[3月15日16:44.天候:晴 千葉県市川市 京成八幡駅→都営地下鉄八幡駅]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
埼玉でまさかのBOWの襲撃に遭い、気が付いたら千葉県の東部にいたでござるという展開があった。
で、今は電車に乗って事務所へ向かっているところ。
さすがに高野君も驚いていたようだ。
〔「まもなく八幡、八幡です。お出口は、右側です。都営地下鉄新宿線は、お乗り換えです。八幡の次は、高砂に止まります。通過となります菅野、市川真間、国府台、江戸川、小岩をご利用のお客様は降りたホームでお待ちください。各駅停車、上野行き、47分に参ります」〕
東京都営地下鉄でありながら、唯一千葉県にある駅。
京成電鉄の本社もここにある。
〔「ご乗車ありがとうございました。京成八幡、京成八幡です。都営地下鉄新宿線は、お乗り換えです。快速特急、上野行きです。京成高砂、青砥、日暮里、終点京成上野の順に止まります」〕
私達は電車を降りた。
ここからJR総武線に乗り換えることもできるが、ライバル関係だからなのか、京成では一切案内しない。
恐らくJR側も案内しないだろう。
両社に挟まれ、一応の中立を保っている都営地下鉄だけが案内されるわけだ。
リサ:「おー、あったあった」
絵恋:「うん、あったね」
何故かここでJC2人が騒ぐ。
愛原:「何が?」
リサ:「ここにも東京中央学園」
リサが駅の看板を指さした。
どうやらここに、東京中央学園市川中学校と高校があるらしい。
埼玉の佐藤栄学園みたいに、あちこちにあるみたいだ。
看板の写真を見る限り、こちらの方が校舎も新しくてきれいっぽい。
リサ達が高等部に上がる時、上野キャンパス、池袋キャンパス(但し、こちらは工業科)と市川キャンパスがいいか選べるらしいが……。
こちらが一番新しいそうだ。
高等部の看板に写る見目麗しい男女生徒の制服は中等部と酷似しているが、ブレザーがシングルかダブルか、あとワッペンの装飾が若干異なる。
愛原:「なるほど。通学はこっちの方が電車一本で済むから、楽かもなぁ……」
上野キャンパスだと、どうしても岩本町駅から秋葉原駅へ徒歩連絡しなければならない。
少女達を悪い意味で寄り道させる何かが、あそこにはあるからなぁ……。
まあ、まだあと1年あるし。
都営地下鉄本八幡駅に移動する。
ここでちょっとトイレ休憩。
愛原:「なあ、高橋」
高橋:「何ですか?」
愛原:「霧崎さん、お気に入りのアーミーナイフを手放したことを気にしてるみたいなんだ。オマエ、一緒に行って買ってやらないか?」
高橋:「アーミーナイフっスか」
愛原:「そう。多分ああいうのはミリタリーショップで手に入れるものだろう?サバイバル道具の1つとして」
高橋:「まあ、そうっスね」
愛原:「せっかくだから、ガンショップに行って新しいハンドガンでも見繕ってこいよ。マグナム44だけじゃ、重くて持ちにくいだろう」
高橋:「俺はいいんですけどね。今さら弱っちぃハンドガンなんて」
愛原:「まあそう言うなって。ここで漢を見せれば、霧崎さんも少しはオマエのことを見直してくれねかもよ?」
高橋:「何ですと!?……あ、いえ……。せっかくの御指導ですが、あいにくとカネが無くて……」
愛原:「心配要らん。埼玉のバイオテロ事件、活躍したのはオマエと霧崎さんだ。これは霧崎さんにも言ったんだが、こういう場合、BSAAから協力謝礼金が出る。その金で買えばいいだろう」
高橋:「マジっスか!」
カネの無い国連組織より、どこに活動費があるんだか、“青いアンブレラ”の方が実は賞金が高いんだけどな。
愛原:「自粛要請が強まるか、報奨金が先に出るかだが、金の方が先に出たら、それでミリショに行けばいい。店は……まあ、オマエが自分で探せ」
高橋:「はい!」
トイレを出る。
愛原:「しかし、アレかな?霧崎さんもなかなか立派なナイフを持っていただろう?もしかして、霧崎さんは霧崎さんで行きつけの店とかあるのかな?」
高橋:「ちょっとそれは……聞いたこと無いっスね。まあ、俺が探してみます。都内でいい店っスね」
愛原:「ああ。漢を見せるチャンスだぞ?」
高橋:「はい!」
そうしているうちに女性陣もトイレから出て来て、私達はホームに向かった。
この駅が始発駅なので、そんなに慌てて乗る必要は無い。
急行電車は無いようで、各駅停車しかいなかった。
もちろん、菊川駅は各駅停車しか止まらないので、それでいい。
黄緑色の塗装と、同じ色のイチョウのマークの東京交通局の車両に乗り込んだ。
〔「ご案内致します。この電車は17時6分発、各駅停車の新宿行きです。途中駅での急行電車の通過待ちはございません。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
ブラウンと薄緑色が特徴の座席に腰かける。
多少、椅子は硬め。
霧崎:「あの、愛原様。ちょっとよろしいでしょうか?」
向かい側に座っていた霧崎さんが私に話し掛けて来た。
愛原:「あ、はい。何でしょうか?」
だが、霧崎さんは高橋を気にした。
愛原:「ああ、じゃちょっとこっちへ」
