何が人間の 幸福 かと言えば、 突きつめた処、まあこの辺が、 人間の辿り着ける、1番の幸福だろうよ。 これなら人も許すし、神の咎めもある訳はない。 そして、誰にも望める事だから」 【吉川栄治著 「新・平家物語」 より】 |
こちらは今日も不安定な天気。
晴れた空からいきなり、
パラパラ~ッと雨も降り・・。
朝晩の気温も、相変わらず低めです。
確か天気予報では、
雨は夜からではなかったかしら・・?
案に反して、午前中より午後の
方が良いお天気になっています。
さて、昨日は1日中外出して
いましたが、2つめの桜、
八重桜が今、満開です。
そして青い空には沢山の鯉が。
勿論、ここでもスローガンは東日本大震災復興を祈って。
折しも、通りがかりのある親子が桜の花びらを手ですくって、
「ワ~ッ! 綺麗ね~ッ。ヒラ、ヒラ~ッ、ヒラ、ヒラ~ッ!」
~なんて戯れていました。長閑(のどか)で幸せな光景。
一方、未だに桜を見ても心が晴れない1組のご夫婦の姿を
テレビ画像は鮮明に映し出していました。
思い出のこもった、ご自宅の1本の桜の木を津波で流され、
塞いでいらっしゃるご主人を案じて奥様が誘い出されたのです。
「まだ桜の花を見るのは私達には早かったのかな・・?」
ふと呟(つぶや)かれた奥様の言葉が胸に刺さります。
ところで、上記の言葉は、「新・平家物語」 の最後の場面のもの。
ここでも、奈良吉野山の満開の桜を眺めながら、
お弁当を食べる、老夫婦の姿が描かれています。
父と子、兄と弟が相争った源平の盛衰を見続けて来た、
医師の麻鳥が妻に語りかける言葉。
申すまでもありませんが、我々日本人は昔からどこかに
神の存在を意識して暮らして来たのではないでしょうか・・。
日本各地のお祭りなどの神事にも、それが表れていますね。
それがいつの頃からか、神をも恐れぬ国民に・・?
こんな事が起こらなければ普通の生活を送る事が、
どんなに幸せな事なのか、気付こうともしなかった・・。
でも、まだまだ遅くはありませんね。
感謝して日々を送ろうと思っています。
そう言えば上記の場面も、吉川栄治が戦後まもなく夫人を伴って
吉野山に花見をした時、目にした老夫婦がモデルと言われています。
そしてその姿に戦火をくぐり抜けた、日本人を重ね合わせたとも。
今回の地震も同じですね。「頑張ろう、日本!」