[4月20日01:00.ヤノフ城・地下 藤谷春人&イリーナ・レヴィア・ブリジッド]
「うう……すまないねぇ。いつもなら、こんな足手まといじゃないのにねぇ……」
イリーナは藤谷に肩を貸してもらいながら言った。
「いいですよ。ここで先生を救出できなかったら、稲生君達の苦労が水の泡だ」
「水の泡ねぇ……」
ザバザバザバザバ……
「ねえ?何か聞こえない?」
「え?ええ……そうっスね。何だろう……?」
「水の音?」
「水?」
藤谷は階段室のドアを開けた。
「わっ!」
開けると、中から水がザバーッと出て来た。
「な、何だ!?水が……!」
階段の上から滝のように水が流れてきている。
既に、地下牢の更に下にあるボイラー室などの類は水没してしまっているようだ。
「漏水でもしたのか!?」
「……このままだとマズいよ」
「ええ。せめて何とか地上まで上がりましょう。幸いここにはマネキンはいないみたいだ。一気に登るんで、おぶさってください!」
「ありがたいねー」
その時だった。
藤谷のケータイに着信があった。
「何だ?」
電話に出ると、
{「私だ!」}
「親父!」
{「ヘリで迎えに来たぜ!何だか城が大変なことになってるみたいだぞ!」}
「ヘリで来たの!?……で、大変って、何だ?上空から何が見える?」
{「大時計が傾いて今にも倒れそうだ。しかも、現在進行形で城の壁やら塔やらが崩れてる!どうやら夜半前までの集中豪雨と、さっきの大地震のせいらしい!時間的猶予は無さそうだ。合流ポイントは城の東館屋上に設定する。急いでくれ!」}
「マジかよ!?屋上って……!俺達が1番遠いじゃねーかよ!」
秋彦の電話を合図にするかのように壁にヒビが入り、そこから水が噴き出してきた。
「うう……すまないねぇ……。私のせいで、こんな貧乏くじ……」
「えーい!こうなったら、乗り掛かったバスだ!やるっきゃねぇ!」
「……乗り掛かった船でしょお……」
[同日同時刻 ヤノフ城・西館屋上 稲生ユウタ&マリアンナ・スカーレット]
「あっ、ヘリだ!あれがさっき電話で言ってた、藤谷地区長のヘリだな!よーし!」
ユタは既に意識の無いマリアを背負い、東西間を繋ぐ渡り廊下を走った。
だが、前方からマネキンの大群が現れる。
「くそっ!」
ユタはマリアを下ろし、ハンドガンを出した。
「これでできるか……いや!やらないと!」
ユタはハンドガンに弾を込めて、マネキン達に向けた。
あいにくと攻撃オブジェクトとなる寸胴型がいない。
いるのは人型と蟹人型(あの両手がでっかい蟹の鋏みたいになっているヤツ)だ。
「ふはははは!よくもナメくさったマネをしてくれたな!これで殺してやる!」
マネキン達の後ろにはバーズの姿があった。
「ああっ!生きてたのか!」
「行けっ!行けっ!」
マネキン達をけしかけるバーズ。
ハンドガンで応戦するユタ。
だが多勢に無勢な上、
「うわっ!弾が切れた!」
「これで終わりだな!この出来損ない者共は動きが遅いが、しかし確実に獲物を追い詰めて殺す!」
ユタはマリアを担いで、後退した。
「あれ!?」
しかし、先ほどの西館に出るドアが開かなくなってしまった。
あちこち崩壊が始まっている城。
衝撃でドアが歪んでしまったようだ。
「く、くそっ!こんな所で……」
「うう……!」
「マリアさん!?」
「ユ……ユ……タ……。この杖……」
「えっ?」
「この杖……で……。銃を……強く……」
「どうやってですか?」
「これを……向けて……『ヴァ・イ・キル・ト』と……」
「バイキルト!あの、攻撃力を高める呪文の!」
ユタはマリアから杖を借りて、手持ちのハンドガンに向けた。
「え……?でも、詠唱する呪文って何でしたっけ?」
「…………」
しかし、またマリアは意識を無くしたようだ。
「アー……!」
「ウー……!」
マネキン達はすぐそこまで迫っている。
時間が無い!
「しょうがない!この銃、強くなれ!『ヴァ・イ・キル・ト』!……南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……」
すると杖の先から光が現れ、それが銃に移った。
ハンドガンは光に包まれ、それが消えた時、グレネードランチャーと化していた。
「いいっ!?本当にできたーっ!」
ユタは飛び上がって驚いた。
しかも、ちゃんと弾も込められている。
「アー!」
「ウーッ!」
「くっ……食らえーっ!!」
ユタはグレネードランチャーを構えると、それで至近距離にいた2体を撃った。
2体は手榴弾の直撃を食らって、完全に原型を失った。
更に、遠くにいる何体もの個体に向かって撃つ。
「ちょw……んなバカな!ま、待て!お、俺は……!『同心の徒を謗るは重罪』を知らんのか!?」
ユタ、夢中で聞いていない。
しかも、退転者なので関係無い。
てか、多重ハンネ使用の謗法関係成り済ましが言っていい言葉ではない。
「うぎゃあああああああっ!!」
ユタから発せられたグレネードランチャーの攻撃を受け、バーズもまた今生から消えることとなった。
「……やっぱり!マネキン達は体が残っているのに(バラバラだけど)、バーズだけ跡形も無い!やっぱり、怨霊だったんだ!」
と!渡り廊下の天井が崩れて来る。
「こんなことしてる場合じゃない!早く東館に逃げないと!」
[同日01:15.ヤノフ城・東館屋上→ヤノフ城上空 ユタ、マリア、イリーナ、藤谷親子]
渡り廊下から東館屋上に出たユタとマリア。
階段をひたすら駆け上がってきた藤谷は、イリーナを背負っていた。
「班長!無事でしたか!」
「おう!イリーナ先生も無事だ!そっちはどうだ!?」
「はい!僕達も無事です!」
「みんな、早くヘリに乗れ!城が崩壊する!すぐに離陸するぞ!」
「よっしゃ!」
4人はヘリに乗り込んだ。
藤谷秋彦はすぐにヘリを離陸させる。
離陸させてヤノフ城の上空まで来ると、城はそこでも聞こえるくらい大きな音を立てて崩壊していった。
「お、親父!地震って、そんなにデカかったのか!?」
「確かに震源地は旭川市内だが、それでも震度5強だぞ?」
「んなバカな!震度7の地震が2〜3回来ても大丈夫なはずだぞ!?」
「或いは、その前の集中豪雨のせいで地盤が緩んだせいなのか……。だから、あんな所に城を建てるのは反対だったんだ!」
「責任は誰が取るんだ?」
「…………」
「『障魔達のしわざです』なんて、誰も信用しねーぜ?」
「んなこと分かってる!」
「……っと!それより、稲生君達だ。親父、早いとこ病院に……!」
「おおっと!そうだったな」
「あのー……」
そこへイリーナが声を掛けた。
「心配しなくていいですよ」
「何が?」
「聖水が入ってました」
イリーナはローブの中から聖水の入った瓶を出した。
「これで体力と傷が一時的に回復するんです。4人で分ければ、何とかなるかと……」
「しかし……」
「まあ、センセがそう言うなら……って、俺も飲むんスか?」
「地下深い所から、城の屋上まで私を担いでくれたんだから、相当体にムリが掛かったはずよ。いくら柔道黒帯の体力自慢といってもね」
イリーナはニヤッと笑った。
「……センセの言う通りにした方が良さそうだな」
「まあいい。取りあえず、旭川に向かう。うちの出張所の裏手の空地に着陸しよう。あそこ、ヘリポートも兼ねてるしな」
秋彦は無線を取って連絡した。
「僕達……勝ったんだ……」
「ああ、そうだな。よく頑張った」
春人はホッとするユタの肩を叩いた。
ヘリは夜半前の雷雨が去った後の雲間から、時折現れる月の下を飛んで行った。
「うう……すまないねぇ。いつもなら、こんな足手まといじゃないのにねぇ……」
