5月15日燃料油脂新聞より
(静岡)
大手とは真逆の生き方
系列回帰進むなか 業界あり方問う試み
「自分で考え自分で決める 本当に楽しいー」
(一部抜粋)
(系列回帰の一方で)静岡県内の今後の石油・SS業界のあり方を問う試みが年明け以降に連続してあった。
5月連休明けに地場フルサービス店がどこにも属さないPBサインポールを掲げ始めた。今年に入って2例目となる。
業転玉への不安感ばかりが高まるなかで地場フルSS業者の決断の背景に迫った。
「防火壁と計量機はエイジング加工の塗装でビンテージ感を出そうと思っている。自分で考えて自分で決めることは本当に楽しい」。
30代の若手経営者の顔は明らかにすっきりした表情だ。
八方ふさがりの状態から突き抜け、これまで積み上がってきた憤りは、もう完全に吹き飛んだようだ。
系列仕切りと業転玉の価格差に頭を悩ませ、燃料商社(特約店)とのボタンの掛け違い、最近2年間に当事者間で何度も交渉したものの、出てくる答えは怒りと不安だけだった。
「40年間にわたる取引の袂を分かつ」。昨年末、若手経営者は父親の社長と今後のことを本音で話し合った。
同社にとって、系列サインポールを掲げながら業転玉を取り続けることへのストレスは想像以上のものだったのかも知れない。
「答えが出ない中途半端な状態がずっと続くようなものだった。これは私にとって非常に辛かった。元売とのパイプが太く短い大手特約店にはまったく理解できないかも知れないが、独自PBのほうになぜか未来を感じた。系列サインポールを掲げているからからといって元売や燃料商社(特約店)が小規模な地場業者を助けてくれるということは絶対にない。」
独自サインポールを掲げるまでの流れは若手経営者にとってそれほど苦ではなかった。
1月に独自PBになることを決断、2月に燃料商社、元売仕様のPOSシステムを独自PB向けに変更、POSや計量器の機器そのものは継続して使用でき、むしろクレジットカードの対応数が広がり、読み取り速度もなぜか早くなった。
一般的には独自PB化への移行はいくつかの高いハードルがともなう。
同社のケースは資金繰りに余裕があり、燃料商社への支払いサイトの末締め翌月末払いの清算はすでに業転玉の購入量が増大していたため負担感は軽く、燃料商社(特約店)に預けていた1カ月超相当の現金担保も戻ってくる。
また元売クレカの割合が売上高の数%に過ぎなかったことも独自PB化への抵抗感を薄くした。
事情通は
「元売がリファイナリーを明日から半分にしない限り、業転玉の需給についてはまったく心配はない。仮にリファイナリーを半分にしても、それ以上の勢いで深刻な需要減が続いている。大きな構造変化が起こっている。5月以降もとにかく末端が売れていない」とコメントする。
※楽しいだろうと思います。
きっと上手くいくと思います。
静岡でPB化の一例目はこちらです。
2017年04月14日
経営の自由求めPBへ どこにも属さず独自運営
早期に業界の流れを読んで他社買いからPB化されたst31さんは掲示板にこう書かれています。
http://st31.com/bbs/index.php
・商道徳として、系列店への業転見積や売り込みはしにくくなりました。
*同じ業転でも、系列店の【浮気買い】はダメよ×
※
>商道徳
これまでもう何十年も、これが無かった業界です。
http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/64335d0925debe46d2318daf8277f577
PS
私は昔こうちゃんに言いました。
「業転を取らずに店を続けるなんて自殺行為だよ」
今はこう言えます。
「もし業転を取っていたら、うちの店は死んでいた」
“それぞれ”なんです。
それぞれの商圏の状況、その中での自店の客層等、色々と勘案して、
自分の店をどのようにやっていくのかー
決めるのは他の誰でもなくそのお店の経営者です。
>シンエネが会員119円、プリカ会員114円に
※近隣にここまで安売りする店があると1SS業者では例え全量業転仕入れのPBになったとしても価格での競争は困難かと思われます。
さらに追記
シンエネは旧TG系。
JXTGエネルギー社長@「キチンとした売り方」を表明
>「キチンとした売り方をすることはその第一歩。多少時間がかかるかも知れないが、徹底的にこだわり何が何でも実現したい」
これは4月のこと。
PBには様々な負担がこの先も出てきます。
10日毎の石油協会の分析
制服
POSの改修
SSの塗装
クレジット手数料の増大
元売が負担していた経費も自らの判断で投資しなければなりません。
PBもブランド店もそれぞれの覚悟が必要です。
元売の制服には静電気防止が施されています。
なので消費者が自分で給油するセルフは静電気除去のためのタッチパネルがあり、それにタッチしてから給油しなければならないはずです。
ズボンはジーンズの私が偉そうには言えないのですが、PBでフルサービス形態の制服は消防法的に何か規制があるのかないのか少し気になりました。
フルにも私のために(スタッフのために)タッチパネルが欲しいです。
>昔、チェーンをぶらさげていましたね。
私は“まだ若い”ので(^皿^)そんな昔のことは知りましぇ~ん(笑)
主人にきいたら「あったあった。普通乗用車も付けとった。よう売れた」、ですって。
油外商品だったんですねw
落ち着いて考えると元売りとしても弱小系列は必要ないのかもしれませんね(>_<)
当方では20年前から顕著になった“格差”。
この理不尽さは何故なのか、捻り出した出た答えがそれです。
主人は最初、「そんなバカなことあるはずがない(これまで自分たちが元売に代わって販売を担ってきたという自負)」と頑として認めませんでしたが、今は「お前の言うのが当たっていたかもな」と言っています。
※個人的な想像ですが「請負人越後屋」としてカテゴリー「作り話」のなかに書きました。
でも!
その弱小地場店が系列であることを必要とされる法人客もおられるわけです。
消防法違反を行ったり、混油などの不正を行ったり、詐欺まがいの押し売りを行ったりー
そうした販売店からマークを剥奪するなら分かりますが、現実は・・・。
元売には2012年8月の新聞広告を思い出して頂きたいと思います。
http://blog.goo.ne.jp/m128-i/e/acb72c7719a75f0e0956555c7b96dc35
>インターネットにて販売されている系列オイル等を見ると、当店仕切りより安かったりします
困りますよね。
値段のことを言う方にはネットでの購入をお勧めしますが、後々の事を考えるお客様は結局当店にご注文して下さいます。
我々のような販売店には、元売りの看板を挙げさせてやっているという感覚なのではないかと思います。
でなければ、元売り各社のオイルを大量に仕切り以下で販売する業者が現れる事はないと思います。
「商道徳」という言葉がない業界である事の証左ですね。
masumiさんのお店はいいお客様に恵まれているのがうらやましいです。
お蔭様でこうして店を続ける事が出来ております。