[7月9日14:00.東京都区内某所 日蓮正宗・正証寺 稲生ユウタ]
「参ったなぁ……。藤谷班長さん、全く連絡つかないんですよ」
ユタが末寺に参詣していると、他の班長が困った顔をしていた。
「まさか退転、とか……?」
するとユタは右手を振った。
「それは無いですよ。宗門で尼僧が復活すれば話は別だけど……。実はメールがありましてね」
「何ですか?」
「『旅に出ます。捜さないでください』って」
「家出!?」
「30もとっくに過ぎたオッサンが送るメールじゃないよね?」
他の班員も目を丸くする。
「仕事が嫌になったのかなぁ……」
「藤谷組、業績を伸ばしてますよ?嫌になるなんて、そんなことは……」
「うんうん」
「あ、藤谷班長からメール来た」
「何だって!?」
「『網走の夏は寒い』ですって」
「あ、網走!?」
「何で網走!?」
「あーっ!」
その時、1人の信徒がテレビを指さした。
〔「えー、現在、台風8号が本州付近に接近しております。梅雨の時季に台風というのも異常ではありますが、北海道ではもっと異常が起きているもようです。現地から中継してもらいます。北海道網走市の佐藤さん」「新潟から向かったサトーだぜぇ〜!あ?今、北海道は雪だぜ、雪!あ?こりゃもう、『日蓮大聖人に背く日本は必ず滅ぶ』だぜ!あ?」〕
「ゆ、雪だ!?」
「マジで!?」
〔「横田です。先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります。私の分析によりますと、現在網走市内は10センチほどの積雪がございます」「横田さん、気温はどうですか?」「おう、ミヤネ屋よぉ、グリーンじゃなくて、俺に聞けよ!あ?今よぉ、網走の気温は0度だぜ、0度!あ?」「0度ですか。大阪では今、台風の接近に伴う熱気の影響で、気温が32度ほどあるんですが、気温差32度ですよ!佐藤さん、網走では今何が起こってるんですか?」「今よぉ、グリーンが住民に聞き込みしてるからよぉ、ちょっと待ってくれよな。あ?じゃ、頼んます」「じゃ一旦、スタジオにお返し頂くと言うことで。えー、今もお伝えしていますように、今日本は大変な異常気象に見舞われています」〕
「こ、これ……どういうこと?」
「異常気象過ぎる……!」
テレビ前の信徒達が浮足立つ中、ユタは前、安倍春明が言っていたことを思い出した。
魔界の影響が日本にもあると……。
(マンガの読み過ぎだったのかな?魔界から凶悪な妖怪がやってきたりとか、そういうのを想像していたんだけど……。いや、それ以前に……)
「藤谷さん、どうして網走に?網走に親戚か何かいましたっけ?」
「稲生君、藤谷さんに連絡は取れないのかい?」
「はあ……。メールだけで、あとは……」
〔「佐藤さん!佐藤さん!どうしましたか!?リポートしてください!」「クソ横田のヤツ……とんでもねぇ……あ?」「どうかしたんですか!?」「白い着物のきれいな姉ちゃんに聞き込んだらよォ……あ?……ケツ触るわ、胸触るわで、キレさせやがったんだよな、あ?したらよォ……雪女だったんだよなぁ……あ?」〕
その時、ユタのスマホが鳴った。
「あ、はい。もしもし?藤谷班長、どうしたんですか!?」
{「逃亡する方向間違ったぜ!いや、高飛びっつったら、何か網走っつーイメージがあったからさぁ……。赤羽の営業所から。雪女なんだから、沖縄にしときゃ良かった」}
「……もしかして、例の盟約のこと?」
{「引き伸ばしがバレてよー、連合会の連中が押し寄せてきやがったんで、急きょ逃走したってオチだ」}
「いい加減ハラ括って盟約しなさいよー!」
{「悪い悪い。台風去ったら、そっち戻るわ。んじゃ」}
電話を切るユタ。そして、
「ダメだ、この班長」
と、呆れた。一瞬、父親で地区長の藤谷秋彦にチクろうかと思ったくらいだ。
[同日15:00.東京都江東区森下 ワン・スター・ホテル エレーナ・マーロン]
