ヒロ子ちゃん２

とっても早口なヒロ子ちゃん。
早口な部類には入る私。

「ぜったい銀座の方が美味しいよ」とヒロ子ちゃん。
「そうぉ～？日本橋だっておんなじだとおもうけどなぁ」と私。

何のことかといえば、Johanジョアンの食パン、パン・カレのこと。
銀座と日本橋の三越に入っているのだけど、店が違うと味が違うと主張するヒロ子ちゃん。
会社が違っているのに、銀座のジョアンで仕事帰りによくばったりと会ったことがある。

「コーンパンも美味しいけど、行列ができてすぐなくなっちゃうのよね」
「ふ・ふ・ふ。いいこと教えてあげようか、実はコーンパンだけど、形の違うのが日本橋の三越にあるんだよ。」と自慢げに私がいう。
そう、一番人気のコーンパンはバンズの形で銀座で最初に売り出された。
私も行列に並んだけど、手に入れられないときがあった。
ところが日本橋ではコーンパンは小さな山がたで売り出されている。
そして客層がちがうせいか、並ばなくてもいつも買える。
でも最近、バンズ型のコーンパンが売り出され、行列もできるようになり、売切れてしまうようになった。
ああぁ、誰かがうわさをまいたのかな？
私は秘密にしてたのに。

と、そんな話を私たちは機関銃のごとく早口で喋りまくり、飲み、食べ、笑った。
たぶん普通の人には聞き取れない速さの会話だったかもしれない。

女子校育ちという似た環境で育ったで同じ年の私たちは、宝塚を通じて知り合った。
派遣で同じ会社で働いたこともあった。
私が緊急手術をしなくてはならなくなった時、手術室に入る寸前に、ヒロ子ちゃんにその日の宝塚のチケットをわたして、さばいてもらったこともある。
またチケットが手に入らないときは彼女に頼むとどこからか手に入れてくれる。
とにかくいろいろとお世話になっているのだけれど、「おっかけ」だけは私は途中リタイアをして今は一般人（？）となっている。

ヒロ子ちゃんといると、周りがパアーっと明るくなる。
だから私は彼女が大好き！