[5月18日10:15.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区大成 鉄道博物館]
週末土曜日ということもあってか、館内は多くの家族連れで賑わっていた。
稲生:「開館ダッシュというものがあるんですよ」
マリア:「何それ?」
稲生:「開館の10時にオープンすると同時にダッシュして入館する人達のことですね」
マリア:「何をそんなに急ぐの?」
稲生:「新幹線のシミュレーターと車掌体験シミュレーターが大人気なんですって。多分今頃、とっくに受付終了ですよ」
マリア:「そんなに!?」
ルーシー:「確かに体験しにくいもんね」
稲生:「そういった意味では、SL運転のシミュレーターは穴場だったりするのです」
稲生はその場所に行ってみた。
スタッフ:「今からですと、15時15分からになります」
稲生:「おー、空いてた空いてた。じゃ、その時間でお願いします」
スタッフ:「かしこまりました」
マリア:(それでももう午前中は埋まってるんだ……)
目を丸くするマリア。
キョロキョロするルーシー。
マリア:「何を探してるの?」
ルーシー:「新幹線」
マリア:「後で勇太に連れて行ってもらおう」
ルーシー:「勇太なら知ってるの?」
マリア:「開業当時、イブキ……勇太の使い魔のシルバーフォックス(妖狐)と一緒に来たことがあるとか言ってたよ」
ルーシー:「ガイドがいると楽ね」
2人の魔女が話していると、稲生が戻って来た。
稲生:「お待たせしました。機関士と機関助士の体験で申し込みました」
ルーシー:「私は見ているから勇太とマリアンナでやってきたら?」
マリア:「わ、私はライセンス持ってないよ?」
稲生:「いや、僕も持ってませんよ」
ルーシー:「それより、新幹線を見たいんだけど?」
稲生:「分かりました。早速行きましょう」
本館内のヒストリーゾーンを行く。
途中にモハ40系などの旧型電車も展示されているが……。
稲生:「前に乗ったことのある車両ばっかりですね。確か前、威吹の家に行く時に乗った魔界高速電鉄、モハ40系だったような気がする」
マリア:「あのディーゼルカーやブラウンの客車も、冥界鉄道公社で乗ったことがあるような気がする」
稲生:「座席の硬い3等車ですから、寝られなかったですね」
マリア:「師匠は『貨車よりマシ』なんて言ってグースカ寝てたどな」
ルーシー:(さり気なく『ghost train』乗車体験を披露するイリーナ組……)
但し、ガチの暴走幽霊電車(埼京線205系)に乗ってしまった時の体験はあまり語らない稲生だった。
稲生:「あそこにあるのが0系のカットボディと200系まるまる先頭車展示です」
ルーシー:「あれよ!私が実家で聞いたの!」
しかし稲生は……。
稲生:「おっ、485系のボンネット!しかも特急“ひばり”、仙台行き!」
(“天国と地獄”では、この方向幕の下の小窓から金を投げ落としていましたな)
稲生はしっかり写真を撮った。
稲生:(これも何気に魔界高速電鉄……は、せいぜい近郊型までしか持ってないからダメか。冥界鉄道公社辺りが走らせてくれないかなぁ……)
リバイバル運転ではなく、幽霊列車での運転を望む辺り、稲生もそろそろ普通の人間の感覚を失いつつある。
マリア:「勇太!早く来て!」
稲生:「はいはい!今行きますよ!」
稲生は側面方向幕の写真だけ収めると、急いで0系のカットボディに向かった。
秋葉原の交通博物館から持って来た展示品で、向こうでは車内に入ることができなかったが、こっちでは入ることができる。
ルーシー:
マリア:「随分、運転台が高い位置にある」
稲生:「そうですね。今の新幹線はここまで高くないです。ステップが小さいから気をつけて」
運転台に上がって写真を撮るルーシー。