「只今、台風8号が接近しております。非常に強い勢力のため、雨風には十分ご注意ください。部屋の窓は、なるべく開けないようにお願い致します」
エレーナは奥の事務室で、館内放送を掛けていた。
外国人客も多いため、日本語の後はその宿泊客に合わせた言語での放送もする。
幸い今日は日本人の他、英語圏の国の宿泊客しかいなかったため、エレーナは2ヶ国語を話すだけで済んだ。
(さすがにこんな日は、私も空飛びたくないねー)
テレビで北海道の道東で雪が降り積もったというニュースを聞いた時には、すわっ!魔界の影響かと思ったのだが、そうではないようだ。
もしそうなら、北海道にまで調査をしに行かなければならなくなるのだが。
雪の降り方からして、雪の妖怪のしわざだと思った。
雪国なので、恐らく土着の雪妖怪が何かやったのだろうと。
さしもの魔女も飛行を躊躇う天候が今、日本を覆っているので、ここしばらくは滞在先のホテルでのバイトが続くだろう。
[同日同時刻 長野県内某所 マリアの家 マリアンナ・スカーレット&イリーナ・レヴィア・ブリジッド]
「どう?台風の備え、ちゃんとしてるぅ?」
「師匠。まあこの屋敷は、台風くらいではビクともしませんよ。一応、人形達に命じて、いつでも窓の雨戸は閉められるようにしてあります。あと、土嚢も……」
「うんうん。さすが、マリアは優秀ね」
「でも、おかしいですね。北海道の東側で雪なんて……。魔界の影響でしょうか?」
「一応ポーリンにも聞いてみたんだけど、北海道の雪のことは知らないってさ」
「そうですか。ポーリン師の魔術の実験の失敗ではありませんでしたか……」
「まあ、あいつも口が堅いから。何度も聞いたんだけど、雪のことは知らないの一点張りでね。少し話題を変えて、『じゃあ台風8号の進路が東シナ海で、直角に日本側に向いたことは知ってる?』って聞いたら、『ざまァ見ろ。これでアンタの弟子と弟子候補が出会うことはない』なんて言いやがってね」
「……それって、つまり今回の台風はポーリン師が呼び寄せたことを認めたってことですね」
「本当は魔術の実験の失敗だってことくらいお見通しなのに。ほんっと、無駄にプライドの高い女ってメンド臭いよねぇ……」
(いや、それ、師匠にも言えますから!)
という言葉をマリアは喉元で何とか押さえ込んだ。
「ほんと、ポーリンにも困ったものだわ。ユウタ君達がここに来るの、今週じゃなくて来週なのにねぇ……」
「今、台風直撃させたところで、何の影響もないですしねぇ……」
「あ、でも、あれか。街からここまで来る道、インフラが貧弱な所が何ヶ所もあるでしょ?そことかが土砂崩れに遭ったりしたら、1週間じゃ済まないか」
「どうしましょう?」
「しょうがない。かわいい弟子の為に、ここは師匠の私が一肌脱ぐわ」
「えっ?」
「だから、大船に乗ったつもりでいなさい」
「は、はい」
[同日同時刻 北海道網走市内のビジネスホテル 藤谷春人]
「ふぁい……これで……」
藤谷は泣き笑いしながら、何か書類に書き込んでいた。
サインをしたり、ハンコを押したり……。
藤谷の周りには、10人ほどの白い肌の女達が取り囲んでいたという。
「はい、ありがとうございます。これで盟約は締結されました」
わっと大きな歓声と拍手が起きた。
〔「正に異常です!網走市内は今、急に快晴になって、グングン気温が上がっております!えー、もう網走の夏の平均気温に達しているようですね!」〕
室内のテレビでは、ワイドショーが大きく報道していたという。
妖怪も悪魔も、いかに人間を食らうかで必死である。
その為には、仲間が一致団結して妖術を使うことも厭わないようである。
もしかしてリアル台風8号や、北海道などで起きた震度5弱の地震も、何か関係があるのかもしれません。
無論、信じるか信じないかはあなた次第!
