[8月19日23:00.廃ホテル“シークルーズ”地下研究所跡 敷島、アリス、キール、エミリー]
敷島達の前に立ちはだかったのは、重厚な銀色の鉄扉。
同じ重厚性と言えど、1Fホールにある舵輪型の物より冷たく、無機質である。
当然ながら、このドアも施錠されていた。
「ここにカードリーダーがあるな」
恐らくは21世紀に入ってから実用化されたであろう、非接触型カードリーダー。
駅の改札口などで見かける、リーダ―にスライドさせなくても、カードを当てるだけでゲートが開くあの読取機だ。
敷島はケンショーレッドから受け取ったカードキーを読取機に近付けた。
ピーン!(カードリーダーからのアラーム)
カチッ!
「開いた!」
読取機のランプが青色に光り、電子ロックが解除された。
「開けるぞ?」
敷島は、まるで劇場の客席に行くドアのように重いドアをゆっくり開けた。
新型の読取機といい、ウィリーがこのホテルが廃業した後、乗っ取って秘密の研究施設を構えたと見て間違い無いだろう。
中は元・地下駐車場とは思えないほど意外に明るく、天井が高くなっていた。
空間が広いということは、1つデメリットがある。
「!」
「うわっ!撃ってきた!」
遠くから敵に狙撃されやすいということである。
エミリーは右腕をライフルに変化させ、先程発砲したロボットの頭部を撃ち抜いた。
電子頭脳を破壊された狙撃ロボットは吹き抜け通路から下に転落し、床に激突して火花を噴き、動かなくなった。
遠距離の攻撃において、ショットガンは威力が落ちるので不利だ。
「おい、お前ら!ここにいる女を何と心得る!?お前達を作ったウィリアム・フォレストの孫娘、アリス……」
敷島は銃口をこちらに向けているロボット数体に呼び掛けた。
が、
「参事、危ない!」
キールが敷島をコンテナのような箱の陰に引っ張った。
直後、さっきまで敷島のいた場所がライフルの集中砲火を浴びた。
「残念ですが・敷島さん、奴らは・私達を・完全に・侵入者と・認識している・もようです。排除します」
「やったれやったれ!」
狙撃ロボットは動きが遅く、こちらとの間合いが詰まらない。
エミリーは冷静に狙撃ロボット達の頭部を撃ち抜いて破壊した。
「片付き・ました」
「よっしゃ!先へ進もう」
敷島は物陰から出た。
「新手が来たりはしないだろうな?」
「可能性は捨てきれません。ですが、スキャンしながら進みますので、ご安心ください」
「そうか」
アリスは資料棚の中から、1つの重要資料を見つけた。
それは、この研究所で開発されたロボットの種類とその性能などが詳しく書かれたものだった。
廃ホテル内で表れたクリーチャーロボは、搭載機器を最低限に抑え、その代わり人工タンパク質に特殊な改良を加えることで、より柔軟性に富ませものだという。
こうすることで狭い所からでも容易に進入でき、敵を追い詰めるのだそうだ。
但し、試作ということもあってか、体内で使用しているオイルとの相性が悪く、外から衝撃を加えられ、白いタンパク質とオイルが混ざってしまうと、ドロドロに体が溶けてしまう作用があるとのこと。
倒すとズブズブに崩れ落ち、血のように赤いオイルが漏れ出して、あたかも血だまりのようになる理由がこれで分かった。
試作品なので、性能にばらつきがあるのも合点が行く。
性能を試す為に、わざと廃ホテル内に放ったとのことだった。
廃墟探索と称してやってくる哀れな訪問者をどのように追い詰め、攻撃するかの実験だ。
ということは、あの気持ちの悪いクリーチャーは、この研究施設にはいないということだ。
代わりに、狙撃ロボットとかがいるわけか。
それは動きは遅いが、ロックオンした時の命中率はほぼ百発百中とのこと。
但し、敵を狙撃する使命を与えられてはいても、狙撃されることに関しては無防備な様子である。
そしてもう1つ、気になるロボットが記載されていた。
それは、見た目にはコミカルに太ったヤツ。
人間1人を乗せて動くのだそうだ。
但し、気になる文章があった。
『人間の意識を乗っ取って、あたかもロボットが人間を操っているかのよう……』
と。
何のこっちゃと思った敷島だった。
とにかく、ここにいても埒が明かない。先に進むことにした。
[同日23:30.研究所跡 敷島、アリス、キール、エミリー]
研究所には敷島達にとってはお馴染みのバージョン・シリーズもいた。
アリスのことをウィリーの身内と認識してくれれば苦労は無いが、世の中そんなに甘くはなかった。
いや、認識はしたのだ。だから、バージョン達はアリスには攻撃してこなかった。
そして、マルチタイプのエミリーでさえも……。
だが、エミリーがどんなに攻撃を一切やめるように命令伝達しても、何故か敷島を執拗に攻撃しようとする為、エミリーが代わりに応戦しなくてはならなかった。