イリーナは藤谷に肩を貸してもらいながら言った。
「いいですよ。ここで先生を救出できなかったら、稲生君達の苦労が水の泡だ」
「水の泡ねぇ……」
ザバザバザバザバ……
「ねえ?何か聞こえない?」
「え?ええ……そうっスね。何だろう……?」
「水の音?」
「水?」
藤谷は階段室のドアを開けた。
「わっ!」
開けると、中から水がザバーッと出て来た。
「な、何だ!?水が……!」
階段の上から滝のように水が流れてきている。
既に、地下牢の更に下にあるボイラー室などの類は水没してしまっているようだ。
「漏水でもしたのか!?」
「……このままだとマズいよ」
「ええ。せめて何とか地上まで上がりましょう。幸いここにはマネキンはいないみたいだ。一気に登るんで、おぶさってください!」
「ありがたいねー」
その時だった。
藤谷のケータイに着信があった。
「何だ?」
電話に出ると、
{「私だ!」}
「親父!」
{「ヘリで迎えに来たぜ!何だか城が大変なことになってるみたいだぞ!」}
「ヘリで来たの!?……で、大変って、何だ?上空から何が見える?」
{「大時計が傾いて今にも倒れそうだ。しかも、現在進行形で城の壁やら塔やらが崩れてる!どうやら夜半前までの集中豪雨と、さっきの大地震のせいらしい!時間的猶予は無さそうだ。合流ポイントは城の東館屋上に設定する。急いでくれ!」}
「マジかよ!?屋上って……!俺達が1番遠いじゃねーかよ!」
秋彦の電話を合図にするかのように壁にヒビが入り、そこから水が噴き出してきた。
「うう……すまないねぇ……。私のせいで、こんな貧乏くじ……」
「えーい!こうなったら、乗り掛かったバスだ!やるっきゃねぇ!」
「……乗り掛かった船でしょお……」
[同日同時刻 ヤノフ城・西館屋上 稲生ユウタ&マリアンナ・スカーレット]
「あっ、ヘリだ!あれがさっき電話で言ってた、藤谷地区長のヘリだな!よーし!」
ユタは既に意識の無いマリアを背負い、東西間を繋ぐ渡り廊下を走った。
だが、前方からマネキンの大群が現れる。
「くそっ!」
ユタはマリアを下ろし、ハンドガンを出した。
「これでできるか……いや!やらないと!」
ユタはハンドガンに弾を込めて、マネキン達に向けた。
あいにくと攻撃オブジェクトとなる寸胴型がいない。
いるのは人型と蟹人型(あの両手がでっかい蟹の鋏みたいになっているヤツ)だ。
「ふはははは!よくもナメくさったマネをしてくれたな!これで殺してやる!」
マネキン達の後ろにはバーズの姿があった。
「ああっ!生きてたのか!」
「行けっ!行けっ!」
マネキン達をけしかけるバーズ。
ハンドガンで応戦するユタ。
だが多勢に無勢な上、
「うわっ!弾が切れた!」
「これで終わりだな!この出来損ない者共は動きが遅いが、しかし確実に獲物を追い詰めて殺す!」
ユタはマリアを担いで、後退した。
「あれ!?」
しかし、先ほどの西館に出るドアが開かなくなってしまった。
あちこち崩壊が始まっている城。
衝撃でドアが歪んでしまったようだ。
「く、くそっ!こんな所で……」
「うう……!」
「マリアさん!?」
「ユ……ユ……タ……。この杖……」
「えっ?」
「この杖……で……。銃を……強く……」
「どうやってですか?」
「これを……向けて……『ヴァ・イ・キル・ト』と……」
「バイキルト!あの、攻撃力を高める呪文の!」
ユタはマリアから杖を借りて、手持ちのハンドガンに向けた。
「え……?でも、詠唱する呪文って何でしたっけ?」
「…………」
しかし、またマリアは意識を無くしたようだ。
「アー……!」
「ウー……!」
マネキン達はすぐそこまで迫っている。
時間が無い!
