Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん女優列伝(292)美保純

2021-10-26 00:10:00 | コラム
60年8月4日生まれ・61歳。
静岡出身。

公式プロフィール

職業に貴賎なし―とはいうけれど、性にまつわる職業は、とかくナンヤカンヤいわれることが多いですし、偏見を抱かれるものだと思います。
(これは、自分のような肯定的なひとからの偏見、、、というものも含んで!!)

風俗やAV出演に関して「堕ちる」という表現が用いられることもそうですし、
コロナの持続化給付金対象から「ラブホテル」は除外されるかも、、、みたいなニュースも目にしましたし、
職業云々から離れ、もっと日常レベルで語ってもこれは有効で、
たとえば「あの子はすぐやらせてくれる」とか。

そういう世界で生きてきたひとが「フツーに」NHKの番組に出演したり、テレビCMに出演したり。

いまは珍しいことではなくなりましたが、その先駆的存在が美保純(みほ・じゅん)さんでした。

※父親がこれ、持っていた記憶があるんだけどな…



現在「かつてこのひとは―」みたいな紹介をすることもなくなりましたし、
しかし美保さん本人は、そのことを隠すつもりがない―ココだと思います、こういう態度が好感度に結びついたところはあるのだろうなぁと。




<経歴>

スカウトされ芸能界入り。
にっかつがロマンポルノで息を吹き返したこの時代は、「成人映画」と「一般映画」に「きっちりとした」垣根がなく、その背景も美保さんが成功した要因だったと思います。

映画俳優デビュー作は、81年の『制服処女のいたみ』。
翌年の『ピンクのカーテン』で好評を得て、第3作まで制作される人気シリーズになりました。


原作は鬼才ジョージ秋山、近親相姦が軸になる攻めた物語ですが、それをユーモアでデコレーションした技ありの佳作だったと思います。

瞬く間に知名度の上がった美保さんは、一般映画⇔成人映画を器用に往来するキャリアを築きます。
(同じようなキャリアを築く映画監督に、瀬々敬久が居ますね)

『ポルノドキュメント トルコ特急便』(82)、『セーラー服鑑別所』(82)、『ウィークエンド・シャッフル』(82)、『伊賀忍法帖』(82)、『四畳半色の濡衣』(83)、『俺っちのウエディング』(83)、『ロケーション』(84)、『高原に列車が走った』(84)、『海に降る雪』(84)。

84年は転機の年、
山田洋次が気に入り『男はつらいよ』シリーズに起用、タコ社長の娘・あけみとして…
「夜霧にむせぶ寅次郎」(84)「寅次郎真実一路」(84)「寅次郎恋愛塾」(85)「柴又より愛をこめて」(85)「幸福の青い鳥」(86)「知床慕情」(87)「寅次郎物語」(87)に連続出演を果たし、また2019年の『男はつらいよ お帰り寅さん』にも顔を出しています。

『時代屋の女房2』(85)、
出番は少ないながらも個人的には代表作だと思っている『それから』(85=佐川の令嬢役)、


『キネマの天地』(86)、『舞妓物語』(87)、『大夜逃 夜逃げ屋本舗3』(94)、『のぞき屋』(95)、『白鳥麗子でございます!』(95)、『必殺! 主水死す』(96)、『友子の場合』(96)、『カラオケ』(98)、
(窪塚くんじゃないほうの)『Go!』(2001)、
『NANA2』(2006)、『ボディ・ジャック』(2008)、『春色のスープ』(2008)、『ソラニン』(2010)、『誘拐ラプソディー』(2010)、『星砂の島のちいさな天使 ~マーメイドスマイル~』(2010)、『ユリ子のアロマ』(2010)、『春との旅』(2010)、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(2012)、
再びジョージ秋山作品の映画化に参加した『捨てがたき人々』(2014)、
『劇場版 零~ゼロ~』(2014)、『人生の約束』(2016)、『私は絶対許さない』(2018)、最新作に『泣き虫しょったんの奇跡』(2018)。


テレビドラマやバラエティ番組でも活躍、
「よき、おかあちゃん」的キャラが板についてきたような気がしますね!!


次回のにっぽん女優列伝は、宮崎あおいさんから。

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明日のコラムは・・・

『出されないかぎり!!』
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にっぽん女優列伝(291)南野陽子

2021-10-25 00:10:00 | コラム
67年6月23日生まれ・54歳。
兵庫出身。

公式プロフィール

未だナンノさんとかいっちゃいますけど、南野陽子(みなみの・ようこ)さんも50代真ん中。

なんかぜんぜん、そんな感じがしないのですよね。
絶頂期もお姉さん的な雰囲気が皆無で、なんなら同級生みたいに思ってました。

とはいえ斉藤由貴LOVEだった自分は、二代目の麻宮サキに警戒(?笑)していたところもあって。


ただあらためて当時を振り返ると。
ヒット曲多いし、ナンダカンダでグラビアも拝んでいましたし(^^;)


