[10月12日18:00.天候:雨 東京都江東区森下 ワンスターホテル]
鈴木:「おーい、戻ったよー」
エレーナ:「早いな。飯食いに行ったんじゃないのか?」
鈴木は両手にレジ袋を手にホテルに戻って来た。
もちろん今日も宿泊しているのである。
鈴木:「食い終わる頃には暴風雨で戻れなくなっていると困るから、テイクアウトにしてきた」
鈴木は“ほっともっと”の袋を手にしていた。
鈴木:「今日はレストランも休みみたいだしな」
エレーナ:「ああ、それは申し訳無い。台風のせいでカラス達が怖がって働いてくれないんだとよ」
鈴木:「確かに、いくらカラスでも台風の時は飛んでないなぁ」
ワンスターホテル1F奥にある創作料理レストラン“マジックスター”は、ポーリン組に所属していたキャサリンが経営する店舗である。
エレーナの先輩に当たるが、今では弟子を取れる魔道師となった為、ポーリン組を独立している。
創作料理ではあるが、実際は魔法料理である。
といってもハーブやキノコなど、魔法薬の材料としても料理の材料としても成り立つものを使って客に出しているので、決して危険ではない。
口コミでは、『西洋の薬膳料理が出る店』などと噂されている。
で、接客するホールスタッフ達は全てキャサリンの使い魔。
エレーナのそれが黒猫なら、キャサリンは烏である。
エレーナの魔力ではまだ黒猫のクロを擬人化させることはできないが、キャサリンほどの魔道師になればそれは可能。
黒髪に褐色の肌をした人間態のカラス達が接客している。
とはいえ、元はカラス。
こういう災害発生フラグが立っていると、真っ先に身を隠すのである。
尚、料理の中にチキンが入っているが、カラス達にとっては平気。
だってカラス、他の鳥を襲って食べるくらいだから。
同じカラスでも、弱った同類を共食いするほどである。
エレーナ:「この分だと明日もモーニングは休みかもしれないぜ」
鈴木:「だろうな。だから一応、明日の朝の分も買って来た」
エレーナ:「さすがだな」
鈴木:「何事も備えが大事なんだよ、備えが」
そんなことを話していると、奥からオーナーが出て来た。
オーナー:「鈴木さん、いつもありがとうございます」
鈴木:「いえいえ、お世話になっております」
オーナー:「エレーナ、裏口には一応土嚢は置いといた。そこのエントランスも、道路が冠水しそうになったら土嚢を置いてくれ」
エレーナ:「了解しました」
鈴木:「江東区は浸水地域がありますからね。……この辺も?」
オーナー:「そうなんです。鈴木さんも、今夜は御自宅にお戻りになられた方が良かったかもしれませんよ?」
鈴木:「そこのマンションだから、結局同じですよ」
オーナー:「あ、いえ、そうじゃなくて御実家の方です」
鈴木:「実家の方が危ないと思いますよ。世田谷の川沿いなんで」
エレーナ:「思いっ切り死亡フラグ立ってんな、おい」
鈴木:「だから俺は、ここに避難させてもらっているというわけさ」
オーナー:「御両親はもう避難なさっておられるのですか?」
鈴木:「親父は霞ヶ関の議員会館に避難しているでしょうし、オフクロは韓国に避難しています。あのバ韓流BBAが」
オーナー:「なるほど」
バチバチバチバチ!(窓ガラスに大粒の雨が叩き付けられる音)
鈴木:「おっと!」
オーナー:「こりゃ早めに土嚢を準備した方がいいかもしれないな。ロビーに置いておくから、エレーナ、あとは頼む」
エレーナ:「了解です」
鈴木:「地下は大丈夫なの?浸水被害が発生したら、真っ先に地下がやられると思うけど……」
エレーナ:「今夜はリリィを泊まらせてある。何かあったら、すぐ私の所に連絡するよう言ってある」
このホテルの地下には魔界に繋がる出入口があり、エレーナはその番人という顔も持っているのだ。
浸水したらその出入口にも被害が及ぶのは言うまでもない。
鈴木:「土嚢を置く時、手伝おうか?」
エレーナ:「余計な心配だぜ、鈴木?お客に土嚢積みを手伝わせるホテルがどこにあるんだぜ?」
鈴木:「いや、まあ、そりゃそうだけど……」
オーナー:「エレーナ、早く鈴木さんに鍵を渡しなさい」
エレーナ:「おっと!こりゃ失礼!」
エレーナは鈴木に鍵を渡した。
鈴木:「もしかしたら停電があるかもしれませんね」
オーナー:「その時は室内に非常灯がありますし、あと机の下に懐中電灯が備え付けられておりますので、真っ暗になる心配はございません」
鈴木:「それは助かります」
鈴木は客室フロアに上がる前に、自販機コーナーで飲み物を何本か購入した。
鈴木:「停電したら水道も止まるからな、今のうちに水でも買っておくか」
その足でエレベーターに乗り込んだ。
オーナー:「稲生さんの所、長野県の山奥だろう?あそこは大丈夫なのかね?」
エレーナ:「立地条件的に死亡フラグが立ちまくっているような場所ですが、今夜はイリーナ先生も泊まり込むとのことで、恐らく大丈夫でしょう」
オーナー:「そうか。それなら……」
バチン!(停電した音)
オーナー:「ありゃ!?もう停電した!?」
エレーナ:「オーナー、ちょっと地下見て来ますね!浸水してたらヤバい!」
オーナー:「う、うむ!」
エレーナは地下室への鍵を手にすると、非常階段から地下へ向かった。
階段から行こうとすると、階段室のドアには鍵が掛かっているので、鍵を持って行かなくてはならない。
エレーナ:「リリィ、大丈夫か!?」
元々地下の機械室は薄暗い空間ではあるのだが、その薄暗い照明も消えていて、今は非常灯の明かりや非常口誘導灯、それに消火栓の赤いランプが点灯しているだけだった。
リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……!暗闇こそ、我がパラダーイス!」
エレーナ:「オマエは、そういうヤツだったな。魔女の中では珍しいタイプたぜ」
リリィが人間時代、唯一恐怖から逃れられた場所が暗闇であったことから、リリィは今でも暗い所を好む傾向である。
エレーナの部屋でも照明を点けずに真っ暗な地下室で過ごしているほどだ。
しかし鈴木からテレビゲームを融通され、それをプレイする時だけは照明を点けるようにエレーナから言われたので、それは守っている。
いかに魔女とはいえど、真っ暗闇の中でゲームをするのは目に悪いからだ。
エレーナ:「それより浸水は……してないな」
リリアンヌ:「フヒヒヒ。もし、してたら、すぐ先輩にお知らせする約束です」
エレーナ:「それもそうか。てことは、このホテルがやられたんじゃなく、もっと向こうの方がやられたか。サイアクだぜ」
リリアンヌ:「私にとってはパラダーイス」
エレーナ:「でもゲームはできねーぜ?」
リリアンヌ:「フヒッ!?そ、そそ、それは困ります!せっかくもう少しでエンディングだったのに!」
エレーナ:「もうクリアするのか。今夜は鈴木が泊まっているから、また新しいゲーム融通してもらいな……って!」
エレーナはバッとエレベーターの方を見た。
停電したということは、エレベーターも止まったということだ。
エレーナ:「あ゛、ヤベっ。多分、鈴木、エレベーターん中だ」
リリアンヌ:「フヒッ!?閉じ込め!?」
エレーナ:「いつもならキモヲタはそのまんまにしてやるところだが、さすがに今は客として泊まっているわけだから、スタッフとしてそれもマズいな」
リリアンヌ:「それにムッシュ鈴木はこのホテルの常連、つまり上客です」
エレーナ:「た、確かに。しゃあねぇ、助けてやっか」
パッ!(復電した)
エレーナ:「おっ、点いた」
リリアンヌ:「フヒッ!?ぱ、パラダイスが……」
エレーナ:「でもゲームはできるぜ?」
リリアンヌ:「フヒッ、そうでした!」
エレーナ:「とにかく、地下室は異常無しと……。エレベーターは……うん、再起動したな。全く。ガチで停電するとは、今夜は一睡もできそうにないぜ」
エレーナはボヤきながら、再び1階へと戻っていった。
鈴木:「おーい、戻ったよー」
エレーナ:「早いな。飯食いに行ったんじゃないのか?」
鈴木は両手にレジ袋を手にホテルに戻って来た。
もちろん今日も宿泊しているのである。
鈴木:「食い終わる頃には暴風雨で戻れなくなっていると困るから、テイクアウトにしてきた」
鈴木は“ほっともっと”の袋を手にしていた。
鈴木:「今日はレストランも休みみたいだしな」
エレーナ:「ああ、それは申し訳無い。台風のせいでカラス達が怖がって働いてくれないんだとよ」
鈴木:「確かに、いくらカラスでも台風の時は飛んでないなぁ」
ワンスターホテル1F奥にある創作料理レストラン“マジックスター”は、ポーリン組に所属していたキャサリンが経営する店舗である。
エレーナの先輩に当たるが、今では弟子を取れる魔道師となった為、ポーリン組を独立している。
創作料理ではあるが、実際は魔法料理である。
といってもハーブやキノコなど、魔法薬の材料としても料理の材料としても成り立つものを使って客に出しているので、決して危険ではない。
口コミでは、『西洋の薬膳料理が出る店』などと噂されている。
で、接客するホールスタッフ達は全てキャサリンの使い魔。
エレーナのそれが黒猫なら、キャサリンは烏である。
エレーナの魔力ではまだ黒猫のクロを擬人化させることはできないが、キャサリンほどの魔道師になればそれは可能。
黒髪に褐色の肌をした人間態のカラス達が接客している。
とはいえ、元はカラス。
こういう災害発生フラグが立っていると、真っ先に身を隠すのである。
尚、料理の中にチキンが入っているが、カラス達にとっては平気。
だってカラス、他の鳥を襲って食べるくらいだから。
同じカラスでも、弱った同類を共食いするほどである。
エレーナ:「この分だと明日もモーニングは休みかもしれないぜ」
鈴木:「だろうな。だから一応、明日の朝の分も買って来た」
エレーナ:「さすがだな」
鈴木:「何事も備えが大事なんだよ、備えが」
そんなことを話していると、奥からオーナーが出て来た。
オーナー:「鈴木さん、いつもありがとうございます」
鈴木:「いえいえ、お世話になっております」
オーナー:「エレーナ、裏口には一応土嚢は置いといた。そこのエントランスも、道路が冠水しそうになったら土嚢を置いてくれ」
エレーナ:「了解しました」
鈴木:「江東区は浸水地域がありますからね。……この辺も?」
オーナー:「そうなんです。鈴木さんも、今夜は御自宅にお戻りになられた方が良かったかもしれませんよ?」
鈴木:「そこのマンションだから、結局同じですよ」
オーナー:「あ、いえ、そうじゃなくて御実家の方です」
鈴木:「実家の方が危ないと思いますよ。世田谷の川沿いなんで」
エレーナ:「思いっ切り死亡フラグ立ってんな、おい」
鈴木:「だから俺は、ここに避難させてもらっているというわけさ」
オーナー:「御両親はもう避難なさっておられるのですか?」
鈴木:「親父は霞ヶ関の議員会館に避難しているでしょうし、オフクロは韓国に避難しています。あのバ韓流BBAが」
オーナー:「なるほど」
バチバチバチバチ!(窓ガラスに大粒の雨が叩き付けられる音)
鈴木:「おっと!」
オーナー:「こりゃ早めに土嚢を準備した方がいいかもしれないな。ロビーに置いておくから、エレーナ、あとは頼む」
エレーナ:「了解です」
鈴木:「地下は大丈夫なの?浸水被害が発生したら、真っ先に地下がやられると思うけど……」
エレーナ:「今夜はリリィを泊まらせてある。何かあったら、すぐ私の所に連絡するよう言ってある」
このホテルの地下には魔界に繋がる出入口があり、エレーナはその番人という顔も持っているのだ。
浸水したらその出入口にも被害が及ぶのは言うまでもない。
鈴木:「土嚢を置く時、手伝おうか?」
エレーナ:「余計な心配だぜ、鈴木?お客に土嚢積みを手伝わせるホテルがどこにあるんだぜ?」
鈴木:「いや、まあ、そりゃそうだけど……」
オーナー:「エレーナ、早く鈴木さんに鍵を渡しなさい」
エレーナ:「おっと!こりゃ失礼!」
エレーナは鈴木に鍵を渡した。
鈴木:「もしかしたら停電があるかもしれませんね」
オーナー:「その時は室内に非常灯がありますし、あと机の下に懐中電灯が備え付けられておりますので、真っ暗になる心配はございません」
鈴木:「それは助かります」
鈴木は客室フロアに上がる前に、自販機コーナーで飲み物を何本か購入した。
鈴木:「停電したら水道も止まるからな、今のうちに水でも買っておくか」
