楽しく遊んだ時間は過ぎ
友を仕事帰りの親が
車で迎えに来る。
あの子は
友と別れがたく
一生懸命に手を振っていたが
ますます別れがたくなり
友の車を走って追い始めた。
2本目の角を
曲がろうとするところまで…。
そこでやっとあきらめ
淋しそうにきびすを返す。
察するところ
その角を曲がってすぐのところが
友だちの家にちがいない。
もうその先に家はないのだから…。
それでも淋しくて
あの子は肩をがっくり落として
家に向かう。
明日の放課後までの間には
永遠の時が横たわっているように…。
マリーゴールド〈キク科〉
copyraight Maoko Nakamura