稲生:「そのマスコンも実際に引っ張れるらしいですよ」
ルーシー:「マジ!?」
ルーシーはマスコンを掴んで引こうとしたが……。
ルーシー:「重い!」
稲生:「重いですか?……あ、ホントだ。重い」
展示品だからかもしれないが、205系のマスコンより重かった。
因みにブレーキハンドルは取り外されていて無い。
ルーシー:「父は高速鉄道への乗務を夢見ていたの。まさか娘が日本で、日本の新幹線の運転台に上がるとは思っていなかったでしょうね」
マリア:「でしょうね」
稲生:「車掌スイッチがここにある。……ああ、乗務員室窓が手前に開くタイプは0系からだったのか」
満足して0系の運転台をあとにする。
稲生:「次は200系を見てみましょう。もっとも、こちらは客室には入れますが、運転台には入れません」
マリア:「……だって。残念だね」
ルーシー:「見た目が同じだから多分、運転台の構造も同じでしょう」
側窓の大きさや寒冷地対策の有無などでディテールに違いはある。
3人席に座ってみると……意外にフカフカであることが分かる。
但し、厚ぼったいクッションである為、ただでさえE5系よりも狭いシートピッチ(E5系普通車が107cm、200系は98cm)である為に圧迫感は少々ある。
稲生:「あのー、ルーシーさん」
ルーシー:「なに?」
稲生:「さっきからお父さんのことを過去形で喋ってますけど、もしかして……」
ルーシー:「ああ……うん。殉職して今はこの世にはいない」
稲生:「……ですよね。失礼しました」
マリア:「ていうか多分、両親共に健在な魔道士って勇太くらいのもんだよ?」
稲生:「えっ!?」
ルーシー:「私もあまり聞いたことないなぁ……」
稲生:「そうだったんですか」
これまた稲生が『新卒採用』と揶揄される所以なのかもしれない。
稲生:「じ、じゃあ、次に行きましょう。また、新幹線の別の車両が展示されている場所がありますので」
ルーシー:「是非よろしく」
週末土曜日ということもあってか、館内は多くの家族連れで賑わっていた。
稲生:「開館ダッシュというものがあるんですよ」
マリア:「何それ?」
稲生:「開館の10時にオープンすると同時にダッシュして入館する人達のことですね」
マリア:「何をそんなに急ぐの?」
稲生:「新幹線のシミュレーターと車掌体験シミュレーターが大人気なんですって。多分今頃、とっくに受付終了ですよ」
マリア:「そんなに!?」
ルーシー:「確かに体験しにくいもんね」
稲生:「そういった意味では、SL運転のシミュレーターは穴場だったりするのです」
稲生はその場所に行ってみた。
スタッフ:「今からですと、15時15分からになります」
稲生:「おー、空いてた空いてた。じゃ、その時間でお願いします」
スタッフ:「かしこまりました」
マリア:(それでももう午前中は埋まってるんだ……)
目を丸くするマリア。
キョロキョロするルーシー。
マリア:「何を探してるの?」
ルーシー:「新幹線」
マリア:「後で勇太に連れて行ってもらおう」
ルーシー:「勇太なら知ってるの?」
マリア:「開業当時、イブキ……勇太の使い魔のシルバーフォックス(妖狐)と一緒に来たことがあるとか言ってたよ」
ルーシー:「ガイドがいると楽ね」
2人の魔女が話していると、稲生が戻って来た。
稲生:「お待たせしました。機関士と機関助士の体験で申し込みました」
ルーシー:「私は見ているから勇太とマリアンナでやってきたら?」
マリア:「わ、私はライセンス持ってないよ?」
稲生:「いや、僕も持ってませんよ」
ルーシー:「それより、新幹線を見たいんだけど?」
稲生:「分かりました。早速行きましょう」
本館内のヒストリーゾーンを行く。
途中にモハ40系などの旧型電車も展示されているが……。
