【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

薔薇幻想

2010-09-30 18:30:28 | 薔薇の追憶




   昨夜からの雨は朝には一旦、上がりました。
  その後、降っているかいないか分からないような細かい雨が降ったりやんだり。
  
   かと思えば時折、ザ~ッと降り・・。
  今日の空は性懲りもなく、そんな事を繰り返しています。冷たい雨。
  その雨も夕方には上がりましたが。それにしても・・。

   “あの暑さは一体、どこに行ってしまったのでしょう・・”
  ~なんて秋らしく、ちょっぴりセンチになっていましたら・・。

   「明日は、30度近くになります」  エッ、ウソ!?  思わず、叫んだものです。
  “もう10月なのに・・” ~なんて、(今度は)呟いてみた処で詮方ない事ですね。

   “・・・ 略 ・・・今夜萎れて醜くなって手から落ちた。
  遠い薔薇のような望みと同じく、
  それにはまだ幾らかの微かな若い美しさがあった。”

                                     【「エミリーの求めるもの」 第20章】

   さて、今日の薔薇。
  先日、リラ版 「アンの薔薇」 が咲いたと思うと、(今も咲いています)
  又々、「ギルバートの薔薇」 が、こうしてコンビで。

   こんな風に仲良く揃って咲くのは何度目でしょう。
  特に 「ギルバートの薔薇」 は蕾の時が殊の外、素敵。
  今日はまだ堅く花弁を閉じていますが、明日にはきっと微笑んでくれる事でしょう。

   ところで・・。
  (私もそうですが)薔薇が大好きだと仰言る、【Kohei さん】 からフランスの詩人、
  ピエール・ド・ロンサール の素敵な詩をご紹介頂きました。以下に記しますね。




              【カッサンドルへのオード】
     
     僕の可愛い人よ、見に行こう
     朝の光を受け緋色に輝く
     その衣を広げたあの薔薇が
     夕べに、その重なるひだの衣と
     君の頬に似た紅色を失ってはいないかと。

     ああ! ごらん、ほんの少しの間に
     僕の可愛い人よ、あの美しい薔薇は
     何ということか、地面に散ってしまった。

     おお、おお、自然よ、なんと意地悪な母であることか、
     このような美しい花でさえ、朝から夕べまで
     その命を永らえることができないとは!

     だから 僕を信じてくれるのなら、可愛い人よ、
     君が、新緑の葉の中で
     花を咲かせるこの時に
     摘めよ、摘めよ、君の若さを
     この花のように老いが
     君の輝きを曇らせてしまうだろうから。

                ~ピエール・ド・ロンサール (2006年、4月11日 訳:山本 薫) 

夢を紡ぐ庭

2010-09-29 16:06:36 | 四季のスケッチ





【筋黒白蝶(スジグロシロチョウ)】

   こちらは今日も秋晴れとなりました。
  今日は、どうやら全国的に良いお天気のようですね。
  
   そのお天気に誘われたように蝶がヒラヒラ・・。
  そう言えば、蝶の写真も久し振りですね。
 
   いつもチェリーセージにしか止まらないアゲハ蝶が
  薔薇の新芽に止まったと思えば、珍しく紋白蝶もお出ましです。
  
   アラッ!? でもひょっとしましたら・・。
  薔薇の新芽とチェリーセージ、同じ赤で間違えたのかも知れませんね。かと思えば・・。
  まるで手漉(す)き和紙のような紅葉(もみじ)の葉っぱの透かし模様。

   こんな空の下(もと)、
  裏庭でいつものように
  洗濯物を干していましたら・・。
  
   ふと鼻孔を掠める微かな香り。
  それも、どこか懐かしい・・
  郷愁を誘うような・・。

   “この香りは、もしかして・・”
  自(おの)ずからすぐ傍の
  金木犀に目が向きます。

   ・・・咲いていました!
  でも、まだたった1ヶ所だけ。
  恥ずかしそうに葉っぱの陰に隠れるようにして咲いていました。

   実は今年の稀に見る暑さで心配していたのですが、ほっと一安心。
  空中が天然の香料に染まる、贅沢に浸れるのももうすぐですね。

   “その年のフォア・ウィンズの 9月 は、
  黄金の霧と紫のもやの一と月であった ――
  昼は日光に浸り、夜は月光に満たされ、
  星と月に煌めく一と月であった。
  それを損なう風もなく、荒い風も吹かなかった。(略)”

                                       【「アンの夢の家」 第8章】

   それにしても、「黄金の霧」「紫の靄」の一と月ですか・・。
  翻(ひるがえ)ってこちらの9月、生憎ロマンティックな表現が見つかりません。

薄暮の時代・・

2010-09-28 15:00:15 | リラのお気楽ユメ日記


   昨日の午後遅くから降り出した雨は、思ったより激しかったようです。
  朝には上がりましたが、高くそびえていたカンナや、
  ローズゼラニウム(一部)は、真っ二つに。

   雨は、植物にとっては有り難いものだけれど、同時に激しい雨は天敵にも。
  ここでも物事には両面がある事を思い知らされます。

   一方、冒頭の写真。
  こちらのリラ版 「アンの薔薇」 は、何があろうともその気高さは変わりません。
  薔薇の花にとっても今年の夏は、とりわけ暑かったでしょうに、
  例年以上に咲いてくれて。



   そしてこちらは紫陽花と共に “七変化” の異名を取る 「ランタナ」。
  でも、こちらのランタナは、ずっとピンクのままの・・不変のランタナです。

   花期も春浅くからですから、相当長いですね。
  その間、次から次へと本当に有り難い花です。

   今、ふと思ったのですが、この花、果たしてアンならどうなのでしょう。
  百日草のように長く咲く花は苦手のようですから、ひょっとして・・
  と思わないでもありません。花の好みは様々ですものね。





   「・・・ 略 ・・・あたし、少しばかり暗い気分になっているの ――
  薄暗い薄暮はくぼといったところね。
  真っ暗闇というほど真剣なものじゃないのよ。(中略)」

                                           【「アンの愛情」 第6章】

   今、日本と中国の間が何やら不穏な空気ですね。
  このブログは政治にはタッチしていないのですが、
  何やら私の気持ちもフィルのように晴れません。ここで、9╱26日付きの新聞を。(全文)

平成生まれの皆さんへ。
長かったいくさが終わって、中国が僕達の 「友達」 だった時期が
ほんのひと時あったんです。
つきあい始めた頃には、白黒の珍獣を友情の印に贈ってくれ、
上野動物園には長蛇の列が出来ました。

こんな愛くるしい動物のいる国はきっと、
優しい人達が住んでいるんだろうな、と僕達は信じました。
勿論、戦で死んだ兵隊さんを祭った神社に偉い人が参っても
文句一つ言いませんでした。

暫くして、「友達」 は、神社へのお参りに難癖をつけ、
僕達が持っている島を 「オレのものだ」 と言い出しました。
びっくりしましたが、小平というおじさんが
「次の世代は我々よりももっと知恵があるだろう」
と言ってくれました。

でも小平おじさんは、本当は怖い人だったんです。
「自由が欲しい」 と広場に座り込んでいた若者達が目障りになり、
兵隊さんに鉄砲を撃たせ、多くの人を殺してしまいました。
みんなはびっくりして 「こんな野蛮人とは付き合えない」
と村八分にしました。

それでも僕達は、みんなに、「こいつは本当はいい奴なんだよ」
と口をきいてあげ、貧しかった彼には、
一杯お金をあげたり、貸してあげたりしました。
お陰で「友達」はみるみるお金持ちになりました。

そのお金で 「友達」 は軍艦や戦闘機を一杯買い、
今度はもっと大きな声で 「この島はオレのものだ」 と叫びました。
「次の世代」 とは腕ずくで島を奪う事だったんです。
パンダに騙された僕達は浅はかでした。
「次の世代」 の皆さんは、もっともっと力をつけて
真の友人を作って下さい。お願いします。
                                     【9╱26日付 「産経抄」 より】

白と青の奇蹟

2010-09-26 15:46:35 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


   今日は雲一つない秋晴れと
  なりました。(午前の空)

   右を見ても左を見ても
  前も後ろも青、青、青・・。
  (写真はその後の空)

   気候も暑からず、寒からず。
  こんな日は、ふと目の前に・・
  ↓ このような景色を夢想します。

   アン もよく言うように想像って、
  いくら夢想してもタダですものね。
  
   ここでの “青” の描写は湖の色ですが、
  そのまま空の色に置き換えてもいいかも知れません。
  そして、またしても私の大好きな 「秋のきりん草」 と 「紫苑」 の花のコンビの登場です。

