[9月13日13:00.天候:晴 東京都墨田区菊川]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は午後から半休にして、リサの入学前の準備を行うことにした。
愛原:「東京中央学園墨田中学校とは……」
高橋:「地味に私立な学校狙いやがりましたね、あのネーチャン」
名前の通り同じ墨田区であり、確かに徒歩通学可能な場所にある。
多分、リサが毎朝見下ろしていた中学生の中には、そこに通うコも含まれていたのではないか。
愛原:「まず先に揃えやすい物から揃えることにしよう」
高橋:「何から行きますか?」
愛原:「そうだな……」
私はエージェントの善場氏からもらったリストを見た。
愛原:「取りあえず、文房具から揃えるか」
高橋:「ウっス!」
愛原:「一応、リサも連れて行こう」
高橋:「大丈夫ですか?」
愛原:「俺達のセンスで、リサが納得すると思うか?」
高橋:「……多分キレると思います」
愛原:「だろ?こんなことで東京を第2の霧生市にはしたくないだろ?」
高橋:「あー、今手元に銃が無いので、今すぐ起こられるとマジヤバっすね」
手元に銃があれば、いつでもバイオハザードOKなのかよ。
まあ、それはそれとして……。
愛原:「そうと決まったら、リサを呼びに行くぞ」
高橋:「はい」
それから30分後、リサを連れて私達は再び都道50号線(新大橋通り)に出た。
リサ:「愛原さん!早く早く!」
リサははやる気持ちを抑えきれないでいる。
嬉しい時くらいでは、テンションが上がっても腕がクリーチャー化することはなくなった。
今でも、誰もいない所で自分の力を制御する練習はしているみたいだが……。
高橋:「おい、リサ。あんまり先生を困らせるんじゃねぇぞ」
高橋がすかさず窘めてくれる。
それにしても、だ。
私は善場氏に渡されたリストを見た。
愛原:「入学に必要なものってこんなにあるんだなぁ。これだけで一ステージ分はあるぞ」
高橋:「最後、脱出するのにクランクまで用意しろってことですかね?」
愛原:「クランクはリストに載ってないな。まあ、それくらいの勢いでアイテムかき集めさせれるってことだよ。とにかく、先に文房具から揃えよう」
リサ:「はーい!」(^O^)/
高橋:「予定通りですね。うス!」
で、私が向かった先は……。
老婆:「いらっしゃーい」
昭和時代にタイムスリップしたかのような、老婆の店長が切り盛りする文房具屋だった。
愛原:「んー、これこれ。いや〜、文房具屋なんて今も昔も変わらないものだなぁ」
私が懐かしがっていると……。
リサ:「ずーん……」
愛原:「な、なにその反応!?」
リサの顔は暗く、心なしか少し肩が盛り上がっているように見えた。
目も赤くなっている。
リサ:「かわいくない……」
愛原:「ええっ!?」
高橋:「いや、先生。申し訳無いですけど、これはさすがにちょっとセンスヤバイかと……」
愛原:「えっ、そう?」
高橋:「はい。ここは1つ、俺に任せてください」
愛原:「わ、分かった」
私達は文房具屋をあとにした。
今度は高橋に連れられて、裏路地に向かう。
そして、何でここにあるのかイミフなジャンクショップに辿り着いた。
愛原:「なにここ?」
高橋:「知り合いがやってるジャンク屋なんですけどね、色々置いてあるんですよ。要はこれで、さっきの地味〜なペンとかをカッコよくカスタムするんです。おっ、これ見てください。このドクロなんか、カッターの頭に取り付ければ、いかにもバイオっぽくなりません?」
愛原:「いや、ならないだろ!」(# ゚Д゚)
リサ:「ずーん……」
リサの両手の爪が長く鋭く伸びた。
目が赤みも更に強くなっている。
愛原:「ほら、怒ってるぞ!どうするんだ!?」
高橋:「えっ?えっと……ですね……。オマエも黙ってないで、希望があればちゃんと言え!」
リサ:「もっと可愛いのがいい……。キュートなの……」
愛原:「……と、仰ってますが?」
高橋:「あっ、えーと……。わ、分かりました!多分、あれのことだと思います!」
愛原:「ほお、いい場所があるのか?」
高橋:「ええ。ちょっと移動しましょう」
[同日13:50.天候:晴 都営地下鉄新宿線菊川駅]
〔まもなく1番線に、各駅停車、橋本行きが10両編成で到着します。黄色いブロックの内側で、お待ちください。この電車は京王線内、区間急行となります〕
愛原:「電車で移動するのか?」
高橋:「まあ、やっぱり都心に行った方が揃ってますからね」
愛原:「いや、そりゃそうだが……」
トンネルの向こうから電車がヘッドライトの光を放ってやってきた。
リサのショートボブの髪と、スカートの裾が風で揺れる。
〔1番線の電車は、各駅停車、橋本行きです。京王線内、区間急行となります。きくかわ〜、菊川〜〕
やってきたのは京王線からやってきた電車。
京王線と相互乗り入れしているせいか、乗り入れ先の電車が来ることも多い。
空いているローズピンクのシートに腰掛ける。
〔1番線、ドアが閉まります〕
ピンポーンピンポーンと2点チャイムを鳴らしてドアが閉まる。
地下鉄に乗っていると、やっぱり霧生市のバイオハザードを思い出すな。
あれは地下トンネルではなく、山岳トンネルではあったのだが……。
電車が走り出す。
〔「この電車は京王線直通、各駅停車の大沢……失礼しました。橋本行きです。京王線内は区間急行となります。次は森下、森下です。都営大江戸線は、お乗り換えです」〕
東京の地下鉄では珍しく、車掌の肉声放送が流れる。
愛原:「一体、どこまで行くんだい?」
高橋:「岩本町です。岩本町」
愛原:「それって……?」
高橋:「アキバは何でも揃ってますからね」
ああ、やっぱり。
ま、そんなことだろうとは思った。
リサも落ち着いているようだし、取りあえずは順調といったところか。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は午後から半休にして、リサの入学前の準備を行うことにした。
愛原:「東京中央学園墨田中学校とは……」
高橋:「地味に私立な学校狙いやがりましたね、あのネーチャン」
名前の通り同じ墨田区であり、確かに徒歩通学可能な場所にある。
多分、リサが毎朝見下ろしていた中学生の中には、そこに通うコも含まれていたのではないか。
愛原:「まず先に揃えやすい物から揃えることにしよう」
高橋:「何から行きますか?」
愛原:「そうだな……」
私はエージェントの善場氏からもらったリストを見た。
愛原:「取りあえず、文房具から揃えるか」
高橋:「ウっス!」
愛原:「一応、リサも連れて行こう」
高橋:「大丈夫ですか?」
愛原:「俺達のセンスで、リサが納得すると思うか?」
高橋:「……多分キレると思います」
愛原:「だろ?こんなことで東京を第2の霧生市にはしたくないだろ?」
高橋:「あー、今手元に銃が無いので、今すぐ起こられるとマジヤバっすね」
手元に銃があれば、いつでもバイオハザードOKなのかよ。
まあ、それはそれとして……。
愛原:「そうと決まったら、リサを呼びに行くぞ」
高橋:「はい」
それから30分後、リサを連れて私達は再び都道50号線(新大橋通り)に出た。
リサ:「愛原さん!早く早く!」
リサははやる気持ちを抑えきれないでいる。
嬉しい時くらいでは、テンションが上がっても腕がクリーチャー化することはなくなった。
今でも、誰もいない所で自分の力を制御する練習はしているみたいだが……。
高橋:「おい、リサ。あんまり先生を困らせるんじゃねぇぞ」
高橋がすかさず窘めてくれる。
それにしても、だ。
私は善場氏に渡されたリストを見た。
愛原:「入学に必要なものってこんなにあるんだなぁ。これだけで一ステージ分はあるぞ」
高橋:「最後、脱出するのにクランクまで用意しろってことですかね?」
愛原:「クランクはリストに載ってないな。まあ、それくらいの勢いでアイテムかき集めさせれるってことだよ。とにかく、先に文房具から揃えよう」
リサ:「はーい!」(^O^)/
高橋:「予定通りですね。うス!」
で、私が向かった先は……。
老婆:「いらっしゃーい」
昭和時代にタイムスリップしたかのような、老婆の店長が切り盛りする文房具屋だった。
愛原:「んー、これこれ。いや〜、文房具屋なんて今も昔も変わらないものだなぁ」
私が懐かしがっていると……。
リサ:「ずーん……」
愛原:「な、なにその反応!?」
リサの顔は暗く、心なしか少し肩が盛り上がっているように見えた。
目も赤くなっている。
リサ:「かわいくない……」
愛原:「ええっ!?」
高橋:「いや、先生。申し訳無いですけど、これはさすがにちょっとセンスヤバイかと……」
愛原:「えっ、そう?」
高橋:「はい。ここは1つ、俺に任せてください」
愛原:「わ、分かった」
私達は文房具屋をあとにした。
今度は高橋に連れられて、裏路地に向かう。
そして、何でここにあるのかイミフなジャンクショップに辿り着いた。
愛原:「なにここ?」
高橋:「知り合いがやってるジャンク屋なんですけどね、色々置いてあるんですよ。要はこれで、さっきの地味〜なペンとかをカッコよくカスタムするんです。おっ、これ見てください。このドクロなんか、カッターの頭に取り付ければ、いかにもバイオっぽくなりません?」
愛原:「いや、ならないだろ!」(# ゚Д゚)
リサ:「ずーん……」
リサの両手の爪が長く鋭く伸びた。
目が赤みも更に強くなっている。
愛原:「ほら、怒ってるぞ!どうするんだ!?」
高橋:「えっ?えっと……ですね……。オマエも黙ってないで、希望があればちゃんと言え!」
リサ:「もっと可愛いのがいい……。キュートなの……」
愛原:「……と、仰ってますが?」
高橋:「あっ、えーと……。わ、分かりました!多分、あれのことだと思います!」
愛原:「ほお、いい場所があるのか?」
高橋:「ええ。ちょっと移動しましょう」
[同日13:50.天候:晴 都営地下鉄新宿線菊川駅]
〔まもなく1番線に、各駅停車、橋本行きが10両編成で到着します。黄色いブロックの内側で、お待ちください。この電車は京王線内、区間急行となります〕
愛原:「電車で移動するのか?」
高橋:「まあ、やっぱり都心に行った方が揃ってますからね」
愛原:「いや、そりゃそうだが……」
トンネルの向こうから電車がヘッドライトの光を放ってやってきた。
リサのショートボブの髪と、スカートの裾が風で揺れる。
〔1番線の電車は、各駅停車、橋本行きです。京王線内、区間急行となります。きくかわ〜、菊川〜〕
やってきたのは京王線からやってきた電車。
京王線と相互乗り入れしているせいか、乗り入れ先の電車が来ることも多い。
空いているローズピンクのシートに腰掛ける。
〔1番線、ドアが閉まります〕
ピンポーンピンポーンと2点チャイムを鳴らしてドアが閉まる。
地下鉄に乗っていると、やっぱり霧生市のバイオハザードを思い出すな。
あれは地下トンネルではなく、山岳トンネルではあったのだが……。
電車が走り出す。
〔「この電車は京王線直通、各駅停車の大沢……失礼しました。橋本行きです。京王線内は区間急行となります。次は森下、森下です。都営大江戸線は、お乗り換えです」〕
東京の地下鉄では珍しく、車掌の肉声放送が流れる。
愛原:「一体、どこまで行くんだい?」
高橋:「岩本町です。岩本町」
愛原:「それって……?」
高橋:「アキバは何でも揃ってますからね」
ああ、やっぱり。
ま、そんなことだろうとは思った。
リサも落ち着いているようだし、取りあえずは順調といったところか。
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