稲生:「前に乗ったことのある車両ばっかりですね。確か前、威吹の家に行く時に乗った魔界高速電鉄、モハ40系だったような気がする」
マリア:「あのディーゼルカーやブラウンの客車も、冥界鉄道公社で乗ったことがあるような気がする」
稲生:「座席の硬い3等車ですから、寝られなかったですね」
マリア:「師匠は『貨車よりマシ』なんて言ってグースカ寝てたどな」
ルーシー:(さり気なく『ghost train』乗車体験を披露するイリーナ組……)
但し、ガチの暴走幽霊電車(埼京線205系)に乗ってしまった時の体験はあまり語らない稲生だった。
稲生:「あそこにあるのが0系のカットボディと200系まるまる先頭車展示です」
ルーシー:「あれよ!私が実家で聞いたの!」
しかし稲生は……。
稲生:「おっ、485系のボンネット!しかも特急“ひばり”、仙台行き!」
(“天国と地獄”では、この方向幕の下の小窓から金を投げ落としていましたな)
稲生はしっかり写真を撮った。
稲生:(これも何気に魔界高速電鉄……は、せいぜい近郊型までしか持ってないからダメか。冥界鉄道公社辺りが走らせてくれないかなぁ……)
リバイバル運転ではなく、幽霊列車での運転を望む辺り、稲生もそろそろ普通の人間の感覚を失いつつある。
マリア:「勇太!早く来て!」
稲生:「はいはい!今行きますよ!」
稲生は側面方向幕の写真だけ収めると、急いで0系のカットボディに向かった。
秋葉原の交通博物館から持って来た展示品で、向こうでは車内に入ることができなかったが、こっちでは入ることができる。
ルーシー:
マリア:「随分、運転台が高い位置にある」
稲生:「そうですね。今の新幹線はここまで高くないです。ステップが小さいから気をつけて」
運転台に上がって写真を撮るルーシー。
稲生:「そのマスコンも実際に引っ張れるらしいですよ」
ルーシー:「マジ!?」
ルーシーはマスコンを掴んで引こうとしたが……。
ルーシー:「重い!」
稲生:「重いですか?……あ、ホントだ。重い」
展示品だからかもしれないが、205系のマスコンより重かった。
因みにブレーキハンドルは取り外されていて無い。
ルーシー:「父は高速鉄道への乗務を夢見ていたの。まさか娘が日本で、日本の新幹線の運転台に上がるとは思っていなかったでしょうね」
マリア:「でしょうね」
稲生:「車掌スイッチがここにある。……ああ、乗務員室窓が手前に開くタイプは0系からだったのか」
満足して0系の運転台をあとにする。
稲生:「次は200系を見てみましょう。もっとも、こちらは客室には入れますが、運転台には入れません」
マリア:「……だって。残念だね」
ルーシー:「見た目が同じだから多分、運転台の構造も同じでしょう」
側窓の大きさや寒冷地対策の有無などでディテールに違いはある。
3人席に座ってみると……意外にフカフカであることが分かる。
但し、厚ぼったいクッションである為、ただでさえE5系よりも狭いシートピッチ(E5系普通車が107cm、200系は98cm)である為に圧迫感は少々ある。
稲生:「あのー、ルーシーさん」
ルーシー:「なに?」
稲生:「さっきからお父さんのことを過去形で喋ってますけど、もしかして……」
ルーシー:「ああ……うん。殉職して今はこの世にはいない」
稲生:「……ですよね。失礼しました」
マリア:「ていうか多分、両親共に健在な魔道士って勇太くらいのもんだよ?」
稲生:「えっ!?」
ルーシー:「私もあまり聞いたことないなぁ……」
稲生:「そうだったんですか」
これまた稲生が『新卒採用』と揶揄される所以なのかもしれない。
稲生:「じ、じゃあ、次に行きましょう。また、新幹線の別の車両が展示されている場所がありますので」
ルーシー:「是非よろしく」
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