「参ったなぁ……。藤谷班長さん、全く連絡つかないんですよ」
ユタが末寺に参詣していると、他の班長が困った顔をしていた。
「まさか退転、とか……?」
するとユタは右手を振った。
「それは無いですよ。宗門で尼僧が復活すれば話は別だけど……。実はメールがありましてね」
「何ですか?」
「『旅に出ます。捜さないでください』って」
「家出!?」
「30もとっくに過ぎたオッサンが送るメールじゃないよね?」
他の班員も目を丸くする。
「仕事が嫌になったのかなぁ……」
「藤谷組、業績を伸ばしてますよ?嫌になるなんて、そんなことは……」
「うんうん」
「あ、藤谷班長からメール来た」
「何だって!?」
「『網走の夏は寒い』ですって」
「あ、網走!?」
「何で網走!?」
「あーっ!」
その時、1人の信徒がテレビを指さした。
〔「えー、現在、台風8号が本州付近に接近しております。梅雨の時季に台風というのも異常ではありますが、北海道ではもっと異常が起きているもようです。現地から中継してもらいます。北海道網走市の佐藤さん」「新潟から向かったサトーだぜぇ〜!あ?今、北海道は雪だぜ、雪!あ?こりゃもう、『日蓮大聖人に背く日本は必ず滅ぶ』だぜ!あ?」〕
「ゆ、雪だ!?」
「マジで!?」
〔「横田です。先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります。私の分析によりますと、現在網走市内は10センチほどの積雪がございます」「横田さん、気温はどうですか?」「おう、ミヤネ屋よぉ、グリーンじゃなくて、俺に聞けよ!あ?今よぉ、網走の気温は0度だぜ、0度!あ?」「0度ですか。大阪では今、台風の接近に伴う熱気の影響で、気温が32度ほどあるんですが、気温差32度ですよ!佐藤さん、網走では今何が起こってるんですか?」「今よぉ、グリーンが住民に聞き込みしてるからよぉ、ちょっと待ってくれよな。あ?じゃ、頼んます」「じゃ一旦、スタジオにお返し頂くと言うことで。えー、今もお伝えしていますように、今日本は大変な異常気象に見舞われています」〕
「こ、これ……どういうこと?」
「異常気象過ぎる……!」
テレビ前の信徒達が浮足立つ中、ユタは前、安倍春明が言っていたことを思い出した。
魔界の影響が日本にもあると……。
(マンガの読み過ぎだったのかな?魔界から凶悪な妖怪がやってきたりとか、そういうのを想像していたんだけど……。いや、それ以前に……)
「藤谷さん、どうして網走に?網走に親戚か何かいましたっけ?」
「稲生君、藤谷さんに連絡は取れないのかい?」
「はあ……。メールだけで、あとは……」
〔「佐藤さん!佐藤さん!どうしましたか!?リポートしてください!」「クソ横田のヤツ……とんでもねぇ……あ?」「どうかしたんですか!?」「白い着物のきれいな姉ちゃんに聞き込んだらよォ……あ?……ケツ触るわ、胸触るわで、キレさせやがったんだよな、あ?したらよォ……雪女だったんだよなぁ……あ?」〕
その時、ユタのスマホが鳴った。
「あ、はい。もしもし?藤谷班長、どうしたんですか!?」
{「逃亡する方向間違ったぜ!いや、高飛びっつったら、何か網走っつーイメージがあったからさぁ……。赤羽の営業所から。雪女なんだから、沖縄にしときゃ良かった」}
「……もしかして、例の盟約のこと?」
{「引き伸ばしがバレてよー、連合会の連中が押し寄せてきやがったんで、急きょ逃走したってオチだ」}
「いい加減ハラ括って盟約しなさいよー!」
{「悪い悪い。台風去ったら、そっち戻るわ。んじゃ」}
電話を切るユタ。そして、
「ダメだ、この班長」
と、呆れた。一瞬、父親で地区長の藤谷秋彦にチクろうかと思ったくらいだ。
[同日15:00.東京都江東区森下 ワン・スター・ホテル エレーナ・マーロン]
「只今、台風8号が接近しております。非常に強い勢力のため、雨風には十分ご注意ください。部屋の窓は、なるべく開けないようにお願い致します」
エレーナは奥の事務室で、館内放送を掛けていた。
