今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

海辺のホテルにて

2012-06-14 10:52:04 | 

波のうねりと潮騒の音。

母なる海から

生き物は生まれ

母の海から

人は生まれ…。

波のうねりと潮騒の音。

母と泊りし

海辺のホテルにて

子守唄のように

海は囁く。

過ぎ去りし日の思い出を…。

体を流れる血潮となって…。

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皆生の海  グラジオラス/プリンスクラウス〈アヤメ科〉

copyright Maoko Nakamura


葉葉葉

2012-06-13 13:42:31 | 自然・植物

木はいつも笑っている。

ハハハって。

どんな木も笑っている

ハハハって。

木はいつも笑っている。

そよ風の日は小さな声で。

大風の日は大笑い。

ハハハって。

風のない日も笑ってる。

木は誰にも笑ってくれる。

ハハハって。

そうして木は癒してくれる。

佇む人を喜びで包んで…。

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ガーベラ〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


月遅れのちまき

2012-06-11 16:31:08 | 遊び・歳時

月遅れの端午の節句。

子どもたちとちまきを作る。

粉に少しずつ水を加えて

混ぜてよくこねて

小さな手や

大きな手で丸めて

竹の串を差して笹で包む。

大きな鍋でゆでて

アツアツを

砂糖じょうゆでいただく。

今年もまた

子どもたちと作った

ちまきをいただく幸せ。

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アブチロン〈アオイ科〉

copyright Maoko Nakamura


きっとそんな風に…

2012-06-10 20:11:29 | 

実家から自宅に向かう

午後5時前の国道9号。

431号が交差する信号で止まる。

左側に止まっていた車は

友人の車。

おそらく彼女も

生まれた町から

自宅へと帰る道のりだろう。

先に気づいた私が

手を振り

彼女も気づいて笑みになる。

信号が青になり

互いに手を振り

それぞれの岐路につく。

きっとそんな風に人は出会い

きっとそんな風に別れていくのだろう。

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ローズゼラニウム〈フウロソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


入梅

2012-06-09 10:43:40 | 自然・植物

ホコリさえ

ナメクジに見える

梅雨曇

 

いよいよ入梅。

周りをぐるりと

草木に囲まれている

我が家は

この時期

決まって

あまり嬉しくないお客様が。

カタツムリのイトコだと思えば

かわいい?

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ヒメフウロソウ〈フウロソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


キッチン

2012-06-08 10:32:00 | 食べ物

水と、火と、風と

地の恵みと…。

キッチンは

大地の女神

ガイアの手のひら。

トントントン…

キュッキュッキュッ…

フツフツフツ…。

包丁や野菜やお湯が

女神の手のひらで

踊りながら

いのちの糧を紡ぎ出す。

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チコリー〈キク科〉  ボリジ〈ムラサキ科〉

copyright Maoko Nakamura


フリーパス

2012-06-07 15:34:48 | 自然・植物

昨日まではなかったのに

今朝は蕾が生まれ

昨日までは蕾だったのに

今朝は花が開いている。

庭で、道端で、野で、山で…。

自然の営みの

なんと素晴らしいことか。

ありがたいことに

この心ときめく自然の

ステージ・チケットは

すべての人に配られている。

いつでもどこでも使え

使用期限のない

フリーパスという形で。

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小指の先ほどの小さなバラ(左)と香りの良いバラ〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura


彼は…

2012-06-06 22:52:59 | 

彼は

すっかり気持ちを吐き出すと

新しい気持ちを吸い込んだ。

すっかり息を吐いてから

新鮮な空気を吸い込むように…。

そうして彼は

自らの心に光を送った。

夏の朝のように

あふれんばかりの光を…。

そうして彼は

歩み出した。

内なる光に向かって

生きるために…。

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源平小菊〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


山に登る

2012-06-04 10:32:06 | 自然・植物

神様は

山の上に住んでいる

と考えた古代の人たちは

正しかったと思う。

重力に逆らって

神の御許に向かう時

苦しみの中で

見えてくるのは

神からもらった

いのちのほどばしり。

汗となり、呼気となった…。

そして

頂に佇むと

その存在を垣間見せてくれる。

それぞれの中で

湧き上がる喜びとなって…。

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サワフタギ〈ハイノキ科〉  船通山山頂からの眺め

copyright Maoko Nakamura


船通山へ

2012-06-03 16:55:14 | 歴史・神話

天を追放されたスサノオが降り立った

船通山に日南町側から登る。

途中に杖が用意されており

突きながら登ると

くくりつけられている木札が

カラカラと山に響み渡る。

カタクリの花は終わっていたが

青紅葉やミズナラ、ブナの若葉が

幾重にも重なって緑の天井を作っていた。

その緑の天井へ向かって

地の底から歩みを重ねる。

次第に頭上が明るくなり

ついに緑の天井の上に出る。

見渡せば

山々が幾重にも連なり

いつもと異なる風景の中で

石の小さな鳥居をくぐって

お社にお参りをする。

『古事記』では

スサノオはここから奥出雲へと向かう。

そして八岐大蛇の物語へと続いていく。

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ヤブデマリ〈スイカズラ科〉 船通山山頂

copyright Maoko Nakamura


逢魔が時

2012-06-02 20:22:24 | 自然・植物

曇をまとった空が

フェイドアウトするように

光を失っていく。

道づれにするように

すべてのものの

光も奪っていく。

石につまづいた拍子に

すとんと違う世界に

落ちてしまいそうな

逢魔が時。

息をひそめて窓辺に佇む。

東の空には

涙で滲んだような月明かり。

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バラ〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura