[12月27日18時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
私は事務所を閉めて、徒歩圏内の同じ地区内にあるマンションに帰宅した。
来年はこのような煩わしさも無くなる。
愛原「ただいまァ」
尚、高橋は夕食の支度の為に先に帰宅していた。
高橋「お帰りなさいっス!」
帰宅すると、夕食の良い匂いがしていた。
キッチンには高橋と、メイド服姿のパールがいた。
リサ「お帰りなさい!」
絵恋「お、お帰りなさい……」
愛原「あ、ああ。ただいま」
出迎えた2人の少女は、体操服にブルマ姿だった。
リサは『東京魔王軍』に買ってもらったエンジ色のブルマを穿いており、絵恋は青いブルマを穿いていた。
高橋以外、コスプレ会場だな。
青いブルマとは、沖縄中央学園でかつて着用されていたものである。
どうやら絵恋は、そちらと東京中央の緑の2色を持っているらしい。
愛原「大丈夫?寒くない?」
リサ「うん!」
絵恋「へ、平気です!」
愛原「リサはともかく、絵恋さんは普通の人間なんだから、無理しなくていいんだよ?寒かったら、もっと温かい恰好をしても……」
絵恋「大丈夫です。暖房が効いてますので」
確かに室内は暖房が効いて暖かい。
しかし、私にとっては普通の長袖長ズボンでちょうど良い室温だと思う。
それより露出の高い半袖の体操服にブルマでは、どうなのだろうと思った。
それとも、私よりずっと若いからそうでもないのだろうか?
愛原「そうかい?」
私はそれならまあいいかとばかりに自分の部屋に行き、そこでスーツから私服に着替えた。
夕食は予告通り、すき焼き。
リサが待ち切れないでいる。
リサ「先生!早く早く!」
愛原「あー、ハイハイ」
私が自分の席に座ると、すぐに高橋が私のグラスにビールを注いでくれた。
愛原「じゃあ、食べるとしよう。いただきまーす」
リサ「いただきまーす!」
リサは早速、すき焼き鍋の中に入っている生煮えの肉を取り出した。
愛原「まだ、煮え切ってねーだろ」
リサ「このくらいがちょうどいいんだよ~」
絵恋「ワイルドなリサさん、素敵」
高橋「へっくし!」
パール「お肉はだいぶ購入致しましたので、どんどん召し上がってください」
高橋「あとで食費はもらうからなぁ!」
愛原「お前が言うなよ……」
私は呆れながら、菜箸でパールに具を取ってもらった。
愛原「パールは食わんのか?」
パール「メイドは最後に頂きます。マサもね」
高橋「俺は使用人じゃねぇ!」
リサ「不肖の弟子が、師匠と一緒に食べていいの?」
絵恋「そうそう。相撲部屋でも、弟子は親方の後に食べるよね?」
高橋は席を立った。
高橋「せ、先生。ビールのお代わり、お持ちしましょうか?」
愛原「まだいいよ」
ここだと、高橋が1番、立場が中途半端なんだな……。
100パーセント来客の絵恋、その従者であろうとするパール。
家族のリサと、弟子の高橋と……。
愛原「あー、皆。食べながらでいいので聞いてくれ」
高橋「はい!」
愛原「明日、仕事が入ったので、高橋とリサには一緒に来てもらう」
高橋「ああ、あれっスね」
リサ「なに?なに?」
愛原「栗原蓮華さんからの仕事の依頼さ」
リサ「え?あの、鬼斬りセンパイから?」
愛原「そう。埼玉に『鬼の棲む家』があるらしい。しかし、蓮華さん達がいくら捜索しても、『鬼』は見つからない。そうこうしているうちに、その家は売りに出された上に、その住人達も消息不明とのことだ。結局その家に鬼は住んでいたのか、それを調査して欲しいという依頼だ」
リサ「鬼って、わたしと同じBOW?」
愛原「それが分からないんだ。もしもそうなら、とっくにBSAAが出動しそうなものだがね」
絵恋「場所はどこですか?」
愛原「おー、もしかしたら、絵恋さんの前の家の近所かもしれないんだ。住所が『埼玉県さいたま市中央区上落合……』なんだけど、知ってる?」
絵恋「思いっきり近所な住所っぽいわね!」
パール「……というか、もしかしたら、それこそ近隣レベルかもしれません。地図ではお調べになりましたか?」
愛原「あ、いや、まだだな……」
パール「お調べしましょうか?」
愛原「そうだな……」
高橋「お、俺がやりますよ!俺は先生の弟子ですから!」
