[期日不明 時刻不明 天候:不明 場所不明]
気が付くとリサは、とある立体駐車場の中にいた。
タワータイプの機械式立体駐車場ではなく、ショッピングモールの中にあるような自走式タイプの立体駐車場である。
多くの駐車マスに車は止まっているが、何故か車の出入りはない。
また、周りが明るいことから、ここは地下駐車場ではなく、地上の駐車場のようだ。
その駐車場に、人の姿は無い。
だが、通路の向こうに誰かがいるのが分かった。
BOWの鋭い視力で目を凝らすと、そこにいたのは愛原だった。
リサ「先生!」
リサは愛原を大声で呼んだが、何故か愛原は振り返らない。
リサ「先生、待ってよ!」
リサは愛原の後ろを追った。
BOWは脅威的な身体能力を持っているが、さすがに走るスピードまでズバ抜けて速いというわけではない。
それでも、けして遅いスピードではないはずである。
にも関わらず、普通に歩いているように見えるはずの愛原に、何故か追い付くことはできなかった。
そうして開けた所に出たと思ったら、今度はそこは電車のホームだった。
地上のホームだったが、やってきたのは、何故か東京モノレールに酷似した車両。
しかし、全く放送が無く、行先表示も見当たらない為、このモノレールがどこに行くのか分からない。
しかも、ホームには他に人は見かけかった。
ドアが開くと、愛原が乗り込んで行く。
リサも後に続いて乗り込もうとしたが、右腕を誰かにガッツリ掴まれた。
リサ「!?」
振り向くと、そこには自分と大して歳の変わらない少女が経っていた。
しかし、その少女にリサは見覚えがあった。
半袖の夏用のセーラー服を着用し、白い仮面を着けている。
仮面は目の部分に横長の切れ目があるだけで、他に穴は開いていない。
かつて、リサもその姿をしていたことがある。
日本版リサ・トレヴァー。
彼女はその『1番』であった。
気が付くと、『1番』の周りには、他にも『3番』以降の日本版リサ・トレヴァー達がいた。
唯一、男子の『10番』や成人女性の『6番』はセーラー服を着ていない。
また、『12番』(現在は『0番』)たる善場もいなかった。
因みに日本版リサ・トレヴァー達は、番号順でヒエラルキーが決まっているというわけではない。
『1番』「その電車に乗っちゃダメだよ」
『3番』「その電車は成仏する人が乗る電車だから」
『4番』「私達は幽霊だから、“マンション”に戻らないといけないの」
『10番』「自分だけシレッと人間に戻ろうとすんなよ」
『7番』「それとも地獄に行く?」
『8番』「化け物の行き着く先なんて、地獄しか無いもんね!」
口々にリサに何か言って来る。
リサ「うるさい!わたしはお前達とは違う!放せ!」
リサは電撃を放とうとした。
だが、電撃が出ない。
『1番』「アンタに相応しいのは、電気よりも蟲だよ。日本式プラーガを使う『支配種』の化け物」
リサ「何のことだ!?」
そうこうしているうちに、電車のドアが閉まってしまう。
リサ「! 先生!」
電車が走り去って行く。
リサは『1番』の手を振りほどき、ホームドアを飛び越えて軌道に飛び出した。
……はずだった。
リサ「えっ!?」
しかしそこに軌道は無く、ただ空間があるだけだった。
真っ逆さまに落ちて行くリサ。
[1月18日06時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階リサの部屋]
リサ「……はッ!」
そこでリサは目が覚めた。
枕元のスマホが目覚ましのアラームを鳴らしている。
リサ「ゆ……夢だったのか……」
目を覚ましたリサは、汗びっしょりだった。
リサ「変な夢見たなぁ……」
起き上がろうと、掛布団を退けた。
リサ「!?」
すると、右手にビッシリ蛆虫のようなものがこびり付いているのが見えた。
リサが目を丸くすると、その蛆虫のようなものはリサの手の中にスッと消えて行った。
リサ「本当に……『蟲使い』になったのかな?」
取りあえず、起きてみることにした。
寝汗もかいたので、シャワーでも使いたいと思った。
[同日06時30分 天候:晴 愛原家3階ダイニング]
シャワーを浴びてから、制服に着替える。
それから、ダイニングに行くと、愛原達がいた。
リサ「おはよう、先生」
愛原「ああ……」
何故か愛原はテンションが低い。
リサ「どうかしたの?」
愛原「いや……ちょっと変な夢をしたのと、激しい頭痛がしてな……」
リサ「ええっ!?……昨夜、そんなに飲んだっけ?」
愛原「いや、二日酔いじゃない。ほら、酒の臭いなんてしないだろ?」
リサ「あー……うん。そうだね。じゃあ、なに?」
愛原「分からん。三途の川の中州に建ってるマンションで、ポニーテールの可愛い管理人と話をした夢だ」
リサ「そのポニテ女、誰!?」
リサは『8番』を思い出した。
あれはポニーテールにしていたはずだ。
日本版リサ・トレヴァーの中には、リサが愛原のことが大好きなのを知って、奪ってやろうと言っていた者もいた。
愛原「いや、知らないよ。どっかのアニメキャラかもしれん」
リサ「はあ?」
愛原「とにかく、ロキソニンは飲んで、少し頭痛は治まったから」
リサは夢の内容を話した。
すると、愛原は目を丸くした。
愛原「立体駐車場か。実は俺の夢にも出て来たんだ。そこには管理人室があって、そこにポニーテールの可愛い管理人がいたんだ。リサも彼女と会ったかい?」
リサ「ううん。そこで先生を見かけて、後を追ったらモノレールの駅に着いただけ」
愛原「東京モノレールなんて1回くらいしか乗ってなかったと思うけど、よく夢の中に出て来たな?」
リサ「まあね。未だに日本版リサ・トレヴァーの亡霊達がいるんだね」
愛原「あいつらが死んで、もう何年も経つのに、まだ閻魔大王の裁きを受けてないのか。夢の中の俺は、モノレールに乗ってどこまで行ったんだ?羽田か?浜松町か?」
リサ「放送も行先表示も無かったから、どこ行きだったのか分かんなかった」
愛原「三途の川の渡り方には3つある。善人は立派な橋を渡り、軽罪人は浅瀬で流れの緩やかな場所に入って渡り、重罪人は深瀬で急流な所を直接渡らせられるのだそうだ」
高橋「ということは、それを橋どころか、モノレールで渡れる先生は超善人のVIP待遇ってことですね!さすがです!」
愛原「いや、どうだろう?むしろ、地獄の特急券だったかもしれんぞ?まあ、東京モノレールには特急も急行も無いが。快速はあるけど、特に特別券を買う必要は無いし」
パール「まあ、夢の中の話ですから」
愛原「まあ、そうだな」
パール「リサさん、学校用のブルマは乾いてますから、お忘れにならないようにお願いします」
リサ「おっと!そうだった!今日は体育があるんだった!」
愛原「まさか、スカートの下には何も穿いてないのか?」
リサ「いや、パンツくらい穿いてるよ!」
とはいえ、リサは一瞬、スカートの上から下着を確認した。
もちろん、ノーパンなんてことはなく、ちゃんとショーツは穿いていた。
気が付くとリサは、とある立体駐車場の中にいた。
タワータイプの機械式立体駐車場ではなく、ショッピングモールの中にあるような自走式タイプの立体駐車場である。
多くの駐車マスに車は止まっているが、何故か車の出入りはない。
また、周りが明るいことから、ここは地下駐車場ではなく、地上の駐車場のようだ。
その駐車場に、人の姿は無い。
だが、通路の向こうに誰かがいるのが分かった。
BOWの鋭い視力で目を凝らすと、そこにいたのは愛原だった。
リサ「先生!」
リサは愛原を大声で呼んだが、何故か愛原は振り返らない。
リサ「先生、待ってよ!」
リサは愛原の後ろを追った。
BOWは脅威的な身体能力を持っているが、さすがに走るスピードまでズバ抜けて速いというわけではない。
それでも、けして遅いスピードではないはずである。
にも関わらず、普通に歩いているように見えるはずの愛原に、何故か追い付くことはできなかった。
そうして開けた所に出たと思ったら、今度はそこは電車のホームだった。
地上のホームだったが、やってきたのは、何故か東京モノレールに酷似した車両。
しかし、全く放送が無く、行先表示も見当たらない為、このモノレールがどこに行くのか分からない。
しかも、ホームには他に人は見かけかった。
ドアが開くと、愛原が乗り込んで行く。
リサも後に続いて乗り込もうとしたが、右腕を誰かにガッツリ掴まれた。
リサ「!?」
振り向くと、そこには自分と大して歳の変わらない少女が経っていた。
しかし、その少女にリサは見覚えがあった。
半袖の夏用のセーラー服を着用し、白い仮面を着けている。
仮面は目の部分に横長の切れ目があるだけで、他に穴は開いていない。
かつて、リサもその姿をしていたことがある。
日本版リサ・トレヴァー。
彼女はその『1番』であった。
気が付くと、『1番』の周りには、他にも『3番』以降の日本版リサ・トレヴァー達がいた。
唯一、男子の『10番』や成人女性の『6番』はセーラー服を着ていない。
また、『12番』(現在は『0番』)たる善場もいなかった。
因みに日本版リサ・トレヴァー達は、番号順でヒエラルキーが決まっているというわけではない。
『1番』「その電車に乗っちゃダメだよ」
『3番』「その電車は成仏する人が乗る電車だから」
『4番』「私達は幽霊だから、“マンション”に戻らないといけないの」
『10番』「自分だけシレッと人間に戻ろうとすんなよ」
『7番』「それとも地獄に行く?」
『8番』「化け物の行き着く先なんて、地獄しか無いもんね!」
口々にリサに何か言って来る。
リサ「うるさい!わたしはお前達とは違う!放せ!」
リサは電撃を放とうとした。
だが、電撃が出ない。
『1番』「アンタに相応しいのは、電気よりも蟲だよ。日本式プラーガを使う『支配種』の化け物」
リサ「何のことだ!?」
そうこうしているうちに、電車のドアが閉まってしまう。
リサ「! 先生!」
電車が走り去って行く。
リサは『1番』の手を振りほどき、ホームドアを飛び越えて軌道に飛び出した。
……はずだった。
リサ「えっ!?」
しかしそこに軌道は無く、ただ空間があるだけだった。
真っ逆さまに落ちて行くリサ。
[1月18日06時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階リサの部屋]
リサ「……はッ!」
そこでリサは目が覚めた。
枕元のスマホが目覚ましのアラームを鳴らしている。
リサ「ゆ……夢だったのか……」
目を覚ましたリサは、汗びっしょりだった。
リサ「変な夢見たなぁ……」
起き上がろうと、掛布団を退けた。
リサ「!?」
すると、右手にビッシリ蛆虫のようなものがこびり付いているのが見えた。
リサが目を丸くすると、その蛆虫のようなものはリサの手の中にスッと消えて行った。
リサ「本当に……『蟲使い』になったのかな?」
取りあえず、起きてみることにした。
寝汗もかいたので、シャワーでも使いたいと思った。
[同日06時30分 天候:晴 愛原家3階ダイニング]
シャワーを浴びてから、制服に着替える。
それから、ダイニングに行くと、愛原達がいた。
リサ「おはよう、先生」
愛原「ああ……」
何故か愛原はテンションが低い。
リサ「どうかしたの?」
愛原「いや……ちょっと変な夢をしたのと、激しい頭痛がしてな……」
リサ「ええっ!?……昨夜、そんなに飲んだっけ?」
愛原「いや、二日酔いじゃない。ほら、酒の臭いなんてしないだろ?」
リサ「あー……うん。そうだね。じゃあ、なに?」
愛原「分からん。三途の川の中州に建ってるマンションで、ポニーテールの可愛い管理人と話をした夢だ」
リサ「そのポニテ女、誰!?」
リサは『8番』を思い出した。
あれはポニーテールにしていたはずだ。
日本版リサ・トレヴァーの中には、リサが愛原のことが大好きなのを知って、奪ってやろうと言っていた者もいた。
愛原「いや、知らないよ。どっかのアニメキャラかもしれん」
リサ「はあ?」
愛原「とにかく、ロキソニンは飲んで、少し頭痛は治まったから」
リサは夢の内容を話した。
すると、愛原は目を丸くした。
愛原「立体駐車場か。実は俺の夢にも出て来たんだ。そこには管理人室があって、そこにポニーテールの可愛い管理人がいたんだ。リサも彼女と会ったかい?」
リサ「ううん。そこで先生を見かけて、後を追ったらモノレールの駅に着いただけ」
愛原「東京モノレールなんて1回くらいしか乗ってなかったと思うけど、よく夢の中に出て来たな?」
リサ「まあね。未だに日本版リサ・トレヴァーの亡霊達がいるんだね」
愛原「あいつらが死んで、もう何年も経つのに、まだ閻魔大王の裁きを受けてないのか。夢の中の俺は、モノレールに乗ってどこまで行ったんだ?羽田か?浜松町か?」
リサ「放送も行先表示も無かったから、どこ行きだったのか分かんなかった」
愛原「三途の川の渡り方には3つある。善人は立派な橋を渡り、軽罪人は浅瀬で流れの緩やかな場所に入って渡り、重罪人は深瀬で急流な所を直接渡らせられるのだそうだ」
高橋「ということは、それを橋どころか、モノレールで渡れる先生は超善人のVIP待遇ってことですね!さすがです!」
愛原「いや、どうだろう?むしろ、地獄の特急券だったかもしれんぞ?まあ、東京モノレールには特急も急行も無いが。快速はあるけど、特に特別券を買う必要は無いし」
パール「まあ、夢の中の話ですから」
愛原「まあ、そうだな」
パール「リサさん、学校用のブルマは乾いてますから、お忘れにならないようにお願いします」
リサ「おっと!そうだった!今日は体育があるんだった!」
愛原「まさか、スカートの下には何も穿いてないのか?」
リサ「いや、パンツくらい穿いてるよ!」
とはいえ、リサは一瞬、スカートの上から下着を確認した。
もちろん、ノーパンなんてことはなく、ちゃんとショーツは穿いていた。
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