報恩坊の怪しい偽作家!

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“ユタと愉快な仲間たち” 「台風上陸」

2014-07-09 21:22:38 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 ※1945年7月10日(9日から日付が変わってすぐ)は私の地元において、仙台空襲があった日です。生き延びれた祖母(祖父は当時、戦地にいた)にこの場を借りて敬意を表すると共に、もしかすると生き残れれば祖父の結婚相手になるかもだった人に回向させて頂きます(祖父母は戦後に見合い婚。ということは空襲の有無によって、相手が変わっていた可能性がある)。尚、このような無差別攻撃を発案したカーチス・ルメイ将軍の顕彰取り消しを強く求めると共に、謝罪と賠償を求めるニダ!……あれ?因みに“アンドロイドマスター”のアリス(アメリカ人)は、何のコメントもしておりません。

[7月9日20:00.埼玉県さいたま市中央区 ユタの家 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾]

「台風、こっちに来るねぇ……」
 ユタは風呂上りにテレビを見ていた。
 普段はもう少し入浴は遅いのだが、台風に備えて早めに入った。
「見事なまでの進路だ。当てこすりもいい所だな」
 これから風呂に入るという威吹は、台風情報をユタ達と見ながら頷いた。
「ボクが封印される前は、こんなの無かったよ」
「当たり前だよ」
「まじない師がいらなくなるわけだ。じゃ、ボクも風呂入る」
「ああ」
「カンジ、警戒を頼む」
「分かりました」
「そんな、肩肘張らなくても……」
 ユタは苦笑いした。
「窓のシャッターを閉めれば大丈夫さ」
「稲生さん、先生の仰ることも一理あります。油断大敵ですよ」
「まあ、ねぇ……」
 ユタはカンジが持ってきてくれたサイダーを口に運んだ。
「くぅーっ!」
「稲生さん、この台風の進路は仏法で説明できますか?」
「カンジ君、珍しいね。キミから仏法の話を振ってくるなんて……」
「先生の前ではできませんね。どうですか?」
「いやあ、何とも……。大聖人様御在世の頃とは違うからね。まあ、何かの御仏智かもしれないけど……。それとも、僕の信心が弱いからかな?」
「いや、そんなまさか……。先生は魔界の影響ではないかと仰っています」
「魔界の影響かぁ……。仏法で説明できないんだったら、そうなるよね。僕も実は安倍……魔界の方ね、安倍総理に似たようなことを言われたことがある。今後、魔界の影響が人間界に表れるけど気にしないでねって」
「気になりますよね」
「まあ、ねぇ……」
「どうも政治家というのは、どこの世界でも、肝心なことは茶を濁すのがお家芸のようです」
「ふふふ……」

[同日同時刻 長野県内某所 マリアの屋敷 マリアンナ・スカーレット&イリーナ・レヴィア・ブリジッド]

「台風が御仏智ですって。さすが仏教徒さんはお気楽ね」
 イリーナは水晶球で、ユタとカンジのやり取りを見ていた。
「本当はポーリンのせいなのに……。同じ魔道師として、何だか心が痛むわね」
「とてもユウタ君達には言えませんね。シャッターの閉鎖準備、完了です。風雨が強くなり次第、人形達がシャッターを閉める手筈になってます」
「ご苦労様。担当の人形は?」
「えー、ミカエラ、クラリス、メアリーにゼルダ、それとリリィです」
「最強メンバーね。頼もしいわ。(ミク人形のミカエラ以外、誰が誰だか分かんないけど)」
「師匠は安心してお休みください」
「そうさせてもらうわ。でも、本当に大丈夫なの?」
「はい。ポーリン師の『メテオ・シューティング』では全壊しましたが、台風くらいではどうってことありません」
「あれを跳ね返せるの、人間界じゃアタシと大師匠くらいよ」

 でもまだそんな大したことない天候のせいか、ホールではミク人形のミカエラが、ピアノ弾きのメアリーのピアノの演奏に合わせて歌っていた。
「大胆不敵にハイカラ革命♪磊ゝ落ゝ反戦国家♪」
(何故、“千本桜”?)
 と、イリーナ。客室に向かう途中であった。

[同日23:00.マリアの屋敷 マリア]

 マリアはいつもの通り、部屋で新しい人形を作っていた。
 今度は“ユタぐるみ”ではなく、使役用のフランス人形である。
 ポーリンの『メテオ・シューティング』によって一時期、ミク人形とフランス人形が1体だけという自体に陥ったため、数を元に戻す必要があった。
 今では常時10体の人形を同時に操れるようになった(どころか、ミク人形を人形達のリーダー、フランス人形のミカエラをサブリーダーにして他の人形を更に操れる)ため、現在の数では足りない状態にあった。
 マリアの弱点は、まだ克服されていない。
 即ち、人形を操っている間、自身は攻撃も防御もできないということである。
 これについてはサッカーをヒントにした。
 即ち、術者のマリアをゴールに見立て、ゴールキーパーに相当するポジションの人形を1体用意する。
 人数に余裕があれば、更にそこにディフェンダーを用意する。人数はその時の戦闘の状況次第で増減して構わない。
 基本、ミッドフィルダーとフォワードに敵を攻撃させるというもの。
 つまり、最低でも11人は必要ということだ。
 敵にやられて戦闘不能になった人形に代わって戦闘に参加する要員も含めても、数は大いに越したことは無かった。
 大抵、“ゴールキーパー”はミク人形が務めることが多い。
「うん。できた。あなたの名前は……」
 人形に名前を付けるのがマリアのオリジナル。
 けして、イリーナが教えたわけではない。
 今ではイリーナ自身も、毛色が違うミク人形以外のフランス人形が見分けが付かないくらい。
 一応、マリアは人形の髪の色を若干変えたり、髪型を変えたりしている。

 それぞれの台風通過待ちの過ごし方。

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2 コメント

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Unknown (ANP)
2014-07-10 00:05:59
顕彰取り消しなどと言ってはいけません!かつては敵国でしたが今では同盟国ではありませんか!同盟国を悪く言うのは人として最低のことです!日本はアメリカと手を取り合って生きていかなければいけないのです!!!









って小泉純一郎と中曽根康弘と安倍晋三と麻生太郎と産経新聞の記者が言ってたwww
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ANPさんへ (作者)
2014-07-10 07:46:36
ダグラス・マッカーサー元帥はともかく、日本本土空襲を発案・推進したカーチス・ルメイ大将への顕彰はやり過ぎだと思うんですよね。
もっともこの2人、対日戦法を巡って相当対立したようですが。
返信する

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