【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

真夏の昼の夢

2011-07-31 17:26:26 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編



青と白のしまのエプロンに大きなピンクの薔薇を
散らしたチョコレート色の更紗さらさの肩掛けという
姿で人を訪問するのは
ミス・コーネリアの外に誰もないであろう。
又そのいでたちでも十分な威厳を備え、
ふさわしく見えるのは
ミス・コーネリアの外には誰もないであろう。
(中略)
「私は仕事持参で来たんですよ。奥さん」
と、ミス・コーネリアは 優雅な 品物を広げた。
                 【「アンの夢の家」 第8章】


   夏らしい空は一体、どこに行ってしまったのでしょう。
  こちらは幸い、通り雨程度で降り続く雨ではありませんが、
  まるで梅雨に逆戻りしたかのような昨今です。

   違うのは蝉が姦しい事位でしょうか・・。
  一応今日は、青い空に白い雲・・なのですが、
  太陽もなぜか弱々しい気がしてなりません。

   各地で豪雨のようですね。
  被害に遭われた地域の方、御見舞申し上げます。



     さて今日は優雅な仕事持参で、
    ミス・コーネリア がやって来たようです。丁度良い機会ですので、
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、開店と致しましょう。

     そうそう先日の 「はちみつぷりん」 には、がっかりしたものですが、
    代わりに丸福珈琲店のプリンが届きました。
    ミス・コーネリアには、これを召し上がって頂きましょう。~なんて。

   カップは、ごくシンプルな物を。
  すっきりしたデザインは、
  「ナルミ」 です。

   やはり今日も海色カフェですね。
  うちでこんな事をしていないで、
  口笛吹いて? 海でも見に行けば
  いいのでしょうが、それも億劫・・。

   となれば・・これしかありません。
  目の前に広がっているのは、
  この 【景色】

   実はこの場所、とあるレストランの庭なのです。
  テラスから広い広い芝生の向こうには・・1本の大きな桜の樹。
  
   そして瀬戸内の海へと続きます。贅沢な空間。
  真夏の夜の夢ならぬ、昼間の夢でした~。         

微笑みを誘う花

2011-07-30 15:27:35 | 香る庭の花綴り






笑い ―― 黄金の、妙なる笑い、
それは突然にあなたをも誘い込むものである。
笑いは実に安全だ ――
何物にも背かずに人は素直に笑う事が出来る。
              【「エミリーの求めるもの」 第13章】


   今朝の目覚めは何と
  けたたましい蝉の啼き声。

   それからどの位の時間、
  啼いていたでしょう・・。

   一時はテレビの音も聞こえない程。
  その数がだんだん少なくなり、
  いつの間にかピタッと啼きやんでいる・・。

   「蝉時雨」 とは良く言ったものですね。
  ここでもこんな素敵な言葉を
  考え付いた先人たちを思います。

   さて写真はランタナです。(1、3枚目)
  七変化の異名の通り、1枚目と
  3枚目では花の色が変化しています。

   因みに1枚目は今日撮ったもので、
  3枚目は数日前。 

   同じように七変化の紫陽花とは
  似ているようで、その趣は
  全く違うような気がします。
  
   そう言えば今年は紫陽花が殊の外、不調でしたっけ。 
  それにしても小さくて可憐な花は・・
  (実際には小さな花が寄り集まって咲いている)そこにあるだけで微笑みを誘います。

   上記のように笑いには色々ありますが、花を見て怒る人はいないでしょう。
  花の存在価値は、単に美しいというだけでなく、その効用は有り余るものがありますね。

   一方、ランタナの楚々とした風情に対して、
  夏の太陽に向かって奔放に肢体を伸ばしているハイビスカス。
  頼もしい力強さと共にこちらは、はじける笑顔でしょうか・・。

   一方、こちらは 「藜(アカザ)」。
  テーブルの間から顔を出しました。
  生命力の強さを思います。

   リンド夫人 も、いつか大きくなる草
  ~なんて言っていましたね。

   この藜、随分増えて来ました。
  同じアカザ科のホウレンソウのように
  食用出来るそうです。

   でも食するのは若芽でしょうね。
  秋には木質化するそうですから。
  
   その茎は太く硬くなるため杖の
  材料にもなるそうです。
  
   そうそう乾かして
  お茶にも出来るそうです。

   効能は、整腸作用、
  喉痛、湿疹、歯痛の改善とか。
  
   お茶として飲んでみましょう。ドクダミ茶と一緒に。
  「アカザ茶」 として市販もされているのですね。   

虹のハンモック

2011-07-29 16:48:28 | リラのお気楽ユメ日記








2人はインディアン峠の日の出を
眺める事が出来た。
それはその素晴らしさを味わわずにむさぼ
数時間の眠りを犠牲にしただけの価値はあった。
「それに露を散りばめた蜘蛛の巣が
どんなに美しいものか、
私知らずにしまったかも知れないわ。
ご覧なさい ―― あの背の高い羽毛のような
2本の草の間で揺れているわ」
                 【「エミリーはのぼる」 第13章】
 




