報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「日曜日の探偵達」

2024-05-17 20:19:51 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月2日10時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階→事務所2階]

 淀橋「こんにちはー。リサさん、いますかー?」
 小島「魔王様~、元気ですかぁ?」
 桜谷「お久しぶりです。お邪魔します」

 『魔王軍』の四天王の3人がやってきた。
 もう1人は上野凛だが、彼女はまだ春休み中は栃木の実家に帰省している。
 淀橋さんだけが運動部で、残りの2人が文化部だったはずだ。
 桜谷さんは美術部でリサの肖像画を描き、それがリサに気に入られて、1年生ながら四天王に格上げされている。
 リサに気に入られたどころか、東京都主催のコンクールで最優秀賞を受賞してしまうほど。

 愛原「やあ、いらっしゃい。リサも待ってるよ」
 リサ「おー、皆!ようこそようこそ!歓迎する!」
 淀橋「魔王様、元気で何よりです!」
 小島「大手術だったんですって?」
 リサ「いやあ、2日間くらい意識無くしてた」
 淀橋「マジ!?で、人間に戻ったんですか?」

 するとリサ、鬼形態になる。

 リサ「これ見て、人間だと言える?」
 桜谷「あー……」
 淀橋「な、何かスイマセン」
 愛原「それより皆、立ち話も何だから上がりなって」
 リサ「それもそうだ」
 淀橋「お邪魔しまーす」
 リサ「よし、皆。わたしの部屋に移動!」
 愛原「部屋に行くのか?リビングにいてもいいんだぞ?」
 リサ「いやいや、ちょっと着替えさせるから」
 愛原「着替え?」
 リサ「ヨドバシは水泳部の競泳水着、コジマはブルマ、さくらやは学校のスク水」
 愛原「コスプレイベントでもやるつもりかい?」
 リサ「愛原先生の御為に。南無南無」
 愛原「普通の恰好でいいの!それに、どうせ俺、下で事務作業やってるから」
 リサ「えー……」
 愛原「おやつやジュースは適当に飲み食いしていいから」
 小島「一応、途中で買って来ました」
 リサ「ゲームやろ、ゲーム」
 小島「了解」

 私と高橋は2階の事務所に移動した。

 愛原「オマエは来なくて良かったんだぞ?」
 高橋「いえ、俺も先生の弟子ですからお手伝いします」
 愛原「そんなこと言って。本当は、リサ達が盛り上がってるからうるさいってのが本音だろ?」
 高橋「ううっ……さすが先生。名推理です」
 愛原「お前が俺の弟子になって、何年経ったよ。だいたいお前の性格からして分かるよ」
 高橋「スイマセンっス」
 愛原「まあいいや。昼前には出掛けるぞ。そんで、昼飯食って帰るパターンだ」
 高橋「うっス」
 愛原「まずは、ホテル天長園での出来事を記録する」
 高橋「記録して、どうするんスか?」
 愛原「どうやら蓮華の遺体……というか、首は回収されたらしい。これから、彼女の事について色々と調査が行われるだろう。そんな時、天長園の時はどうだったか、色々聞かれるかもしれない。そんな時、『後で資料を作成します』よりは、『もうできています』の方が印象いいだろ?」
 高橋「なるほど、先手必勝っスね。さすがっス」
 愛原「天長園のことはリサには内緒だから、『魔王軍』の四天王達が来て盛り上がってる隙に作成するんだ」
 高橋「了解っス」

[同日12時05分 天候:晴 同地区 菊川駅前バス停→錦11系統車内]

 私と高橋は、菊川駅前のバス停に移動した。
 尚、そこまではリサ達もついてきた。
 さすがに体操服とブルマではアレなので、リサはTシャツとショートパンツに着替えたが。
 お昼を買う為に、マクドナルドに行くだけらしい。

 リサ「先生、早く帰って来てね」
 愛原「あー、分かった分かった」

 お昼時なので、日曜日と言えど、交差点に面しているレジは混雑している。
 リサの交通系ICカードはチャージ済みなので、それで買うことができるはずだ。
 恐らく、またビッグマックのセットでも買うつもりなのだろう。

 高橋「先生、バスが来ました。……亀戸駅前?でいいんですか?」
 愛原「ああ、亀戸駅行きが来たか。別にいいよ。あれでも錦糸町には行ける」
 高橋「そうっスか」

 折り戸式の前扉が開いて、バスに乗り込む。
 あんまり本数の多い路線ではないので、そんなに賑わっているわけではないのだが、そこそこ座席は埋まっている。
 私達が乗り込んだ時に、ちょうど後ろの席が空いたので、そこに座った。

〔発車致します。お掴まり下さい〕

 バスは私達の他に何人かの乗客を乗せると、前扉と中扉を閉めて発車した。
 尚、レジに並んでいるリサがこちらに気づいて手を振ってくる。
 しょうがないので、私も手を振り返した。

 高橋「全く、ガキみたいに……」
 愛原「まあ、まだ高校生だからねぇ……」

〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用くださいまして、ありがとうございます。このバスは、錦糸町駅前経由、亀戸駅前行きでございます。次は菊川三丁目、菊川三丁目。……〕

 愛原「俺達は俺達で、錦糸町で昼飯を食おう」
 高橋「うっス!……でも結局、何しに行くんスか?ラーメン食いに行くだけじゃないっスよね?」
 愛原「勝手にラーメンに決めるんじゃねぇw 駅に行くんだよ、駅」
 高橋「駅っスか?そこから電車で?」
 愛原「いや、本当に駅に行くだけ」
 高橋「えっ???」

[同日12時15分 天候:晴 同区江東橋 JR錦糸町駅]

〔「錦糸町駅前です。ご乗車ありがとうございました」〕

 バスは錦糸町駅前のバス停に到着した。
 駅前のロータリーではなく、都道上のバス停に停車する。
 中扉から降りるが、ここが終点ではない為か、全員が降りるわけではない。
 それから私達は、JR錦糸町駅に移動した。

 愛原「ここでキップを買うんだ」
 高橋「やっぱ電車に乗るんじゃないスか」
 愛原「今日は乗らないよ、今日は」
 高橋「はあ……」

 指定席券売機の前に立つ。

 愛原「まずは指定席で……」

 私は慣れた手つきで、券売機の画面をタップした。

 愛原「ふんふん……。うーん……4人一塊となると……。先頭車……空いてない……。あー、最後尾行けるかな。……まあ、ここでいいか。で、特急券だけでいい、と……」
 高橋「先生は、一体どこへ行こうとされてるんですか?」
 愛原「なぁに。リサの為に、近場でも旅行に連れて行こうと思って。特急なら旅行気分も出るだろ?」
 高橋「旅行なら、俺が車出しますよ」
 愛原「点数残り1点で?」
 高橋「あっ……」
 愛原「まあ、電車で行こう。幸い、席は空いてたから」
 高橋「は、はあ……」

 私は指定席特急券を4枚発券すると、それをパスケースの中に入れた。

 愛原「当日までこれは、預かっておく。じゃあ、昼飯に行こう。……お前がラーメンて言うから、またラーメン食いたくなったじゃないか」
 高橋「さ、サーセン」
 愛原「で、どこかラーメン屋はあるのか?」
 高橋「家系とかどうでしょう?」
 愛原「家系か……。他には?」
 高橋「ここにも“青葉”がありますよ」
 愛原「“青葉”あんの?よし、そこにしよう。ああいうのでいいんだよ、ああいうので」
 高橋「了解しました。こっちです」

 私達は昼食にラーメンを食べて行くことにした。

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