「俺が南里所長の側についていたからかな?」
「だったら、エミリーの言う事も聞かないじゃない」
「キールにも奴ら遠慮してんな。何で俺だけ集中攻撃だよ?」
「私は何でも、マルチタイプをモチーフに製造されたようです。そのせいですかね」
「いやー、どうだろう?」
エミリーは別のバージョン4.0の1個体を行動・攻撃不能にした。
電子頭脳までは破壊していない。
エミリーは無言で、バージョン4.0を問い詰めた。
無言でと言っても、実際は電気信号でやり取りしている。
『お前達・どうして・敷島さんだけを・攻撃する?一切の・攻撃を・止めよとの・私の・命令が・聞けないのか?』
『ソ、ソレガ……ソノ……』
『答えろ!さもなくば・破壊する』
『ヒイイイッ!』
エミリーの睨みは、メイドロボットも含め、ほとんどのザコ・ロボットをフリーズさせる。
彼女が財団内で特権階級にいられる理由だ。
『あの“狙撃兵”に・撃って・もらうか?』
狙撃ロボットが銃を構えているが、“人質”がいるため、狙撃できないようだ。
『ウ……ウィリアム博士カラ……「“悪い虫”は駆除せよ」ト、命令サレテルモンデェ……』
『は?お前、フザケたこと・言うと・本当に・破壊するぞ?』
『フザケテマセン!本当デス!本当デス!』
『敷島さんと・ドクター・アリスは・既に・御結婚されている。ドクター・ウィリーの・その命令は・無効だ』
『データニ無イモンデェ……』
直後、痺れを切らした狙撃ロボットがエミリーに向かって発砲した。
エミリーは尋問していたバージョン4.0を狙撃ロボットに投げつけた。
バージョン4.0は狙撃ロボットの銃弾に当たった上、それと激突して火花を噴いた。
「で、何だったんだ?」
「……たまたまの・ようです」
エミリーは優秀な人工頭脳をフル稼働させて、敷島に曖昧に答えた。
「まあ、こいつらの考えることだからな。あらかた片付いたみたいだし、先へ進もう」
敷島達の前に立ちはだかったのは、重厚な銀色の鉄扉。
同じ重厚性と言えど、1Fホールにある舵輪型の物より冷たく、無機質である。
当然ながら、このドアも施錠されていた。
「ここにカードリーダーがあるな」
恐らくは21世紀に入ってから実用化されたであろう、非接触型カードリーダー。
駅の改札口などで見かける、リーダ―にスライドさせなくても、カードを当てるだけでゲートが開くあの読取機だ。
敷島はケンショーレッドから受け取ったカードキーを読取機に近付けた。
ピーン!(カードリーダーからのアラーム)
カチッ!
「開いた!」
読取機のランプが青色に光り、電子ロックが解除された。
「開けるぞ?」
敷島は、まるで劇場の客席に行くドアのように重いドアをゆっくり開けた。
新型の読取機といい、ウィリーがこのホテルが廃業した後、乗っ取って秘密の研究施設を構えたと見て間違い無いだろう。
中は元・地下駐車場とは思えないほど意外に明るく、天井が高くなっていた。
空間が広いということは、1つデメリットがある。
「!」
「うわっ!撃ってきた!」
遠くから敵に狙撃されやすいということである。
エミリーは右腕をライフルに変化させ、先程発砲したロボットの頭部を撃ち抜いた。
電子頭脳を破壊された狙撃ロボットは吹き抜け通路から下に転落し、床に激突して火花を噴き、動かなくなった。
遠距離の攻撃において、ショットガンは威力が落ちるので不利だ。
「おい、お前ら!ここにいる女を何と心得る!?お前達を作ったウィリアム・フォレストの孫娘、アリス……」
敷島は銃口をこちらに向けているロボット数体に呼び掛けた。
が、
「参事、危ない!」
キールが敷島をコンテナのような箱の陰に引っ張った。
直後、さっきまで敷島のいた場所がライフルの集中砲火を浴びた。
「残念ですが・敷島さん、奴らは・私達を・完全に・侵入者と・認識している・もようです。排除します」
「やったれやったれ!」
狙撃ロボットは動きが遅く、こちらとの間合いが詰まらない。
エミリーは冷静に狙撃ロボット達の頭部を撃ち抜いて破壊した。
「片付き・ました」
「よっしゃ!先へ進もう」
敷島は物陰から出た。
「新手が来たりはしないだろうな?」
「可能性は捨てきれません。ですが、スキャンしながら進みますので、ご安心ください」
「そうか」
アリスは資料棚の中から、1つの重要資料を見つけた。
それは、この研究所で開発されたロボットの種類とその性能などが詳しく書かれたものだった。
廃ホテル内で表れたクリーチャーロボは、搭載機器を最低限に抑え、その代わり人工タンパク質に特殊な改良を加えることで、より柔軟性に富ませものだという。
こうすることで狭い所からでも容易に進入でき、敵を追い詰めるのだそうだ。