私は席を立つと、1度ホームへ降りた。
愛原:「何でしょうか?」
霧崎:「先ほど、BSAAから報奨金が出ると仰いましたが……」
愛原:「ええ。あのパターンだと出るはずですよ」
霧崎:「それはどれくらいで、いつ頃出ますか?」
愛原:「そうですねぇ……。BSAAへの貢献度によりますから、ピンキリですよ。で、国連組織だからちょっと遅いんですよね。今日が15日でしょう?早くて月末といったところでしょうねぇ……」
霧崎:「そうですか……」
愛原:「何か、気になることでも?」
霧崎:「いえ、ありがとうございます」
霧崎さんはそう言って車内に戻った。
だが、私は見逃さなかった。
彼女が私の質問に対し、チラッと自分の左足を見たのを。
恐らく彼女としても、早くナイフを新調したいのだ。
だが、アーミーナイフは結構高い。
多分、いつものメイドの給料では買えないのだろう。
それで、報奨金を当てにしているものと思われる。
私から善場主任に口添えしておくか。
善場主任は日本政府エージェントだが、私とBSAAとのパイプ役でもある。
私はそう考えながら車内に戻った。
[同日17:06.天候:不明 千葉県市川市 都営地下鉄新宿線1723T電車最後尾]
始発駅だからか、発車ベルがホームに鳴り響く。
それと同時に社外スピーカーからも発車メロディが鳴る。
〔2番線から、各駅停車、新宿行きが発車致します。駆け込み乗車は、危ないですからおやめください〕
〔ドアが閉まります〕
それからJR東日本の電車と同じドアチャイムが鳴ってドアが閉まった(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a6/Toei10-457_doochime.ogg)。
微かに聞こえる発車合図のブザー。
都営新宿線はワンマン運転はされておらず、車掌が乗務している為。
〔この電車は各駅停車、新宿行きです。次は篠崎、篠崎。お出口は、右側です〕
〔Thank you for using the Shinjyku line.This is the local train bound for Shinjyuku.The next station is Shinozaki(S20).〕
愛原:「高橋、事務所に着いたら話がある。いいな?」
高橋:「あ、はい。俺、何かミスしましたか?」
愛原:「いや、そういう話じゃない」
そうだな。
あとはリサにも協力してもらおうか。
私は若い2人を応援する為、探偵のスキルを活用することにした。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
埼玉でまさかのBOWの襲撃に遭い、気が付いたら千葉県の東部にいたでござるという展開があった。
で、今は電車に乗って事務所へ向かっているところ。
さすがに高野君も驚いていたようだ。
〔「まもなく八幡、八幡です。お出口は、右側です。都営地下鉄新宿線は、お乗り換えです。八幡の次は、高砂に止まります。通過となります菅野、市川真間、国府台、江戸川、小岩をご利用のお客様は降りたホームでお待ちください。各駅停車、上野行き、47分に参ります」〕
東京都営地下鉄でありながら、唯一千葉県にある駅。
京成電鉄の本社もここにある。
〔「ご乗車ありがとうございました。京成八幡、京成八幡です。都営地下鉄新宿線は、お乗り換えです。快速特急、上野行きです。京成高砂、青砥、日暮里、終点京成上野の順に止まります」〕
私達は電車を降りた。
ここからJR総武線に乗り換えることもできるが、ライバル関係だからなのか、京成では一切案内しない。
恐らくJR側も案内しないだろう。
両社に挟まれ、一応の中立を保っている都営地下鉄だけが案内されるわけだ。
リサ:「おー、あったあった」
絵恋:「うん、あったね」
何故かここでJC2人が騒ぐ。
愛原:「何が?」
リサ:「ここにも東京中央学園」
リサが駅の看板を指さした。
どうやらここに、東京中央学園市川中学校と高校があるらしい。
埼玉の佐藤栄学園みたいに、あちこちにあるみたいだ。
看板の写真を見る限り、こちらの方が校舎も新しくてきれいっぽい。
リサ達が高等部に上がる時、上野キャンパス、池袋キャンパス(但し、こちらは工業科)と市川キャンパスがいいか選べるらしいが……。
こちらが一番新しいそうだ。
高等部の看板に写る見目麗しい男女生徒の制服は中等部と酷似しているが、ブレザーがシングルかダブルか、あとワッペンの装飾が若干異なる。
愛原:「なるほど。通学はこっちの方が電車一本で済むから、楽かもなぁ……」
上野キャンパスだと、どうしても岩本町駅から秋葉原駅へ徒歩連絡しなければならない。
少女達を悪い意味で寄り道させる何かが、あそこにはあるからなぁ……。
まあ、まだあと1年あるし。
都営地下鉄本八幡駅に移動する。
ここでちょっとトイレ休憩。
愛原:「なあ、高橋」
高橋:「何ですか?」
愛原:「霧崎さん、お気に入りのアーミーナイフを手放したことを気にしてるみたいなんだ。オマエ、一緒に行って買ってやらないか?」
高橋:「アーミーナイフっスか」
愛原:「そう。多分ああいうのはミリタリーショップで手に入れるものだろう?サバイバル道具の1つとして」
高橋:「まあ、そうっスね」
愛原:「せっかくだから、ガンショップに行って新しいハンドガンでも見繕ってこいよ。マグナム44だけじゃ、重くて持ちにくいだろう」
高橋:「俺はいいんですけどね。今さら弱っちぃハンドガンなんて」
愛原:「まあそう言うなって。ここで漢を見せれば、霧崎さんも少しはオマエのことを見直してくれねかもよ?」
高橋:「何ですと!?……あ、いえ……。せっかくの御指導ですが、あいにくとカネが無くて……」
愛原:「心配要らん。埼玉のバイオテロ事件、活躍したのはオマエと霧崎さんだ。これは霧崎さんにも言ったんだが、こういう場合、BSAAから協力謝礼金が出る。その金で買えばいいだろう」
高橋:「マジっスか!」
カネの無い国連組織より、どこに活動費があるんだか、“青いアンブレラ”の方が実は賞金が高いんだけどな。
愛原:「自粛要請が強まるか、報奨金が先に出るかだが、金の方が先に出たら、それでミリショに行けばいい。店は……まあ、オマエが自分で探せ」
高橋:「はい!」
トイレを出る。
愛原:「しかし、アレかな?霧崎さんもなかなか立派なナイフを持っていただろう?もしかして、霧崎さんは霧崎さんで行きつけの店とかあるのかな?」
高橋:「ちょっとそれは……聞いたこと無いっスね。まあ、俺が探してみます。都内でいい店っスね」
愛原:「ああ。漢を見せるチャンスだぞ?」
高橋:「はい!」
そうしているうちに女性陣もトイレから出て来て、私達はホームに向かった。
この駅が始発駅なので、そんなに慌てて乗る必要は無い。
急行電車は無いようで、各駅停車しかいなかった。
もちろん、菊川駅は各駅停車しか止まらないので、それでいい。
黄緑色の塗装と、同じ色のイチョウのマークの東京交通局の車両に乗り込んだ。
〔「ご案内致します。この電車は17時6分発、各駅停車の新宿行きです。途中駅での急行電車の通過待ちはございません。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
ブラウンと薄緑色が特徴の座席に腰かける。
多少、椅子は硬め。
霧崎:「あの、愛原様。ちょっとよろしいでしょうか?」
向かい側に座っていた霧崎さんが私に話し掛けて来た。
愛原:「あ、はい。何でしょうか?」
だが、霧崎さんは高橋を気にした。
愛原:「ああ、じゃちょっとこっちへ」
私は席を立つと、1度ホームへ降りた。
愛原:「何でしょうか?」
霧崎:「先ほど、BSAAから報奨金が出ると仰いましたが……」
愛原:「ええ。あのパターンだと出るはずですよ」
霧崎:「それはどれくらいで、いつ頃出ますか?」
愛原:「そうですねぇ……。BSAAへの貢献度によりますから、ピンキリですよ。で、国連組織だからちょっと遅いんですよね。今日が15日でしょう?早くて月末といったところでしょうねぇ……」
霧崎:「そうですか……」
愛原:「何か、気になることでも?」
霧崎:「いえ、ありがとうございます」
霧崎さんはそう言って車内に戻った。
だが、私は見逃さなかった。
彼女が私の質問に対し、チラッと自分の左足を見たのを。
恐らく彼女としても、早くナイフを新調したいのだ。
だが、アーミーナイフは結構高い。
多分、いつものメイドの給料では買えないのだろう。
それで、報奨金を当てにしているものと思われる。
私から善場主任に口添えしておくか。
善場主任は日本政府エージェントだが、私とBSAAとのパイプ役でもある。
私はそう考えながら車内に戻った。
[同日17:06.天候:不明 千葉県市川市 都営地下鉄新宿線1723T電車最後尾]
始発駅だからか、発車ベルがホームに鳴り響く。
それと同時に社外スピーカーからも発車メロディが鳴る。
〔2番線から、各駅停車、新宿行きが発車致します。駆け込み乗車は、危ないですからおやめください〕
〔ドアが閉まります〕
それからJR東日本の電車と同じドアチャイムが鳴ってドアが閉まった(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a6/Toei10-457_doochime.ogg)。
微かに聞こえる発車合図のブザー。
都営新宿線はワンマン運転はされておらず、車掌が乗務している為。
〔この電車は各駅停車、新宿行きです。次は篠崎、篠崎。お出口は、右側です〕
〔Thank you for using the Shinjyku line.This is the local train bound for Shinjyuku.The next station is Shinozaki(S20).〕
愛原:「高橋、事務所に着いたら話がある。いいな?」
高橋:「あ、はい。俺、何かミスしましたか?」
愛原:「いや、そういう話じゃない」
そうだな。
あとはリサにも協力してもらおうか。
私は若い2人を応援する為、探偵のスキルを活用することにした。
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