[8月11日06:45.天候:晴 宮城県仙台市泉区のぞみケ丘(架空) 旧・南里ロボット研究所]
建物の入口までやってくる。
あまり手入れされていないせいか、白い壁がかなりくすんでいた。
敷島:「ほとんど倉庫みたいなものだからな。それも、月に1回誰かが来るか来ないかってところか」
敷島は口元を歪めながら鍵を取り出した。
DCJ仙台支社の所有でありながら鍵を持っている理由は、敷島エージェンシーもこの倉庫を借りているからという表向きである。
エミリー:「もし敷島エージェンシーがもっと大きくなって、仙台に支社を作ることになったら、ここなんかどうでしょうか?」
敷島:「おっ、いいねぇ。DCJさんなら格安で貸してくれるだろう」
玄関の扉を開けると、バージョン4.0が出迎えに来た。
侵入だと分かれば攻撃してくるだろうが。
敷島:「おはようさん、分かるか?」
敷島はバージョン4.0の両目に顔を持って来た。
あっという間に虹彩から何からスキャンしてしまう。
4.0:「おはようございます」
4.0は敷島に向かってペコリとお辞儀をした。
敷島:「認識できたみたいだな」
MEIKO:「できなかったら、エミリーにボコされるわよ」
敷島:「それもそうだな」
4.0:「エミリー様!?」
4.0はバッと伏せ拝を行った。
伏せ拝というよりは、江戸時代御三家の大名行列に遭遇した民衆のような感じ(尚、外様大名の参勤交代の場合、他国の民衆は道を開けるだけで良く、伏せ拝の義務は無かったという)。
MEIKO:「エミリー、神降臨扱いになってる」
エミリー:「ああ、別にいい。顔を上げて良い」
敷島:「『苦しゅうない。面を上げい』だな」
4.0:「ハハーッ!」
MEIKO:「ところで、アタシ達に挨拶は?」
4.0:(;一_一)
どうやら必死にメモリーを検索しているらしい。
MEIKO:「あれ?アタシら、有名なの東京だけ?」
敷島:「そんなはずは無いんだが……」
4.0:「ピーッ!」
どうやら認識が完了したようである。
4.0:「姉チャン、エエ乳シトルヤンケ」
ムニュムニュとMEIKOの乳を揉む4.0。
MEIKO:「わあっ!?このヘンタイ!どヘンタイ!セクハラ!キモッ!ガラクタ野郎!!」
ボーカロイドに武力は無いとはいうが、それは銃火器や刀剣類などが装備されていないという意味である。
MEIKOのアイアンクローが炸裂。
4.0:「ピー……!」
敷島:「やるなぁ、MEIKO」
エミリー:「私の護衛は要らないようだな」
MEIKO:「冗談。こいつらが機銃掃射してきたら護衛頼むよ」
エミリー:「他機にモノを頼む態度ではないな」
初音ミク:「MEIKOさん、ちょっと乱暴ですよ。バージョンさんは認識阻害が起きただけですよ」
MEIKO:「だからって、タダでオッパイもみもみされちゃーね……」
敷島:「誰がいつ、『金払えばお触りOK』っつった!?」
4.0:「ソウヤソウヤ!スカートめくりナラエエンちゃうんカ?」
バッと4.0、今度はミクのスカートを捲り上げる。
ミク:「きゃあっ!」
初音ミクのパンツと言えば緑と白の縞パンと相場が決まっていると思ったそこのあなたは通ですが、もしあなたがフィギュアをお持ちなら、是非ともスカートの中を覗いてみてください。
4.0:「白ヤ、白!清純ナ純白ヤ!」
必ずしも縞パンとは限りません。
エミリー:「社長、こいつ裏の崖に吊るしておきます」
敷島:「ああ、そうしてくれ」
研究所の裏手は10メートルの崖になっており、その下はバスの折り返し場がある。
この折り返し場から研究所にアクセスすることも可能。
但し、車道と違って全て階段である。
敷島が初めてこの研究所を訪れた時はこっちのルートだった。
MEIKO:「大丈夫?お尻とか触られなかった?」
ミク:「はい……」
MEIKO:「人間ならいくら触られてもしょうがないのに、あんなロボットに触られるなんて……」
敷島:「いや、その考え方も辞めた方がいいぞ」
MEIKO:「もちろん、社長ならお触りOKですからね」
ミク:「わ、わたしもです」
敷島:「あー、そりゃありがとう。それだけ信頼してくれてるものと受け止めておくよ」
敷島は大きく左手を振った。
敷島:「それよりここに来たのには理由がある」
エントランスホールには、アップライトピアノがある。
ただのピアノではなく、楽譜を置く場所にモニターが設置されている。
要は電子ピアノなのである。
敷島:「エミリーが戻ってきたら早速弾いてもらおう。そんで、お前達にはそれで歌ってもらうから」
ミク:「何をです?」
敷島:「ミクは“オホーツク旅情歌”、MEIKOは“モーニング・ブルース”だ」
ミク:「わたしはもうその歌はインストールされてますよ?」
MEIKO:「同じく」
敷島:「お前達が、じゃない。エミリーがだよ」
MEIKO:「エミリーが?」
敷島:「エミリーには護衛以外にも仕事があるってことさ」
エミリーが戻って来ると、敷島は早速エミリーにピアノを弾かせた。
音源については既にピアノの中に入れてある。
エミリーはその音源データを読み取って、その通りにピアノを弾けば良かった。
MEIKO:「いやだよモーニン♪夜明けが来なきゃ〜♪」
MEIKOが自分の持ち歌を歌い終わると、エミリーが息を吐いた。
エミリー:「ピアノソロ曲版、インストールが完了しました」
敷島:「よし。まあ、実際はシンディと一緒にやってもらうがな」
MEIKO:「あ、そういうことなの」
マルチタイプも楽器には秀でている。
エミリーはピアノなどの鍵盤楽器、シンディはフルートなどの木管楽器、今はもうこの世にいないが、キールはバイオリンなどの弦楽器、アルエットはトランペットなどの金管楽器を得意とする。
MEIKO:「マルチタイプに何かやらせるんだったら、アルエットも連れて来れば良かったのに」
敷島:「いや、あいつは科学館の常設展示だから」
それでもエミリーとシンディが科学館に行って、一緒に『マルチタイプの演奏会』をやったことがある。
エミリー:「あっ……」
ピアノが自動で次の曲目を表示した。
エミリー:「“初音ミクの消失です”」
敷島:「マジか!」
エミリーの演奏は止まらない。
ミクも釣られて昔の持ち歌を歌う。
バージョン・シリーズに対して、強制シャットダウンを伝える電気信号を発する歌。
それを聞いたセクハラ4.0も吊るされたまま強制的に電源を切られてしまったのである。
この他、敷島達は保管されていたバッテリーパックと充電器、その他のアイテムを手にして元・研究所をあとにしたのだった。
えっ?吊るされた4.0がどうなったのかって?【お察しください】。
建物の入口までやってくる。
あまり手入れされていないせいか、白い壁がかなりくすんでいた。
敷島:「ほとんど倉庫みたいなものだからな。それも、月に1回誰かが来るか来ないかってところか」
敷島は口元を歪めながら鍵を取り出した。
DCJ仙台支社の所有でありながら鍵を持っている理由は、敷島エージェンシーもこの倉庫を借りているからという表向きである。
エミリー:「もし敷島エージェンシーがもっと大きくなって、仙台に支社を作ることになったら、ここなんかどうでしょうか?」
敷島:「おっ、いいねぇ。DCJさんなら格安で貸してくれるだろう」
玄関の扉を開けると、バージョン4.0が出迎えに来た。
侵入だと分かれば攻撃してくるだろうが。
敷島:「おはようさん、分かるか?」
敷島はバージョン4.0の両目に顔を持って来た。
あっという間に虹彩から何からスキャンしてしまう。
4.0:「おはようございます」
4.0は敷島に向かってペコリとお辞儀をした。
敷島:「認識できたみたいだな」
MEIKO:「できなかったら、エミリーにボコされるわよ」
敷島:「それもそうだな」
4.0:「エミリー様!?」
4.0はバッと伏せ拝を行った。
伏せ拝というよりは、江戸時代御三家の大名行列に遭遇した民衆のような感じ(尚、外様大名の参勤交代の場合、他国の民衆は道を開けるだけで良く、伏せ拝の義務は無かったという)。
MEIKO:「エミリー、神降臨扱いになってる」
エミリー:「ああ、別にいい。顔を上げて良い」
敷島:「『苦しゅうない。面を上げい』だな」
4.0:「ハハーッ!」
MEIKO:「ところで、アタシ達に挨拶は?」
4.0:(;一_一)
どうやら必死にメモリーを検索しているらしい。
MEIKO:「あれ?アタシら、有名なの東京だけ?」
敷島:「そんなはずは無いんだが……」
4.0:「ピーッ!」
どうやら認識が完了したようである。
4.0:「姉チャン、エエ乳シトルヤンケ」
ムニュムニュとMEIKOの乳を揉む4.0。
MEIKO:「わあっ!?このヘンタイ!どヘンタイ!セクハラ!キモッ!ガラクタ野郎!!」
ボーカロイドに武力は無いとはいうが、それは銃火器や刀剣類などが装備されていないという意味である。