その足でエレベーターに乗り込んだ。
オーナー:「稲生さんの所、長野県の山奥だろう?あそこは大丈夫なのかね?」
エレーナ:「立地条件的に死亡フラグが立ちまくっているような場所ですが、今夜はイリーナ先生も泊まり込むとのことで、恐らく大丈夫でしょう」
オーナー:「そうか。それなら……」
バチン!(停電した音)
オーナー:「ありゃ!?もう停電した!?」
エレーナ:「オーナー、ちょっと地下見て来ますね!浸水してたらヤバい!」
オーナー:「う、うむ!」
エレーナは地下室への鍵を手にすると、非常階段から地下へ向かった。
階段から行こうとすると、階段室のドアには鍵が掛かっているので、鍵を持って行かなくてはならない。
エレーナ:「リリィ、大丈夫か!?」
元々地下の機械室は薄暗い空間ではあるのだが、その薄暗い照明も消えていて、今は非常灯の明かりや非常口誘導灯、それに消火栓の赤いランプが点灯しているだけだった。
リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……!暗闇こそ、我がパラダーイス!」
エレーナ:「オマエは、そういうヤツだったな。魔女の中では珍しいタイプたぜ」
リリィが人間時代、唯一恐怖から逃れられた場所が暗闇であったことから、リリィは今でも暗い所を好む傾向である。
エレーナの部屋でも照明を点けずに真っ暗な地下室で過ごしているほどだ。
しかし鈴木からテレビゲームを融通され、それをプレイする時だけは照明を点けるようにエレーナから言われたので、それは守っている。
いかに魔女とはいえど、真っ暗闇の中でゲームをするのは目に悪いからだ。
エレーナ:「それより浸水は……してないな」
リリアンヌ:「フヒヒヒ。もし、してたら、すぐ先輩にお知らせする約束です」
エレーナ:「それもそうか。てことは、このホテルがやられたんじゃなく、もっと向こうの方がやられたか。サイアクだぜ」
リリアンヌ:「私にとってはパラダーイス」
エレーナ:「でもゲームはできねーぜ?」
リリアンヌ:「フヒッ!?そ、そそ、それは困ります!せっかくもう少しでエンディングだったのに!」
エレーナ:「もうクリアするのか。今夜は鈴木が泊まっているから、また新しいゲーム融通してもらいな……って!」
エレーナはバッとエレベーターの方を見た。
停電したということは、エレベーターも止まったということだ。
エレーナ:「あ゛、ヤベっ。多分、鈴木、エレベーターん中だ」
リリアンヌ:「フヒッ!?閉じ込め!?」
エレーナ:「いつもならキモヲタはそのまんまにしてやるところだが、さすがに今は客として泊まっているわけだから、スタッフとしてそれもマズいな」
リリアンヌ:「それにムッシュ鈴木はこのホテルの常連、つまり上客です」
エレーナ:「た、確かに。しゃあねぇ、助けてやっか」
パッ!(復電した)
エレーナ:「おっ、点いた」
リリアンヌ:「フヒッ!?ぱ、パラダイスが……」
エレーナ:「でもゲームはできるぜ?」
リリアンヌ:「フヒッ、そうでした!」
エレーナ:「とにかく、地下室は異常無しと……。エレベーターは……うん、再起動したな。全く。ガチで停電するとは、今夜は一睡もできそうにないぜ」
エレーナはボヤきながら、再び1階へと戻っていった。
“フェイク”やアンチ日蓮正宗は日顕上人御遷化と絡めて何か言っているが、正直私は日顕上人と直接お会いしたことがないので、御尊顔がどうのとか、そういうことには興味が無い。
そりゃ宗門関係者は「良い御尊顔でした」と言うに決まってるし、顕正会員や創価学会員は、「悪相だった」と言うに決まってるだろうよ。
従って、もし顕正会員らが私の所に来て、「阿部日顕、悪相だったろ!?」とか言われても、「私は直接見ていないから何とも言えない」と答えるしか無いのである。
何せ日顕上人御遷化の後、登山を魔から妨害され、諸天からはお断わりされた男であるから。
もちろん、このままで終わるつもりはないよ。
今月中に添書登山を申し込んだので、それでリベンジするつもりだ。
さすがに魔と諸天にバカにされるのは心外だからね。