   最近、目覚まし時計より30分程度
  早く目が覚めてしまいます。

   いつもなら時間一杯まで
  もう1度眠りに・・となるのですが、
  今日はそのまま起床。

   私は、いつものように朝の庭へ。
  明方、雨が降ったようで雨粒の
  宝石がキラキラ輝いています。

   そんな朝の裏庭で発見したもの。
  野生の百合でしょうか・・? 
  ここに咲くのは初めてです。 
  
   それにしても様々な草花が
  取っ換え引っ換えお目見えする場所。
  いずれにしても開花が楽しみです。

   さて、露で散りばめた蜘蛛の巣
  ではないけれど、朝日に輝く
  虹色の蜘蛛の巣を見つけました。

   そう言えば去年も同様に
  蜘蛛の巣を撮った気が・・。(以前の写真は 【こちら】
  何だか去年の方が綺麗ですね。

【裏庭の野生の百合?】
       蜘蛛って凄いですね。
  木から木へ、いとも簡単に糸を渡し、
    私の憧れのハンモックをものの
   見事に作ってしまうのですから。

    黙々と糸を紡いでいる姿には
    頭が下がるような気がします。

      アンエミリー
    妖精の国の織物と言うのも
      分かる気がしますね。
  
      銀色だったそれが、
  見る見る間にピンクやブルーの糸に
     変化するのですものね。

     今日も天気は不安定です。
   一雨来てもおかしくない空ですが、
      雷の音はしていません。
  
     一雨来れば涼しくなるかも
         知れませんね。

炎天下に見る夢~桃色

2011-07-28 17:57:17 | リラのお気楽ユメ日記



今や雷も稲妻もひっきりなしに
鳴ったり光ったりしている。
雨はパラパラとではなくザ~ッ、ザ~ッと
窓に吹き付け、時々ひょうが窓に一斉射撃を行った。
嵐と共に急に巻き起こった風は金切り声を
張り上げながら教会の周りを吹きめぐった。
それはエミリーの子供時代からの親友である
こうもりの翼をした霧のような
<風のおばさん>ではなく、
わめき立てる魔女の一群であった。
                 【「エミリーはのぼる」 第3章】


