報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「温泉からの帰り路」 2

2024-05-31 21:41:07 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月9日16時10分 天候:晴 神奈川県横須賀市久里浜 東京湾フェリーバス停→京浜急行バス久7系統車内]

 

 温泉施設から出たリサ達は、再び東京湾フェリーのターミナルの方に向かって歩いた。
 ターミナル前のバス停から、久里浜駅行きのバスに乗る為である。
 このバス停からは、京急久里浜駅行きが出ている。
 JR久里浜駅前にもバス停はあるが、このバス停からそこまで行くバスは出ていない。
 リサ達のようにJR久里浜駅に行きたい者は、京急久里浜駅から歩いて行くことになる。
 もっとも、そこからは徒歩5分ほどであるが。
 東京湾フェリーは京浜急行電鉄の子会社である為、なるべくライバル企業のJRの方に利用客を送り込みたくないというのがあるのだろうし、そもそも、横須賀市内から東京方面への需要が殆ど京浜急行に流れているからというのもあるだろう。
 ここから出ている系統は久7系統と久8系統。
 どちらも京急久里浜駅まで行くが、途中経路が違う。
 また、久7系統はこのバス停が始発なのに対し、久8系統は別の場所、野比海岸という所からやってくる。
 前者は東京湾フェリーのダイヤに接続しており、後者はそれは考慮していないようだ。

 

 バスがやってきて、リサ達はバスに乗り込んだ。

 愛原「後ろから乗るんだ」
 リサ「埼玉や仙台のバスみたいだね」
 愛原「そう。乗る時にカードをタッチする所も同じだ」

 案の定、フェリーターミナルからやってきた乗客達がぞろぞろと後から乗り込んで来る。
 今はどうだか不明だが、まだ東京湾アクアラインが開通する前、もっと東京湾フェリーが賑わっていた頃は、バスも臨時の続行便を出すほどだったという。

〔「お待たせ致しました。行政センター前経由、京急久里浜駅行き、発車致します」〕

 バスはダイヤ通りに停留所を発車した。

〔ピンポーン♪ ご乗車ありがとうございます。このバスは久里浜行政センター前経由、京急久里浜駅行きでございます。次は久里浜港、久里浜港でございます〕

 愛原「いやあ~、温泉に入ったおかげか、肩こりや腰痛も治った気がするなぁ……」
 高橋「良かったっスね。でも、リサの電撃のせいじゃないスか?」
 リサ「お兄ちゃん!」
 愛原「電撃?静電気の間違いだろ?静電気程度の電力で、肩こりや腰痛が治るとは思えんが……」
 リサ「そうだよね。温泉の効果だよ」
 愛原「だよな」

 そして、リサは……。

 リサ「BSAAに報告したの!?」
 レイチェル「見逃すわけにはいきまセンね。でも、『制御はできている』とは言っておきました」
 リサ「それでフォローできてるかなぁ……」
 レイチェル「『尚、電撃は愛原センセイが浮気した時のみ、発動されるもよう』とも言っておきましたよ」
 リサ「ム、そうか……。それなら……。本部は何て?」
 レイチェル「司令員がボブだったのですが、『レイチェルも季節外れのJokeが言えるようになったかー!HAHAHA!』と笑っていたので明日、お尻にハンドガンを撃ち込んでやろうと思っています」
 リサ「BSAA、いつの間にお笑い芸人の事務所になったの?」

[同日16時20分 天候:晴 同地区内 京急久里浜駅前]

〔ピンポーン♪ ご乗車ありがとうございました。まもなく終点、京急久里浜駅、京急久里浜駅でございます。日蓮正宗恵光山法照寺へは、横須賀中央駅から徒歩10分です。連絡乗車券をお持ちのお客様は、お降りの際、乗務員にお見せください。どなた様も、お忘れ物の無いよう、お支度願います。京浜急行バスをご利用くださいまして、ありがとうございました〕

 最初は海沿いを走っていたバスも、今では街中を走行している。
 浜金谷よりも都会的な雰囲気のある久里浜であったが、やはりこちらの方が栄えているようだ。

〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点、京急久里浜駅、京急久里浜駅でございます。お忘れ物の無いよう、ご注意ください」〕

 そしてバスは、駅前のバスプール内に到着した。

 

 高橋「何か、都会の駅っスね」
 愛原「ああ。俺達の地元路線、都営新宿線で言うと、東側の終点の本八幡駅くらいの規模じゃないか?」

 

 愛原「こんな立派な駅ビルが建ってるくらいだもんな」
 高橋「でも、この駅から電車には乗らないんスね?」
 愛原「京急じゃ、直接錦糸町駅まで行けないし、それに……」
 高橋「それに?」
 愛原「この時間、京急久里浜始発の電車が無いんだ」
 高橋「凄い拘りっスね……」
 愛原「まあ、そう言うな。JR久里浜駅は、ここから歩いて行けるから」
 高橋「はあ……」
 レイチェル「皆さん、私はここでお別れです」
 愛原「えっ?」
 レイチェル「HQから緊急連絡がありました。急いでHQまで戻らないといけません」
 愛原「なるほど。JRだと遠回りだから、京急に乗れってことだな?」
 レイチェル「そういう事です」
 リサ「そうなの!?」
 愛原「そう。横須賀市の人達が、何故JRではなく、京急で横浜や品川方面に行くのかというと、JRは遠回りな上、運賃が高いからだ。俺達みたいに総武快速線の方まで行きたいとか、鎌倉の方に行きたいとかあれば乗るんだろうがな」

 鎌倉は京急では行けない。

 レイチェル「そういうわけで、私はここで失礼します」
 愛原「ああ、分かった。気を付けて」
 リサ「一体、何があったの?」
 レイチェル「機密です」
 リサ「そんなに!?」
 レイチェル「ハイ。それじゃリサ、また明日、学校で」
 リサ「う、うん。無事に会えるといいね」

 リサ達はレイチェルと別れ、JR久里浜駅の方へ。

 リサ(ま、まさか、わたしの電撃の特技が問題視されたんじゃ……。やっぱり、内緒にしといた方が良かったかなぁ……)

 一方、京急久里浜駅に入ったレイチェルは……。

 レイチェル「こちらレイチェル。これからKeikyuで帰還する。どうぞ」

 インカムでHQと連絡を取る。

 ボブ「了解。超A級の任務を背負っていることを忘れるな」
 レイチェル「その任務の内容、まだ聞いてないんだけど?」
 ボブ「何を言ってる。もう既に遂行中じゃないか」
 レイチェル「Huh?」
 ボブ「俺達に日本のネイビーのCurryを届けるという重大な任務だ。急いで帰ってこいよ」
 レイチェル「……了解。着いたらケツにハンドガン撃ち込んでやるから覚悟しといて」
 ボブ「Huh?What?(ん?何か言ったか?)」
 レイチェル「……Nothing.(別に)」

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