   “・・・ 略 ・・・二人を巡る風景は全て秋を囁いていた。(中略)
  裸になった野原は干からびて、
  僅かに きりん草 を飾り付けているだけだった。
   グリン・ゲイブルスの家の下手しもてにあたる谷間たにあいの小川には
  薄紫の 紫苑 の花がこぼれるばかりに咲いており、
  「輝く湖水」 の水は青 ―― 青 ―― 青一色であった。
  変わりやすい春の青ではなく、夏の薄い空色でもなく、
  今日の湖はあたかもあらゆる気分や感情の乱れは既に治まり、
  今はもはや虚しい夢にかき乱される事のない落ち着きに
  達したかのように、澄み切った、不変の鎮静の碧い色であった。”

                                       【「アンの愛情」 第1章】

     さて、そうなりますと・・。
    少々、久し振りとなりましたが、
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 の開店と致しましょう。

     そうそう昨夜、NHK 「イギリス極上の庭紀行」 なんて
    見たものですから、今日のカフェは庭で・・と思ったのですが・・。
    
     ハイビスカスの葉っぱに何気なく触りましたら、チクッ!
    何と葉っぱの裏に毛虫が2匹。

   小さいものでしたし、この季節ですから
  蚊に刺された位で済みましたが、
  敢(あ)えなく取りやめに。
  まだまだ蚊もいますものね。

   という訳で今日も屋内で。
  庭から今、満開のハーブ、
  ステビアを採って来ました。

   清楚な白い花。
  花瓶も白ですから珈琲カップも白で。
  
   何の意味もありませんが、
  青い空に対して白・・~なんて。
  
   花瓶は 「 A&E 」 です。
  絵皿は、デンマークの
  「BING & GRANDAHL」。
  (ビング・オー・グレンダール)
  準備は整いました。 

   そして缶がレトロなこちらの珈琲。
  又々、生協より求めたものです。

   1934年に創業の大阪は千日前にある老舗の珈琲店のようです。
  味は・・そこら辺の珈琲とあまり変わりないように思います・・?




   
     明日(27日)は、もしかすると更新出来ないかも知れません。
    と言っても、お天気次第なのですが・・。
    その節は、どうぞよろしくお願い致します。

                          

秋に続く径

2010-09-25 17:51:51 | 路傍の花~道草


   起床時こそ雲の多い
  天気でしたが、その後秋晴れに。
  抜けるような青空です。

   秋風がそよそよと吹き、
  本当に気持ちの良い、
  爽やかな天気です。

   裏庭に出て、
  洗濯物を干していた時の事。

   裏のお宅の百日紅(サルスベリ)
  の淡いピンクの花と青空に、
  思わず見惚(と)れていました。(写真) ↓
   
   そして、こんな天気の日は、
  洗濯物を思い切り、パンパンと
  叩いたりして。気合も入ります。
  
   でも、今のご時世、
  ご近所迷惑かも知れませんね。

   さて、今日も昨日の続きです。
  今日は、こんな青空ですが、
  昨日は生憎の曇り空。

   それでも、本当に久し振り、
  リラ版 「恋人の小径」 を廻り道して帰って来ました。

   “(中略)あざみの綿毛の空軍が風の翼に乗って、
  ふわふわとこの一隅へ押し寄せて来たが、
  「お化けの森」 の羊歯しだの上を吹くかぐわしい風にはまだ、
  快い夏の名残りが漂っていた。”

                                       【「アンの愛情」 第1章】



   そこでちょっとした異変に遭遇。公孫樹(イチョウ)並木の公孫樹が早くも紅葉・・?
  実は、枯れているのです。言うまでもなく今年の猛暑のせいでしょう。

   その代わりに、この銀杏(ぎんなん)の数! それも1本だけの木に。
  それにしても、こんな事は初めてです。 

   そうそう冒頭の写真。水色の、まるで朝顔と見まがうような清楚な花・・。
  今、道のあちこちに野草と共に蔓を伸ばし、ビッシリ咲いています。

   あの暑い夏の日・・ピンク(昼顔)だったような気がするのですが・・。
  気温の下降と共に、その色を変えているのでしょう。

   こうして見るにつけ・・朝顔と何ら変わりのない花のような気がしますのに、
  こちらは鉢植えにされる事もなく、ずっと路傍の野草のままなのですよね。

   どちらが幸せか・・そんな事は私などの、与(あずか)り知らぬ事ではありますが、
  その境界は何だったのか・・ちょっと考えてしまいます。
  蔓をどんどん伸ばし、丈夫で繁殖し過ぎるから・・? いやはや・・。

天界に咲く花火

2010-09-24 16:31:31 | 路傍の花~道草




   昨日の雨は、その日の午後には
  上がりましたが、今日もスッキリ・・
  という訳には参りません。重い空。

   それにしても昨日から今日にかけて
  気温の下がったこと!

   気温もそうですが、雨も風も雷も・・
  何もかもが突然で、
  鋭角的になった事が気になります。

   ゆっくり穏やかに季節を感じ
  尚且つ愛(め)で、育む・・。
  
   四季に恵まれた日本だからこその
  長所が急になくなるとは思いませんが、
  人の心も、この気候のように
  荒々しく、とげとげしくならないように
  気を付けたいものです。

   さて、今日の写真。
  今年は彼岸花が咲くのが遅い・・との
  巷の噂ですが、ちゃんと咲いています。
  毎年咲く、いつもの場所に。

   彼岸花より曼珠沙華の言い方の方が、詩的な感じがして個人的には好きなのですが、
  あまり好きな花とは言えません。何分、子供の頃の思い出と言えば・・。

   「毒のある花だから触っては駄目・・」
  ~なんて言われたり。墓地に生えている花・・怖い花・・というイメージで。
  別名も頂けません。「幽霊花」、「死人花」、「捨児花」 ですから。
  
   さすがに今は、怖さはありませんが、やはり苦手な花である事は
  間違いないようです。花言葉も、「悲しい思い出」 ですものね。

   しかしながら・・他の植物が育たないような荒地に咲くのも、
  この花の持つ強い生命力だと思えば良いのでしょう。

   そうそう、田圃の畦道などに植えるのは・・。
  この花は、気温が18度から20度になると咲き出しますから、
  昔から秋の種子撒き時の目印にもされたそうです。ちゃんと理由があるのですね。

     「曼珠沙華あっけらかんと道の端」  ~漱石
  

【西の空】

【東南の空】


   そして、こちらは昨夕の空。
  東南の空は優しいピンクに。振り返って西を見れば、オレンジに。
  
   慌てて外に出ました。東南の空とは何という違いでしょう。
  季節(とき)は、お彼岸。改めて仏教で言う処の 「西方浄土」・・なんて思ったものです。
  それにしても西と東南、全く対照的な空が広がっています。(写真追加)

天才と悲しい結末

2010-09-23 16:12:16 | 心の宝石箱



【雨に濡れた 「ギルバートの薔薇」】


   すさまじい雷鳴の轟きで目覚めたのは、何時頃だったでしょう・・。
  午前4時台だとは思うのですが、夢うつつ。

   カーテンの隙間からは白い稲光。
  それでもその後、もう1度眠りの世界へ。完全に目覚めたのは、午前6時過ぎ。
  雨は一旦上がりましたが又、降り出し・・午前10時頃までゴロゴロ。

   気温の方も雨と共に一気に下降。
  これからの季節は、「ひと雨、1度」 と言いますが、昨日より7度近く下がっています。

   そうそう昨夜はお月さま、殊の外美しかったですね。
  宵の口は雲間から出たり入ったり・・。

   それはそれで幻想的でしたがその後、銀色に光る、神々しいまでの気高さと美しさ。
  そんなお月様を見るにつけ、自然の有り難さを痛感したものです。

   そして月夜に薔薇は開き・・。
  月明りに照らされた薔薇の美しさには格別なものがありますね。

 

   さて再三申していますが、三島由紀夫作 『豊饒の海』(全4巻)は、2巻まで読了。
  その後、アガサ・クリスティーでお口直し・・も、いつもの事です。

   ここで本来なら、第3巻 「暁の寺」 に進むつもりでした。でも、ちょっと寄り道。
  渡辺純一の 『エ・アロール』(フランス語で「それがどうしたの」)
  を見つけてしまいましたから。パラ、パラとめくっていましたら・・。

   どうやら銀座のど真ん中に、
  「ヴィラ・エ・アロール」 という名の老人施設を作った、医師の物語らしいのです。
  ある意味、今一番ホットな話題でもありますものね。おまけに読みやすいこと!
   