外国人客も多いため、日本語の後はその宿泊客に合わせた言語での放送もする。
幸い今日は日本人の他、英語圏の国の宿泊客しかいなかったため、エレーナは2ヶ国語を話すだけで済んだ。
(さすがにこんな日は、私も空飛びたくないねー)
テレビで北海道の道東で雪が降り積もったというニュースを聞いた時には、すわっ!魔界の影響かと思ったのだが、そうではないようだ。
もしそうなら、北海道にまで調査をしに行かなければならなくなるのだが。
雪の降り方からして、雪の妖怪のしわざだと思った。
雪国なので、恐らく土着の雪妖怪が何かやったのだろうと。
さしもの魔女も飛行を躊躇う天候が今、日本を覆っているので、ここしばらくは滞在先のホテルでのバイトが続くだろう。
[同日同時刻 長野県内某所 マリアの家 マリアンナ・スカーレット&イリーナ・レヴィア・ブリジッド]
「どう?台風の備え、ちゃんとしてるぅ?」
「師匠。まあこの屋敷は、台風くらいではビクともしませんよ。一応、人形達に命じて、いつでも窓の雨戸は閉められるようにしてあります。あと、土嚢も……」
「うんうん。さすが、マリアは優秀ね」
「でも、おかしいですね。北海道の東側で雪なんて……。魔界の影響でしょうか?」
「一応ポーリンにも聞いてみたんだけど、北海道の雪のことは知らないってさ」
「そうですか。ポーリン師の魔術の実験の失敗ではありませんでしたか……」
「まあ、あいつも口が堅いから。何度も聞いたんだけど、雪のことは知らないの一点張りでね。少し話題を変えて、『じゃあ台風8号の進路が東シナ海で、直角に日本側に向いたことは知ってる?』って聞いたら、『ざまァ見ろ。これでアンタの弟子と弟子候補が出会うことはない』なんて言いやがってね」
「……それって、つまり今回の台風はポーリン師が呼び寄せたことを認めたってことですね」
「本当は魔術の実験の失敗だってことくらいお見通しなのに。ほんっと、無駄にプライドの高い女ってメンド臭いよねぇ……」
(いや、それ、師匠にも言えますから!)
という言葉をマリアは喉元で何とか押さえ込んだ。
「ほんと、ポーリンにも困ったものだわ。ユウタ君達がここに来るの、今週じゃなくて来週なのにねぇ……」
「今、台風直撃させたところで、何の影響もないですしねぇ……」
「あ、でも、あれか。街からここまで来る道、インフラが貧弱な所が何ヶ所もあるでしょ?そことかが土砂崩れに遭ったりしたら、1週間じゃ済まないか」
「どうしましょう?」
「しょうがない。かわいい弟子の為に、ここは師匠の私が一肌脱ぐわ」
「えっ?」
「だから、大船に乗ったつもりでいなさい」
「は、はい」
[同日同時刻 北海道網走市内のビジネスホテル 藤谷春人]
「ふぁい……これで……」
藤谷は泣き笑いしながら、何か書類に書き込んでいた。
サインをしたり、ハンコを押したり……。
藤谷の周りには、10人ほどの白い肌の女達が取り囲んでいたという。
「はい、ありがとうございます。これで盟約は締結されました」
わっと大きな歓声と拍手が起きた。
〔「正に異常です!網走市内は今、急に快晴になって、グングン気温が上がっております!えー、もう網走の夏の平均気温に達しているようですね!」〕
室内のテレビでは、ワイドショーが大きく報道していたという。
妖怪も悪魔も、いかに人間を食らうかで必死である。
その為には、仲間が一致団結して妖術を使うことも厭わないようである。
もしかしてリアル台風8号や、北海道などで起きた震度5弱の地震も、何か関係があるのかもしれません。
無論、信じるか信じないかはあなた次第!
まぁ仕方ないね(レ)
お金がないですからね・・・・・
一方jr西はというと115系や103系や105系などの電車やキハ40やキハ120(鋼体車)を単色にしております・・・(カネならたくさんあるのに・・・・・)
その方がアニメの舞台になった時に、ちゃんと再現されやすい……何でもありません。
とは言っても旧型国電は単色ですもんねwww失礼しましたwww
しかしクモハ42は昔茶色塗装と黄色の警戒色の帯を巻いていたそうな