Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

奇人? 変人? だからなに!? 外国「偏」

2014-07-02 00:30:00 | コラム
先月は「偏」愛する映画俳優のリストを展開したので、今月は映画監督でいってみたい。
まぁ俳優よりも分かり易い、分かり易過ぎるリストになっていると思うけど。

今宵は、外国「偏」。

映画監督とは、「映画の中身についての最高責任者」。

キャスティングやら公開規模やら宣伝方法などに対するアレヤコレヤの責任を負うのはプロデューサーであり、たぶん「ここいらへん」を「ごっちゃにしている」ひとは多いと思う。

完璧主義の監督は制作を兼任することが多い。
でも兼任出来るほど器用じゃない監督だって沢山居る。
そういうひとにはパートナーが必要で、その相性は映画の出来を左右する。

いちばん理想的なのは、宮崎駿と鈴木敏夫のコンビなんじゃなかろうか。

互いに全信頼を置き、鈴木Pは宮崎爺にやりたいようにやらせている・・・ように見えても、いうべきところはちゃんと突っ込んでいる。


たぶん、繰り返す「たぶん」、だけれど。
映画監督はそうである必要はないが、プロデューサーは「真」人間でなければならない。

そう、大抵の監督はどこかおかしい。
奇人と呼んでもいいし、変人でもいい。変態、あるいはクレイジーといわれて喜ぶひとだって居るだろう。

そういうひとを「あやす」プロデューサーまでもが奇人変人変態クレイジーであると、映画制作現場はカオスになっちまう。
バランス、ナニゴトもバランスだよねぇ。


20年くらい前のことか、批評家の福田和也が世界の文豪たちを「ろくでなし」の視点で捉え直す作家論を発表した。(=『ろくでなしの詩』)
ドストエフスキーを単なる強姦魔だ、あなたの家の隣りに引っ越してきたら、あなたのほうが引っ越すべきだとする文章に衝撃を受けた自分は、映画監督も同じようなものだろうと解釈するようになった。

だから、以下の10人の映画監督たちは、大好きで尊敬もしているし、そのうち3人ほどは「神、のような存在」ではあるものの、きっと、ひととしては最悪なんだろうな・・・なんていう風にも思っているのだった。


(1)マーティン・スコセッシ

代表作…『タクシードライバー』(76)、『レイジング・ブル』(80)、『グッドフェローズ』(90)

喘息持ちで神経質。

近影を見ると「いいおじいちゃん」だが、70年代の「ギラツキ」は「ほとんどビョーキ」だった。

※その仕事ぶりをうまくまとめた動画




(2)デヴィッド・リンチ…トップ画像

代表作…『イレイザーヘッド』(76)、『ブルーベルベット』(86)、『マルホランド・ドライブ』(2001)

誇大妄想。

夢をモチーフにした作品を数多く発表しており、このひとが描く「醜悪な夢の世界」を気に入ることが出来れば、このひとのことを大好きになるだろう。

(3)ポール・トーマス・アンダーソン

代表作…『マグノリア』(99)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)、『ザ・マスター』(2012)

デビュー時からその作家性が確立されていた、いわば神童。

現代の映画界で、このひとこそが「その、先端」を歩いている。

(4)ブライアン・デ・パルマ

代表作…『悪魔のシスター』(73)、『キャリー』(76)、『スカーフェイス』(83)

ヒッチコックの熱狂的信者。
それが高じて映画監督にまでなったが、いくらヒッチコックを目指しても「優雅さ」は生まれず、その代わり、ヒッチコック映画にはない「扇情性」を獲得するに至った。

(5)クエンティン・タランティーノ

代表作…『レザボア・ドッグス』(92)、『ジャッキー・ブラウン』(97)、『イングロリアス・バスターズ』(2009)

負け犬という、オタクが持つべき代名詞をひとりで「ひっくり返した」真の勝者。

映画小僧にとっては、ほとんど救世主のような存在だろう。

(6)ジョエル&イーサン・コーエン兄弟

代表作…『赤ちゃん泥棒』(87)、『バートン・フィンク』(91)、『ノーカントリー』(2007)

米国映画の知性。

いまじゃ「御大」のような扱いだが、『バートン・フィンク』のころは、あの主人公のような「病的に神経質な兄弟」だと解釈していたし、きっといまでもそうなのだろう。

(7)スタンリー・キューブリック

代表作…『現金に体を張れ』(56)、『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(64)、『2001年宇宙の旅』(68)

完璧主義者として有名。

でも、こんなひとでもハリウッドで傷ついて英国にひきこもった過去がある。

なんか「いーこ、いーこ」してあげたくなるエピソードだ。

(8)チャールズ・チャップリン

代表作…『街の灯』(31)、『モダン・タイムス』(36)、『独裁者』(40)

天才。

俳優としてより、映画監督として好き。
前にも書いたが、ややロリコン気質があるところもうれしい。

(9)ギャスパー・ノエ

代表作…『カノン』(98)、『アレックス』(2002)、『エンター・ザ・ボイド』(2009)

破壊神。

でも闇雲に壊そうとしているわけではないし、映画の力を信じているところが感動的。

(10)アルフレッド・ヒッチコック

代表作…『サイコ』(60)、『鳥』(63)、『フレンジー』(72)

映画界、そして変人界? のクラシック的存在。

結局のところこのひとは、抱きたいおんなをヒロインに起用していたのだ。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『奇人? 変人? だからなに!? 日本「偏」』

コメント (1)
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