンポウゲ科)

copyright Maoko Nakamura


とけないもの

2013-04-11 11:58:21 | 気持ち

新しい事が

記憶の扉を叩いていく。

浅いあるいは遠い

記憶の扉を…。

叩かれ

眠っていた記憶は

目を覚まし

新しい事に

手を取られて浮上する。

意識の水面に・・・。

けれどその時

以前着ていた衣は

とけて消え

とけなかったものが

新しい事と

とけあって浮上する。

そして

新たな記憶として刻まれ

再び時の重みに沈んでく…。

とけないものの

新たな

一部となるために…。

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イベリス〈アブラナ科〉

copyright Maoko Nakamura


山桜のもとで

2013-04-10 12:00:08 | 自然・植物

山桜のもとで

見上げれば

名残の花が笑かける。

今この時を

慈しむように…。

若葉たちが歌いかける。

今この時を

愛でるように…。

山桜のもとで

見上げれば

木立の間に番いのトンビ。

今この時と

解けあうように…。

山桜のもとで

見上げれば

春がそっと目配せをする。

今この時を

愉しめよと…。

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山桜〈バラ科〉                    カリン〈バラ科)

copyright Maoko Nakmaura


知足

2013-04-09 10:28:52 | 

ともに

ひと時を過ごし

胸の中に

花開く。

いただきし

温かな

光に包まれ…。

決して枯れぬ

枯らしてはならぬ

「知足」という

有り難き花。

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チューリップ〈ユリ科〉

copyright Maoko Nakamura


ここにいるよ

2013-04-08 09:34:17 | 気持ち

「ここにいるよ」と笑い

「ここにいるよ」と泣き

「ここにいるよ」とケンカして

「ここにいるよ」と手を握り

「ここにいるよ」と仲直り。

「ここにいるよ」と

ここにいる。

「ここにいるよ」と

ちっとも言わないけれど

「ここにいるよ」と

ここにいる。

「ここにいるよ」。

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キュウリグサ〈ムラサキ科〉

copyright Maoko Nakamura


野イバラ

2013-04-07 09:36:46 | 自然・植物

常緑の樹林にあって

ひときわ明るい

萌黄色の葉を広げる

野イバラよ。

冷たい雨に洗われながら

きっと

花を咲かせることだけ

夢見ているのだろう。

5月の光の中で…

花嫁のベールのごとく

真白く美しい花を…。

萌え黄色の野イバラよ。

おびただしい棘を縫って

瑞々しい

希望の葉を広げる

青春の木よ。

萌え黄色の野イバラよ。

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プリムラ・ジュリアン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nsakamura


涙くん、こんにちは

2013-04-06 10:23:56 | 

キミの頬に伝う

一筋の涙。

悲しいわけでもなく…

嬉しいわけでもなく…

それでも

キミの頬を伝う

一筋の涙。

キミはこれから

幾度となく涙を流し

その涙で自らの心を

育てるのだろう。

まだ双葉のような

柔らかな心を

深くたくましい夏の心に。

キミの頬に伝う

一筋の涙。

悲しいわけでもなく…

嬉しいわけでもなく…

キミ自身も

初めて出会う

一筋の涙。

雲からではなく

久遠の青から降ってくる

一筋の涙。

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カリン〈バラ科〉

copyright Mako Nakamura


心の音色

2013-04-05 09:51:15 | 気持ち

言の葉

一枚

ゆらゆら揺れる。

揺らしているのは

心の音色。

言の葉

一枚

受け取れば

伝わってくるのは

ゆらゆら揺れる

心の音色。

言の葉

一枚

音を言葉にする

心の音色。

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デージー(ひなぎく)〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


雨と水溜り

2013-04-03 18:59:00 | 自然・植物

ポツ、ポツ、ポツリ…。

水溜まりの上で

雨粒が弾む。

ポツリ、ポツリ、ポツ…。

水溜まりに落ちた

雨粒は幸せだ。

だってあんなに弾んでる。

一人残らず弾んでる。

ポツ、ポツ、ポツリ…。

もうあまり

見ることがなくなった

でこぼこ大地の水溜り。

ポツリ、ポツリ、ポツ…。

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桜〈バラ科〉                   ロベリア〈キキョウ科〉


つぶやき、一輪

2013-04-01 15:04:02 | 

昼間の

明るさはないけれど

黄昏にはまだ少し…。

朝も昼も知り

夜への覚悟も

少しだけ芽生え…。

「今がいちばん

いい時だよね」と

傍らの友がつぶやき

その匂えるようなつぶやきに

今この時を互いに愛でる。

桜の中を

通り過ぎながら…。

桜の季節を

ともに重ねながら…。

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イワヤツデ〈ユキノシタ科〉

copyright Maoko Nakamura