   今朝は真珠色の空ながら昨日までとはちょっと違う、
  蒸し暑い朝を迎えました。

   そのせいかどうか朝早くから蝉がひとしきり。
  でも今年はその蝉が例年に比べて少ないそうですね。
  
   言われてみれば、今もピタッとやんでいますし、
  朝だけしかその声を聞かないような・・? 気がします。

   ここまで書き込んだ処で・・。
  俄かに辺りが暗くなりました。風も急に出て来たよう・・。
  
   エアコンを付けていましたので分からなかったのですが、
  ゴロ、ゴロと雷が鳴っているではありませんか・・。

   ただ私の所では、上記のように凄まじいものではなく、申し訳程度。
  でも、局地的だったようですね。記録的短時間大雨情報では、16時半で100ミリの所も。

   今私は、ほんのり白桃の
  甘い香りに包まれています。

   朝1番の宅急便で
  山梨から届いたもの。

   山梨・・? 心当たりがありません。
  送り主を見ますと友人から。

   夏休みですので、恒例の旅行にでも
  出掛けているのでしょう。

   写真はその頂いた白桃。
  早速、1個頂きました。
  甘くてジューシー。

   いつかツァーで訪れた、
  食べ放題のそれとは全然違います。
  何だか今日は桃色気分。
  
   それにしても・・桃色なんて・・
  こんな猛暑の中では合いませんね。

   でも炎天下に咲く路傍の花、
  昼顔だって同じ桃色ですものね。
  
   真昼の夢を見る色かも知れません。
  いいえ、まどろみの色なのかも。

   そしてこの色は、私にとっては郷愁も誘う色でもあります。
  子供の頃、ピンクをなぜか桃色と言っていましたから。
  
   おまけにその色にまつわる思い出もあり、
  果物の桃から桃色へとタイムスリップしていました。

困っている淑女

2011-07-27 15:55:55 | A・クリスティーの館



2人ともマナーが良く育ちの良さを思わせ、
優雅であった。
ミス・マープルが若い頃には、
今でこそすたれた言葉になっている “レディ” と
言われるような2人であった。
そして又、“落ちぶれたレディ” という
言葉もあった事を思い出した。
父親が彼女にこう言っていた ――
「いいかねジェーン、落ちぶれたんじゃない んだ。
困っている淑女 と言うんだよ」
               【A・クリスティー 「復讐の女神」】


   久し振りに真珠色の空で明けました。
  従って気温もそれ程上がらず、一時の猛暑状態からは抜け出しています。

   そう言えば、こんな気候、台風以来ずっとですものね。
  でも随分、助かっています。


   さて今日は再び 『A・クリスティーの館』 です。
  【先日】 の続き、「復讐の女神」 です。
  
   この 「復讐の女神」 は、ミス・マープルものとしては最後で、
  いつにも増して推理以外の(例えば植物、インテリア、お茶風景など)
  描写にも興味を引かれる事が多い・・とは、先日も触れた通りです。

   その事も然(さ)る事ながら、(キーポイントは「三姉妹」ですが)
  肝心の推理でも重要な部分が抜け落ちておりました。
  
   これこそ、クリスティーの真骨頂ですね。
  ある植物から死体の隠し場所を推理するのですから。

   その植物も馴染みの 「ポリゴナム」、別名 「姫蔓蕎麦(ヒメツルソバ)」
  ですから何をか言わんと言った処でしょう。

   尤も、私の知っているのはピンクだけですが、白もあるのですね。
  それは美しく香りも良いのだそうです。
  でも、あの可憐な花が、こんな曰(いわ)くのある花だったなんて。

芝生の小道の本道の外れに、
小さな丘がありました。
元温室だったのが崩れ落ちて出来た
小さな丘でした。
(中略)
その上にある種の蔦葛つたかずらが植えてありました。
これは良く知られている葛で、
庭にある汚ない小屋などにわせ絡ませて、
隠すために使われるものなのです。
ポリゴナム という名の葛です。
灌木かんぼくの中でも最も育ちの早いものの一つで、
これが茂りはびこると、何でも飲み込み、
殺し、枯らしてどかしてくれます。
どんなものの上にも茂ります。
ある意味で、怖い植物と言えましょう。
綺麗な白い花を付けて、なかなか見事です。
まだ咲き始めておりませんでしたが、
もうすぐ咲きそうでした。
            【A・クリスティー「復讐の女神」】


   そうそう今日の引用文。  
  「淑女の薔薇」 とは、我家の薔薇のネーミングですが、こんな 「淑女」 もあるのですね。
  今日のタイトル、面白いので何の意味もありませんが、そのまま頂いてしまいました。

   前回の “趣味” 云々もそうですが、
  こんな風に、この小説にはそこかしこに言葉の妙味が溢れています。

   そして取り出したのは又々、クリスティー。
  でも短編です。三島由紀夫も今度こそ、読まなければね。

実のなる風景

2011-07-26 15:21:51 | ハーブと香り雑学






春になり、美しい炉返荘イングルサイドの芝生が掘り起こされて
じゃがいも が植え付けられたのを見て、
スーザン はたいそう悲しんだ。
それにもかかわらず、自分の手塩にかけた
牡丹の花壇が生贄いけにえにされても、
スーザンは一言も文句を言わなかった。
                  【「アンの娘リラ」 第30章】


   今日も涼しい朝を迎えました。
  こんな鯖雲の空は、まるで秋のよう。

   尤も日中は、
  かなり暑くなりましたが・・。
  
   今日もひとしきり啼いた蝉。
  同時に庭のあちこちに
  蝉の抜け殻を見るようになりました。

   それは、ひっそりと
  隠れるように木の葉の裏側などに。
  その奥床しさ。

   そう、「空蝉」うつせみ のこと。
  決して美しいとは言えないそれに、こんなにも美しい言葉で呼ぶ・・。
  日本人の優しさを思います。

   蝉の儚(はかな)さと、この世の儚さを人々は重ね合わせたのでしょうね。
  こんな風に思うと、精一杯啼いている蝉を応援したくなってしまいます。
  それこそ、全身全霊を傾けて啼いているのですものね。