高橋は席を立った。
そして、自分の部屋へと向かって行った。
愛原「忙しない奴だ。……とにかく、今は売りに出されている。仲介している不動産屋が、正に絵恋さんの実家がやっている不動産仲介会社だから、鍵も借りて来た。幸い、もう年末ということもあって、明日は内見の予約は入っていないらしい」
絵恋「前に住んでいた方ってのは、何てお名前だったんですか?」
愛原「あ……名前までは聞いてない。俺が聞いている限りでは、3人家族が住んでいたというんだな」
絵恋「3人家族……」
愛原「夫婦に子供が1人って感じ」
リサ「その子供が鬼だったのかな?」
愛原「分からん。ただ、蓮華さんの情報によれば、そこで人食い……あ、夕食時に言う話じゃないな。とにかく、リサの欲望丸出しの展開が起きていた可能性があるという。そこで、蓮華さんを含む鬼狩り隊が訪ねてみたのだが、現場を押さえることはできなかったそうだ」
絵恋「ということは、栗原先輩は1度中に入ってるわけですね?」
愛原「そうだな」
絵恋「中はどんな感じだったのでしょう?」
愛原「ごくごく普通の一軒家だったそうだ。2階建てで車庫付き、狭いながらも庭付きの」
絵恋「さいたま市内では、本当にごくありふれた家って感じですね」
愛原「そうみたいだね。玄関があって、入るとリビングとダイニングがあったそうだ」
リサ「うん。フツー過ぎ」
そんなことを話していると、高橋が戻って来た。
どうやら自分の部屋のノートパソコンから、プリンターに地図を印刷したらしい。
高橋「お待たせしました!先生、凄いっスよ!」
愛原「何が!?」
高橋「こいつンちの裏手です!」
愛原「なにいっ!?」
地図によると、件の物件は斉藤家の北隣にあった。
日本の家は、あまり日の当たらない北側には窓を設けない。
それは斉藤家もそうであった。
だから、気づかなかったのだ。
斉藤家には屋上があったが、その屋上の塔屋自体が北側にある為、その更に北側にある例の家の存在には気づかなかった。
尚、4階建ての斉藤家に対して、2階建ての家は採光の問題は大丈夫なのかと思ったが、一応、斉藤家は1車線分の道を挟んだ向かいにあるので、その分、遮蔽が避けられているようである。
絵恋「これは気づかなかったわねぇ……」
パール「確か、数年前まではコインパーキングだった場所です。それが無くなって、工事が始まったのですよ。新しい家でも建つのかと思っていたのですが、どうやら正解でしたね」
愛原「なるほど。コインパーキングは、遊休地の有効活用法としてはベタな法則だからな。……数年前ということは、かなり築浅の家なんだな」
パール「そういうことになります」
借家だったのだろうか?
分譲住宅なら、買ってたったの数年で引っ越すなんて勿体ないと思うが……。
とにかく、明日行ってみることにしよう。
愛原「高橋、車を頼む」
高橋「了解っス!」
私は事務所を閉めて、徒歩圏内の同じ地区内にあるマンションに帰宅した。
来年はこのような煩わしさも無くなる。
愛原「ただいまァ」
尚、高橋は夕食の支度の為に先に帰宅していた。
高橋「お帰りなさいっス!」
帰宅すると、夕食の良い匂いがしていた。
キッチンには高橋と、メイド服姿のパールがいた。
リサ「お帰りなさい!」
絵恋「お、お帰りなさい……」
愛原「あ、ああ。ただいま」
出迎えた2人の少女は、体操服にブルマ姿だった。
リサは『東京魔王軍』に買ってもらったエンジ色のブルマを穿いており、絵恋は青いブルマを穿いていた。
高橋以外、コスプレ会場だな。
青いブルマとは、沖縄中央学園でかつて着用されていたものである。
どうやら絵恋は、そちらと東京中央の緑の2色を持っているらしい。
愛原「大丈夫?寒くない?」
リサ「うん!」
絵恋「へ、平気です!」
愛原「リサはともかく、絵恋さんは普通の人間なんだから、無理しなくていいんだよ?寒かったら、もっと温かい恰好をしても……」
絵恋「大丈夫です。暖房が効いてますので」
確かに室内は暖房が効いて暖かい。
しかし、私にとっては普通の長袖長ズボンでちょうど良い室温だと思う。
それより露出の高い半袖の体操服にブルマでは、どうなのだろうと思った。
それとも、私よりずっと若いからそうでもないのだろうか?
