【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

もう一つの花見

2011-04-30 15:30:05 | レトロ(素敵)な空間~散策




何が人間の 幸福 かと言えば、
突きつめた処、まあこの辺が、
人間の辿り着ける、1番の幸福だろうよ。
これなら人も許すし、神のとがめもある訳はない。
そして、誰にも望める事だから」
             【吉川栄治著 「新・平家物語」 より】




   こちらは今日も不安定な天気。
  晴れた空からいきなり、
  パラパラ~ッと雨も降り・・。
  朝晩の気温も、相変わらず低めです。
  
   確か天気予報では、
  雨は夜からではなかったかしら・・?
  
   案に反して、午前中より午後の
  方が良いお天気になっています。

   さて、昨日は1日中外出して
  いましたが、2つめの桜、
  八重桜が今、満開です。

   そして青い空には沢山の鯉が。
  勿論、ここでもスローガンは東日本大震災復興を祈って。

   折しも、通りがかりのある親子が桜の花びらを手ですくって、
  「ワ~ッ! 綺麗ね~ッ。ヒラ、ヒラ~ッ、ヒラ、ヒラ~ッ!」
  ~なんて戯れていました。長閑(のどか)で幸せな光景。

   一方、未だに桜を見ても心が晴れない1組のご夫婦の姿を
  テレビ画像は鮮明に映し出していました。

   思い出のこもった、ご自宅の1本の桜の木を津波で流され、
  塞いでいらっしゃるご主人を案じて奥様が誘い出されたのです。

   「まだ桜の花を見るのは私達には早かったのかな・・?」
  ふと呟(つぶや)かれた奥様の言葉が胸に刺さります。
  
   ところで、上記の言葉は、「新・平家物語」 の最後の場面のもの。
  ここでも、奈良吉野山の満開の桜を眺めながら、
  お弁当を食べる、老夫婦の姿が描かれています。

   父と子、兄と弟が相争った源平の盛衰を見続けて来た、
  医師の麻鳥が妻に語りかける言葉。

   申すまでもありませんが、我々日本人は昔からどこかに
  神の存在を意識して暮らして来たのではないでしょうか・・。
  日本各地のお祭りなどの神事にも、それが表れていますね。

   それがいつの頃からか、神をも恐れぬ国民に・・?
  こんな事が起こらなければ普通の生活を送る事が、
  どんなに幸せな事なのか、気付こうともしなかった・・。

   でも、まだまだ遅くはありませんね。
  感謝して日々を送ろうと思っています。

   そう言えば上記の場面も、吉川栄治が戦後まもなく夫人を伴って
  吉野山に花見をした時、目にした老夫婦がモデルと言われています。

   そしてその姿に戦火をくぐり抜けた、日本人を重ね合わせたとも。
  今回の地震も同じですね。「頑張ろう、日本!」

ぶらっと京都

2011-04-28 16:05:25 | レトロ(素敵)な空間~散策

【銀閣寺】


ミス・マープルは海岸の遊歩道を渡り、
アーケードの脇の丘の方へ上がる
フォアー通りを歩いて行った。
この辺りは 古風な店 ばかりだった。
毛糸と手芸用品の店、お菓子屋、
ヴィクトリア朝風の夫人装身具、服飾専門店、
その他、似通った感じの店が並んでいた。
ミス・マープルは手芸用品店の窓を覗き込んだ。
        【A・クリスティー作 「スリーピング・マーダー」】 


   昨夕から降り出した雨は朝には上がり、起床時には太陽も。
  ただ、その後は晴れたり曇ったり。はたまたザ~ッと雨。
  相変わらず大気の状態は不安定です。

   おまけに今日は、7度近くの気温の下降も。
  何せ昨日は、蒸し暑ささえ覚える1日でしたから。

   さて今日も昨日の続き。(4月25日)
  それにしても、たった1日の話題で
  引っ張りますこと!

