【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

映画 「つぐない」~生涯に一度だけの夢

2008-08-27 17:37:50 | 映画の香り




   真珠色の空で明けた今日という日。
  と言うより、“雲が重く垂れ込めた空” と
  言った方が、いいかも知れません。

   でも雨は、降っていません。
  それにしても・・。

   この所の虫達の演奏会は、日増しに
  その数を増やし、賑やかさを増しています。

   初めは、独唱だったものが、
  いつの間にか 「デュエット」 に 。

   そのうち 「トリオ」 になり、はたまた
  「クァルテット」、「クインテット」 と・・。
  
   昨夜も、そんな虫達の演奏会を
  楽しませて貰いました。今宵も・・。 

   さて今日も、昨日と、ほぼ同じような
  空の下(もと)、イギリス映画、
  「つぐない」 を観て来ました。

   やはり、これも前回(20日)の映画、
  「ラフマニノフ~ある愛の調べ」 と同じく、
  4月に中央で上映されたものが、4ヶ月遅れで、
  街の映画館に掛かったというものです。

   この映画も、私にとっては何の逡巡もありません。
  何より大好きなイギリス映画ですし、今、最も時めく美しい女優、
  キーラ・ナイトレイ の出演なのですから。

 彼女の高貴な令嬢役が、ぴったりの美しさは、それだけで絵になりますし、
イギリスの美しい田園風景や、咲き乱れる花々・・。もう、うっとりです。

   タイプライターの、リズミカルに
  響き渡る音や、蜜蜂の羽音、
  美しいピアノの奏でる旋律・・。

   それらの音を効果的に使い、
  場面、場面を際立たせています。

   そして、上流階級の、
  お城のような邸宅のインテリアにも、
  興味をそそられるに、
  十分なものでした。

   ビクトリア朝の家具や、
  パステルカラーの美しい、大きな薔薇の壁紙等など・・。
  
   前半は、そんな画面にも魅入らされてしまったものです。
  映画は、1930年代の戦火が忍び寄るイギリスが舞台です。
  
   高級官僚の美しい娘、セシーリア(キーラ・ナイトレイ)と、
  医師を目指していた、使用人の息子、ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)。
  身分違いを越えて、愛している事に初めて気付いた夏の日。

   多感な少女の潔癖さと、美しい姉への嫉妬から重大な嘘をついてしまった妹、
  ブライオニーによって、運命を引き裂かれてしまう二人・・。

   ロビーは、刑務所から一兵卒として、戦線に駆り出され・・。
  その彼に、「待っています。戻って来て」 と、手紙を出し続けるセシーリア。

   その妹も、嘘の重さに生涯、苦しみ、償いをするというストーリーです。
  小説家になった彼女の告白。どんでん返し・・。

   嘘の重さを痛切に感じた映画でしたし、同時に哀しさと切なさも。
  兎にも角にも格調高い、素敵な映画でした。

   なお、原作は、イアン・マキューアンの 「贖罪(しょくざい)」(新潮社刊)。
  原作を読んでみたくなりました。