[5月12日13:10.天候:晴 東京都豊島区池袋 JR池袋駅・山手線ホーム]
〔まもなく7番線に、上野、東京方面行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください〕
明日の新幹線のキップを購入した稲生と鈴木は、今度は山手線で秋葉原へ向かうことにした。
現地にはマリア以下4名の魔女達が散策しているはずだ。
〔「7番線、ご注意ください。山手線外回り、田端、上野、東京方面行きの到着です。ホームドアから離れてください」〕
やってきた電車は……。
稲生:「少し長めに乗る時に限って、E231なんだ」
鈴木:「マジっすか。俺は久しぶりに旧型来たなぁと思いましたけど」
稲生:「そうなのか」
〔いけぶくろ〜、池袋〜。ご乗車、ありがとうございます〕
稲生:「僕はマリアさん達と合流するけど、キミはまだ紹介できないよ。同門の僕でさえ避けられてるんだから」
鈴木:「分かってます。俺はエレーナに会って来ますよ」
稲生:「エレーナは今日休みじゃなかったかなぁ……」
稲生は首を傾げた。
乗り込んだ車両は先頭車。
鉄ヲタの定位置。
鈴木:「いや!今日の15時からまた夜勤に入るはずです!」
稲生:「何でキミはエレーナの勤務表を持っているんだい?」
発車メロディがホームに鳴り響く。
〔7番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車をご利用ください〕
電車のドアとホームドアが閉まる。
それから少しブランクがあって、電車が発車した。
〔この電車は山手線外回り、上野、東京方面行きです。次は大塚、大塚。お出口は、右側です。都電荒川線は、お乗り換えです。……〕
鈴木:「俺はエレーナのホテルの近くに住んでるもんで……」
稲生:「知ってるよ」
鈴木:「アキバからすぐ岩本町に移動して消えますから」
稲生:「一応、キミのことは僕の口からも説明しておくから」
鈴木:「カッコよく説明しといてください」
稲生:「後が怖いから正直に説明させてもらうよ」
[同日13:30.天候:晴 東京都千代田区外神田 JR秋葉原駅]
電車が秋葉原駅に進入する。
外側を走る京浜東北線は、まるで副線のように前後がカーブしているが、山手線はそんなことはない。
というかここでは、本当に京浜東北線は副線なのだろうか。
〔あきはばら〜、秋葉原〜。ご乗車、ありがとうございます〕
休日の秋葉原も池袋同様、多くの人出で賑わっている。
鈴木:「魔女達もここで爆買いを?」
稲生:「どうだろうねぇ。エレーナも来るって話じゃない?」
鈴木:「エレーナは何でも、掘り出し物を手に入れに来るらしいですよ」
稲生:(御徒町以外にもあるのか)
電車を降りた2人はエスカレーターでコンコースに下り、中央改札口から外に出た。
稲生:「あれ?鈴木君、岩本町は昭和通り改札の方がいいんじゃないの?」
鈴木:「せっかくですから、ヨドバシでエレーナへのプレゼントを見繕って行きますよ」
稲生:「ヨドバシで見繕える物があるのか」
それが何なのかまではあえて聞かない稲生だった。
とにかく、鈴木は横断歩道を渡ってヨドバシアキバへと向かって行った。
稲生:「もしもし、マリアさん?秋葉原駅に着きましたよ。どこへ行けば……えっ、UDX?分かりました。じゃあ、そっちへ向かいます」
稲生はスマホでマリアと連絡を取り、UDXへと向かった。
バスプールの前を通り、JRのガードを潜ればすぐそこだ。
稲生:(そうか。今日は日曜だからホコ天やってるんだ)
稲生はそれに気づきながらUDXの中に入る。
マリア:「勇太、こっち!」
稲生:「えっ?ああ!」
ビルの中というか、1Fタリーズコーヒーのテラス席にいた。
マリア:「お祈りは終わった?」
稲生:「御講です。終わりましたよ。鈴木君は今、ヨドバシアキバです」
マリア:「マジか。これから行こうと思ってたのに……」
稲生:「何でもエレーナにプレゼントする物を買いに行くと行ってましたけど、何なんでしょうね」
マリア:「……仕事で使うUSBメモリとかじゃないの?『パシリができた』とか言ってたから」
稲生:「鈴木君、パシリかい!かわいそうに……」
マリア:「魔女に惚れるとこうなる。パシリで済んで、まだ運が良い方だよ」
稲生:「僕は引き換えに入門することになりましたけどねぇ……」