   あの日・・25日も、
  少々、天候が不安定でした。

   丁度、「そうげんカフェ」 で、
  食事をしている時にも、
  俄か雨が降っていたようです。

   勿論、食事を終えた頃には
  その雨も上がっていましたけれど。

   白川通りをぶらぶらと歩き・・。
  それは、まさに上記のミス・マープルそのもの。

   マープルよろしく、これは・・というお店を覗いたり。
  おまけに京都ですから 古風な店 には事欠きませんものね。

   その後、哲学の道から銀閣寺に。
  他聞に洩れず、ここも閑散としていました。
  
   普段でしたら月曜日とは言え、人で溢れているでしょうに。
  行き交う外人さんも、修学旅行生もチラホラ。
  私達はゆっくり出来て良かったのですが複雑な気持ちです。



   最後は、四条木屋町の
  「フランソア喫茶室」 に。

   ここはイタリア人建築家が
  京の町家を改築した、
  昭和9年創業のレトロな喫茶店。

   古くには芸術家や小説家が
  こぞって訪れていたそうです。
  
   お勧めの
  「ケーキセット」 を注文。

   私は今回で4回目ですが、
  改めて店内をじっくり眺めてみたものです。

   確かにイタリアバロック様式の店内には、ステンドグラスや、
  ロートレックの絵画などが並びます。そして低く流れるクラシック音楽。
  
   ただ、ここだけは思いの外、混んでいて、
  喫煙室しか空いていなかったのが何とも残念です。

   そうそう、セミウィンナータイプの珈琲は、
  俳優の故宇野重吉も、かつて好んだというまろやかな味わい。  
  
   店名の 「フランソア」 は、オーナーが敬愛する、
  ジャン・フランソア・ミレーに由来するとの事です。

        一部、追記しました。(’11 4.30)

カントリーの風

2011-04-27 15:10:25 | レトロ(素敵)な空間~散策




「ほとんど私が想像していた通りよ。
窓には 忍冬すいかずら は一つもないけれど、
門の側には本当にライラックの木があるわ。
そして、―― そうだわ、
窓にはモスリンのカーテンがかかっていてよ。
家が今でも黄色に塗ってあって、
何て嬉しいんでしょう。
                【「アンの愛情」 第21章】 


   今日は曇りから雨の予報に反し、起床時には太陽燦々。
  尤も、春らしい霞はかかっていましたけれど。

   いずれにしても朝の太陽は気持ちの良いものです。
  そんな晴れの天気は、午前中一杯は続いたでしょうか・・。
  何だか随分、得した気分です。



   さて、昨日の続き(4月25日)です。
  京都造形大学近くの工房で 「硝子ペン」 を購入した後、
  通りをぶらぶら歩いていましたら素敵なカフェを見つけました。

   お店の前にはさり気なくハーブの鉢が置かれ、何とも素朴な入口の木製の扉。
  それは決して人を寄せ付けないのではなく、「どうぞ!」 と招き入れてくれるような。

   お店の1番奥に通されましたが、突き当たりは一面の硝子窓。
  坪庭の緑が、お日様にキラキラ輝いています。
  
   所謂(いわゆる)、京都らしい間口の狭い、ウナギの寝床的なお店ですが、
  不思議に圧迫感はありません。天井が高いからでしょうね。

   木の床に置かれている蔓(つる)で作った大きな籠(かご)。
  棚の上には、ミモザのドライフラワー。
  それらは店内の雰囲気に、しっくり馴染んでいます。

   そうそう化粧室の洗面台も、アンティークな木製のもの。
  ここのドアにもミモザのリースが掛けられていて。
  
   極めつけは、ミシンを利用したテーブル。(冒頭の写真)
  メニュー表も、こんな風にカントリーです。食後の珈琲カップも土物で。

   ここには爽やかなカントリーの風が吹き抜けているようでした。
  ただ、ここでも外観の写真を撮り忘れ・・。(何をしているのでしょう)
  
   写真のお店は、姉妹店だそうです。(上から2枚目)
  中には、アンティークな雑貨が所狭しと並んでいます。
  
   「この瓶、1本だけだったら絶対捨てているわ。
  でも、こんな風に沢山並べると素敵ね~!」 とは友人の弁。
  何の変哲もない赤や琥珀色の小さな瓶。本当にその通りだと思ったものです。

   この後、銀閣寺を散策。
  長くなりますので明日に続きます。

匠の技に魅せられて

2011-04-26 15:11:15 | リラのお気楽ユメ日記


アンにとって毎週、1番嬉しいのは
故郷からの 手紙 を受け取る時だった。
最初の 手紙 を手にしてみて初めてアンは
キングスポートを好きになれそうだと
思うようになり、落ち着きを取り戻したのである。
(中略)
手紙 のお陰で、アヴォンリーが身近になり、
今までの生活と新しい生活とが密接に
結びついて全く同一化し、手のほどこしようもなく
離れ離れの存在ではなくなった。
                    【「アンの愛情」 第5章】 