   ~なんて言い訳かも知れません。
  言うまでもなく 『豊饒の海』 は、1、2巻共、悲劇的な結末を迎えて終わります。
  となりますと3巻も・・?
  
   三島由紀夫の研ぎ澄まされた精神と言いますか・・少々、息苦しくて。
  もう少し時間を空けようかな・・と。いみじくも、アン が言っています。 

   「・・・ 略 ・・・いつか、ハミルトン教授が仰っているのを聞いたけど、
  悲しい結末天才 でなければ書こうとしてはいけないんですって、
  ところがあたしは、天才どころじゃないんですもの」

                                       【「アンの愛情」 第11章】

   三島由紀夫は天才ですものね。
  しかも、この小説を書き上げてから自裁したという事もあり、
  主人公への自分自身の投影がある気がしてなりません。 

月夜の薔薇

2010-09-22 14:55:55 | 薔薇の追憶






   昨日は、やけに蒸し暑いと思いましたら・・。
  何と1ヶ月前の気候(8月下旬)だったのだとか。

   今年は、それこそ連日35度という猛暑でしたので、
  我慢出来ないという事はありませんが、
  後、1週間もすれば10月なのですよね。(複雑な気持ち)

   それでも空を見上げると秋の空。
  吸い込まれそうな水色の空に白い雲がポカリ。今日も、昨日同様の気温です。

   そうそう今日は、「仲秋の名月」 ですね。
  こちらは夕方頃からお天気崩れるとの事。お天気、何とか持って欲しいのですが・・。
  ↓ 一方、こちらは 『アンの世界』 の月夜の晩。ロマンティックですね。

   “・・・ 略 ・・・ 9月 としては暖かく、午後も遅くなってから
  濃い霧が降りていたのだが、満月 のためにいくらか薄くなり、
  港や湾や周りの海岸は見慣れぬ幻想的な非現実的な
  銀色のもやの世界と変わり、靄を通して全てのものが
  幽霊のようにぼんやり浮き出ていた。・・・ 略 ・・・”

                                       【「アンの夢の家」 第27章】

   さて、特別だった今夏の暑さ。
  それにも負けず、微笑みを返してくれた薔薇ですが、
  
   今度は今宵のお月見に合わせたように、
  リラ版 「ギルバートの薔薇」 と、「アンの薔薇」 が揃って咲きそうです。

   この 「ギルバートの薔薇」、黄色っぽく見えますが、バニラ色。
  純白ではありませんが、呼び慣れていますのでご勘弁を。
  
   「アンの薔薇」 は、もうお馴染みですね。
  今日の薔薇は、ちょっと首を傾(かし)げて・・。その時々に表情を変える薔薇です。  

キラリ☆自己主張

2010-09-21 14:01:02 | ハーブと香り雑学

【「枸杞(クコ)」の花】

   今日の起床時の空は真珠色。
  この処の空は、珊瑚色だったり
  薄紫色だったりしたものですから、
  期待していた分、ちょっとがっかり。

   でも夏の間は、来る日も来る日も
  太陽燦々の何もない空でしたものね。
  
   そんな空にうんざりしていた
  私にとって、趣きのある朝の空の
  ワクワク感が戻って来た事は、
  何よりも嬉しい事なのです。

   そんな折も折、庭の片隅に
  忘れ去られたように置いてある鉢。
  何の植物か分からず、
  枯れているのかいないのか・・。

   それでも習慣的に
  水やりだけはしていましたっけ。
  
   そこに見つけた小さな花。
  (冒頭の写真)

   おまけに、まだまだ沢山の
  蕾を付けています。

   “一体、何の花?” 
  “この小さな花は、きっとハーブ・・”

   花の名前には、(想像の余地が
  たっぷりありますから)
  かなりいい加減な私ですが、
  調べさせて頂きました。

   何と 「枸杞(クコ)」 の花。
  赤い実はお茶にもなりますね。
  そして写真のように中華材料にも。

   そのクコの実には、様々な健康効果があります。
  まず、βカロチン(ビタミンA)が豊富な事。

   クコの実の赤い色素である 「ベタイン」 という成分には、
  強い疲労回復作用があり、老化防止や強弱体質改善のほかに、
  女性の美肌に対しての様々の効果効能があるようです。

