【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

梅雨の憩い

2016-06-29 17:40:07 | リラのお気楽ユメ日記



















確かに1年が早く過ぎるようになって来た。
いいわ、銀の森と年を取るのなら辛くはないわ。
とパットは老齢には程遠い者の悟り方で考えた。
                   【「パットお嬢さん」 第2年生】






   

   お昼、ちょっと前から降り出した雨。
  “あら、雨の音・・” 何だか久し振りに聞いた気のする雨音。

   それもその筈、今日は珍しく窓を開けていますから。
  昨日もそうですが、今年の梅雨はどういう訳か、
  肌寒く感じる日が多く、窓を閉めている時の方が多いのです。

   聞くともなしに単調な雨音を聞いていると、
  つい眠気にも誘われ・・。

   こんな昼下がりの気だるくもあり、怠惰な時間。
  それにしても・・。

   ふと気が付けば、6月ももうすぐ終わり。
  早くも1年の半分が終わろうとしているではありませんか。

   “ここまで私は一体、何を・・?”
  柄にもなく自分に問いかけてみるも、明確な答えはありません。
  はっきり言える事は、怠惰な時間の積み重ねという事だけ。

   

   ところで冒頭の写真。
  まだ晴れている午前中にやって来た蝶。

   さすがに雨が降っている時には来ませんでしたが、
  現金なもので雨が止むと今又、同じユリオブスデージーの上に発見。

   羽根を閉じたり開いたり。小さなものの精一杯の営み。
  梅雨の日の小さな憩い。いいえ、2度ですから貴重ですね。
  小さな庭の、小さな自然の営みに救われています。

薔薇に降る雨 ~ 雨の交響楽

2016-06-25 18:31:58 | 薔薇の追憶










   昨日も雨、今日も雨、明日も雨・・。
  今年は、こんなうんざりするような梅雨ではありません。

   ザ~ッと降ってもすぐにやみ、太陽と青空にも恵まれます。
  ただ今日は、雨は降らないながらも灰色の重苦しい梅雨空。

   それでもふと気付けば、音もなく静かに雨が降っていたりもして。
  いずれにしても、たいした雨ではありませんが。

   とは言え、やはり梅雨は梅雨。
  暑いような寒いような・・スッキリしない気候も然る事ながら、
  鬱陶しい事に変わりありません。

   こんな時、ふと口を付いて出るのは、
  「巷に雨の降る如く わが心にも涙降る」
  という、ヴェルレーヌの詩。

   尤も、そらで言えるのは、このフレーズだけ。
  折角ですから、重い腰を上げて全集を紐解いてみました。

   「巷に雨の降る如く わが心にも涙降る
  何だろうこの物憂さは しとしとと心の内に忍び入る

   おお雨の音 地上にも立ち並ぶ屋根の上にも
  この倦怠の心には 雨の歌 おお静かな響き・・・」


   ~と、こんな風に続きます。
  (因みに雨の多いロンドンでの作との事)












【背景は 「半夏生」 の白】







   さて、そんな今日。再び白薔薇が咲き始めました。
  折しも庭を席巻する 「半夏生(ハンゲショウ)」 を背景に。

   どちらかと言えば苦手な物憂い雨も薔薇に降ると思えば、
  途端にロマンティックな気分になりますね。
  ちょっとした女学生気分・・?

   そう言えば、女学生という言葉、最近、使わなくなりましたね。
  それこそ、今日の白薔薇のイメージでもあり、
  気品ある素敵な言葉ですのに。

   つい先日も記しましたが、ヴェルレーヌの詩は、
  樹木を打つ雨、柔らかい土や池の面に降り込む雨、
  それぞれ音を立てて降っていた時代があった事を思い起こします。

   振り返って窓を閉め切れば、ほとんど何も聞こえなくなった現代。
  音を失った虚無の時代かも知れません。

   今日などは少々、肌寒いけれど、
  たまには窓を開け、賑やかだった時代に思いを馳せながら、
  雨の音楽に耳を澄ますのもいいかも知れませんね。  

梅雨の晴れ間を独り占め

2016-06-23 18:26:58 | 香る庭の花綴り







【「半夏生(ハンゲショウ)」】










まだ雨の雫が大粒の真珠のように
金蓮花きんれんかの葉に乗っていた。
空気は快く爽やかだった。
熊蜂が小川を縁取って咲く白クローバーの上を
ブンブン飛び回っていた。
ほっそりした青蜻蛉が水の上に光っていた・・・・・
悪魔のかがり針だとスーザンは言っていた。                    
                     【「炉辺荘のアン」 第37章】







