今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

小さな灯り

2010-09-15 10:14:26 | 気持ち

たくさんの小さな灯りに照らされている…。

道に迷わぬようにと。

たくさんの小さな灯りに照らさせている…。

道を失わぬようにと…。

たくさんの小さな灯りに照らされている…。

一つ一つは儚げなその灯かりに…。

されど一つとなって凛として輝く灯りに…。

一つ一つはうつろいやすいその灯りに…。

されど一つとなって銀河のごとき灯りに…。

たくさんの小さな灯りに照らされている…。

その灯りの一つとなって歩いている…。

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雨上がりのサンパラソル

Copyright Maoko Nakamura


自らも救われるために…

2010-09-14 10:24:04 | 自分

そっと耳を傾けてみる。

少しでも軽くはできないかと。

あなたを重くしているものを…。

そっと心を寄せてみる。

わずかでも癒せはしないかと。

あなたの傷ついたものを…。

そっと手をかざしてみる。

束の間でも守れはしないかと。

あなたに不安をもたらすものから…。

たとえわずかでも…。

ほんの束の間でも…。

自らもまた、救われるために…。

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吾亦紅(われもこう)

Copyright Maoko Nakamura


水の囁き

2010-09-13 10:34:28 | 自然・植物

水は囁きかけていた。

その柔らかな肌で

ノクターンを奏でながら…。

しかし、

私の粗野な耳は

いまだその音楽を解さず、

ただ傍らに佇む。

水は囁きかけていた。

その滑らかな肌に

パステル画を描きながら…。

しかし、

私の無粋な目は

いまだその絵画を解さず、

ただ傍らに佇む。

水は囁きかけていた。

その水面に

見る者の心を映して…。

しかし、

私の未熟な語彙は

いまだ語る言葉を持たず、

ただ傍らに佇む。

水は囁きかけていた。

ただ傍らに佇む。

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水面(日野川下流)

Copyright Maoko Nakamura


そんな時間

2010-09-12 09:44:03 | インポート

癒してくれているのは

なんでもない時間。

空を眺めたり、

風に吹かれたりするような…。

癒してくれているのは

たわいもない会話。

こんなことがあった、

あんなことを思ったというような…。

癒してくれているのは

「なんでもない」

「たわいもない」

そんな時間。

遠い昔から、

ずっと人のそばにあるような

「なんでもない」

「たわいもない」

そんな時間。

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ヤブラン

Copyright Maoko Nakamura


遅れて来た言葉

2010-09-11 14:03:40 | 

物語はしごく単純で、

すべてのものが

生まれて死んでいく。

しかして人は、

手に入れた言葉が嬉しくて、

「ああだ」「こうだ」と

言葉を並べて、

物語を飾り立てる。

されど習いたての言葉は頼りなく、

いつもなんだか、もどかしい。

B

ブラックベリーの朝露

Copyright Maoko Nakamura


あなたと言葉と

2010-09-10 09:24:35 | 

あなたが望む言葉を口ずさもう。

優し言葉を望むなら春風のような言葉を…。

厳しい言葉を望むなら木枯らしのような言葉を…。

あなたが望む言葉を口ずさもう。

伝えたいのは、あなたを想う気持ちだから…。

あなたの望む言葉を受け止めよう。

哀しみの言葉を口ずさむならその言葉を…。

憎しみの言葉を口ずさむならその言葉を…。

あなたの望む言葉を受け止めよう。

受け止めたいのは、そのままのあなただから…。

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白露

Copyright Maoko Nakamura


大きな創造主

2010-09-09 10:24:45 | 自然・植物

宇宙の

膨張が神の「呼」なら、

宇宙の

縮小は神の「吸」。

神の呼吸は深遠で、

そのひと呼吸の間に

宇宙は

さまざまな夢を見る。

人は

その秘密が知りたくて、

深くて大きな呼吸まで

たどり着いた。

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波と高麗山と大山

Copyright Maoko Nakamura


小さな創造主

2010-09-08 07:55:11 | 自然・植物

いつも一緒にいる小さな呼吸。

その小さな一つ一つが

生命を養い、

その小さな一つ一つが

世界を創っている。

いつも一緒にいる小さな呼吸。

時にはため息になり、

時には深くなり、

時には荒くなる。

いつも一緒にいる小さな呼吸。

地球オーケストラの一員として、

自らのリズムを保て。

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楠(くすのき)

