Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

構想○年、の呪縛

2014-07-18 07:06:19 | コラム
質問者:ときどき映画で構想10年!! とかアピールがありますが、だらだら考えて10年!! とも考えられるのですが・・・(必死で考えたら3年のところ。)必死で考えて10年なのでしょうか?

回答者:ひとえに「資金」問題です。

脚本は良いけど、「資金」が捻出出来ない。
けど、脚本書いた本人は、自信もあるし、それを認めるスタッフもいる。
だから、粘って「資金集め」や「プロデューサー探し」に頑張る。

結果的に歳月だけが過ぎ「構想10年」みたいな事になる。

結局は「お金」です。

(2011年のyahoo!知恵袋より)

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構想○年の映画は、往々にして失敗する―映画界には、そんな定説というかジンクスみたいなものがある。

たしかにそう。

こういう「煽りコピー」が通用するのは「巨匠」「大作」であり、極論をいえば、そんな巨匠たちでさえ「構想○年、の呪縛」に囚われて躓いてしまう、、、と。

わが神・スコセッシも塚本晋也も、その例に漏れない。

失敗作を挙げていくと切りがないので、世にも珍しい? 成功作を挙げれば・・・

公開までに10年を要した『砂の器』(74)、

ちょっと「ほんとうかな?」と思うけれど、17年かかったとされているカーワァイの『グランド・マスター』(2013)は、まぁ成功といえるだろう。
常に「満を持して」のスタンスを取るジェームズ・キャメロンは、テクノロジーの発展を辛抱強く待ち『ターミネーター2』(91)や『アバター』(2009)を成功に導いている。


遠藤周作の『沈黙』が、スコセッシの手で映画化される―この話を最初に聞いたのは、たしか19歳の夏だった。

主人公ロドリゴはデ・ニーロが演じるらしい、いやルイス様みたいだぞ、
もう極秘で日本撮影がおこなわれた、
キリシタン弾圧の物語だからスタジオと揉めている、
ヒット作を連発させることを条件にGOサインが出た・・・などなど、誰が流すのか噂だけが先行して「その実態・実体」は分からずじまいだった。

あれから20年が過ぎている。

ふと気づけば、自分は40歳。
50歳だったスコセッシも古希を迎えた。

「創る創る詐欺」だと解釈され、プロダクションのチェッキ・ゴーリ・グループから訴訟まで起こされた。

あぁ、幻の作品で終わるのか、キューブリックの『ナポレオン』みたいに―などと、なかば諦めかけていたのだが、つい先日、来年のオスカーシーズンに公開を目指しているというニュースが飛び込んできた。

わ!

オスカー狙いというのは「どうかな、カンヌ向きな気がするけど…」とは思ったが、そんなことより「幻でなくなった」ことのほうがうれしい。


おあずけ! が長過ぎたのである。
もう待てないのである。

♪ もう逢えないかもしれない ♪ などと、桃子ちゃんのヒット曲を口ずさむ余裕なんてないのである。

これ観るまでは死ねねぇ。
もっといえば、これ観たあとであれば世界が崩壊したっていい。


ワクワクが止まらないのだが、撮影中であろうスコセッシ組の前に立ちはだかるのが「構想○年、の呪縛」というわけ。

やはり10ン年を要した労作『最後の誘惑』(88)は、成功。

やはりやはり10ン年かかっちゃった『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)は、個人的には好きだが成功とはいえない。
この映画を観た甘糟りり子は「やっぱり構想○年という映画は、失敗し易い」と評したし。


・・・・・う~~む。


不安は大きいが、信者が神を信じなくてどうする?

いまはただ、成功だけを祈る映画小僧なのだった。





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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(81)』

コメント (1)
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