   天気の不安定な状態が続いている昨今ですね。
  今日は昨日までのように晴れている空からいきなりパ~ッと雨・・
  
   ~なんて事はありませんが、雲の多い空になっています。
  それでも午後になると晴れ間も多くなりました。

   さて、昨日は友人と京都まで出掛けて来ましたが、
  思いの外、疲れてしまってブログの更新はなりませんでした。

   今は桜も終わり(まだ残っているのもありますが)、
  新緑の美しさにはもう少し・・の時期。

   こんな時、出掛けた一つには前から欲しかった、
  【菅清風】手作り硝子ペンの購入にありました。(冒頭の写真・書き心地の程は後日)
     
   通販でも良かったのですが、書き味を確かめてみたかったし、
  又、御年(おんとし)91歳になられるという、
  菅さん自身のお人柄にも触れてみたかったから。

   思った通り、にこやかな笑顔が素敵な温厚な方。
  それに、とても91歳には見えません。
  
   オバマ大統領や鳩山元首相の手紙を見せて頂いたり・・。
  と言うより、名だたる方のお名前は枚挙にいとまがありません。

   野中元官房長官などはプレゼントにするからと、
  いつも、まとめて5、6本注文されるのだとか。

   そうそう、私も大好きな青色のペンを求めるつもりだったのですが、
  実際に目で見てみますと透明の物がキラキラ光に反射して1番綺麗でした。
  迷いましたが透明な物を。やはり1番の売れ行きだそうです。
  
   ただ、帰りを見送って下さったのですが、
  写真を撮らせて頂く事をすっかり忘れていました。
  気楽に応じて下さったでしょうに。残念でたまりません。



   それにしても手紙って、いいですね。
  最近は礼状以外にはほとんど書く事がなりましたが、
  実際に頂くと嬉しいですものね。

   それに個性があって、ワープロにはない温かみがありますものね。
  折角、ペンを求めたのですから、これからせいぜい書く事に致しましょう。

   ~明日に続く   

レースで描く薔薇模様

2011-04-24 16:39:16 | 私の手作り夢時間


居間には青貝が散りばめられ、
城や 薔薇 が描かれている
小さい華やかな テーブル がいくつかあった。
底に暗褐色の絹地を当てた、
ひだのある袋が付いている、
上品な小さな裁縫台もあった。
紫檀の机やマホガニーの
ソファ用テーブルもあった。(中略)
ジャイルズと自分のために二つのふかふかした
柔らかいゆったりした椅子を買って
暖炉 の両側に置いた。(中略)
グエンダがカーテンのために選んだ布地は、
とり澄ました 薔薇の花瓶
黄色い鳥が止まっている柄で、
ごく淡いブルーの古風なさらさ木綿であった。
         【A・クリスティー作「スリーピング・マーダー」】 


   昨日の雨は上がりましたが、なかなかすっきりという訳には参りません。
  太陽は出ていますのに雷ゴロゴロ。ザ~ッと来て又、晴れて・・。

   そう言えば、昨夜、休む前に眺めたお月様は
  笠をかぶっていましたっけ。(明日25日は「下弦の月」)
  そんな半月のお月様は、より親しみ深く感じられたものです。



   さて、こちらの写真。 
  上記のイギリスの古い家にも
  レースは合いますね。
  (「ヒルサイド荘」 と言うのだそうです)
  
   このレース、ちょっと前に仕上がって
  いたのですが、仕上げの糊がなくて
  そのままになっていたものです。

   でも考えてみれば、
  これは窓辺を飾るレース。

   ドイリーならいざ知らず、カチカチに
  糊付けしなくても・・と思い至りました。

   どうせ風に揺れるのですから・・
  ~なんて、体(てい)の良い言い訳。

   その上、買い置きしていた、
  カーテンクリップが見当たりません。
  取り敢えずチェストの前にぶら下げて。

   それはさて置き、もう一つ、
  レースのセーター(前開き)に取り組んでいます。

   と言っても根気だけですが・・。
  ともすれば、挫けそうになる根気に鞭打ちながら花のモチーフ、40数個。
  
   おまけに、使わないまましまっていた糸を使用しましたので(絹100%)、
  糸と相談しながら臨機応変に変えて行かなければなりません。

   こちらも本当は長袖にしたかったのですが、結局三分袖に。
  あまり出番はなさそうな気がします。

   兎にも角にも後、もう少し。
  私の場合、モチーフを全部編んで・・
  最後に繋げるというのは駄目で、編んでは繋ぎ、又、編み・・。   
   
   昔からテーブルクロスとかカフェカーテンなどインテリア関係のそれは、
  どんなに大きくても、イソイソと編んだものですが、
  衣服はもう一つでしたもの。何なのでしょうね。 