マリア:「勇太は素質があるから、師匠の目に留まって勧誘されたんだよ。鈴木は全然ダメだ」
稲生:「そういうもんですか。あ、これ、マリアさんの分のキップです」
マリア:「ああ、ありがとう。後で皆の分も買わないと」
稲生:「どうせ自由席だから、当日でも大丈夫なんですけどね」
マリア:「それもそうか。券売機は英語にも対応してたっけ?」
稲生:「してますよ」
マリア:「それなら大丈夫か」
稲生:「窓口でも買えますし」
マリア:「何だ。それなら世話無いな」
稲生:「そうなんですよ。秋葉原駅でも買えますしね」
マリア:「なるほど。それじゃ明日のことについて、少し話してみよう」
稲生:「分かりました」
稲生もコーヒーを注文して、テラス席に座った。
稲生以外に鈴木も新幹線の新富士駅まで同行することが分かると、魔女達は動揺した。
マリア:「あくまでも同行するのは新幹線までであって、富士山まで一緒に行くわけじゃないから」
稲生:「そうですよ。あなた達に近づけさせませんから」
ルーシー:「それは本人にもよく言って聞かせてよね。今はエレーナに興味を持っているみたいだけど、ヘタに私達に興味を持とうものなら、命が無くなるって」
稲生:「分かってますよ」
ルーシー:「どんなヤツ?」
稲生:「えー……“魔女の宅急便”のトンボ?」
マリア:「あー……」
ルーシー:「…………」
稲生:「ま、まあ、今は悪いヤツじゃないですから!」
ルーシー:「昔は悪いヤツだったわけね」
マリア:「それは否定しない」
稲生:「ハハハ……。と、とにかく、僕に任せてくださいよ」
ルーシー:「私も嫌だけど、特にゼルダとロザリーに手を出したら本当に命無いからね?」
稲生:「もちろん、よく聞かせておきます」
稲生は大きく頷いた。
〔まもなく7番線に、上野、東京方面行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください〕
明日の新幹線のキップを購入した稲生と鈴木は、今度は山手線で秋葉原へ向かうことにした。
現地にはマリア以下4名の魔女達が散策しているはずだ。
〔「7番線、ご注意ください。山手線外回り、田端、上野、東京方面行きの到着です。ホームドアから離れてください」〕
やってきた電車は……。
稲生:「少し長めに乗る時に限って、E231なんだ」
鈴木:「マジっすか。俺は久しぶりに旧型来たなぁと思いましたけど」
稲生:「そうなのか」
〔いけぶくろ〜、池袋〜。ご乗車、ありがとうございます〕
稲生:「僕はマリアさん達と合流するけど、キミはまだ紹介できないよ。同門の僕でさえ避けられてるんだから」
鈴木:「分かってます。俺はエレーナに会って来ますよ」
稲生:「エレーナは今日休みじゃなかったかなぁ……」
稲生は首を傾げた。
乗り込んだ車両は先頭車。
鉄ヲタの定位置。
鈴木:「いや!今日の15時からまた夜勤に入るはずです!」
稲生:「何でキミはエレーナの勤務表を持っているんだい?」
発車メロディがホームに鳴り響く。
〔7番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車をご利用ください〕
電車のドアとホームドアが閉まる。
それから少しブランクがあって、電車が発車した。
〔この電車は山手線外回り、上野、東京方面行きです。次は大塚、大塚。お出口は、右側です。都電荒川線は、お乗り換えです。……〕
鈴木:「俺はエレーナのホテルの近くに住んでるもんで……」
稲生:「知ってるよ」
鈴木:「アキバからすぐ岩本町に移動して消えますから」
稲生:「一応、キミのことは僕の口からも説明しておくから」
鈴木:「カッコよく説明しといてください」
稲生:「後が怖いから正直に説明させてもらうよ」
[同日13:30.天候:晴 東京都千代田区外神田 JR秋葉原駅]
電車が秋葉原駅に進入する。
外側を走る京浜東北線は、まるで副線のように前後がカーブしているが、山手線はそんなことはない。
というかここでは、本当に京浜東北線は副線なのだろうか。
〔あきはばら〜、秋葉原〜。ご乗車、ありがとうございます〕
休日の秋葉原も池袋同様、多くの人出で賑わっている。
鈴木:「魔女達もここで爆買いを?」
稲生:「どうだろうねぇ。エレーナも来るって話じゃない?」
鈴木:「エレーナは何でも、掘り出し物を手に入れに来るらしいですよ」
稲生:(御徒町以外にもあるのか)
電車を降りた2人はエスカレーターでコンコースに下り、中央改札口から外に出た。
稲生:「あれ?鈴木君、岩本町は昭和通り改札の方がいいんじゃないの?」
鈴木:「せっかくですから、ヨドバシでエレーナへのプレゼントを見繕って行きますよ」
稲生:「ヨドバシで見繕える物があるのか」
それが何なのかまではあえて聞かない稲生だった。
とにかく、鈴木は横断歩道を渡ってヨドバシアキバへと向かって行った。
稲生:「もしもし、マリアさん?秋葉原駅に着きましたよ。どこへ行けば……えっ、UDX?分かりました。じゃあ、そっちへ向かいます」
稲生はスマホでマリアと連絡を取り、UDXへと向かった。
バスプールの前を通り、JRのガードを潜ればすぐそこだ。
稲生:(そうか。今日は日曜だからホコ天やってるんだ)
稲生はそれに気づきながらUDXの中に入る。
マリア:「勇太、こっち!」
稲生:「えっ?ああ!」
ビルの中というか、1Fタリーズコーヒーのテラス席にいた。
マリア:「お祈りは終わった?」
稲生:「御講です。終わりましたよ。鈴木君は今、ヨドバシアキバです」
マリア:「マジか。これから行こうと思ってたのに……」
稲生:「何でもエレーナにプレゼントする物を買いに行くと行ってましたけど、何なんでしょうね」
マリア:「……仕事で使うUSBメモリとかじゃないの?『パシリができた』とか言ってたから」
稲生:「鈴木君、パシリかい!かわいそうに……」
マリア:「魔女に惚れるとこうなる。パシリで済んで、まだ運が良い方だよ」
稲生:「僕は引き換えに入門することになりましたけどねぇ……」
マリア:「勇太は素質があるから、師匠の目に留まって勧誘されたんだよ。鈴木は全然ダメだ」
稲生:「そういうもんですか。あ、これ、マリアさんの分のキップです」
マリア:「ああ、ありがとう。後で皆の分も買わないと」
稲生:「どうせ自由席だから、当日でも大丈夫なんですけどね」
マリア:「それもそうか。券売機は英語にも対応してたっけ?」
稲生:「してますよ」
マリア:「それなら大丈夫か」
稲生:「窓口でも買えますし」
マリア:「何だ。それなら世話無いな」
稲生:「そうなんですよ。秋葉原駅でも買えますしね」
マリア:「なるほど。それじゃ明日のことについて、少し話してみよう」
稲生:「分かりました」
稲生もコーヒーを注文して、テラス席に座った。
稲生以外に鈴木も新幹線の新富士駅まで同行することが分かると、魔女達は動揺した。
マリア:「あくまでも同行するのは新幹線までであって、富士山まで一緒に行くわけじゃないから」
稲生:「そうですよ。あなた達に近づけさせませんから」
ルーシー:「それは本人にもよく言って聞かせてよね。今はエレーナに興味を持っているみたいだけど、ヘタに私達に興味を持とうものなら、命が無くなるって」
稲生:「分かってますよ」
ルーシー:「どんなヤツ?」
稲生:「えー……“魔女の宅急便”のトンボ?」
マリア:「あー……」
ルーシー:「…………」
稲生:「ま、まあ、今は悪いヤツじゃないですから!」
ルーシー:「昔は悪いヤツだったわけね」
マリア:「それは否定しない」
稲生:「ハハハ……。と、とにかく、僕に任せてくださいよ」
ルーシー:「私も嫌だけど、特にゼルダとロザリーに手を出したら本当に命無いからね?」
稲生:「もちろん、よく聞かせておきます」
稲生は大きく頷いた。
そのような中において、稲生やエレーナなど一部を除く魔道士達はけして肌を露出させない。
ムスリムの女性ほどではないのだが、それは体に残った傷痕を隠す為である。
それもまた教会から怪しまれる理由の1つになっているのだ。
アナスタシア組がスーツやブレザーを着用しているのは、そういった不自然さに対応する為である(スーツやブレザーなら長袖で当たり前なので)。
因みにローブは羽織っているが、それこそハロウィンのコスプレみたいに目立つ「魔女」の恰好をしているわけではないので念の為。
地震が発生した時、ちょうど夜勤に出る為通勤中で、大宮駅行きの路線バスの中でした。
従って、さいたま市は震度3だったにも関わらず、揺れには全く気がつきませんでした。
震源地となった千葉県の電車にはダイヤ乱れが発生するなどの影響があったようですが、千葉県と関わらない京浜東北線が通勤路線の私には影響はありませんでした。