報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「賑やかな夜」 2

2023-06-14 20:47:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月27日20時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 夕食が終わり、高橋とパールが洗い物の片づけをしている。

 高橋「先生、一人鍋と携帯コンロ借ります」
 愛原「ああ、分かった」

 メイドのパールはメイドとしての立場から、頑として私達と一緒に夕食を取ろうとはしなかった。
 また、高橋も気を使ってか、あまり夕食を取らなかった。
 私達の食事が終わった後、今度はメイド達が夕食を取るわけである。
 一人鍋に、残ったすき焼きでも食べるだろうか。

 愛原「火事には気を付けろよ?」
 高橋「分かってます」

 私はダイニングに残って、食後のコーヒーを飲んでいた。
 リサと絵恋はダイニングのソファに移動して、映画を観るという。

 絵恋「なに観るの?」
 リサ「“バイオハザード・ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ”」
 絵恋「……行けなくなる前に、先におトイレ行ってくるわね」
 リサ「何だ、空手の有段者なのに……」

 絵恋は沖縄中央学園で、かつて着用されていた青いブルマを穿いている。
 実際に着用されていた物はさすがに製造休止となっているので、在庫品を手に入れて穿いている。
 沖縄中央学園は東京中央と同様、ブルマが廃止されただけで、上のデザインは大して変更がされなかったようである。
 東京中央では『魔王軍』の尽力により、ブルマは事実上の廃止から復活へ(選択制となった)。
 沖縄中央では、元々規定が無い為、実質的な廃止でもない(校則で体操服そのものの規定が廃止された為。但し、一応これといった標準的な物はある)。
 東京よりも廃止かどうかの判断が沖縄では曖昧だった為、却ってブルマの廃れが東京よりも遅くなったという(東京では校則から『ブルマ』の文字を削除したことで、事実上の廃止としたが、沖縄ではいきなり体操服に関する規定そのものを廃止した為、逆にブルマがしばらく残る形になってしまったという)。

 愛原「リサはエンジのブルマなんだな……」
 リサ「来年の絵のモデル用に買ってもらったんだけど、気が早いよね。ずっとしまっておくわけにもいかないから、取りあえず穿いてる」

 今年の『魔王様の肖像画』は、東京都のコンクールで見事最優秀賞を受賞した為、リサが紹介されることとなった。
 『魔王様』が悪魔のような姿ではなく、日本の鬼が何故か体操服と紺色のブルマを穿いているというデッサンが却って革新的だとの評価を受けたのである。

 リサ「それとも、学校の緑のブルマにする?」
 愛原「いや、いいよ、それで。寒くない?」
 リサ「わたしは全然。それより明日は仕事だけど、年末年始はどこか行くの?」
 愛原「蓮華に誘われている大石寺と、上野姉妹の実家のホテルとどっちがいい?」
 リサ「……リンとこのホテル一択!」
 愛原「よし、分かった」
 リサ「大丈夫なの?ホテル天長園も、宗教施設でしょ?年末年始は信者達で混むんじゃないの?」
 愛原「いや、それが大丈夫らしい。近隣の信者は参詣に来るだろうが、あくまでもホテル裏手の聖堂にしか行かないそうだ。年末年始は、総本山に詣でるのが習わしらしいぞ」
 リサ「天長会の総本山って?」
 愛原「宗旨が変わって、今は京都の大江山らしいぞ。酒呑童子や茨木童子という有名な鬼がいた山だ」
 リサ「! “鬼ころし”の赤鬼さん……」
 愛原「いや、あれ、違うだろ」
 リサ「初詣は……天長会の聖堂?」
 愛原「いや、あそこは信者じゃないと参拝できないから。初詣は東京に帰ってからでもいいだろう。あくまでも今回は、単なる温泉旅行だ」
 リサ「なるほど。……確かあそこ、近くに遊園地があったよね?」
 愛原「もう1回行くか?」
 リサ「! おー!」

 そこへ絵恋が戻って来た。

 リサ「エレン、遅い」
 絵恋「ごめんなさい。急にお腹の具合が……」
 愛原「まだ、寄生虫の影響が?」

 絵恋には特注の虫下しが処方されている。
 これはBSAAの研究部門で開発されたもので、それまでのバイオハザードで登場した寄生虫を体外に排出させる効果がある。
 元は回復薬のグリーハーブということで、体にも良い。

 絵恋「そういうことではないんですけど……」
 リサ「今はもうわたし、寄生虫使いじゃないから」
 愛原「電撃使いだもんな」
 リサ「そう」

 リサはブルーレイデッキに、映画のBDをセットした。
 ……私はあえて黙っておいた。
 絵恋さんはリサを待たせてはイカンと、急いでトイレから出て来たのだろう。
 慌ててブルマを穿いた為に、左後ろの裾から白いショーツがハミパンしているのを。
 そしてリサはリサで、四つん這いになった時に、ブルマの上がずり下がって、同じく白いショーツのゴムが見えているのを。

 リサ「オリジナルの大先輩が映画に出てるんだ。カッコいい活躍だよ」
 絵恋「そ、そう。楽しみね」

 あの映画も、ポリコレ連中の圧力を受けて、ジル・バレンタインが黒人女優なんだよなぁ……。
 敵側ではあるものの、ある程度の明確な意思と、主人公達を襲う理由がそんなに悪意のあるものではなく、そこが監督に味方キャラとして起用された理由でもあるらしい。
 それの日本版改良亜種のリサ・トレヴァー達は、完全にサイコパスだらけの悪役キャラであったが。
 ここにいるリサだけが、その中でも最も良心を持ち合わせている。
 だから、私はここにいるリサだけは助けてやろうと思ったのだ。
 但し、もしもリサが映画に出て来るオリジナルの姿をしていたら……やはり、自爆する研究所に取り残しておいたかもしれない。
 『曲がりなりにも人間の姿をしているから』という理由だけで、自爆する研究所から連れ出したこのリサは……それで良かったのかもしれない。

 愛原「俺は自分の部屋に戻るよ」
 リサ「先生は観ないの?」
 愛原「だって俺、もう何度も観たよ?」
 リサ「それもそうか。……先生」
 愛原「何だ?」
 リサ「わたしの部屋、鍵掛けてないから」
 愛原「それがどうした?」
 リサ「今日着てた服とか、まだ脱ぎっ放しにしてるから」
 愛原「???」
 リサ「他の秘蔵エロ動画でヌくんだったら、わたしの服でヌいてよ?」
 絵恋「えぇえっ!?ふ、不潔だわ!リ、リサさんの服でオ○ニィするなんて!」
 リサ「他の女でヌかないで、わたしでヌいてよ……!」
 愛原「アホかーっ!」

 やっぱり、今夜も賑やかな夜になるであろう。

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