 
赤→黒

   さて、我家では本当に珍しく実の成る植物が咲きました。
  一つは木苺(キイチゴ)の仲間の 「ブラックベリー」。
  そして今年初めて挑戦した、緑のカーテンこと 「ゴーヤ」 です。

   ブラックベリーは別として(大好きです) “野菜は趣味ではありませんの”
  ~なんて、のたまったのはつい昨日の事ですが、
  こうして実が成ったのを見ますと、やはり嬉しいですね。

   ましてやゴーヤなんて緑のカーテンが目的でしたから、
  ほとんど期待などしていませんでしたもの。

   それにしても、ミス・マープル が野菜作りが趣味ではないように、
  アン一家も、どうやらそのようですね。


   儚いと言えば、朝の美人こと朝顔も儚い花ですね。
  最近は、品種改良で開花している時間が伸びたようですが、
  早起きして見る朝顔は特別です。
  それはさしずめ 「早起きの女神」 でしょうか。癒やされます。

暮らしの中の雑花香

2011-07-25 16:28:16 | ハーブと香り雑学






「いい匂いですものね、ヘリオトロープ は。
又、優しい名前が付いたものですね、
チェリー・パイ なんて。
忘れられるものではありません。それに 葡萄 の木。
小さくて甘いけど、早く食べられる葡萄でした。
でもあんまり過去の事を忘れずにいるのは
良くありませんね」
「それから草花などの生垣もあったのでしょう」
ミス・マープル が言った。
(中略)
「アンシアは パンパス草
又植えたいらしいです。
それからシムキン夫人の なでしこ も。
これは白です。花壇の石の縁全体に沿って。
又温室のすぐ外に生えておりました
イチジク の木も」
                 【A・クリスティー「復讐の女神」】
【注:パンパス草 ススキに似ているが、花穂は30cmから1mある】


   今日も涼しい朝を迎えました。それでもひとしきり蝉の合唱。
  「シー、シー、シー、シー~~ッ!!」

   そして昨夕もそうですが、今朝もアゲハ蝶が数頭連れ立って庭に。
  あっちの花からこっちの花に舞っている姿は壮観です。
  これまでは2頭がいい処でしたのに、一体どうしたのでしょう。
  
   見るともなしに見ていますと・・。
  1頭だけ、赤いセージに止まっています。
  やはりアゲハ蝶は、チェリー・セージがお気に入りのようです。


   さて、今日の写真。何度もやめようと思ったポプリ作り。
  でも気が付けば、ついつい花びらを摘んでいる私がいます。
  
   それでも、ポプリにする花は絞り、
  薔薇やハイビスカスなどに限定しましたが、溜まる一方です。
  
   それにしても上記の 「ヘリオトロープ」、欲しくなりました。
  別名が英国では「チェリー・パイ」。
  
   日本では 「匂い紫(ニオイムラサキ)」、「木立瑠璃草(コダチルリソウ)」(香水草)。
  素敵な別名からも、どんなに素晴らしい香りか容易に想像出来ますね。
  それは、バニラに似た甘い、清々しい香りとか。

   花びらを摘んでは乾かし、乾いたら瓶に入れ保存。
  蓋を開けた時に漂う仄かな香り。そんな時に感じる幸せ感。
  オイルなんて垂らさなくても十分、香ります。

   いいえ、今では硝子のお皿に乾かしながら飾っています。
  梅雨以外でしたら十分、立派なポプリになります。

   そんな花びらを見ていると楽しくて。愛しくて。
  そして、ハーブの葉っぱ。花以上に香るものもありますものね。
  今年はそれらも加わりました。


   こちらは又々、ミス・マープルの言葉。
  私と同じで、思わず 「同類だわ!」 と叫んで? いました。
  そうですよね、野菜が嫌い・・ではなく、“趣味がない” のですよね。
  
   そう言えば、何かの本で人物の好みなども、あからさまに “嫌い” と言わずに
  “苦手” と言えば、角が立たない・・というような事を読んだ記憶があります。
  こんな風に思うと、言葉って素晴らしいですね~!

