季節の花と言葉の花束

写真付きで季節の花や言葉の意味をを書くならgooブログ

季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「犬蓼 (いぬたで)」

2017-09-30 04:31:14 | 暮らし
名言名句(19)

「憎きもの、急ぐことある折に、
 長言(ながごと)するまらうど」清少納言


憎いのは、急用のあるときなどに、いつまでも長話をして

帰ろうとしない客である、の意味です。

「長言」は長話、「まらうど」は、稀人(まれびと)が転

じた言葉で、客のことです。

『枕草紙』の第24段で、清少納言は、女性独特の目を通

した生活実感を描いています。この言葉に続いて、軽蔑し

ても良い相手なら、あとで伺うからと言って追い返すこと

もできるが、そうも出来ない人の長話は憎らしい、と述べ

ています。

清少納言は平安中期の随筆家で、生没の年月ははっきりし

ませんが、996年頃生まれ、1025年頃に没したもの

と推察されています。

『枕草子』は、日本における随筆文学の創始という点で

画期的な随筆集です。繊細な目が随所に光っていますが、

ここに掲げる言葉も、そのうちの一つです。

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7月から咲いている花「犬蓼 (いぬたで)」

開花時期は、 7/15 ~ 10/25頃。
・辛味がなく食べられない蓼、
 の意味。      
 「犬」がつくものには
 食用にならない、の
 意味をもつものが多い。
   犬胡麻(いぬごま)
   犬芥子(いぬがらし)
   犬薺(いぬなずな)
   犬稗(いぬひえ)
   犬蕨(いぬわらび)、など。

・ことわざ「蓼食う虫も好きずき」

・別名
 「赤まんま」(赤飯)。
   まさにそのとおり。
   つぶつぶの花です。


・「わが屋戸の
  穂蓼(ほたで)
  古幹(ふるから)
  摘み生(おほ)し
  実になるまでに
  君をし待たむ」
   万葉集 作者不詳



(季節の花300より)




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季節の花「百日紅 (さるすべり)」

2017-09-29 04:56:07 | 暮らし
名言名句(18)

もし生涯の第二版があるなら 私は校正したい」
 クレア


自分の人生に対して、なかなか納得できないのが人間の

宿命ともいえます。

満足感の持てる一生を送れるようなら、これに越した幸福

はないでしょう。

だが、たいていの人間は満足しいぇいません。

この言葉は、その不満足の状態を、実にうまく言い表して

います。

もしも人間の一生がやり直しのきくものならやり直したい、

という意味です。

人生を本にたとえると、第一版は、つまり、初版で終始します。

第二版はありません。

第二版がないからこそ、第二版があるならば、と仮定するのです。


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7月から咲いている花「百日紅 (さるすべり)」

開花時期は、 7/15 ~ 10/15頃。
・中国原産。

・「約100日間、
  ピンクの花を咲かせる。」のが
 名前の由来。
 約3ヶ月間、
 夏から秋まで咲き続ける。
 実際には、一度咲いた枝先から
 再度芽が出てきて
 花をつけるため、
 咲き続けているように見える。
 花はしわしわの形。白い花もある。

・「猿滑」とも書く。
 ”幹がスベスベで、猿も登れない”
  ところから。
 スベスベの樹皮♪

・花は夾竹桃(きょうちくとう)と
 同じような時期に咲く。
・秋になると、早めに落葉する。


・「百日紅
  ややちりがての 小野寺」
   与謝蕪村(よさぶそん)

 「さるすべり
  寺中おほかた 見えにけり」
   炭太祇(たんたいぎ)

 「散れば咲き
  散れば咲きして 百日紅」
   加賀千代女
   (かがのちよじょ)

 「炎天の
  地上花あり 百日紅」
   高浜虚子(たかはまきょし)



(季節の花300より)





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季節の花「待宵草 (まつよいぐさ)」

2017-09-28 04:25:03 | 暮らし
名言名句(17)

「心やさしくなりて見ており何時までも

 鶴一方の脚に立てるを」大野とくよ


あわただしい都会の生活の中にひとこまを捉えて、

何となく心安らぐ短歌です。

都内の日比谷公園に鶴の噴水があります。

この噴水のほとりで、親しい友人と待ち合わせをした

時に詠んだ一首です。

いつもは自分の心の状態を意識しないものですが、

久しぶりに親しい友人と会う心の弾みが、そのまま

ゆったり和んできて、一本脚で立っている鶴の彫刻を

飽かずに眺めることになるのです。

友も、鶴の噴水を目指してやって来るのです。

すぐにやって来たのかもしれません。いずれにしても、

作者の心のなごみは、読む者に一服の清涼剤の役目を

果たしてくれます。

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7月から咲いている花「待宵草 (まつよいぐさ)」

開花時期は、 7/10 ~ 10/15頃。
・北アメリカ地方原産。
・夕方、宵になるのを
 待つようにして花が咲く。


・待宵草の仲間は、
 すごく似ているので、
 同じページ内での扱い
 としました。
 (名前の特定が難しいので・・。
  すみません♪) 

