masumiノート

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潮騒

2014年01月16日 | 本・映画
潮騒 (新潮文庫)
三島 由紀夫
新潮社

「おれはいつか、働いて貯めた金で機帆船買うて、弟と二人で、紀州の木材や九州の石炭を輸送しようと思っとるがな。そいでお母さんに楽をさせてやり、年を取ったら俺も島にかえって、楽をするんや。 どこを航海していても島のことを忘れず、島の景色が日本で一番美えように、 またァ、島の暮らしはどこよりも平和で、どこよりも仕合せになることに、力を協せるつもりでいるんや。 そうせんと島のことを、誰も思い出さなくなるよってなあ。 どんな時世になっても、あんまり悪い習慣は、この島まで来んうちに消えてしまう。 海がなァ、島に要るまっすぐな善えもんだけを送ってよこし、島に残っとるまっすぐな善えもんを護ってくれるんや。 そいで泥棒一人もねえこの島には、いつまでも、まごころや、まじめに働いて耐える心根や、裏腹のない愛や、勇気や、卑怯なとこはちっともない男らしい人が生きとるんや」

*****

無口な新治が訥々と初江に喋った言葉。

「潮騒」、イイネ。





忘れてしまったかもしれない羞恥心に  恥じた。