報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「久里浜温泉」

2024-05-30 16:25:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月9日11時10分 天候:晴 神奈川県横須賀市久里浜 東京湾フェリー“かなや丸”船内→久里浜港]

〔♪♪♪♪。ご案内致します。本船はまもなく、久里浜港に着岸致します。どなた様も、船内にお忘れ物ございませんよう、お確かめください。お客様に、下船についての御案内を申し上げます。船は着岸の際、多少揺れますので、十分ご注意ください。お車で御乗船のお客様は、船が完全に着岸するまでは、お客様の安全の為、お車には戻れませんので、着岸の船内放送があるまで、しばらくお待ちください。徒歩で御乗船のお客様は、客室タラップからの下船となります。下船後、京急久里浜駅方面は、ターミナル前より、連絡バスが出ております。また、JR久里浜駅は京急久里浜駅より、徒歩約4分で参ります。お煙草をお吸いのお客様にお願い申し上げます。下船時は、徒歩下船口及び旅客通路は禁煙となっておりますので、御協力のほどお願い申し上げます。本日は東京湾フェリーに御乗船頂きまして、真にありがとうございました〕

 目の前に久里浜港の岸壁が見えてくると、船内に自動放送が流れた。

 高橋「何とか、無事に到着できそうっスね、先生?」
 愛原「ああ、そうだな」

 私達は2階客室の4人席に腰かけ、リサは中央に座らせ、その両側をホールドしていた。
 危うく船上で狩りを始める始末だったからだ。
 このままでは、レイチェルだけでなく、他のBSAAも出動してくる騒ぎとなってしまうだろう。

 愛原「リサ、人間形態になったか?」
 リサ「何とか……」

 リサは生やしていた2本角を引っ込め、長く尖った爪も引っ込んで丸くなっている。
 すると船内放送にあった通り、ドスンと船が揺れる衝撃が伝わって来る。
 どうやら、港に接岸したようである。
 船首甲板に出ている船員が太いロープを岩壁にいる係員に渡し、その係員はロープの先をボラードに固定している。

 愛原「よし、降りよう」

 私達は客室を出ると、渡されたタラップを通って下船した。
 それから通路を進むと、途中に改札口がある。
 金谷港にあるのと違い、ブースではなく、通路上に係員が立っているといった感じ。

 係員「はい、ありがとうございました」

 係員が乗船券を回収しているので、それを渡す。
 それから更に通路を進んで、ターミナルの建物に入る。
 金谷港と違うのは、乗り場が金谷港が1階にあったのに対し、久里浜港は2階にあること。
 待合室を抜けると、階段とエスカレーターがあり、それで1階に降りた。
 金谷港よりも建物の規模が大きいのだろうか?

 

 1階には、金谷港にもあったような乗船券の有人窓口と券売機が置いてある。
 そこを抜けると、右手にはタクシー乗り場、左手にはバス停がある。

 愛原「帰りは、ここからバスに乗って駅まで向かうぞ」
 高橋「分かりました」
 愛原「ところで、レイチェルはどうした?」
 リサ「もうターミナルにいるはずなんだけどね、ちょっと連絡してみる」

 リサはスマホを取り出した。
 と、そこへ……。

 レイチェル「すいまセーン!お待たせしましたー!」

 タクシー乗り場の方から、レイチェルが走って来た。
 私服姿で、薄紫色のTシャツにトレーナー、下はジーンズを穿いている。

 愛原「おっ、私服だな?」
 リサ「訓練は終わったの?」
 レイチェル「はい!着替えてこっちに来ました」
 愛原「船で来たというのは?」
 レイチェル「訓練で使ったタグボートに乗せてもらったんですが、接岸ポイントが少し離れてて……。それで急いで来ました」
 愛原「そういうことだったのか」

 訓練の一環というわけでもなさそうだな。

 愛原「それじや、行くか。ここから歩いて近いから」
 高橋「何気に船から見えてましたね?」
 愛原「そういうこと」

[同日11時30分 天候:晴 同地区内 海辺の湯 久里浜店]

 リサ「魚の匂いがする」
 愛原「ここで海鮮料理とかも食べれるんだぞ。昼はそれにしようと思っている」
 リサ「そうかぁ……」

 リサはあまり魚料理が好きではないようだ。
 但し、肉よりはという意味で、別に嫌いというわけではない。
 食べる時は、それこそ骨まで食べる勢いだ。
 大浴場は3階にある為、エレベーターで向かう。
 但し、一気に3階まで上がれるわけではなく、2階で別にエレベーターに乗り換えないと行けない。

 リサ「混浴混浴
 愛原「あー、残念ながら混浴は無いぞ」
 リサ「むー……!」

 リサは頬を膨らませた。
 先に券売機で入浴券を買い、シューズロッカーで靴を預けて、フロントに向かう。

 レイチェル「タオルなら持ってます」
 愛原「そうか。じゃあ、レイチェルはレンタルのタオルはいいな」

 フェイスタオルだけは購入しなければならない。
 しっかりここの施設の名前が入っているタオルである。
 まあ、あとは家で使うとしよう。

 愛原「それじゃ、上がったら2階の休憩所で待ち合わせよう」
 パール「かしこまりました」
 リサ「わたしが先生の体洗いたかったのにぃ……」
 高橋「ざまぁミソラシド!先生のお体は、俺が隅々まで洗わせて頂いてやらぁ!」
 愛原「……いや、背中だけでいいからな?」
 リサ「わたしが体全体使って、先生のお肌をぉ……」(*´Д`)ハァハァ
 高橋「さて、先生、行きましょうか。性欲鬼が暴走する前に」
 愛原「う、うむ」

 私と高橋は、逃げるように男湯へと向かった。

 愛原「『鬼は風呂好き』という法則、上野利恵達で十分学んだつもりだ。何せ、自ら温泉ホテル経営してるくらいだからな」
 高橋「温泉旅行にかこつけて、先生を食うつもりですよ、あいつらは。十分気を付けてくださいよ」
 愛原「わ、分かってるって」

 そして、ロッカーに荷物や服を入れると、早速中へと入るのだった。

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