   短時間とは言え、大きな雨が降った今朝。
  しかしながらその後は、嘘のように雲が途切れ、
  ぐんぐんと突き抜けるような青空になりました。
  不覚にも、その心地良さと言ったら・・。

   そんな梅雨の晴れ間は、むしむしと暑く、
  地熱が湯気を噴き上げているような不快な時が多いものです。

   意外にも今日は、カラッとしていて爽やかです。
  何だか得した気分。

   とは言え、この度の集中豪雨は各地に被害をもたらしたようです。
  又、すぐ次の梅雨前線も来ているようです。まだまだ注意が必要ですね。










【ブルーサルビア】




   さて、先日は、  
  先端を白く染め始めた
  ばかりの半夏生でしたね。

   ここに来て、
  ニョキニョキと
  穂花も立て始めました。
  白くなった葉と穂花。

   こうなれば・・。
  湿潤な土を白く埋める
  のももうすぐです。

   そしてセージの仲間の
  ブルーサルビア。

   半夏生とは対照的に
  青い小さな花を沢山
  付けています。

   梅雨の季節だからこその
  白と青の清涼な花。

   再び咲き始めた
  芳香の白薔薇と共に、
  欠かす事の出来ない
  貴重な季節の花となっています。 

ちょっとだけ暮らしの贅

2016-06-19 19:52:01 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編













   昨日は良い天気でしたが、今日は雨の日曜日となりました。
  ただ、ここまで今年の梅雨は何日も降り続く雨ではありません。

   その甲斐もあって、今年のどくだみは順調に、
  お茶としての役割を果たしそうです。

   いつかの年などは、折角のどくだみをカビさせてしまい、
  廃棄せざるを得ない事もありましたから。

   「雨の語りかける言葉に耳を傾けてみませんか?」
  ~とは、付けっ放しにしているラジオから流れて来た言葉。
  思わず、ハッとして。

   そう言えば・・。最近、雨の降る音を聞かなくなりました。
  (防音が進んだせいか)ほとんど無音の世界になっている事に気付きます。

   おまけに今年は、この季節特有の蒸し暑さをあまり感じません。
  つい先程も、肌寒くなって窓を閉めたばかり。
  雨は、やんでいる時も多いのですが、これでは聞こえませんね。

   それにしても昔は、かなり賑やかだった雨。
  様々なものに、それぞれの音を立てて降っていましたっけ・・。
  いつの間にか降るという気配すら希薄なものになってしまったようです。











【「直火式エスプレッソメーカー(マキネッタ)」】







     さて、そんな今日。
    おもむろに取り出したのは、「エスプレッソメーカー(マキネッタ)」。

     実は偶然、“アマゾンから「マキネッタ」 が届いた”
    ~との、本当に嬉しそうな、とあるブログ記事を目にしたからです。
    “それなら我家にも・・” すっかり忘れていた代物。
    つられて、こちらもワクワクして探し出したという訳です。

   しかも、このマキネッタ、マシンで淹れたように、
  クレマこそ出来ませんが、大層、美味だと言うではありませんか。

   早速、試したのは言うまでもありません。
  となれば、『「カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、オープンですね。

   このマキネッタ、イタリアではどこの家庭にも常備されているとか。
  確かにコクがあって濃厚な味。ペーパーで淹れるのとは違う味わいです。

   たまには、趣向の変わったこちらの珈琲もいいですね。
  美味しい珈琲が入りましたよ~。           

涼を呼ぶ夏の粋

2016-06-17 18:11:28 | 香る庭の花綴り












アンは自分の部屋に飾るのに
花瓶に一杯の 6月 の百合と、
書斎のギルバートの机に置くのに
スーザンの芍薬しゃくやくを切っていた・・・・・
(中略)
特別暑かった6月の日中が過ぎて、
空気は生き返ったようになり、
港は銀とも金とも分からない色になっていた。            
                   【「炉辺荘のアン」 第5章】









   昨日の雨は上がりましたが、今日は梅雨らしい鈍色の空になっています。
  とは言え、カメラのファインダーから覗く光は、思いがけず明るくて。
  1年中で一番、日の長い6月ですから当然ですけれど。

