20代男性の44%が「交際経験ナシ」“恋人がいなくても恥ずかしくない”気持ちの行方(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
“ボカロマスター”より。
[時刻不明 場所不明 南里志郎]
うぅ……む……。こ、ここはどこだ?な、何が起きたというのだ?
落ち着いて思い出してみよう。わしは確か、東京都内で行われたロボット工学の未来について考えるシンポジウムに参加した。
それは無事に終わり、敷島君達と共に東京の研究者仲間達と会食に行こうという話になったはずだ。で、その前に小用で少々……ああっ!
「ようやくお目覚めね?ドクター南里」
暗闇の中、ボウッと鈍く光る2つの緑の光。それは、ロボットが暗視機能を使用中の時に目が光る現象だ。多少不気味なので、改善が望まれている。
「お、お前は……!」
その光の主はシンディであった。確かトイレから出ようとした時、突然こやつが現れて……。
「姉さんの堅いガードを振り切るの、大変だったんだから」
「エミリーはどうした?」
「心配無いわ。本当に振り切っただけだからね。ここはGPSも入らない地下だから、見つけられないはずよ」
「わ、わしをどうするつもりじゃ?」
「うちのドクターがね、『殺せ』ってさ。それも、意識のある状態でね!」
シンディの奴、快楽殺人者のような笑みを浮かべると、右手をマシンガンに変形させおった!
「うおっ!?」
幸い、どういうわけだか手足が縛られているようなことは無かったので、わしはすぐに奴の機銃掃射を避けた。先程までわしがいた所は、無数の穴が空いていた。これぞ正に“蜂の巣”!だが当然、美味い蜂蜜など取れようはずがない。
「へぇ。ジジィのくせに、随分と身のこなしがよろしいのね」
「ふん!わしをウィリー如き、下賤の者と一緒にするでない!」
「その言葉、そっくり返してやるよ!」
シンディの奴、右手を元に戻すと今度は藍色の服のポケットから、大きなナイフを取り出した。
「決めたわ!アンタはすぐには殺さない!全身を切り刻んで、それから殺してやる!」
「持ち主に似て、随分と陰湿じゃの!」
そう言いつつ、わしは少し焦りを感じていた。いつもならこの辺りで、エミリーやら敷島君達が助けに来る展開じゃと思うが、今回は全くその気配が無い。
ならば仕方無い。奥の手を使う他あるまい。こんなこともあろうかと、わしは秘密兵器を忍ばせておるのだ。
シンディは目をハイビームにし、邪悪な笑みを浮かべてわしに近づいてくる。
十分間合いを詰めたところで、
「食らえ!」
わしは右腕にはめているブレスレッドを“放った”。言わば、人間版ロケット・パンチじゃ。案の定、それはシンディの顔に当たった。
「今じゃ!」
シンディは仰向けに倒れた。わしはその隙に、すぐに出口に通じているであろう、鉄のドアを開けた。鍵が掛っていたが、幸いこちら側からはシリンダー錠になっていて、手で開錠することができた。
だが!
「あ?どこじゃ、ここ?」
ドアの向こうも闇が広がっていた。厳密に言えば所々に若干の明かりが灯っていて、どうやら何かの坑道であるようじゃった。左右に道が伸びていたが、取りあえず右の方に向かって行くことにした。
ところがだ!その前方から眩い白い光と共に、強風と轟音が近づいてきた。
「おわっ!」
それは電車だった。わしはすぐさま、壁に張り付いて電車をやり過ごした。
「ち、地下鉄のトンネルなんぞに連れ込みおって!」
鉄道に詳しい敷島君なら、即座にさっきの電車で、このトンネルが何線のものなのか察しをつけることができたじゃろう。
しかし、わしにはそれができなかった。
「待たんか、コラーッ!!」
怒り狂ったシンディが、わしを追いかけて来たからじゃ。
「女の顔を狙うなんてっ……!殺してやる!!」
それはまあ、確かに悪い事をしてしまったような気がしないでもない今日この頃じゃが、はっきり言って不可抗力じゃ!
とにかく、早いとこ地上に出て敷島君やエミリーに助けてもらわねば!
「うっ!?」
そこへまた、前から電車が来おった!さすが、東京の地下鉄は仙台のそれより本数が多い。わしはまた壁際に張り付いた。
だが!
「邪魔だぁぁぁぁっ!!」
「な、何いっ!?」
シンディの奴、電車に体当たりしおった!大轟音を上げて、急停車する電車。無論わしは知っていた。これがエミリーであれば、大破したのは電車の方で、本人は傷1つ無いことを。だから乗員・乗客には申し訳無いが、今のうちに電車の脇をすり抜けて逃げる他無かったのだ。
“ボカロマスター”より。
[時刻不明 場所不明 南里志郎]
うぅ……む……。こ、ここはどこだ?な、何が起きたというのだ?