イギリス田園の夢

2011-04-23 16:15:16 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


「お客様がいらっしゃって、ようございましたね。
と彼女はミス・マープルに言った。
「あなたのお好きな スコーン を作って参りましたわ」
「フローレンスはいつもとても美味しい
お茶請けのお菓子を作るのよ」
とミス・マープルが言った。
礼を言われてフローレンスは全く思いもかけない
微笑に顔をしわ寄せて、部屋を出て行った。
           【A・クリスティー作「パディントン発4時50分」】 


   今日は雨。
  それでも午前10時頃までは、
  やんでいる時もありましたから、
  その合間に庭に出て。

   晴れた日の、
  光と影が織り成す陰影の模様。
  
   周囲の景色に花の色がしっくり
  溶け込む、真珠色の時。
  
   はたまた今日のような雨上がりと・・。
  それぞれ微妙に庭の趣きは変わります。

   雨の宝石は特に薔薇の葉っぱが素敵。
  何気なく撮った写真は背景が薔薇色に。

   実は、いつの間にか葉っぱを付けた
  「野村紅葉(ノムラモミジ)」 のお陰。

   つい昨日、「最後の一葉」 に
  一喜一憂していたような気がしますのに。
  こんな所にも季節の移ろいを感じます。

     さて、今日のような雨の日は、
    オレンジの灯りが恋しくなりますね。
    幸い、まだまだランプや蝋燭を灯しても邪魔になりません。
    
     おまけに雨のせいか、気温の割にはヒンヤリしていますので。
    庭からヴィオラ(これには香りがあります)を摘んで来ました。
    ランプと蝋燭も灯しました。

    10日振りですね。
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』
  開店と致しましょう。

   今日は、ローラ・アシュレイの
  ピーターラビットも仲間入りです。
  友人からのプレゼント。

   洋服の花柄プリントは、
  ちょっと隠れてしまいましたね。
  
   カップも小花柄で。「ノリタケ」 です。
  小花柄って、優しい気持ちになりますね。

青の共鳴

2011-04-22 16:48:08 | 香る庭の花綴り

【「西洋十二単(セイヨウジュウニヒトエ)」】

【お手々つないで】

【「蔓日々草(ツルニチニチソウ)」】

「私、うちの庭が大好きだし、庭仕事も好きですわ。
青い、成長して行くものを相手にのんびり仕事をし、
毎日可愛らしい新芽が出るのを見守っているのは
創造の仕事に手を貸しているような
ものだと思いますわ。
丁度今うちの庭は信仰に似ていますわ――
希望しているものの、実質ですわね。
でも、ちょっと待たなくてはなりません。
                    【「アンの夢の家」 第18章】 


   今日も少々、ヒンヤリした
  朝を迎えました。

   昨日の快晴から早くも
  お天気は下り坂。
  真珠色の空になっています。

   そんな空に映えているのが、
  今盛りの蔓日々草。

   そのすぐ横では、西洋十二単が、
  去年以上にその数を増やし、
  俄(にわ)かに首をもたげ、
  出番を待ち構えています。
  (冒頭の写真)

   これも紫色ですから
  一斉に咲きましたら壮観ですね。

   ただ、問題はリラの木です。
  東南の1番日当たりの良い場所に
   植え、今年こそ・・と、
  花が咲く事を待ち望んでいる花。

   でも、瑞々しい黄緑色の葉っぱは
  付けているものの、どこにも
  花芽らしいものは見つかりません。

   まだ春は始まったばかりですのに、
  もう来年を期待しなければならない
  なんて・・。残念です。

   でも良くしたもので薔薇が元気。
  挿木したものまで沢山の蕾を
  付けています。

   ところで今日は真珠色の空・・
  ~なんて記したものですが、
  いつの間にか音もなく静かに
  雨は降り出していたようです。

   夏の激しい雨とは違って何と遠慮深い雨でしょう。
  その雨、今は又、上がっています。

   
  
   ところで心穏やかでない事件が多い昨今ですが、
  こんな、心温まる記事を新聞記事に見つけました。
  もう1ヶ月以上前になりますね。3月17日付の記事です。


【交友関係】
清流、秋川に住む友人の話。
河川敷に住むブルーシートの自由人に
お菓子をあげたのが縁で、
土手で採ったふきたけのこなど山菜が時折、
玄関前に置かれているという。
ある時、ばったり顔を合わせた時、
「私のような者がお宅に出入りしてはご迷惑を
おかけしますので、早朝、置かせて貰っています」
と、丁寧な挨拶をされたそうだ。

