報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「八王子に到着」

2024-10-03 11:36:31 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月13日18時19分 天候:晴 東京都八王子市旭町 JR中央快速線1793T電車2号車内→八王子駅]

〔まもなく八王子、八王子。お出口は、右側です。横浜線と、八高線はお乗り換えです〕

 東京駅から凡そ50分ほどで八王子に到着する。
 特快に乗ると速い。
 立川から先は各駅停車になるが、それでも駅間距離が長くなる為か、スピード感は落ちない。

 

〔はちおうじ~、八王子~。ご乗車、ありがとうございます。次は、西八王子に、停車します〕

 私達はここで電車を降りた。
 発車メロディで、『夕焼け小焼け』が流れる。
 これは作詞者の中村雨紅が八王子市出身であることに因んだもの。
 私達はエレベーターでコンコースに上がった。
 女子高生2人の荷物は手持ちのボストンバッグだからまた良いが、私の荷物がキャリーケースである為。
 東京都西部で最も大きな町の中心駅ということもあり、多くの利用者で賑わっている。
 ここ以外にも京王八王子駅があって、これでも分散されている方なのだろう。

 リサ「先生、トイレ行ってきていい?」
 愛原「いいよ。俺も行こう」
 リサ「先生、捕まるよ?」
 愛原「誰が女子トイレまで行くっつった!?」
 リサ「ここなら一緒に入れるよ?」

 リサは多目的トイレを指さした。

 愛原「そこもお前と入ったら通報されるだろうがな」

 トイレを済ませた後は、改札口を出る。
 本当ならこのまま宿泊先のホテルに向かうところだが、私は1つ寄り道をすることにした。
 寄り道と言っても、別の駅の外に出て明後日の方向に向かうわけではない。
 それは指定席券売機。

 リサ「何をしてるの?もしかして、わたしと愛の逃避行の準備?BSAA振り切って!」
 レイチェル「それは無理ですよ。BSAAは地球のどこまででも、BOWを掃討します」
 愛原「違うって」

 私が購入したのは、特急券と乗車券を合計4枚。

 愛原「はい。月曜日の通学用」
 リサ「ん?」
 愛原「八王子6時48分発、特急“はちおうじ”4号、東京行き。東京駅には7時42分に着くが、そこから乗り換えて上野に行っても学校には間に合うだろう?」
 リサ「まあ、それなら間に合うね」
 愛原「上野東京ラインに乗り換えれば、乗り換え無しで上野に行ける」
 リサ「それはいいね。6時48分かぁ……。ホテルで朝食は……無理だよね?」
 愛原「駅弁でも買ったら?」

 私はNewDaysを指さした。
 かつては専門の駅弁屋が存在していたそうだが、今は撤退し、駅弁はNewDaysで扱っているとのこと。

 愛原「さっきの中央特快の通勤電車と違って、特急だから、車内で弁当食えるよ」
 リサ「それならいい!」
 愛原「キップは無くさないように……」

 私は乗車券と特急券を2枚ずつ、2人に渡した。
 近距離である為、乗車券も『八王子→東京都区内』とか『八王子→東京山手線内』ではなく、ピンポイントで『八王子→上野』である。

 愛原「中央線は早朝から混むからな。俺からのサービスだよ」
 レイチェル「ありがとうございます」
 愛原「東京から上野方面は空いてると思うけど……」
 リサ「うん、多分空いてる。アキバから乗り換えるけど、やっぱ東京駅に行く方が混んでる」
 愛原「だろうな。よし、下準備はここまで。ホテルに行くぞ」
 リサ「はーい」
 レイチェル「Yes,sir!」

[同日18時45分 天候:晴 同市内同地区 京王プラザホテル八王子]

 駅前のホテルに到着する。
 JR八王子駅前にあるので、今回はJRを利用したのもこれが理由。
 名前の通り、京王グループのホテルなのに、最寄りは京王八王子駅ではなく、JR八王子駅という不思議。
 用地取得の関係だろうか。

 リサ「だいぶ前、このホテルに泊まったことあるねー」
 レイチェル「本当ですか」
 リサ「まあ、色々とあったけどね」
 レイチェル「セキュリティのしっかりしているホテルを選ぼうとすると、これくらいの規模でないとダメということでしょう」
 リサ「まあ、BOWに侵入されたら意味無いけどね」
 レイチェル「だから、私がいるのです」
 リサ「あ、はい」

 私はフロントに行って、チェックインした。
 部屋割りは当然の如く、私がシングル、リサとレイチェルがツインである。
 カードキーを受け取り、エレベーターに向かう。

 リサ「え、先生。一緒に泊まろうよ?」
 愛原「さすがにそれは倫理上、できない」
 レイチェル「セキュリティ上は、リサの言う通りなんですけどね」
 リサ「でしょ!?でしょ!?」
 愛原「しかしだなぁ……」
 レイチェル「あの人……高橋サンが裏切り者だと分かった以上、センセイもけして安全とは言えないかもしれませン」
 愛原「もうこの部屋割りになってるんだから、しょうがないだろ」

 エレベーターに乗り込んで、客室フロアに向かう。
 因みに部屋はデイライトが取ってくれたので、どういうプランで予約され、どのランクの部屋が予約されたのかは分からない。
 少なくとも、結婚式を執り行ったりすることもできるシティホテルなので、それなりに高い値段のホテルであることは間違いないはずだ。
 ただ、ランクの高い部屋だと最上階とか、その付近の部屋になるはずだが、そうではなかったので、そこまで高いランクの部屋ではないもよう。
 そしてエレベーターを降り、客室へ向かう。
 リサとレイチェルの部屋は角部屋で、私はその隣……。
 角部屋のツイン……コーナーツインというわけか。
 あれ?ということは、そこそこ高いランクなのでは?

 愛原「じゃあ、準備ができたら夕食食べに行こう」
 リサ「はーい」

 私はカードキーでドアを解錠し、部屋に入った。

 愛原「ほう……」

 案の定、ベッドはダブルサイズだった。
 デスクも窓側にあって広い。
 これなら明日、ここで事務作業ができるかもな。
 私はキャリーケースからノートPCを取り出して、デスクの上に設置した。
 スマホでWiFiの接続状況をチェックしたが、それも完璧。
 リサも大喜びだろう。
 私はスマホで、近くの焼き鳥屋を検索した。

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