アヴォンリー時間に身を委ねる時

2011-07-24 17:35:07 | 私の手作り夢時間






 リンドの小母ちゃん は威張りん坊かも
知れないが、小母ちゃんのとこの台所の棚には
いつもクッキーの箱が置いてあった。
小母ちゃんは物惜しみをしないのだ。
折悪くもこの時デービーは1週間前、
学校用の新しいズボンを破いた時、
リンド夫人が綺麗に繕ってくれて、
しかもその事をマリラに
言わずにいてくれた事を思い出した。
                  【「アンの愛情」第13章】


   今朝は爽やかな陽気で明けました。清々しくて気持ちの良い・・。
  こんな日の朝は・・そう、高原の朝。もうすっかり定番ですね。

   太陽はその姿を精一杯さらしていますのに、
  過ごし易い気温で助かっています。
  
   気温も然る事ながら、湿度があまりないからでしょうね。
  その上、光と影の濃淡がくっきりして来たような気がします。



   さて、今日も私はいそいそと、
  リンド夫人の部屋へ。
  
   あら、あら・・。
  いつの間にかこの部屋は、
  こんな名前で呼ばれるように
  なりました。

   それにしても面白いですね。
  私にとっても子供の頃は
  大の苦手だったリンド夫人。

   それが今ではすっかり
  愛すべき女性に。
  と言っても少々、煩(うるさ)い所はありますけれど。

   上記にもありますように、根は善良でお人好しの女性。
  おまけに家事全般お手のもの、特に刺子の腕は、
  超一流となれば崇拝してしまいますね。

   こんな風にリンド夫人のみならず、アヴォンリーの女性達は、
  自分の手で生み出したものに囲まれて暮らしています。
  落ち着いて、そして生き生きと・・。
  
   そんなリンド夫人やアヴォンリーの女性達には
  到底及ばないけれど、小さな化粧ポーチ完成。
  
   (暇に任せてチクチクと縫い、編んでもいる、
  「マリラの三つ編みマット」も大分大きくなりました。
  ロッキングチェアーの下に敷けるようになるまでもう一息です)

   このポーチ、先日も作ったばかりですが、今度はより小さな物を。(写真上)
  私は結構、小さなバッグも持ちますので先日の大きさではバッグに入らない事も。
  必要最低限の物を入れるために。

   ところでバッグの中の手作り品。
  意外に思えるかも知れませんが、かなりの効果があるのですよ。

   外出先で開けた時など、心がポワ~ンと温かくなるのです。
  例えハンカチの刺繍一つでも・・。
  
   ~なんて、タオルハンカチ主流の現在では、
  もう過去の遺物になってしまいましたね。

   針を持って生まれたのでは・・? と思ってしまうほどの友人の天才キルターも、
  「縫物は針目が曲がっていたっていいのよ。それが手作りの良さだから」
  が口癖でしたっけ。

   そうそう、今日のカップは先日の 【柄違い】 です。
  大きなカップで、たっぷり頂きたい時に重宝しています。

夏の黄色い午後はミステリー!

2011-07-23 15:08:38 | A・クリスティーの館



「うんと歩かされて立ちんぼをさせられましたよ。
足がすっかり疲れてしまいますね。
こんな旅行には出るんじゃないとも
思いましたけれどね、でも 美しい建物立派な
部屋
家具 など見るのが魅力なものですから。
その他何でも。
そして勿論 素晴らしい絵 なんかもですね」
「それに、お庭 もでしょう」  アンシアが言った。
「お庭もお好きなんでしょう?」
「ええ、もう」  とミス・マープルが言った。
              【A・クリスティー作「復讐の女神」】


   太陽は顔を出しているものの、灼熱の太陽と言った感じではありません。
  それでも昨日などは、ほんの申し訳程度にしか
  啼いていたに過ぎない蝉が、今日はひとしきり。

   啼けば啼いたで少々、うるさくも感じますが、
  啼かなければ啼かないで妙に気になる・・。人間とは何とも勝手なものです。




  さて暑い夏の午後は、古代詩よりも
  背筋の凍りつく? ミステリーですね。
  
   (写真は昨日のプリン。 
  見えにくかったので、もう1度)
  
   久し振りの 「A・クリスティーの館」。
  もう何度か引用文にも
  登場していますね。
  
   その本のタイトルは 「復讐の女神」。
  それにしても・・。

   暫くクリスティーものが続きましたので、
  休止していた三島由紀夫の 「豊饒の海」 を・・
  と言ったのは、つい先日の事。
  
   しかしながら難解な三島文学には気分が乗らず、
  ついつい慣れた? クリスティーを手にする始末です。
  
   黄色い夏、特に暑い夏の午後はミステリーが殊の外似合う・・。
  ~なんて、勝手な理由をつけて逃れています。

   そんなこんなで又々、ミス・マープルものですが、
  どうやら本書(1971年作)が、マープルものとしては最後のようです。

   ミステリーですから謎解きは勿論ですが、そのせいかどうか? 
  私のもう一つの興味である、編物、お茶、庭(植物)の描写の多かったこと!

