報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

仕事は単純過ぎて、ネタにならない……。

2013-07-21 00:16:40 | 日記
 “新人魔王の奮闘記”より。

 中世から近世のヨーロッパの街並みのような首都、アルカディアシティ。
 常春の国であるアルカディア王国は、豪雪は無いものの、たまに長雨や豪雨が降ることがある。
「人間界みたいに、気象予報ができればな……」
 春明は王宮内にある首相執務室の窓から外を眺め、呟いた。
「年に何度かは洪水の被害があるそうです」
 承認印のハンコをもらいに来た共和党員の伊藤が、春明の呟きに答えた。
「そうなのか。この雨ではどうだい?」
「ビミョーなとこっスね……」
「よし。水害対策本部を設置しよう」
「えっ?」
「日本ではよくやってるよ。ちょっと人を集めてくれ。いざとなったら、魔王軍に災害派遣の指令を出すからな?」
「は、はい」

「What?水害対策本部ですって?」
 王宮内にある大会議場に、ルーシーが顔を出した。続けて言う。
「別に、タイフーンやハリケーンの感じは無いけどね?」
「無けりゃ無いに越したことはないさ。……横田、東地区の33番街辺りはどうだ?」
「土地が低いせいで、冠水気味です」
「やっぱりな。すぐ魔王軍の一個中隊を派遣して、土嚢を積ませるなどするんだ」
「確か、土系のモンスターがいるよ?」
 ルーシーが言った。
「そうか。魔王軍兵士には、それぞれ特徴を持ったモンスターがいるな!それなら、城下への広報役として、雨の中空が飛べる……」
(春明、やるねー)
 ルーシーは目の前にいる首相の仕事ぶりに関心した。
(そこは雨の多い国の出身だからかな……)

 実際、王宮の対策ぶりに市民達も驚いていた。それまでは、水害対策など全部自分達がやるものだとばかり思っていた。しかし今は魔王軍がやってきて、率先して対策を行っている。
「今度の新しい魔王様と人間の首相は、どこか違うな」
「人間界のやり方なんだろうね、きっと」
「随分と気に掛けて下さってるんだねぇ……」

 因みに雨はルーシーの魔力を使った予想によると、夜半過ぎまで強く降り、明け方近くになってようやく止むだろうとのこと。
「ルーシーは俺達、臣下に任せて、先に寝てていいよ」
 春明は廊下の奥で2人っきりになった時、そう言った。
「えっ?でも大臣が徹夜で働いてるのに、女王が呑気に寝てるわけには……」
「ルーシーの予想は当たる。確かに今、怖いくらいの豪雨だけど、明日に止むんだったら、今俺が出してる指示通りに皆が動いてくれれば大丈夫さ。任せてくれ」
「そう?じゃあ、お願いするわ」
「ああ」

 ところが、翌日早朝……。
「ルーシー……陛下!た、大変です!!」
 ルーシーの寝所に春明が飛び込んできた。無論、春明は特別に入室がいつでも許可されている。
「なによ……。任せてくれって、言ったじゃない……」
 ルーシーな寝ぼけ眼で起き上がった。
「なに?もしかして、私の予想外れてまだ雨降ってんの?」
「いや、さすが、雨は止んだんですけど……」
「?」
「ちょっと、外見てください」
 春明はルーシーの背中を押した。
「ちょ、ちょっ……」
 戸惑うルーシー。
 で、窓の外を見ると……。
「What!?何これ!?」
 彼女は一気に眠気が吹き飛んだ。
「確かに、投稿したくなる珍百景ですが……」
 春明は頭をかいた。2人が見た光景とは……。
「次回に続きます!以上!!」
「横田、いつの間に!?(×2)」

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