Copyright Maoko Nakamura


演劇が一つ

2010-09-07 09:44:29 | ヨガ・呼吸

演劇が一つ。

水溜りに落ちる雨のように、

時空に波紋を紡いでいく。

自分と仲間と観客と…。

演劇が一つ。

紡がれた波紋が雨粒のように

時空の中に注がれていく。

自分に仲間に観客に…。

紡がれた波紋と

注がれた雨粒とが織りなす、

時空の中に時空が一つ。

演劇が一つ。

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野ぶどう

Copyright Maoko Nakamura


生と死のエレジー

2010-09-06 10:24:09 | 自然・植物

奏でているのは

生と死のエレジー。

昼下がりの光と影のように

哀しげに…。

奏でているのは

生と死のエレジー。

移ろいゆく季節のように

絶え間なく…。

永遠のものなど何もなく…。

永遠のものなど何もなく…。

それが切なくて

心の糸を爪弾く。

ポロリ、ポロリと…。

奏でているのは

生と死のエレジー。

その音色から耳をそらすな。

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上弦の月

Copyright Maoko Nakamura


今、ここで

2010-09-05 09:44:07 | 気持ち

なんだか虚しくなった時、

心はどこかに出かけてる。

そんな時は口ずさむ、

「今、ここで」と口ずさむ。

すると、心が還ってきて

少し気持ちが楽になる。

なんだか苦しくなった時、

心がぐにゃりと歪んでる。

そんな時は口ずさむ、

「今、ここで」と口ずさむ。

すると、心が落ち着いて

少し気持ちが楽になる。

今、ここで、

「今、ここで」と口ずさむ。

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細葉百日草

Copyright Maoko Nakamura


貝の殻の記憶

2010-09-04 09:04:07 | 自然・植物

深い呼吸の中で、

引く波のように海に還り、

寄せる波のように地へ旅する。

深い呼吸の中で、

体はうねりとなり、

海と地とを

行ったり、

来たりしながら、

地球と一つになっていく。

途中で落とした貝殻が、

海の響きを懐かしむ

*「わたしの耳は貝の殻 海の響きをなつかしむ」
       ジャン・コクトー「Cannes(カンヌ)第5・耳」

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貝殻

Copyright Maoko Nakamura


「台所は薬箱」

2010-09-03 09:44:15 | 食べ物

「体質だから」と

医者から言われ、

ステロイドを処方されていた

目の充血を、

自分で治そうと思って、

人参をたくさん食べるようにしたら

すっかり治ってしまった。

それが嬉しくて、

食事に気をつけるようにしたら、

体質だと思っていた

虫歯にもならなくなった。

台所は、いつでもだれでも

手軽に頼ることができる薬箱。

遠慮などせず、もっと頼ろう!

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誕生前の1日

Copyright Maoko Nakamura


小さな3つの物語

2010-09-02 09:54:19 | 自然・植物

「もう土は嫌だ」。

そう言って土は地から離れて旅に出た。

すると、たちまち飛ばされ消え失せた。

「もう水は嫌だ」。

そう言って水は海から離れて旅に出た。

すると、たちまち干からび消え失せた。

「もう火は嫌だ」。

そう言って火は炎から離れて旅に出た。

すると、たちまちしぼんで消え失せた。

はじまり(「おしまい」ではなく…)。

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杉の木(大山参道)

Copyright Maoko Nakamura


卒啄同機(そったくどうき)

2010-09-01 09:34:26 | 気持ち

「もういいかい。」

つついてみれど、殻は固く…。

「もういいかい。」

つついてみれど、何も聞こえず…。

「まあだだよ。」

殻の中でひとりつぶやく。

「まあだだよ。」

殻の中でこだまがつぶやく。

大人の殻は

だれがつついてくれるのか?

「もういいかい。」

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萩(大山/だいせん)

Copyright Maoko Nakamura