   ならば・・今のこんな小さな鉢ではなく、地植えにしようかしら・・
  ~なんて、勝手な事をのたまっている私です。



   そして、ついでに・・なんて言えば、この花には随分失礼なのですが、
  【先日】 は分からなかった、薊(アザミ)に似たこの花の名前が分かりました。

   「アゲラタム」。日本名は、「霍香薊(カッコウアザミ)」。
  どうやら、メキシコ、ペルー原産のようですね。
  
   鳥の郭公(かっこう)ではなく、漢方の生薬 「霍香(かっこう)」 の原料になる植物、
  「川緑(カワミドリ・シソ科)」 に葉っぱが似ているという事から名付けられたと言います。

   そもそも、この 「アゲラタム」。
  ギリシャ語で 「老いない」 という意味だそうですね。
  
   こちらはクコのように、漢方学的な効果がある訳ではなく、
  開花期が長いために付けられた名前ですが、奇しくも 「老いない」 二つの植物。
  あやかりたいものですね。

アン & クリスティーの贈り物

2010-09-20 15:25:35 | A・クリスティーの館




   今日も、薄紫色の優しい空で明けました。その後、男性的な鱗雲に。
  日中は昨日、今日と、ちょっぴり暑さがぶり返していますが、
  こんな空を眺めますと、否(いや)が応でも秋を感じます。

   そしてアンの娘、ナンではありませんが、
  『遥か彼方(かなた)』・・大海原に思いを馳(は)せる事になるのが常なのです。

   “・・・ 略 ・・・ 『遥か彼方』 という言葉は、
  今なおナンにとって魔法の言葉であった・・・
  風吹く丘を越えて微かに聴こえて来る音楽のように。”

                                       【「炉辺荘のアン」 第37章】


【「面高(オモダカ)」】




   さて、こちらは昨日撮ったもの。
  田圃の脇に白い 「オモダカ」 の花を見つけたと思いましたら、薄い黄色の花は道端に。
  かと思えば、夏の象徴でもある向日葵も、まだまだ堂々と。




   ところで、『赤毛のアン』(モンゴメリー)と同様に、
  アガサ・クリスティーも私は大好きです。
  
   昔から手当たり次第に買い求め、“乱読” プラス “積ん読”。
  ただ当時は興味と言えば、謎解きとスリルのみ。
  
   今、その本を改めて読み直しているのですが、
  (ほとんど忘れていますので、1から読むのと同じです)
  アンと共通している部分の多いこと!

   一つにはアンの舞台となっているP・エドワード島の住民が、
  スコットランドやアイルランドなどのイギリス系80%・・というのもあるでしょう。

   以前にも記しましたが、『赤毛のアン』 でもお馴染みの言葉、
  「崇拝者」 「頭のてっぺんから爪先まで」
  「ロマンティック」 「同類」 「分別」
等など・・。
  これらの言葉が至る所で登場して来ます。

   そうそう、館(やかた)に名前を付ける事も。
  アンが 「炉辺荘(イングルサイド)」(「炉辺荘のアン」) に代表されるなら、
  クリスティーが 「ホロー荘」(「ホロー荘の殺人」) や
  「スタイルズ荘」(「スタイルズ荘の怪事件」)、
  「から松荘」(『火曜クラブ』より「アシタルテの祠」) 等など・・。
  
   館には必ず名前が付いています。
  もっとロマンティックな名前もありましたが、失念。

   それに何と言っても、ハーブや植物の事が盛り沢山。
  視点を変えれば、違った楽しみ方が出来るのですものね。
  
   カテゴリーも増やした事ですし、(クリスティーのやかた
  これから少しずつそちらの面でも紹介出来れば・・と思っています。

「(中略)私はね、昔の水準から言えば、
かなり高い教育を受けたと思いますの。(中略)
大変センチメンタルな人で、花言葉 なんか、教えてくれましてね。
近頃ではすっかりないがしろにされてしまいますけれど、
あれもなかなか面白いものですわ。
 例えば 黄色のチューリップ は望みなき恋を表しますし、
えぞ菊 は “嫉妬に燃えて御身の足許に死す”
という意味なんですよ。
 (中略) ダリヤ の花言葉は何だったかしら? 
どうしても思い出せませんわ。近頃良く物忘れをしましてね」
       ~アガサクリスティー 『火曜クラブ』 より 「4人の容疑者」