人気が高かったのも頷けるのでした。


※いちばん好きな曲はこれかな~



<経歴>

堀越高校在学中に芸能界入り。

85年―『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』(フジテレビ)のヒロインに抜擢され一躍脚光を浴びる。
映画俳優デビュー作は、その映画版(87)でした。

人気漫画を映画化した『はいからさんが通る』(87)、
神田正輝や竹本孝之が共演というのが(なぜか)泣かせる『菩提樹 リンデンバウム』(88)、
『白い手』(90)、『ゴールドラッシュ』(90)、『福沢諭吉』(91)。

人気先行で作品が追いついていない感じがつづいていた―ことに本人も自覚的だったようで、92年は…

『寒椿』、


『私を抱いてそしてキスして』などで色っぽいシーンなどにも挑戦するようになる。

でも、うーん。
うーーん…なかなかどうして。

『ドライビング・ハイ!』(93)、『修羅場の人間学』(93)、『東雲楼 女の乱』(94)、『三たびの海峡』(95)、『不法滞在』(96)、

トシちゃん田原俊彦と共演した『必殺始末人』シリーズ(97)は3作目まで制作、

『駅に住みよし』(2000)、『走れ!イチロー』(2001)、『大河の一滴』(2001)、『千年の恋 ひかる源氏物語』(2001)、『新・雪国』(2002)、『新・仁義なき戦い 謀殺』(2003)、『渋谷物語』(2005)、『深紅』(2005)、『鈍獣』(2009)、『オムライス』(2011)などなど、作品は途切れないのですが「これだ!」という作品に出会えません。

ここからしばらく期間を置き、最新作は本年公開の『いのちの停車場』(2021)。


長いキャリアで代表作が『はいからさんが通る』になってしまうのは、たぶん本人も納得していないのではないかしら。

ここ数年の映画的キャリアの空白も、映画との相性が悪いんじゃ?と考えた末かもしれません。
それは考え過ぎかっ!

もう50代、いや、まだ50代。
これからよい映画に出会えますように!!

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じつは映画賞より当ててます!

2021-10-24 00:10:00 | コラム
本日はMMA興行『RIZIN.31』の開催日。

場所は横浜だし、きょうは天気崩れそうになく、またハニーも留守番、つまりひとりだからチャリで行こうかなと。

去年オープンしたばかりの「ぴあアリーナMM」は基本ライブ仕様の会場だけれど、格闘技にも適していて悪くないと思う。

今回も結果予想というより、願望で勝者を妄想してみましたよ。



でもねこれ、いつもなんだけど、米オスカー賞予想なんかより「はるかに」高確率で当たっているのよ。

というわけで。
興味持ったひと、今晩遅くにネットで公開されるであろう勝敗結果をチェックしてみてくださいね!!

では、行ってきます。




※ところで。
きのう入ってきたニュース「年末の那須川天心VS武尊、消滅か」は、ほんとうなんだべか。

だとしたら、残念だなぁ!

でも、お願いだから「武尊」叩きだけはやめてほしい。

難色を示しているのが「K-1」側とされているから、叩かれ易い状況下にあるんだよね。
でも本人は、あれだけ「戦いたい」といっているわけだし……。

※追記
このニュースを受けて、武尊が「不確定の記事を出すのはやめて。批判されるのは選手。いまも実現に向けて交渉中」とTwitter更新。

よし、どっちもがんばれ!!

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にっぽん女優列伝(290)南田洋子

2021-10-23 05:44:45 | コラム
33年3月1日生まれ・2009年10月21日死去、享年76歳。
東京出身。

後半生は、旦那・長門裕之との関係性で注目されることが多かった南田洋子(みなみだ・ようこ)さん。


認知症であることの公表や、それらを映像に収めることの是非も議論されましたが、
芸能の世界で生きるとはこういうことだと、なんでも包み隠さず打ち明けていく夫妻のありかたは、ちょっと格好いいなぁ!とさえ思いますね。


※いま観ても抜群に面白い



<経歴>

水谷八重子に師事しつつ、5期ニューフェイスとして大映に入社。
(同期に若尾文子!)

映画俳優デビュー作は、52年の『美女と盗賊』。

翌年の『十代の性典』(53)に若尾文子とともに出演、これが好評を博し一気に知名度が広がる。

それにしても、なかなか攻めたタイトルですよね。すごくきちんとした映画ではあったのですが。



『近松物語』(54)、『楊貴妃』(55)。

大映から日活に移籍、その第1弾が『太陽の季節』(56)でした。
主演はのちに旦那になる長門裕之、
政治に手を出して以降の石原慎太郎はどうかと思いますが、この原作小説といい、映画や文学に与えた影響は計り知れないと思います。

『飢える魂』(56)、
左幸子と共演、自分は「断然」南田さん派だった『幕末太陽傳』(57)、
『美徳のよろめき』(57)、『今日に生きる』(59)、『海は狂っている』(59)。

『やくざの詩』(60)、『大草原の渡り鳥』(60)、『拳銃無頼帖 明日なき男』(60)、
イマヘイの最高傑作であろう『豚と軍艦』(61)、
『ろくでなし稼業』(61)、『赤い荒野』(61)、『伊豆の踊子』(63)、『青い山脈』(63)、『続・拝啓天皇陛下様』(64)、『ジャコ萬と鉄』(64)、『ならず者』(64)、『日本侠客伝』(64)、『いれずみ判官』(65)、『色ごと師春団治』(65)、『地獄の掟に明日はない』(66)、『智恵子抄』(67)、『博徒百人 任侠道』(69)
『花の高2トリオ 初恋時代』(75)、『日本の仁義』(77)、『ハウス』(77)、『ふりむけば愛』(78)。

80年代に入ると、映画以上にテレビで活動することが増えました。
ドラマはもちろん、『ミュージックフェア』(フジテレビ)の司会などもこなし、世代的に自分なんかは映画の南田さんを知る前に、まずはこっちだったかもしれません。

ほかの映画作品に・・・
『零戦燃ゆ』(84)、『星の牧場』(87)、『この愛の物語』(87)、
『リメインズ 美しき勇者たち』(90)、『雪のコンチェルト』(91)、『極道の妻たち 危険な賭け』(96)、『理由』(2004)、『ひいろ』(2007)。

2004年あたりから認知症の症状が出始め、徐々に芸能活動をセーブしていきます。
2009年10月17日―くも膜下出血により死去、享年76歳でした。

映画の遺作は『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』(2007)。



多くの映画関係者に愛されたひとだったらしいですが、
なにより、旦那さんにとことん愛されたことがファンにも伝わっているところがよいですよね~。

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にっぽん女優列伝(289)南果歩

2021-10-22 00:10:00 | コラム
64年1月20日生まれ・57歳。
兵庫出身。

公式サイト

南果歩(みなみ・かほ)さん、可憐だった出たてのころも好きでしたが、


いろんな役をこなせるようになった、現在もすごくよいのですよね。

ほんとうに何遍も何遍もしつこいくらいに記していますが、
ハリウッドを含め、「使い捨て」されがちな若手が多いなかで、この年代の女優さんがきちんと活躍される時代にならないとダメだと思うのです。


※俳優としての可能性が、はっきりと広がった作品でしょうね



<経歴>

元旦那は、作家・辻仁成、俳優・渡辺謙。

桐朋学園短期大学在学中に、映画『伽耶子のために』(84)で幸運な映画俳優デビューを果たす。
桐朋は芸能活動を禁止しており、ほぼ時期を同じくして校則が改正されOK!になったそうです。

『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬』(86)、『漂流教室』(87)、『恋子の毎日』(88)、『TOMORROW 明日』(88)、
山城新伍が手堅い演出を披露した『せんせい』(89)、
『226』(89)、『螢』(89)、
あまり話題にはならなかったけれど、映画会社が果歩さんを推しに推していたことが分かる佳作『夢見通りの人々』(89)、


『帝都大戦』(89)、『さよなら、こんにちわ』(90)、『シャイなあんちくしょう』(91)、『首領になった男』(91)、『私を抱いてそしてキスして』(92)、『クレープ』(93)、『我が人生最悪の時』(94)、『エンジェル・ダスト』(94)、『ルビーフルーツ』(95)、『不機嫌な果実』(97)、『OL忠臣蔵』(97)、『おもちゃ』(99)、
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)、『笑う蛙』(2002)、『花』(2002)、『白い犬とワルツを』(2004)、『感染』(2004)、『千の風になって』(2004)、『HAZEN』(2004)、『お父さんのバックドロップ』(2005)、『空を飛んだオッチ』(2005)、『ニライカナイからの手紙』(2005)、『妖怪大戦争』(2005)、『いちばんきれいな水』(2006)、『夜のピクニック』(2006)、『ジーン・ワルツ』(2010)、『ゲゲゲの女房』(2010)、『家族X』(2010)、『海炭市叙景』(2010)、『阪急電車 片道15分の奇跡』(2011)、『わが母の記』(2012)、『サクラサク』(2014)。

テレビドラマにも多数出演していますが、このこなしかた、いかにも「映画のひと」っぽくてうれしくなりますね。

2015年―『さよなら歌舞伎町』に出演、ラブホテルの清掃員として働くワケアリ中年を好演する。
この映画のために果歩さんは、なんと自分が働いていたラブホテルの研修を受けているのですよ! すばらしい!!


『ズタボロ』(2015)、そして代表作となるであろう『葛城事件』(2016)、
『光』(2017)、『オー・ルーシー!』(2018)、『21世紀の女の子』(2019)、『そして、生きる』(2019)、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019)、最新作が『脳天パラダイス』(2020)。


乳がんのステージ1から無事に帰還、外国映画にも顔を出していますし、あと10年で、この倍くらいのキャリアを築いてくれそうな気がします。。。

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『にっぽん女優列伝(290)南田洋子』
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