その友人の家には従業員が数人いて、(中略)
空き缶が多く出るので、
「外のカゴに置いてあるから、いつでも持って行って
処分して下さい」 と言って数カ月経ったある朝、
犬の餌にメモ書きが添えられていた。
「缶を売って5万円にもなりました。
ささやかですがお礼の気持ちです」

その律儀さにビックリ。
彼女が秋川沿いを車で通ると、
両手を振って挨拶する仲という。
ふきのとう、コゴミ、タラの芽、
今度は何を置いて行ってくれるのか。
心待ちにしているそうだ。

戦慄のクライシス

2011-04-21 17:00:00 | 心の宝石箱



「でもね、アン、詩人の ローウェル
こう言っているではありませんか。
『失敗が悪いのではない。
目標の低さこそは罪悪だ』
とね。
私達は理想を持ち、例え成功しないとしても、
それを実現するために、
努力しなくてはいけないのよ。
理想がなかったら、人生はみじめなものですよ。
理想があればこそ人生も偉大なものと
なるのですからね。
自分の理想をしっかり持っている事ですよ、アン」
                  【「アンの青春」 第15章】 


   雲一つない快晴の天気が戻りました。そして朝の冷えたこと!
  ここまで記して、つい何日か前にも同じ事を・・と思ったものです。

   おまけに昨夜は休む前、ひょっこりお月様が顔を覗かせていましたっけ。
  冬の月のように透明感のある、ちょっと近寄り難い雰囲気ではなく、
  黄色味を帯びた、大層親しみのあるお月様。

   そして黄色に続いて赤色のフリージアも開花。
  その後ろには紫色のそれも開花を待っています。

   さて、上記の記述。この文章に接する時、なぜか連想するもの。
  菅首相の 「最小不幸社会を目指す」 というものです。(所信表明演説)

   目指すものが最小不幸社会・・? その時感じた違和感。
  最小だからと言って、不幸社会は目指すものではないでしょうに。
  幸福社会を目指さなくてどうするのでしょう。

   案の定と言いますか、あれから不幸社会へまっしぐら・・? という気がします。
  ここでも思う事は、「坂の上の雲」 の 『悲劇の闘将はあり得ない』 という言葉。
  運も実力のうち。つくづく含蓄(がんちく)のある言葉だと思います。



   それはさて置き、よもやこんな事になろうとは思わなかった福島原発。
  以前にも記しましたが、東野圭吾作 「天空の蜂」 に、その原発の事が詳しく載っています。

   これを読んだ当時は、他人事(ひとごと)のように読み飛ばしていたものですが、
  今回、もう1度、念を入れて読み直してみました。

   尤も、この小説の舞台は福井の美浜原発ですし、
  原発の危機も災害ではなく、テロという違いがありますが・・。

   でも、今となっては、そのテロでさえ想定外とは言えませんものね。
  それでなくても危機管理の全くない東電初め日本政府のあたふた振りを見ますと、
  邪(よこしま)な考えを持つ不敵な輩(やから)がいても不思議ではない気がします。

   この本は小説ですので、原子炉の上にヘリコプターを落とすという事も、
  技術者の英知と自衛隊の協力によって間一髪、原子炉への落下を逃れる事が出来、
  犯人も捕まりますが、実際となるとどうなのでしょう。戦慄が走ります。

   それにしても、次の答弁。どこかで聞いたような・・。
  そう、今テレビで流れているそれと、ほとんど同じ事に唖然とします。
  
   余談ながら、この作品が書かれたのは1995年。
  という事は、阪神大震災が起こった年でもあるのですね。
「色々な防護システムがあるから安全だという論旨の
ようですが、そのシステムが根本から壊されるという事は
お考えになっていないのですか」
「それはちょっと考えにくいと思います」

「でもどれだけの爆薬が積まれているのか、
まだ不明なんですよ」
「それは承知しておりますが、我々の方では、
耐爆実験というのをやっておりまして、
TNT火薬100キロでも、
『新陽』 の炉が壊れない事を確認しています」

「それは炉の中で爆破が起きた時の事でしょう。
今回は、どこで爆破が起きるか分からない。
それでも大丈夫だと言い切れるんですか」
「大丈夫だと確信しております」
花岡の言葉に、記者席がざわついた。