 「大待宵草」
   (おおまつよいぐさ)
   夏の夕方開花、黄色。
   花は大きい。

 「待宵草」
   (まつよいぐさ)
   夏の夕方開花、黄色。
   花は中型。
   花が終わったあとは、
   赤っぽい色になる。

 「小待宵草」
   (こまつよいぐさ)
   夏の夕方開花、黄色。
   花は中型。
   葉っぱには切れ込みがある。
   花が終わったあとは、
   だいだい色になる。

 「雌待宵草」
   (めまつよいぐさ)
   夏の夕方開花、黄色。
   花は小さい。
   花びらのつきかたによって
   「雌待宵草」と
   「荒地待宵草
    (あれちまつよいぐさ)」
   に分ける説もある。

 「月見草」も待宵草の仲間だが、
 名前まで特定した写真を
 まだ撮れていません。



(季節の花300より)




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季節の花「女郎花(おみなえし)」

2017-09-27 04:24:13 | 暮らし
名言名句(16)

「鰯雲(いわしぐも)人に告ぐべきことならず」 加藤秋邨

鰯雲は仰いでいると、様々な想いが湧いてきます。

「告ぐべきこと」がいったい何なのか、それはきっと、

自分の胸の中にじっと秘めておきたいことがらなので

しょう。人には、必ずこういう状態にぶっかることが

あります。他人には決して言えない、自分一人の秘め

ごとは、悲しみの色合いで、いつまでもそっとしておき

たいものです。鰯雲は「広辞苑」第三版によると「巻積

雲または高積雲で、高度五千~一万三千メートルに生ずる。

鯖雲・鱗雲・羊雲とも呼ばれ、漁夫は鰯大漁の兆しとする」

とあります。秋を感じさせてくれ鰯雲は、いろんな俳句に

詠まれていますが、秋邨のこの俳句ほど、実感のある句は

少ないでしょう。

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月から咲いている花「女郎花(おみなえし)」

開花時期は、 7/ 5 ~ 10/10頃。
・黄色い清楚な5弁花。
 山野に生える。

・「おみな」は「女」の意、
 「えし」は古語の
 「へし(圧)」で、
 美女を圧倒する美しさから
 名づけられた。

 また、もち米でたく
 ごはん(おこわ)のことを
 「男飯」といったのに対し、
 「粟(あわ)ごはん」
 のことを「女飯」といっていたが、
 花が粟つぶのように
 黄色くつぶつぶしていることから
 「女飯」→「おみなめし」
     →「おみなえし」
 となった、
 との説もある。

・漢字で「女郎花」と
 書くようになったのは
 平安時代のなかば頃から、
 と言われている。


・根は漢方薬になる。

・「男郎花(おとこえし)」
 という花もあり、
 こちらは白い花。
 形はそっくりだが
 女郎花より
 「力強く」見えるとのこと。


・別名
 「粟花」(あわばな)、
   黄色い花が
   粟に似ているから。

 「思い草」(おもいぐさ)。


・8月16日の誕生花(女郎花)
・花言葉は
 「約束を守る」(女郎花)


・「手にとれば
  袖(そで)さへ匂ふ  女郎花
  この白露に 散らまく惜しも」
   万葉集 作者不詳

 「女郎花 秋萩凌ぎ さを鹿の
  露分け鳴かむ
  高円(たかまど)の野そ」
   万葉集 大伴家持

 「さを鹿の
  己が棲む野の 女郎花
  花にあかずと
  音をや鳴くらむ」
   金槐和歌集 源実朝

 「ひょろひょろと
  猶(なお)露けしや 女郎花」
   松尾芭蕉



(季節の花300より)





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季節の花「松葉牡丹(まつばぼたん)」

2017-09-26 04:22:14 | 暮らし
名言名句(15)

「朝目覚めて/私が着替えるときお前はもうすでに
 /けものへんを着ている」野中美弥子


「恋犬」と題された詩の書出しの四行です。飼犬に対する

深い愛情に満ちたこの詩のおしまいは、次のように結ばれ

ます。

「決してまじわrない距離にある/愛のかなしみ/夜/おまえ

はわたしの腕の中で/撃たれて死んだ/さみしい小鳥のかたち

で眠る」撃たれて死んださみしい小鳥のかたちで眠る、

という詩句には、愛玩犬に対する愛といたわりの眼がひしひし

と伝わってきます。

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7月から咲いている花「松葉牡丹(まつばぼたん)」

開花時期は、 7/ 1 ~ 10/25頃。
 長い間咲き続ける。

・「松葉牡丹」の葉っぱは棒状で細い。
 花が八重咲きが多いが一重もある。
 「ポーチュラカ」の葉っぱは
 幅が太い。花は一重咲き。
 2つは、葉っぱの形状で区別できる。
 双方とも、多様な色の品種がある。

 「松葉牡丹」
 「ポーチュラカ」ともに
 よく似てるので、
 同一ページにしました。


・「松葉牡丹」の名前は、
 線形の葉を「松」に、
 花を「牡丹」に
 見立てたことから「松葉牡丹」に。

・「ポーチュラカ」の別名は
 「花滑り莧
  (はなすべりひゆ)」。
   滑り莧、の改良種で、
   花がきれいなところから。



(季節の花300より)





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