おやつの味

遠足に持ってきた
おやつ。
封を開けると
彼は周りにいる
すべての人たちに配った。

そのほとんどは
初めて会った人。

彼は遅れてやってきた人にも
すべて配った。

だれかれとなく。

大人たちはみんな
彼の小さな手から
小さな一粒を受け取り食べた。

そうして
食べながら
あるいは
食べ終わって思った。
どうしたら
こんなふうに
育つのだろうかと。

子どものくれた
小さな一粒のおやつ。
大人の心を動かした
偉大な一粒のおやつ。

さあ、
もう少し遊ぼう。

山のお空も
青く晴れ…。



大山・博労座のナナカマド〈バラ科〉

幸せは…

幸せは　
原っぱの上　
今ここに


いつもの公園で、いつもの遊び