今月始め、神奈川句会の二次会でやったしりとり俳句。普通こうして余興的にやるものは、その場限りで残らないのですが、今回は世話人の方が、全部コピーして送ってくださったので、その中のひとつをご紹介します。
馬ばかりの巻
時々は鮎はねてゐる濁り川 信
濁り川鮎釣人の言いわけに 月兎
言いわけに五句は無理よと水羊羹 ころん
水羊羹ガラスの皿に三四個 金太郎
三四個おつぱいあれば枇杷食へぬ 亜麻衣
枇杷食へぬ腹いつぱいの馬ばかり 金魚
馬ばかり食うて終りし月見草 爽
月見草太宰はいつも頬杖で 怜子
頬杖でしたり顔して夏芝居 マンネ
夏芝居これで今年で三十年 次郎
三十年忘れられずや木下闇 あぶみ
木下闇いつか来た道原爆忌 僕人
原爆忌時々魚は地にはねて 信
中には意味がわからない句もありますが、隣から回ってきて、上五が決まった中で、1分程度で作るのですからしかたありません。推敲の時間などないのです。私の句も、季語の木下闇がイマイチ。何を忘れられないのか、たぶん恋人のことということを書きたかったのでしょう(って、自分の句ですが←そして、これは別にそうだということではなく、創作です)としたら、それがなんとなく推し量ることのできる季語が欲しいところ。竹婦人とか? 明易し、とか。
それに、上五下五が漢字三文字になっている。これは観音開きといって嫌われる形です。としたら、竹婦人も同様なので、明易しがいいか。
世話人の信さんの最初と〆の句(発句と挙句と言っていいのかな)は、さすがです。最後の句が元にもどって輪のようになるのです。このまま雑誌などに発表できるレベルだなあ。私はまだまだ修行が足りない。