落ち着いて思い出してみよう。わしは確か、東京都内で行われたロボット工学の未来について考えるシンポジウムに参加した。
それは無事に終わり、敷島君達と共に東京の研究者仲間達と会食に行こうという話になったはずだ。で、その前に小用で少々……ああっ!
「ようやくお目覚めね?ドクター南里」
暗闇の中、ボウッと鈍く光る2つの緑の光。それは、ロボットが暗視機能を使用中の時に目が光る現象だ。多少不気味なので、改善が望まれている。
「お、お前は……!」
その光の主はシンディであった。確かトイレから出ようとした時、突然こやつが現れて……。
「姉さんの堅いガードを振り切るの、大変だったんだから」
「エミリーはどうした?」
「心配無いわ。本当に振り切っただけだからね。ここはGPSも入らない地下だから、見つけられないはずよ」
「わ、わしをどうするつもりじゃ?」
「うちのドクターがね、『殺せ』ってさ。それも、意識のある状態でね!」
シンディの奴、快楽殺人者のような笑みを浮かべると、右手をマシンガンに変形させおった!
「うおっ!?」
幸い、どういうわけだか手足が縛られているようなことは無かったので、わしはすぐに奴の機銃掃射を避けた。先程までわしがいた所は、無数の穴が空いていた。これぞ正に“蜂の巣”!だが当然、美味い蜂蜜など取れようはずがない。
「へぇ。ジジィのくせに、随分と身のこなしがよろしいのね」
「ふん!わしをウィリー如き、下賤の者と一緒にするでない!」
「その言葉、そっくり返してやるよ!」
シンディの奴、右手を元に戻すと今度は藍色の服のポケットから、大きなナイフを取り出した。
「決めたわ!アンタはすぐには殺さない!全身を切り刻んで、それから殺してやる!」
「持ち主に似て、随分と陰湿じゃの!」
そう言いつつ、わしは少し焦りを感じていた。いつもならこの辺りで、エミリーやら敷島君達が助けに来る展開じゃと思うが、今回は全くその気配が無い。
ならば仕方無い。奥の手を使う他あるまい。こんなこともあろうかと、わしは秘密兵器を忍ばせておるのだ。
シンディは目をハイビームにし、邪悪な笑みを浮かべてわしに近づいてくる。
十分間合いを詰めたところで、
「食らえ!」
わしは右腕にはめているブレスレッドを“放った”。言わば、人間版ロケット・パンチじゃ。案の定、それはシンディの顔に当たった。
「今じゃ!」
シンディは仰向けに倒れた。わしはその隙に、すぐに出口に通じているであろう、鉄のドアを開けた。鍵が掛っていたが、幸いこちら側からはシリンダー錠になっていて、手で開錠することができた。
だが!
「あ?どこじゃ、ここ?」
ドアの向こうも闇が広がっていた。厳密に言えば所々に若干の明かりが灯っていて、どうやら何かの坑道であるようじゃった。左右に道が伸びていたが、取りあえず右の方に向かって行くことにした。
ところがだ!その前方から眩い白い光と共に、強風と轟音が近づいてきた。
「おわっ!」
それは電車だった。わしはすぐさま、壁に張り付いて電車をやり過ごした。
「ち、地下鉄のトンネルなんぞに連れ込みおって!」
鉄道に詳しい敷島君なら、即座にさっきの電車で、このトンネルが何線のものなのか察しをつけることができたじゃろう。
しかし、わしにはそれができなかった。
「待たんか、コラーッ!!」
怒り狂ったシンディが、わしを追いかけて来たからじゃ。
「女の顔を狙うなんてっ……!殺してやる!!」
それはまあ、確かに悪い事をしてしまったような気がしないでもない今日この頃じゃが、はっきり言って不可抗力じゃ!
とにかく、早いとこ地上に出て敷島君やエミリーに助けてもらわねば!
「うっ!?」
そこへまた、前から電車が来おった!さすが、東京の地下鉄は仙台のそれより本数が多い。わしはまた壁際に張り付いた。
だが!
「邪魔だぁぁぁぁっ!!」
「な、何いっ!?」
シンディの奴、電車に体当たりしおった!大轟音を上げて、急停車する電車。無論わしは知っていた。これがエミリーであれば、大破したのは電車の方で、本人は傷1つ無いことを。だから乗員・乗客には申し訳無いが、今のうちに電車の脇をすり抜けて逃げる他無かったのだ。
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