「しょうがない!この銃、強くなれ!『ヴァ・イ・キル・ト』!……南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……」
すると杖の先から光が現れ、それが銃に移った。
ハンドガンは光に包まれ、それが消えた時、グレネードランチャーと化していた。
「いいっ!?本当にできたーっ!」
ユタは飛び上がって驚いた。
しかも、ちゃんと弾も込められている。
「アー!」
「ウーッ!」
「くっ……食らえーっ!!」
ユタはグレネードランチャーを構えると、それで至近距離にいた2体を撃った。
2体は手榴弾の直撃を食らって、完全に原型を失った。
更に、遠くにいる何体もの個体に向かって撃つ。
「ちょw……んなバカな!ま、待て!お、俺は……!『同心の徒を謗るは重罪』を知らんのか!?」
ユタ、夢中で聞いていない。
しかも、退転者なので関係無い。
てか、多重ハンネ使用の謗法関係成り済ましが言っていい言葉ではない。
「うぎゃあああああああっ!!」
ユタから発せられたグレネードランチャーの攻撃を受け、バーズもまた今生から消えることとなった。
「……やっぱり!マネキン達は体が残っているのに(バラバラだけど)、バーズだけ跡形も無い!やっぱり、怨霊だったんだ!」
と!渡り廊下の天井が崩れて来る。
「こんなことしてる場合じゃない!早く東館に逃げないと!」
[同日01:15.ヤノフ城・東館屋上→ヤノフ城上空 ユタ、マリア、イリーナ、藤谷親子]
渡り廊下から東館屋上に出たユタとマリア。
階段をひたすら駆け上がってきた藤谷は、イリーナを背負っていた。
「班長!無事でしたか!」
「おう!イリーナ先生も無事だ!そっちはどうだ!?」
「はい!僕達も無事です!」
「みんな、早くヘリに乗れ!城が崩壊する!すぐに離陸するぞ!」
「よっしゃ!」
4人はヘリに乗り込んだ。
藤谷秋彦はすぐにヘリを離陸させる。
離陸させてヤノフ城の上空まで来ると、城はそこでも聞こえるくらい大きな音を立てて崩壊していった。
「お、親父!地震って、そんなにデカかったのか!?」
「確かに震源地は旭川市内だが、それでも震度5強だぞ?」
「んなバカな!震度7の地震が2〜3回来ても大丈夫なはずだぞ!?」
「或いは、その前の集中豪雨のせいで地盤が緩んだせいなのか……。だから、あんな所に城を建てるのは反対だったんだ!」
「責任は誰が取るんだ?」
「…………」
「『障魔達のしわざです』なんて、誰も信用しねーぜ?」
「んなこと分かってる!」
「……っと!それより、稲生君達だ。親父、早いとこ病院に……!」
「おおっと!そうだったな」
「あのー……」
そこへイリーナが声を掛けた。
「心配しなくていいですよ」
「何が?」
「聖水が入ってました」
イリーナはローブの中から聖水の入った瓶を出した。
「これで体力と傷が一時的に回復するんです。4人で分ければ、何とかなるかと……」
「しかし……」
「まあ、センセがそう言うなら……って、俺も飲むんスか?」
「地下深い所から、城の屋上まで私を担いでくれたんだから、相当体にムリが掛かったはずよ。いくら柔道黒帯の体力自慢といってもね」
イリーナはニヤッと笑った。
「……センセの言う通りにした方が良さそうだな」
「まあいい。取りあえず、旭川に向かう。うちの出張所の裏手の空地に着陸しよう。あそこ、ヘリポートも兼ねてるしな」
秋彦は無線を取って連絡した。
「僕達……勝ったんだ……」
「ああ、そうだな。よく頑張った」
春人はホッとするユタの肩を叩いた。
ヘリは夜半前の雷雨が去った後の雲間から、時折現れる月の下を飛んで行った。
藤谷秋彦はヘリの操縦免許は持っていますが、別に藤谷組がヘリを持っているわけではありません。
どこかでレンタルしてきたという設定です。
http://www.lawson.co.jp/campaign/static/gochiusa/
藤谷も、元々はヤーさんだった。
会社名が(株)藤谷組な所に名残がある。
私が怨嫉者なら、もっと揚げ足取るところだ。
しかし、体験発表会できる功徳があるだけ素晴らしいと思う。
“唱えていこう妙法を”は比較的アップテンポのようだが、どちらかというと少年部の歌って感じだ。
学会歌並の完成度の高い愛唱歌は作られないものか……。
私は小説は書けても、作詞・作曲はできないからなぁ……。
そりゃそうだろよ。
まず、小使いが3万円になるのがきつい。
嫁の親兄弟がウザい。
将来親の介護問題。
料理洗濯掃除裁縫が嫌いな嫁が多い。
育児ノイローゼとか言ってすぐカッとなる病気
てなわけで独身の方が心が安定する。
休みは外国で12000人の女と遊べるwww
従って、結婚は非常に危険でムリ。
>自国の女性に見切りをつけた男性が増えたからでは?
日本の女性と結婚するのは自滅行為に等しいからね。
以前は外国人嫁というと嫁不足の田舎をイメージしたが、最近は、美男子や高収入の男性が積極的な理由で外国人と結婚している様子。
そういや、私の小説でも、日本人女は殆ど登場しないなぁwww