流星群

数十年前の
ちょうど今時分。

海に面した実家の墓所には
白熱球の街灯が一つ二つ。

それは今も
あまり変わらないけれど。

変わったのは
墓参の人出と空の様子。

数十年前の
ちょうど今時分。

お盆ともなれば
墓所は祭りのごとく賑わい
晴れていれば
天井には天の川。

そんなある年の
墓参りの時。

天の川横たわる
満天の星空から
雨のように流れ星。
ペルセウス座流星群だったのだろう。

「あんなに流れ星が」
声に出して言ったのか
心の中で叫んでいたのか
定かではないが
私は確かに叫んでいた。

今日の未明
流星群が見たくなり
川土手に行ってみる。
うっすら雲がかかっていたが
北東の方向は晴れ
名残の流星が一つ二つ。


月山富田城址の本丸跡に佇む「かれん」