   雨、鈍色の空、鬱然とした湿った空気・・。
  そんなものが、6月は、つい暗いというイメージになってしまうのでしょう。

   ところで、つい先日、先端を白くしたばかりの半夏生(ハンゲショウ)が、
  いよいよ全体を白く染め始めたようです。

   紅葉ならぬ白葉。
  何とも言えぬ仄けさに、この季節ならではの慎ましやかさを感じます。

   そして夏の風物詩、朝顔も咲き始めました。
  朝顔は、それこそ毎年植えますが、大好きな青系に拘っています。



















   

   朝顔、縁側、行水、石鹸、浴衣・・とくれば、そう昭和の夏。
  湯上りに仄かに漂う石鹸の香りって粋ですね。

   写真は、今ハマっている個人輸入形式でのお取り寄せ。
  「ヌビアンヘリテージ ローシアバター」 ソープです。
  日本で買うよりかなりお安くて、お得感大。

   「フランキンセンス & ミルラ」 の香り。
  この香りは、好みが分かれる所でしょうが、私は平気です。
  何個か買って、ランジェリーケースの中にも。癒される香りです。  

梅雨の日の雪の滴

2016-06-11 18:56:08 | 香る庭の花綴り





【「半夏生(ハンゲショウ)」 ~ 白い妖精】









6人も子供がいるにも関わらず
今なお若々しい目で夢見るように
芝生を眺めていたアンは、月光を浴びた
ロンバルディポプラほどほっそりとして
妖精じみたものはまたとないと思った。            
                      【「炉辺荘のアン」 第16章】









   梅雨の晴れ間2日目。
  今日は、昨日より雲の多い天気になっています。

   相変わらず気温は高めですが、意外にも湿度がありません。
  湿度がなければ少々の暑さにも耐えられるものですね。
  改めて実感しています。


















   さて、ドクダミの白い花が最盛期を迎える頃になると、
  今度は半夏生の葉が白く染まり始めます。
  葉っぱが花のように見える、今では貴重な植物。

   とは言え、まだまだそれは、ほんの序の口。
  おまけに白くなっているのは上の方だけ。

   そんな時・・いいえ、だからこそ白い蝶が舞っているようにも見え。
  ~なんて、毎年のようにのたまっていますね。所謂、白い妖精。

   そんなこんなで今年は、「雪の滴」 と変更してみました。
  ちょっと無理があるかも知れませんが。

   ところで、ドクダミにこんな虫を発見。                  
  名前は分かりません。

   ドクダミには周知の通り、独特の匂いがありますから、
  虫は付かない筈なのですが・・。いずれにしても初めてです。
  羽根が綺麗ですね。

藍の心地良さ

2016-06-09 18:50:08 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編













   今日は梅雨らしく不安定な天気になっています。
  ごく少量の雨が降ったりやんだり。

   尤も降っている時間は、短いものですが。
  やんでいる時の方が多いかも知れません。
  それは時にお天気雨状態。

   こんな日は、目にも爽やかな藍がいいですね。
  湿度の高い今の季節にはピッタリな気がします。

















     さて、久し振りの 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、開店です。
    となれば・・当然、藍を取り入れたものに。
    藍は和洋問わず、何にでも合いますものね。

