masumiノート

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業転にやられちゃう

2012年02月08日 | ガソリンスタンド

外は吹雪いています。
今日明日はまた厳しい寒さになりそうです。
こんな吹雪の中でも荷降ろし作業をされているローリー運転手の皆さん、ありがとうございます。

今日も業界紙を読んでいて、昔は必要悪だった業転がいつの間にか公然の秘密になり、今ではすっかり市民権を得たのだなぁ・・・と思いました。

元売系SSは12月末現在で28199SS、ピーク時の半分に減少
月100ヶ所減ペースが持続しているそうです。

そして「生き残りへ独自経営を」という記事では大阪府内業者が、
元売に依存していては破滅に向かう、脱却が最善、として、

「元売とは、まずは付かず離れずにひそかに業転を購入しながら仕入先を多様化し、元売カードなど元売色の強い販促物からも徐々に離脱し、現金仕入れできる財務状態をつくりあげていったら、独自路線が歩める強い経営体質のSS企業に生まれ変わることができ、元売離れしても立派に生きていけるようになる」
と説かれています。


現金仕入れできる財務状態ね(^^)

昨年秋に業転屋さんが営業に来られて、こちらにその気がないのを察すると「現金仕入れがネックでしょうねぇ」なんて言われて、その気がないので「そうですね」と受け流しましたが、
うちの店、ありますよ。
仕入れ資金の現金は、その気になれば用意できます(^^)v

***

価格競争に勝つための「
安値看板」は、
抱えていた配達の為の車両や人員をコスト削減のために省き、
Cash on Deliveryで効率化を図り、
フルからセルフに形態を変え、

cash flowが悪くなる“掛け取引”を省いた「結果」です。

だから、掛け取引や配達を望む消費者は、安値看板を引き合いに価格交渉するのは間違っている。

だけど、そういうことはちっとも加味されない。
何故なら業界の実情を知らないから。

仕切りにそれほど大きな差があるとは思っていないし、配達や掛けに要するコストにも知らないから
 「A店は○○円で売っているのに、何故お前のところはこんなに高いのだ」となる。

そして説明しても聞く耳を持ってもらえない。

本当に、昔ながらのスタイルでやっていくのは難しくなりました。


・・・企業、特に製造業では、PL法や品質マネジメントのISOなどの絡みから、製造過程で必要な原材料や品物について、分析表や試験表またはマニフェスト(産業廃棄物管理票)などが必要不可欠になっており、そういう企業にとって燃料油等の取引先はPBでは用を成さないと思われますので、元売系列の小回りの利く販売店が必要なのです。

そしてそういう企業と取引をしている販売店は、元売の名前で保証するMSDS等を提出するのですから、系列ルート以外の業転玉を仕入れる行為は詐欺詐称に当たるでしょう。

しかし、悲しいかな
現実は、業転を仕入れている系列販売店でも、元売発行のMSDSや分析表を入手することは容易く、それが横行している可能性は否定できないものと思われます。

また、企業の方も“カタチだけ”で「それで良し」とするものと想像します。

だから、私のように「系列が業転取るならマークを下ろせ」なんて吠えているのは、どちらの方面にとっても迷惑なハナシなのかも知れませんね。

でもヤメナイけどね( ̄∀ ̄*)イヒッ
 

 


商売人

2012年02月08日 | ガソリンスタンド

2/7 燃料油脂新聞より

【新潟】
熾烈な価格競争が繰り広げられるなか、系列仕入れでは戦えないと業転取引に関心を寄せる業者が増えている。販売店の声を拾った。

新潟市郊外の販売店は系列に愛着を持ち商売を行ってきたが、これまでのやり方には「限界を感じている」と経営者。
市況の低迷でSS収支の赤字が続いているためだ。
その原因を「業転との価格差があまりにもかけ離れているため」といい、赤字のため日々の悩みは尽きない。

現座は高齢者向け施設などへの灯油配達をローリーに積めるだけ業転で仕入れている。
同販売店はSS以外の地下タンクを持たない小規模なフルサービスSS。
効果的な業転取引ができず「敷地外にタンクが無い。自由に使えるタンクがないものか」とつぶやく。

一方、別の販売店は系列玉を入れるのはだいたい月に1回だけで、12月は業転しか買っていないという。

同販売店はSS敷地外に灯油と軽油のタンクを持ち、そちらを自由に使ってきたが、自由化後SS収支が赤字に傾くと躊躇なくSS地下タンクにも業転ガソリンを入れるようになった。

同販売店経営者は商売人そのもの。
「SS敷地内の地下タンクは私どもの所有物。自由に使うのは当然ではないか。1円でも安い玉を捜し、あればそちらを買う。それが商売ってものだ。小売業は利益を出すのに必死なのだから」と心得を語った。


 

ふーん。じゃあ、うちら夫婦は完璧に商売人ではないです。
前からそう思っていたけど、やっぱりそうなんだ。
わたしら商売人じゃないわ(笑)

でもね・・・
「1円でも安く買う」そりゃそうですけど、その前にルールというかモラルというか、そういうものがあると思うのですけど・・・

うちの地下タンクも自己所有物ですよ。
でも、(非常時は別としても)店頭に元売マークを掲げておきながらその元売の商品(系列玉)ではないモノを、お客さんに知らん顔して売るなんてことは出来ません。

また、「元売も仕入先の一つ」という考えは、私もその通りだと思います。
ただそれはあくまで元売のマークを掲げていない販売店の場合に限られると思うのです。

でなければ元売マークの意味がないと思いませんか?

業転を仕入れるのなら1月25日に日経の記事になっていた「新出光」のように元売のマークを下ろせば良いのです。
※日経ネットの記事はもう消えているので「すきま風」参照)

それが出来ないならせめて「正規ルートは高いので、安い業転玉を仕入れています」と消費者に公言してください。
昔と違って今ではそれが“当たり前”のようになっているのですから、誰からも非難されないでしょうよ(アハハ←乾いた笑い)
 

同紙より
新出光「ブランド料」で苦言 元売に利益不均衡改善求める

九州最大の特約店である新出光が自社SSの3割をPBに切り換えることが一般紙で報道され、波紋が広がっている。

新出光では、積極的なコスト削減に取り組んでいるが、元売と販売業者の利益配分の不均衡の是正は大きな課題で、その解消への思惑が今回の報道の背景。

元売幹部は「業界発展を願う」と機会あるごとに述べるが、差別対価や業転放出で市況環境が乱れていることには“知らぬふり”や、乱戦に参加する子会社の行動など、元売姿勢の矛盾に対する“苦言”がマークダウンという強行姿勢を示した。


因みに元売最大手のJXHDの経常益は3400億円だそうです。

 

話しは戻りますが・・・
「系列販売店は業転玉を仕入れなければ生き残れない」
「店を存続させてこそ消費者のためになる」

その通りだよね・・・

でも、
「店を存続させるために系列販売店が正規ルートではない業転玉を仕入れて、それを公表せずに売る」
それを何の躊躇いも無くやれる神経が私には分からない。

もし跡を継ぐ子が業界の歪みを知らないとして
自分の子に
「正規ルートの系列玉では赤字になるから、契約違反だけど業転玉を仕入れろ。客には内緒にして売れば良いから 黙っていれば客には分からないから」なんてコトを平然と教えられる親がいるのかな・・・

もしそうなら・・・

悲しいことやね。