   それに今回は、ミス・マープルに莫大な遺産の贈与がありましたから、
  上記のように彼女の大好きな事が出来ますものね。

   話が逸れました。今回も犯人は五里霧中。怪しい者が浮かんでは消え・・。
  でも犯人は1番、犯人らしくない人間(の筈・・)。
  途中、頭の中をチラと掠(かす)めたものですが・・。
  
   “まさか・・” と。でも、そのまさかが盲点だったのですね。
  うっかりしていました。従って今回は外れ。
  この処、犯人当て、連勝していたのに残念です。

   事件の重要な鍵となるのは 「三姉妹」。
  思えば、その事については結構述べていましたから、
  迂闊(うかつ)と言えば、そうでした。それは、こんな風に。

三人姉妹 。これが、私があの<旧領主邸>へ
入って行った時に私が感じた事、思った事、
独り言を言った事でした。(中略)
何か、この・・・・・三人姉妹・・・・・という言葉は、
頭の中に不吉なものを芽生えさせますね。
ロシヤ文学 の中の三人姉妹を連想させ、
マクベス の中のヒースの荒野の三魔女と
結びつきます。私の感じでは、
ここには悲しみの雰囲気がありました。
不幸の深刻な感じ、又恐怖の雰囲気も
ありました。それに、様々の雰囲気が
ごちゃごちゃにせめぎ合っていて、
何と言いますか、常態の雰囲気と言うより
言いようがない雰囲気もありました」
              【A・クリスティー作「復讐の女神」】

和のカタルシス

2011-07-22 16:30:16 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編




食堂で昼食を取ったミス・マープルは、
コーヒー を飲むのにテラスへと出た。
丁度2杯目の コーヒー を飲んでいる時・・・・・



クロチルドがコーヒーの盆を運んで来た。
それぞれのカップへ コーヒー をついで、
みんなに配った。
(中略)
「私は夜コーヒーを飲むのに慣れてますの」
「はい、でもこれはとても
上等のコーヒーで、強うございますよ。
お飲みにならないようにお勧めしますわ」
ミス・マープルはミス・クックの顔を見た。
           【A・クリスティー作 「復讐の女神」】

   今日も太陽は、その姿を出し惜しみしています。
  でもそのお陰で、昨日に引き続き、涼しい朝を迎えました。
  日中も湿度は相変わらずですが、過ごし易いものとなっています。

   こんなお天気だからでしょうか、昨日初めて啼いた蝉も、
  ほんの少し啼いただけで、その後耳にしません。
  蝉も少々、拍子抜けだったようですね。



     さて、子供達は夏休み。
    あのうだるような暑さからは、ちょっと一休み。
    そんな日、和でほっこりしたくなりました。
    
     テーブル周りを藍の布に変え、
    土物の器に変えれば、気軽に和の雰囲気に。
    でも何なのでしょう、この落ち着き。

   英国大好き、ヴィクトリア調大好きの
  私でさえ、リラックス出来るこの空間。

   「和のカタルシス(浄化作用)」
  なのですね。きっと。

   こんな時、日本人で
  良かったと思う瞬間です。

   アラッ!? 随分、前置きが
  長くなりました。遅ればせながら・・
  
   『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 
  の開店と致しましょう。

   ところで英国のお茶と言えば、
  常に紅茶のイメージですが、結構、珈琲も飲まれるのですね。

   上記のミス・マープルは、80 ?歳のお年。
  しかも作品の発行年は1971年ですから既に40年経過しています。
  何だか珈琲も大好きなミス・マープルに親近感を抱いてしまいます。

   今日のカップは有田焼。
  お茶請けは、昨日生協より届いた、大分は湯布市の 「地卵 はちみつぷりん」。
  写真のプリン、ぐっちゃりなってしまいました。昨日は上手く取り出せたのですけれど。
  
   モンドセレクション金賞受賞との事で期待したのですが、
  私は丸福珈琲店のプリンの方が好き。味はこれ以上ですし、価格も半分ですもの。