     そんなこんなで。
    細かい事は考えず、和洋折衷という事に致しましょう。

   今日の珈琲は、「ホンジェラス」。
  私は、いつも5種類位の珈琲を用意して、
  その日の気分に合わせて頂く事にしています。

   この豆は、「マンデリン」 の次といった所でしょうか・・。
  何と言っても口当たりが良く、クリアな味わい。

   フルーティーな酸味と苦みが、バランスの取れた珈琲です。
  芳醇な香りと共に、まろやかさもあって。

   カップは、厚ぼったいカントリー調。
  本来なら、こんなカップは、あまり美味しく感じられないのですが、
  こちらは例外。無名の物ですが、気に入っています。

   そうそう、お茶請けの 「かもめの玉子」 の包装紙もブルー。
  全くの偶然ですが、涼を感じるのにピッタリですね。     

風のポプリ

2016-06-04 18:30:18 | ハーブと香り雑学























   6月に入っても爽やかな五月晴れが続いていましたが、
  今日は、その様相を異にし、曇りがちのお天気になっています。
  それでも、湿度はありません。

   この所、空気が乾いていて紫蘇(シソ)などの葉っぱ類は、
  夕方を待たず、ヘナヘナ~となる始末。
  夜には雨との事で、お湿りが待たれます。

   ところで、お天気を利用してのどくだみ採取の事。
  意気込んだ割には20束余りしか採れませんでした。

   集中して採れば良いのでしょうが、
  ついつい他の事に気を取られ、余計な時間を費やしてしまうのです。
  どくだみは、お茶にするため洗って軒下に干しています。




   さて、久し振りのポプリ。
  今年はとりわけ乾燥した
  空気のお陰で、例年以上に
  楽しんでいます。

   ちょっぴりアンティークな
  鉄のアクセサリートレーが、
  急遽、ポプリ皿に。

   トレーの上の段には
  ハイビスカス。
  下は、ジャスミンの花びら。

   ジャスミンは不作でしたが、
  それでも何とか採れました。

   落ちた花びらを拾い集めて。
  左の硝子の器には薔薇を。
  これらは別段、香り付けしなくても花本来の香りで十分です。

   そうそう、「ECCO BELLA」。
  香水ですが、絵の通り、レモンバーベナの香り。

   エッセンシャルオイル100%と言っても通る程、良い香り。
  爽やかな香りですからこれからの季節にもピッタリです。 

神様に一番近い場所

2016-06-01 17:21:08 | 心の宝石箱














生き方、暮らし方は
一人々が創り出す芸術作品。
自然素材で作られている日本の工芸品は
ひと際美しい熟練の職人達の心が伝わります。
昔はどの家庭でも普通に使っていた
籠や木桶や火鉢、古い物を今の暮らしに
活かすセンスが問われるところです。
古い物は私達の家に美を添え、
やがて地球の土へと還って行きます。
古い物をかっこよく!
           【映画 「ベニシアさんの四季の庭」 より】








   今日から6月ですね。
  まだまだ若い月だと思っていたのに、いつの間にか1年の半分を
  迎えてしまった・・。今更ながら月日の経つのが早く感じられます。

   今日は、湿度のないカラッとした天気になっています。
  5月中旬頃の気候とか。五月晴れですね。

   梅雨の前の貴重な晴れ。有意義に使わなければ。
  ドクダミ採りなどにも励む事に致しましょう。

   さて、わが家では夏の花、ハイビスカスが咲き始めました。
  思えば、木香薔薇、ジャスミン、薔薇、そしてハイビスカス。

   花達には、力付けられたり癒されたり。
  庭は、なくてはならないものになっています。










   
   ところで先日、「ベニシアさんの四季の庭」
  という映画をBSでやっていました。(平成25年版)

   話が前後してしまいましたが、
  今日、庭の話題に触れたのも、この映画を見た事にあります。
  録画していたものを今回、やっと見たと言う訳です。

   そんなこんなで。
  今日のブログタイトルも、映画の中のベニシアさんの言葉から拝借。

   既に、雑誌やテレビなどで紹介され著作も数多く、有名人。
  ファンの方も多い事と思います。勿論、私自身も。

   元は、イギリス貴族の家系。
  実際、映画の中では、お城のような彼女の実家の案内もされていました。

   そんな彼女が京都大原の古民家に住み、
  日本人以上に日本の暮らしを大切にしていらっしゃる・・。

   台所には、風格のある古い和家具が、でんと据えられています。
  開け放たれた畳敷きの部屋。それは、職人さんを呼んで手入れするほど。

   新しくなった畳に、「香りが素敵ね」 と感嘆され・・。
  逆に日本では近年、畳の部屋が消失する一方とか。

   団扇(うちわ)での涼、箒(ほうき)と、ちりとりを使っての掃除、
  部屋のあちこちに、無造作に置かれている火鉢や木桶、籠。
  枚挙に暇(いとま)がありません。

   今回の映画では庭だけではなく、家庭内の事や、
  彼女の内面的なものにも触れていました。
  彼女にも色々、あったようですね。

   でも、それらは全て克服されたようです。
  それは、次の言葉にも如実に現れていますね。





許しとは過去を手離す事と知りました。
人生を悪い方向から見るのではなく、
側にある美しい物に目を向けて前向きでいるよう努めています。
古い諺があります。
「大切なのは何が起きたかではなく、どう対処したかである」
私達は年を取りますが、庭にいる時の心はいつも変わりません。
真の贈り物は、“心の庭”にあるのです。
それぞれの心の深い所に、一瞬、一瞬の中に。