愛原「そうかい?」
私はそれならまあいいかとばかりに自分の部屋に行き、そこでスーツから私服に着替えた。
夕食は予告通り、すき焼き。
リサが待ち切れないでいる。
リサ「先生!早く早く!」
愛原「あー、ハイハイ」
私が自分の席に座ると、すぐに高橋が私のグラスにビールを注いでくれた。
愛原「じゃあ、食べるとしよう。いただきまーす」
リサ「いただきまーす!」
リサは早速、すき焼き鍋の中に入っている生煮えの肉を取り出した。
愛原「まだ、煮え切ってねーだろ」
リサ「このくらいがちょうどいいんだよ~」
絵恋「ワイルドなリサさん、素敵」
高橋「へっくし!」
パール「お肉はだいぶ購入致しましたので、どんどん召し上がってください」
高橋「あとで食費はもらうからなぁ!」
愛原「お前が言うなよ……」
私は呆れながら、菜箸でパールに具を取ってもらった。
愛原「パールは食わんのか?」
パール「メイドは最後に頂きます。マサもね」
高橋「俺は使用人じゃねぇ!」
リサ「不肖の弟子が、師匠と一緒に食べていいの?」
絵恋「そうそう。相撲部屋でも、弟子は親方の後に食べるよね?」
高橋は席を立った。
高橋「せ、先生。ビールのお代わり、お持ちしましょうか?」
愛原「まだいいよ」
ここだと、高橋が1番、立場が中途半端なんだな……。
100パーセント来客の絵恋、その従者であろうとするパール。
家族のリサと、弟子の高橋と……。
愛原「あー、皆。食べながらでいいので聞いてくれ」
高橋「はい!」
愛原「明日、仕事が入ったので、高橋とリサには一緒に来てもらう」
高橋「ああ、あれっスね」
リサ「なに?なに?」
愛原「栗原蓮華さんからの仕事の依頼さ」
リサ「え?あの、鬼斬りセンパイから?」
愛原「そう。埼玉に『鬼の棲む家』があるらしい。しかし、蓮華さん達がいくら捜索しても、『鬼』は見つからない。そうこうしているうちに、その家は売りに出された上に、その住人達も消息不明とのことだ。結局その家に鬼は住んでいたのか、それを調査して欲しいという依頼だ」
リサ「鬼って、わたしと同じBOW?」
愛原「それが分からないんだ。もしもそうなら、とっくにBSAAが出動しそうなものだがね」
絵恋「場所はどこですか?」
愛原「おー、もしかしたら、絵恋さんの前の家の近所かもしれないんだ。住所が『埼玉県さいたま市中央区上落合……』なんだけど、知ってる?」
絵恋「思いっきり近所な住所っぽいわね!」
パール「……というか、もしかしたら、それこそ近隣レベルかもしれません。地図ではお調べになりましたか?」
愛原「あ、いや、まだだな……」
パール「お調べしましょうか?」
愛原「そうだな……」
高橋「お、俺がやりますよ!俺は先生の弟子ですから!」
高橋は席を立った。
そして、自分の部屋へと向かって行った。
愛原「忙しない奴だ。……とにかく、今は売りに出されている。仲介している不動産屋が、正に絵恋さんの実家がやっている不動産仲介会社だから、鍵も借りて来た。幸い、もう年末ということもあって、明日は内見の予約は入っていないらしい」
絵恋「前に住んでいた方ってのは、何てお名前だったんですか?」
愛原「あ……名前までは聞いてない。俺が聞いている限りでは、3人家族が住んでいたというんだな」
絵恋「3人家族……」
愛原「夫婦に子供が1人って感じ」
リサ「その子供が鬼だったのかな?」
愛原「分からん。ただ、蓮華さんの情報によれば、そこで人食い……あ、夕食時に言う話じゃないな。とにかく、リサの欲望丸出しの展開が起きていた可能性があるという。そこで、蓮華さんを含む鬼狩り隊が訪ねてみたのだが、現場を押さえることはできなかったそうだ」
絵恋「ということは、栗原先輩は1度中に入ってるわけですね?」
愛原「そうだな」
絵恋「中はどんな感じだったのでしょう?」
愛原「ごくごく普通の一軒家だったそうだ。2階建てで車庫付き、狭いながらも庭付きの」
絵恋「さいたま市内では、本当にごくありふれた家って感じですね」
愛原「そうみたいだね。玄関があって、入るとリビングとダイニングがあったそうだ」
リサ「うん。フツー過ぎ」
そんなことを話していると、高橋が戻って来た。
どうやら自分の部屋のノートパソコンから、プリンターに地図を印刷したらしい。
高橋「お待たせしました!先生、凄いっスよ!」
愛原「何が!?」
高橋「こいつンちの裏手です!」
愛原「なにいっ!?」
地図によると、件の物件は斉藤家の北隣にあった。
日本の家は、あまり日の当たらない北側には窓を設けない。
それは斉藤家もそうであった。
だから、気づかなかったのだ。
斉藤家には屋上があったが、その屋上の塔屋自体が北側にある為、その更に北側にある例の家の存在には気づかなかった。
尚、4階建ての斉藤家に対して、2階建ての家は採光の問題は大丈夫なのかと思ったが、一応、斉藤家は1車線分の道を挟んだ向かいにあるので、その分、遮蔽が避けられているようである。
絵恋「これは気づかなかったわねぇ……」
パール「確か、数年前まではコインパーキングだった場所です。それが無くなって、工事が始まったのですよ。新しい家でも建つのかと思っていたのですが、どうやら正解でしたね」
愛原「なるほど。コインパーキングは、遊休地の有効活用法としてはベタな法則だからな。……数年前ということは、かなり築浅の家なんだな」
パール「そういうことになります」
借家だったのだろうか?
分譲住宅なら、買ってたったの数年で引っ越すなんて勿体ないと思うが……。
とにかく、明日行ってみることにしよう。
愛原「高橋、車を頼む」
高橋「了解っス!」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます