[1月2日20:30.天候:雪 栃木県那須塩原市某所 ホテル天長園1F大浴場(女湯)]
女将の娘、上野凛と一緒に大浴場に入ったリサ。
ロリ女児A:「わーい!」
幼女先輩女児B:「お姉ちゃん、こっちだよー!!」
母親:「こーら!走っちゃダメって言ったでしょ!」
リサ:「随分、賑やかだな」
凛:「今日は家族連れのお客さんも泊まってますからね」
リサ:「ああ。そういえばさっき、夕食会場にいた……」
凛:「天長会で行事が無い日は、一般のお客様も泊まれるので」
リサ:「大石寺にもそういう施設があるといいのにねぇ」
凛:「ん?何か言いました?」
リサ:「いや、何でも無い」
2人はそれぞれの高校、中学校のジャージを脱いだ。
リサは普通に冬用の長袖ジャージの下は下着だったが、凛は違った。
リサ:「それ、もしかして、陸上部のユニフォーム?」
凛:「そうなんです。別に今、着る必要は無いんですけど、何だかジャージの下はこれを着てないと落ち着かなくって……」
リサ:「もしかして夜、走ったりしてる?」
凛:「あ、分かります?」
リサ:「こんな雪の中?」
凛:「ホテルの敷地からは出ませんよ。こう見えても結構広い敷地なので、わざわざ道路に出る必要無いですし、それに……」
リサ:「?」
凛:「実はこのホテル、屋上があるんです。普段は立入禁止なんですけど、私だけ特別に筋トレの為にそこに出てるんです」
リサ:「それはいい!わたしも出たい!」
凛:「……今夜は雪が強くなってきたので、やめた方がいいですよ」
リサ:「え、そう?」
凛はタンクトンプと短パンを脱いだ。
今度こそ、その下は下着である。
女子中学生らしく、ガーリーなデザインのブラショーツを着けていた。
もっとも、リサの場合も似たようなものだが。
2人の鬼娘(もちろん、今は人間の姿に化けている)は、一糸纏わぬ姿になると、脱衣場から大浴場に移動した。
体を洗ってから、露天風呂に移動する。
高橋:「あ、不肖の弟子、この高橋正義が!あ、愛原大先生のお背中を~!あ、御流し差し上げ奉り候~!!」
愛原:「だから、いちいち演出すな!」
リサ:「ん?何か、先生と兄ちゃんの声がする」
凛:「た、確かにそこの壁の向こうは男湯の露天風呂ですけど、あまり声は聞こえないはずなんですけどね……」
リサ:「それほどまでに、兄ちゃんの声がデカいってことか……」
あと、例え人間の姿をしているにしても、やはりBOWの聴力は並の人間よりも優れているというのもある。
凛:「確かに露天風呂にも洗い場はありますけど、この寒い時にそこで体を洗うのはちょっと……と思うんですけど……」
リサ:「先生はともかく、兄ちゃんは裸の付き合いの時は一気に暑苦しくなるから、あまり気にならないのかもしれない」
凛:「す、凄いですね」
リサ:「霧生市のバイオハザードを潜り抜けただけのことはあるでしょ?」
凛:「た、確かに……。鬼のようなリサ先輩が、頭を下げる愛原先生って……」
リサ:「凄い人!私の旦那様!性奴隷になってもいい唯一の人!」
凛:「え……?あ、あの、それより東京中央学園のことについて、教えてもらえませんか?」
リサ:「いいよ。何から聞きたい?」
凛:「えっとですね……。私、高校でも陸上やりたいんですよ。東京中央学園の女子陸上部って、どんな感じですか?」
リサ:「たまにインターハイ出てる」
凛:「ですよね!?部活の雰囲気とか、どんな感じですか?」
リサ:「うーん……。少なくとも、怪談話にはあんまり出て来ない」
凛:「え?」
リサ:「男子野球部は軍隊っぽいけど、女子陸上部はそこまでではない。あと、合宿に新聞部が取材で来ることがある。それと、家政部が手伝いに来ることも……」
帰宅部のリサに内部事情を聴く凛の方が間違っていた。
[同日21:30.天候:雪 同ホテル1F大浴場]
リサ:「すっかり入り込んじゃった……。のぼせる直前……」
凛:「す、すいませんでした!色々聞いちゃって……!」
リサ:「いい。むしろ、あんまり参考になるようなこと言えなくてゴメン」
凛:「とんでもないです。でも、東京中央学園って怖い話が多いんですね」
リサ:「そう!私がいる間、絶賛更新中!」
凛:「えっ、それって……」
怖い話を増加させているのは、リサのせいでもあるということだ。
今や、新しくできた東京中央学園の怖い話の主役はリサになりつつある。
リサ:「それより、喉乾いた」
凛:「あ、はい!飲み物買って来ます!」
リサ:「スポドリで」
凛:「スポドリですね!」
すっかり先輩風を吹かせるリサ。
凛は脱衣場内にある自販機で、ポカリスエットを買って来た。
凛:「どうぞ!」
リサ:「サンクス」
リサ、ペットボトルの蓋を開けると、一気に半分ほど飲み干した。
リサ:「暑い暑い」
2人とも、Tシャツやタンクトップに短パンという姿だった。
しかし、そのうち、脱衣場の外が騒がしくなった。
リサ:「何だろう?」
凛:「行ってみましょう」
2人ともスポドリを飲み切ると、ジャージに着替えて脱衣場の外に出た。
そこは男女兼用の湯上り処になっている。
卓球台やマッサージチェアもここにある。
男性宿泊客:「おい、兄ちゃん!大丈夫か!?しっかりしろ!」
腰にタオルだけ巻いて、男湯から連れ出されたのは高橋だった。
リサ:「兄ちゃん!?」
男性宿泊客:「! お嬢ちゃん、この兄ちゃんの知り合いか?」
リサ:「う、うん!わたしの連れ」
凛:「このお客さん、のぼせられたんですか?」
男性宿泊客:「どうやら、そうらしい。何とか介抱してやらんと……」
凛:「すぐにスタッフを呼んできます!」
凛はすぐに従業員用の内線電話に飛びついた。
リサ:「! 先生?先生は!?」
男性宿泊客:「先生?」
リサ:「うん!この兄ちゃんと一緒に入っていた、40歳くらいの人!一緒にいませんでしたか!?」
男性宿泊客:「いや、気が付いた時は、この兄ちゃん1人しかいなかったが……」
凛:「今、フロントに連絡しました。これから、救護室に運びますから」
リサ:「リン、先生がいないの!」
凛:「えっ!?」
リサ:「兄ちゃんが倒れた時、先生はいなかったんだって!」
凛:「ええっ!?」
そうこうしているうちに、男性スタッフを含めた数人のスタッフが駆け付けた。
男性スタッフ:「そっち持って!」
凛:「竹下さん!」
男性スタッフ:「凛ちゃんもいたのか!どうした?」
凛:「このお客様の御連れ様、愛原様と仰るんですけど、一緒にいらっしゃらないんですって!」
竹下:「何だって!?」
凛:「ちょっと男湯を見てきてもらえませんか!?」
竹下:「分かった。キミ達はこちらのお客様を救護室に!」
竹下と呼ばれた30代の男性スタッフ。
黒スーツ姿なので、ナイトマネージャーか何かだろう。
一緒にいた別のスタッフに指示すると、男湯に飛び込んだ。
凛:「先輩、スマホで愛原先生に連絡してみては?」
リサ:「おー!そうだ!」
リサは自分のスマホを取り出すと、愛原を呼び出した。
だが、呼び出し音は鳴っているものの、全く出る様子が無い。
リサ:「ダメ!出ない!」
高橋が担架に乗せられて、救護室へ運ばれて行く。
そして、竹下が戻って来た。
竹下:「中に入って呼び掛けてみたが、愛原様はいらっしゃらないみたいだ」
凛:「ええっ!?」
リサ:「……!」
リサに焦りの色が出る。
その時、リサの頭の中に、ある人物が浮かんだ。
リサ:「! 女将さんは!?凛のお母さん!」
凛:「女将は日勤だけの勤務だから、もう仕事が終わって、寮に戻ってるはずですよ」
ホテルに併設された従業員寮がある。
前に凛が初登場した時、従業員専用の出入口から現れたが、そこが寮の入口(正確に言えば、ホテルと寮を結ぶ渡り廊下)である。
リサ:「一応、女将さんにも言っといた方がいいんじゃない?」
凛:「そ、そうですね!」
凛もまた自分のスマホを取り出した。
凛:「え……?!」
リサ:「どうした?」
凛:「お母さんも出ない……!」
リサ:「え!?」
凛:「コールしてるんだけど、出ないです!」
リサ:「ええーっ!?」
これは一体、何を意味しているのか?
女将の娘、上野凛と一緒に大浴場に入ったリサ。
母親:「こーら!走っちゃダメって言ったでしょ!」
リサ:「随分、賑やかだな」
凛:「今日は家族連れのお客さんも泊まってますからね」
リサ:「ああ。そういえばさっき、夕食会場にいた……」
凛:「天長会で行事が無い日は、一般のお客様も泊まれるので」
リサ:「大石寺にもそういう施設があるといいのにねぇ」
凛:「ん?何か言いました?」
リサ:「いや、何でも無い」
2人はそれぞれの高校、中学校のジャージを脱いだ。
リサは普通に冬用の長袖ジャージの下は下着だったが、凛は違った。
リサ:「それ、もしかして、陸上部のユニフォーム?」
凛:「そうなんです。別に今、着る必要は無いんですけど、何だかジャージの下はこれを着てないと落ち着かなくって……」
リサ:「もしかして夜、走ったりしてる?」
凛:「あ、分かります?」
リサ:「こんな雪の中?」
凛:「ホテルの敷地からは出ませんよ。こう見えても結構広い敷地なので、わざわざ道路に出る必要無いですし、それに……」
リサ:「?」
凛:「実はこのホテル、屋上があるんです。普段は立入禁止なんですけど、私だけ特別に筋トレの為にそこに出てるんです」
リサ:「それはいい!わたしも出たい!」
凛:「……今夜は雪が強くなってきたので、やめた方がいいですよ」
リサ:「え、そう?」
凛はタンクトンプと短パンを脱いだ。
今度こそ、その下は下着である。
女子中学生らしく、ガーリーなデザインのブラショーツを着けていた。
もっとも、リサの場合も似たようなものだが。
2人の鬼娘(もちろん、今は人間の姿に化けている)は、一糸纏わぬ姿になると、脱衣場から大浴場に移動した。
体を洗ってから、露天風呂に移動する。
高橋:「あ、不肖の弟子、この高橋正義が!あ、愛原大先生のお背中を~!あ、御流し差し上げ奉り候~!!」
愛原:「だから、いちいち演出すな!」
リサ:「ん?何か、先生と兄ちゃんの声がする」
凛:「た、確かにそこの壁の向こうは男湯の露天風呂ですけど、あまり声は聞こえないはずなんですけどね……」
リサ:「それほどまでに、兄ちゃんの声がデカいってことか……」
あと、例え人間の姿をしているにしても、やはりBOWの聴力は並の人間よりも優れているというのもある。
凛:「確かに露天風呂にも洗い場はありますけど、この寒い時にそこで体を洗うのはちょっと……と思うんですけど……」
リサ:「先生はともかく、兄ちゃんは裸の付き合いの時は一気に暑苦しくなるから、あまり気にならないのかもしれない」
凛:「す、凄いですね」
リサ:「霧生市のバイオハザードを潜り抜けただけのことはあるでしょ?」
凛:「た、確かに……。鬼のようなリサ先輩が、頭を下げる愛原先生って……」
リサ:「凄い人!私の旦那様!性奴隷になってもいい唯一の人!」
凛:「え……?あ、あの、それより東京中央学園のことについて、教えてもらえませんか?」
リサ:「いいよ。何から聞きたい?」
凛:「えっとですね……。私、高校でも陸上やりたいんですよ。東京中央学園の女子陸上部って、どんな感じですか?」
リサ:「たまにインターハイ出てる」
凛:「ですよね!?部活の雰囲気とか、どんな感じですか?」
リサ:「うーん……。少なくとも、怪談話にはあんまり出て来ない」
凛:「え?」
リサ:「男子野球部は軍隊っぽいけど、女子陸上部はそこまでではない。あと、合宿に新聞部が取材で来ることがある。それと、家政部が手伝いに来ることも……」
帰宅部のリサに内部事情を聴く凛の方が間違っていた。
[同日21:30.天候:雪 同ホテル1F大浴場]
リサ:「すっかり入り込んじゃった……。のぼせる直前……」
凛:「す、すいませんでした!色々聞いちゃって……!」
リサ:「いい。むしろ、あんまり参考になるようなこと言えなくてゴメン」
凛:「とんでもないです。でも、東京中央学園って怖い話が多いんですね」
リサ:「そう!私がいる間、絶賛更新中!」
凛:「えっ、それって……」
怖い話を増加させているのは、リサのせいでもあるということだ。
今や、新しくできた東京中央学園の怖い話の主役はリサになりつつある。
リサ:「それより、喉乾いた」
凛:「あ、はい!飲み物買って来ます!」
リサ:「スポドリで」
凛:「スポドリですね!」
すっかり先輩風を吹かせるリサ。
凛は脱衣場内にある自販機で、ポカリスエットを買って来た。
凛:「どうぞ!」
リサ:「サンクス」
リサ、ペットボトルの蓋を開けると、一気に半分ほど飲み干した。
リサ:「暑い暑い」
2人とも、Tシャツやタンクトップに短パンという姿だった。
しかし、そのうち、脱衣場の外が騒がしくなった。
リサ:「何だろう?」
凛:「行ってみましょう」
2人ともスポドリを飲み切ると、ジャージに着替えて脱衣場の外に出た。
そこは男女兼用の湯上り処になっている。
卓球台やマッサージチェアもここにある。
男性宿泊客:「おい、兄ちゃん!大丈夫か!?しっかりしろ!」
腰にタオルだけ巻いて、男湯から連れ出されたのは高橋だった。
リサ:「兄ちゃん!?」
男性宿泊客:「! お嬢ちゃん、この兄ちゃんの知り合いか?」
リサ:「う、うん!わたしの連れ」
凛:「このお客さん、のぼせられたんですか?」
男性宿泊客:「どうやら、そうらしい。何とか介抱してやらんと……」
凛:「すぐにスタッフを呼んできます!」
凛はすぐに従業員用の内線電話に飛びついた。
リサ:「! 先生?先生は!?」
男性宿泊客:「先生?」
リサ:「うん!この兄ちゃんと一緒に入っていた、40歳くらいの人!一緒にいませんでしたか!?」
男性宿泊客:「いや、気が付いた時は、この兄ちゃん1人しかいなかったが……」
凛:「今、フロントに連絡しました。これから、救護室に運びますから」
リサ:「リン、先生がいないの!」
凛:「えっ!?」
リサ:「兄ちゃんが倒れた時、先生はいなかったんだって!」
凛:「ええっ!?」
そうこうしているうちに、男性スタッフを含めた数人のスタッフが駆け付けた。
男性スタッフ:「そっち持って!」
凛:「竹下さん!」
男性スタッフ:「凛ちゃんもいたのか!どうした?」
凛:「このお客様の御連れ様、愛原様と仰るんですけど、一緒にいらっしゃらないんですって!」
竹下:「何だって!?」
凛:「ちょっと男湯を見てきてもらえませんか!?」
竹下:「分かった。キミ達はこちらのお客様を救護室に!」
竹下と呼ばれた30代の男性スタッフ。
黒スーツ姿なので、ナイトマネージャーか何かだろう。
一緒にいた別のスタッフに指示すると、男湯に飛び込んだ。
凛:「先輩、スマホで愛原先生に連絡してみては?」
リサ:「おー!そうだ!」
リサは自分のスマホを取り出すと、愛原を呼び出した。
だが、呼び出し音は鳴っているものの、全く出る様子が無い。
リサ:「ダメ!出ない!」
高橋が担架に乗せられて、救護室へ運ばれて行く。
そして、竹下が戻って来た。
竹下:「中に入って呼び掛けてみたが、愛原様はいらっしゃらないみたいだ」
凛:「ええっ!?」
リサ:「……!」
リサに焦りの色が出る。
その時、リサの頭の中に、ある人物が浮かんだ。
リサ:「! 女将さんは!?凛のお母さん!」
凛:「女将は日勤だけの勤務だから、もう仕事が終わって、寮に戻ってるはずですよ」
ホテルに併設された従業員寮がある。
前に凛が初登場した時、従業員専用の出入口から現れたが、そこが寮の入口(正確に言えば、ホテルと寮を結ぶ渡り廊下)である。
リサ:「一応、女将さんにも言っといた方がいいんじゃない?」
凛:「そ、そうですね!」
凛もまた自分のスマホを取り出した。
凛:「え……?!」
リサ:「どうした?」
凛:「お母さんも出ない……!」
リサ:「え!?」
凛:「コールしてるんだけど、出ないです!」
リサ:「ええーっ!?」
これは一体、何を意味しているのか?