お世話になっている庭師さんから聞いた話。
草は邪魔者のように思われ、刈られる、引っこ抜かれる、
シートを掛けられる、除草剤を撒かれるなどの処理がされている。
いちばんお手軽なのが除草剤なので撒いているところや、
撒かれて赤く枯れているのを見かけることがある。
これはたいへん悲しい。
公園や川土手は根元近くから刈られるが、
最近は草刈り車なども見かける。
川手などはたくさん刈らなくれてはいけないので、
効率がいいのだろう。
けれど、庭師さんによると、
庭師さんの師匠から教わったとのことだが、
草は地球環境保全にとても重要な役割を果たしているという。
その一つが保水や温暖化の緩和だ。
確かにアスファルト、土の上と草むらでは
温度がものすごく異なる。
しかもアスファルトは夜になっても熱い。
また、がけ崩れを防ぐ役割もあるらしい。
想像してみれば、それはわかる。
日本は草が生えやすい。
それだけ環境が豊かだといえる。
母の世代は、庭や畑に草が生えていることを
とても気にする。
草を生やさないことは、
よい嫁であることや勤勉の証でもあったのだろう。
でも、時代が変われば、発想の転換も必要だ。
草ぼうぼうにするのではなく、
勤勉さを活かして、上手に草と付き合うことは、
温暖化防止の手立ての一つになるのではと思う。
この時期、そこで鈴虫も鳴いてくれる。
草は刈っても、先の方だけ刈るのがよいらしい。
そして、町の中にあっても
草や草むらを楽しむことができればと。
草むら