MEIKOのアイアンクローが炸裂。
4.0:「ピー……!」
敷島:「やるなぁ、MEIKO」
エミリー:「私の護衛は要らないようだな」
MEIKO:「冗談。こいつらが機銃掃射してきたら護衛頼むよ」
エミリー:「他機にモノを頼む態度ではないな」
初音ミク:「MEIKOさん、ちょっと乱暴ですよ。バージョンさんは認識阻害が起きただけですよ」
MEIKO:「だからって、タダでオッパイもみもみされちゃーね……」
敷島:「誰がいつ、『金払えばお触りOK』っつった!?」
4.0:「ソウヤソウヤ!スカートめくりナラエエンちゃうんカ?」
バッと4.0、今度はミクのスカートを捲り上げる。
ミク:「きゃあっ!」
初音ミクのパンツと言えば緑と白の縞パンと相場が決まっていると思ったそこのあなたは通ですが、もしあなたがフィギュアをお持ちなら、是非ともスカートの中を覗いてみてください。
4.0:「白ヤ、白!清純ナ純白ヤ!」
必ずしも縞パンとは限りません。
エミリー:「社長、こいつ裏の崖に吊るしておきます」
敷島:「ああ、そうしてくれ」
研究所の裏手は10メートルの崖になっており、その下はバスの折り返し場がある。
この折り返し場から研究所にアクセスすることも可能。
但し、車道と違って全て階段である。
敷島が初めてこの研究所を訪れた時はこっちのルートだった。
MEIKO:「大丈夫?お尻とか触られなかった?」
ミク:「はい……」
MEIKO:「人間ならいくら触られてもしょうがないのに、あんなロボットに触られるなんて……」
敷島:「いや、その考え方も辞めた方がいいぞ」
MEIKO:「もちろん、社長ならお触りOKですからね」
ミク:「わ、わたしもです」
敷島:「あー、そりゃありがとう。それだけ信頼してくれてるものと受け止めておくよ」
敷島は大きく左手を振った。
敷島:「それよりここに来たのには理由がある」
エントランスホールには、アップライトピアノがある。
ただのピアノではなく、楽譜を置く場所にモニターが設置されている。
要は電子ピアノなのである。
敷島:「エミリーが戻ってきたら早速弾いてもらおう。そんで、お前達にはそれで歌ってもらうから」
ミク:「何をです?」
敷島:「ミクは“オホーツク旅情歌”、MEIKOは“モーニング・ブルース”だ」
ミク:「わたしはもうその歌はインストールされてますよ?」
MEIKO:「同じく」
敷島:「お前達が、じゃない。エミリーがだよ」
MEIKO:「エミリーが?」
敷島:「エミリーには護衛以外にも仕事があるってことさ」
エミリーが戻って来ると、敷島は早速エミリーにピアノを弾かせた。
音源については既にピアノの中に入れてある。
エミリーはその音源データを読み取って、その通りにピアノを弾けば良かった。
MEIKO:「いやだよモーニン♪夜明けが来なきゃ〜♪」
MEIKOが自分の持ち歌を歌い終わると、エミリーが息を吐いた。
エミリー:「ピアノソロ曲版、インストールが完了しました」
敷島:「よし。まあ、実際はシンディと一緒にやってもらうがな」
MEIKO:「あ、そういうことなの」
マルチタイプも楽器には秀でている。
エミリーはピアノなどの鍵盤楽器、シンディはフルートなどの木管楽器、今はもうこの世にいないが、キールはバイオリンなどの弦楽器、アルエットはトランペットなどの金管楽器を得意とする。
MEIKO:「マルチタイプに何かやらせるんだったら、アルエットも連れて来れば良かったのに」
敷島:「いや、あいつは科学館の常設展示だから」
それでもエミリーとシンディが科学館に行って、一緒に『マルチタイプの演奏会』をやったことがある。
エミリー:「あっ……」
ピアノが自動で次の曲目を表示した。
エミリー:「“初音ミクの消失です”」
敷島:「マジか!」
エミリーの演奏は止まらない。
ミクも釣られて昔の持ち歌を歌う。
バージョン・シリーズに対して、強制シャットダウンを伝える電気信号を発する歌。
それを聞いたセクハラ4.0も吊るされたまま強制的に電源を切られてしまったのである。
この他、敷島達は保管されていたバッテリーパックと充電器、その他のアイテムを手にして元・研究所をあとにしたのだった。
えっ?吊るされた4.0がどうなったのかって?【お察しください】。
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