但し、試作ということもあってか、体内で使用しているオイルとの相性が悪く、外から衝撃を加えられ、白いタンパク質とオイルが混ざってしまうと、ドロドロに体が溶けてしまう作用があるとのこと。
倒すとズブズブに崩れ落ち、血のように赤いオイルが漏れ出して、あたかも血だまりのようになる理由がこれで分かった。
試作品なので、性能にばらつきがあるのも合点が行く。
性能を試す為に、わざと廃ホテル内に放ったとのことだった。
廃墟探索と称してやってくる哀れな訪問者をどのように追い詰め、攻撃するかの実験だ。
ということは、あの気持ちの悪いクリーチャーは、この研究施設にはいないということだ。
代わりに、狙撃ロボットとかがいるわけか。
それは動きは遅いが、ロックオンした時の命中率はほぼ百発百中とのこと。
但し、敵を狙撃する使命を与えられてはいても、狙撃されることに関しては無防備な様子である。
そしてもう1つ、気になるロボットが記載されていた。
それは、見た目にはコミカルに太ったヤツ。
人間1人を乗せて動くのだそうだ。
但し、気になる文章があった。
『人間の意識を乗っ取って、あたかもロボットが人間を操っているかのよう……』
と。
何のこっちゃと思った敷島だった。
とにかく、ここにいても埒が明かない。先に進むことにした。
[同日23:30.研究所跡 敷島、アリス、キール、エミリー]
研究所には敷島達にとってはお馴染みのバージョン・シリーズもいた。
アリスのことをウィリーの身内と認識してくれれば苦労は無いが、世の中そんなに甘くはなかった。
いや、認識はしたのだ。だから、バージョン達はアリスには攻撃してこなかった。
そして、マルチタイプのエミリーでさえも……。
だが、エミリーがどんなに攻撃を一切やめるように命令伝達しても、何故か敷島を執拗に攻撃しようとする為、エミリーが代わりに応戦しなくてはならなかった。
「俺が南里所長の側についていたからかな?」
「だったら、エミリーの言う事も聞かないじゃない」
「キールにも奴ら遠慮してんな。何で俺だけ集中攻撃だよ?」
「私は何でも、マルチタイプをモチーフに製造されたようです。そのせいですかね」
「いやー、どうだろう?」
エミリーは別のバージョン4.0の1個体を行動・攻撃不能にした。
電子頭脳までは破壊していない。
エミリーは無言で、バージョン4.0を問い詰めた。
無言でと言っても、実際は電気信号でやり取りしている。
『お前達・どうして・敷島さんだけを・攻撃する?一切の・攻撃を・止めよとの・私の・命令が・聞けないのか?』
『ソ、ソレガ……ソノ……』
『答えろ!さもなくば・破壊する』
『ヒイイイッ!』
エミリーの睨みは、メイドロボットも含め、ほとんどのザコ・ロボットをフリーズさせる。
彼女が財団内で特権階級にいられる理由だ。
『あの“狙撃兵”に・撃って・もらうか?』
狙撃ロボットが銃を構えているが、“人質”がいるため、狙撃できないようだ。
『ウ……ウィリアム博士カラ……「“悪い虫”は駆除せよ」ト、命令サレテルモンデェ……』
『は?お前、フザケたこと・言うと・本当に・破壊するぞ?』
『フザケテマセン!本当デス!本当デス!』
『敷島さんと・ドクター・アリスは・既に・御結婚されている。ドクター・ウィリーの・その命令は・無効だ』
『データニ無イモンデェ……』
直後、痺れを切らした狙撃ロボットがエミリーに向かって発砲した。
エミリーは尋問していたバージョン4.0を狙撃ロボットに投げつけた。
バージョン4.0は狙撃ロボットの銃弾に当たった上、それと激突して火花を噴いた。
「で、何だったんだ?」
「……たまたまの・ようです」
エミリーは優秀な人工頭脳をフル稼働させて、敷島に曖昧に答えた。
「まあ、こいつらの考えることだからな。あらかた片付いたみたいだし、先へ進もう」
ついこの前、添書登山に行ったばかりと思いきや、今度は支部登山。
まあ、そうでも無ければN700に乗ることもないか。
新富士駅10時15分発の登山バスは何故か旧道や県道をひたすら行くコースで、大幅なロスタイムが起きている。
クソ高い新幹線や路線バスでトロトロ行くより、高速バスで行く方がよっぽど楽だわw
同じ布教講演バックレコースならなww
紹介者氏が急に行けなくなった上、予定表を見たら、添書登山における私の動きで十分だというのが分かった。
つまり、同じ支部の人と行動するということは無いということだ。
商店街の喫茶店で休憩なう。
セロリさんのブログに生意気なコメントをしてしまったが、本当に正しい信仰をしていると、生半可な気持ちじゃ信心が続かないのが分かるよ。間違っても、
「取りあえず1週間」
なんて有り得んわ。
ホント、法華講員って偉いわぁ……。(←オマエも法華講員だろ)
今回の支部登山は、取り立ててブログにアップするものは無かった。
従って、小説の更新にしたいと思う。