「もし深刻な被害が出たら、どのように対応するつもりですか」
「ですから、深刻な被害は出ないという事です」
「もし出たら、という話です」
「そういう話には、今はお答え出来ません」
                         【東野圭吾作 「天空の蜂」】
 

素敵にクリスタル

2011-04-20 15:50:55 | 煌きの硝子(ランプ含む)


音によっては何とも言えないほど美しい――
目に見えるどんなものよりも遥かに美しい。
例えば 暖炉 の前の敷物の上にいる
ダフィのゴロゴロという音 ――
火がパチパチいったりシューッといったりする音 ――
羽目板の後ろでどんちゃん騒ぎをしている
ねずみ達のチューチューという声や
がりがり引っく音など。
こうして自分の部屋に1人でいるのが私は好きだ。
鼠達も楽しく過ごしているなと思うと嬉しくなる。

又私の 小さな所有物 からも非常な喜びを感じる。
これらの物は他の誰にも何の意味も成さないのに
私には 特別の意味 を持っている。
                 【「エミリーはのぼる」 第16章】


   起床時には一旦、日の出を見たものの、
  今日も昨日同様、不安定な天気になっています。
  相変わらず気温も低め。

   そう言えば、被災地は雪なのだそうですね。
  映像で見たのですが、折角咲いた桜も寒さに震えているように感じられたものです。



   こちらもちょっとだけ冬に逆戻り。
  ストーブの上では久し振りに
  お湯の沸く、シューシューという
  音だけが聞こえて来ます。

   上記の暖炉のように、
  パチパチ、シューシューという
  音こそ聞こえませんが、
  確かに感じる “火” の存在感。

   エアコンにはない温もり。、
  ストーブの好きな理由かも知れません。

   それにしても静かな昼下がり。
  そんな少々、後戻りした時間・・。

   今日は、これも大好きな硝子に拘った、
  お茶時間と致しましょう。

   好物の 「丸福珈琲店のプリン」 も
  ありますから。今日は薔薇茶で。

   白鳥の硝子の置物にはポプリを。
  「カレープラント」、「セージ」 等など。
  仄かな香りを醸(かも)し出しています。

風に揺れる香草の花

2011-04-19 16:50:16 | ハーブと香り雑学






「あたし、いつだったか、魂は花のようなものだと
書いてあるのを何かで読んだわ」
とプリシラが言った。
アンは、「それなら、あんたの魂は金色の水仙よ。
それからダイアナは、赤い、赤い、薔薇だし、
ジェーンのは林檎の花、
ピンクで、健全で、優しいのよ」
「それでは、あんたのは、芯に紫色のしま
入っている白菫よ」 とプリシラが結んだ。
ジェーンはそっとダイアナに、
あの2人が話している事が何だか、
本当は分からないのよ。
あんたは分かる?
 と囁いた。
                   【「アンの青春」 第13章】


   今日は少々、
  不安定な天気になっています。
  
   カ~ッと太陽が照り付けたかと思えば、
  俄かに暗くなり、ザ~ッと雨。
  
   午前中は、そんな事を繰り返しながら、
  一時は遠くで雷ゴロゴロ。

   さて、いち早く春の香りを届けてくれた、
  「匂い菫」 や 「ヒヤシンス」、
  そろそろ終わりでしょうか・・。

   その代わりに咲いたのが 「フリージア」。
  フリージアって早春のイメージが
  ありますが、今頃咲くのでしたっけ。

   やはり黄色の花が、
  1番先に開花したようです。

   黄色って、幸せ色と同時に元気印の
  イメージもありますものね。
  日々変化のある4月の庭です。




【野生化した「ムスカリ」】

   ところで風に揺れる花・・と言えば、どうしてもハーブのような繊細な花ですね。
  そうそう、「花韮(ハナニラ)」。(2枚目の写真)

   あっち見たり、こっち見たり、俯(うつむ)いたり、斜めに曲がったり、自由気儘(まま)。
  この花ばかりは、“私は自由人よ~” という風情。

   それに花の色も大好きな薄紫色。ただ名前が気に入りません。
  葉と球根に韮のような匂いがあるからと言って、花韮なんて。
  英名は、「春の星花」、こんなに素敵な名前ですのに。断然、私は英名派です。

   それにしても。上記の “話している事が何だか分からない・・” 云々(うんぬん)。
  まるで自分自身を見ているようです。やはり アン 同類 のようです。