人生日訓(94)
「眼明らかなる時は途にふれて皆宝なり」
真言宗を開いた弘法大師、空海のなかなかいい一句である。「心暗きときは即遇う
ところ悉(ことごと)く禍なり」に続いている。自分の目、見識、学問がしっかりと開い
ていれば、どこを歩いても至るところ、目に入るものすべてが宝石宝玉の如きもの
だというのである。「宝の山に入って手を空しうして帰る」とも、、昔から言っているの
は、さおの反対である。「猫に小判」という通り、こちらに目が明いていなくては見え
ども見えない。立派なものが目先にあっても気が付かない。「心暗きものは」と空海
はここでも言っている。何か私共に諷刺しているような気がする。正直、道を歩いて
いても、路傍の草を見ても植物についての知識のない私には名も知らず、その生態
もわからず、自然、興味もない。植物学者にとっては、無名の草の中に一大発見をす
るような「宝」を見出すこともあろう。目が暗いというほど悲しいことはない。宝が足
許に散らばっていても気が付かない。わからないのである。目あきに成りたい。
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12月から咲いている花「木瓜(ぼけ)」
開花時期は、11/25 ~ 翌 4/15頃。 11月頃から咲き出す花は 春に開花するものと区別するために 「寒木瓜(かんぼけ)」と 呼ばれることがある。 ・中国原産。 ・実が瓜のような形 であるところから「木瓜」。 「木瓜」を 「もっけ」と呼んでいたのが 次第に 「もけ」→「ぼけ」になった。 (「ぼっくわ」→「ぼけ」 の説もある) ・花の色は赤、白、ピンクなど。 ・枝にトゲがある場合と ない場合がある。 <木瓜と草木瓜のちがい> 【木瓜(ぼけ)】 ・背が高い。 ・枝のトゲはあまり目立たない。 ・実は草木瓜の実よりも 大きくて、色は黄色。 縦に「彫り」が入っている。 【草木瓜(くさぼけ)】 ・背は木瓜より低い。 ・枝にトゲがいっぱいある。 ・実はボケよりは小さく、 色は黄色。 縦に「彫り」は入っておらず、 表面はつるつる。 ・1月21日、2月19日の誕生花。 ・花言葉は「指導者、先駆者」。
(季節の花300より)