【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

窓の美学

2011-10-29 23:05:06 | レトロ(素敵)な空間~散策










「・・・あの 開き窓 の素敵なこと――
ことにあの高い玄関の上ののきの下にある
小さな開き窓はいいわ。
私、にこにこ笑っているわよ。
ご覧なさいな、暗い屋根板を台とした
木宝石のように輝いているわ。
(中略)
愛する家よ、もし私があなたの中に住むならば、
夕方にはいつもあの西の窓辺に立って、
誰か家へ帰って来る人に手を振るわ。
そのためにあの窓は作ってあるんですもの
―― 愛と歓迎の窓よ」
                 【「エミリーはのぼる」 第13章】







   こんな朝焼けの空で目覚めた今日。
  先日のように、カーテン全体がオレンジに染まる程ではないけれど、
  カーテンの隙間からこぼれる光は、その向こうが今日も晴れている事を十分、
  感じさせてくれるキラキラ感と高揚感。それだけで随分、得をした朝。

   今朝も冷えましたが、日中は、昨日同様の暖かい天気になりました。 
  そんな朝から口笛でも吹きたい気分の今日。私は今日も外出。
  そして帰りは相変わらずの寄り道、道草です。

   でも今日は、ちょっぴり廻り道。
  お天気が良いので、ちっとも苦になりません。

   ともすれば空を眺めている私。
  今日の空は、青い空にまるで鷺が舞っているかのような淡い、薄~い雲。

   尤も、帰途にはそれは鱗(うろこ)雲に変わりましたけれど。
  (やはり予報通りお天気は、下り坂なのでしょう・・)

   さて、本題の窓。(冒頭の写真)
  上記のような・・ “開き窓大好き人間” の私ですが、
  なかなかお目にかかれません。勿論、我家も例に洩れず。

   でも、開き窓ではありませんが、
  紅葉する蔦の絡まるこちらのお宅も素敵です。
  おまけに窓の下は、こんな風情のある川になっているのですから。(3枚目、5枚目)

   窓の蔦も、川の桜も紅葉にはもう少々かかるようですね。
  これらが真っ赤に染まった時は、どんなに美しいでしょう。

   それにしても。紅葉した蔦の絡む窓の向こうにはどんな方が・・? と思ったり。
  ロマンティックな窓も 「想像の余地」 には事欠きませんね。





木洩れ日にレースの煌き

2011-10-28 17:10:17 | 私の手作り夢時間






家の一方はクローバーの原になっており、
もう一方はもみやえぞ松がちらほら混じるかえで林で、
苔に覆われた古い板塀で
家の敷地と仕切りがしてあった。
裏庭の一隅には林檎の木が1本あり、
薄桃色の花びらが静かに舞い落ちており、
庭木戸の外にはえぞ松の古木が一群生えていた。
                  【「丘の家のジェーン」 15.】
 


   こちらは今日も快晴。何もない空は昨日と同じです。
  それにしても朝晩と日中の寒暖の差の激しいこと!

   今晩辺りからは、ましになるようですが、
  そうなると今度はお天気が・・。
  なかなか上手く行きませんね。







【「ハロー・エンジェル(ユリオブス・デージー)」に蝶】


   
   
   さて、朝とは違ってガラッと暖かくなった日中。
  戸外の快適さを満喫しないという手はありませんね。

   となりますと・・。
  私は秋色に染まりかけた庭へいそいそと。

   昨日、切り取った薔薇も一緒です。
  青い硝子の花瓶は、小樽の 「北一硝子」 製。

   そうそう、いつかのグレーの 【レースの襟巻】
  グレーという色のせいでしょうか、
  私にはどうも顔映りがよろしくない気がして。

   薔薇の花を2個付けたりしたのですが、
  あれからどうもしっくり来ません。今度はコサージュを。

   実は昨日からコサージュ作りに励んでおり、今日仕上がりました。
  こんな風に、せいぜい華やかなものを付ける事によって、
  肝心なものを何とかカバーしようと・・。

   ところで家の中より戸外の方が断然、暖かいですね。
  尤も、ゆっくりお茶を頂いているつもりでも
  蝶がやって来るとカメラ片手に動き回ったり。
  そんな事も理由にあるのかも知れませんけれど。

   上記の引用文は、私の願望です。
  クローバーの原に楓林と林檎の木。

   実際には無理ですが、こうして想像に遊ぶのは自由ですものね。
  蝶は、想像とはかけ離れた、こんな庭にも遊びに来てくれます。

   しかも通称、ハロー・エンジェルの黄色の花に黄色の蝶が止まるという偶然も。
  『アンの世界』 にだって負けてはいませんね。決して。

ぶらついて時めいて

2011-10-27 19:20:10 | レトロ(素敵)な空間~散策

【薔薇のデュエット】 





私はこの 小さな道 が大好きだ。
人間の友達のような気がする。
“ぶらつく” という言葉はそれなりに
美しい言葉だと思う ――
ある言葉のように言葉そのものが
美しいというのではなく、その意味を
いかにもよく表現しているからである。
(中略)
美しい面白い言葉を発見した時には
私はいつも嬉しくなる。
新しい魅力的な言葉を見つけると私は
宝石を探す人のように有頂天になって喜び、
その言葉を文の中にはめ込むまで落ち着かない。
                 【「エミリーはのぼる」 第11章】


   
   
   今日は快晴となりました。日本晴れ。
  右を見ても左を見ても、前も後ろも青 ―― 青 ―― 青。

   そして、このお天気は全国的なのだそうですね。
  北から南まで赤一色のお天気マーク。
  こんなに分かりやすい天気はありませんね。 

   空気が澄んで晴れ渡った空・・と言いますと、放射冷却。
  昨夜から今朝にかけて寒かったこと! 震え上がりました。
  この秋、初めて10度を割り込んだようです。尤も日中は暖かかったのですが・・。

   ただ、このまま本格的な秋・・というのでもなさそうですね。
  もう1度、暖かくなるそうです。






 
【大きな樹木に囲まれた家】


   さて、今日の私の “ぶらつき”。
  “ぶらつく” と言いましても、わざわざぶらつくために出掛けたのではなく、
  今日も帰り道のぶらつきです。私の定番ですね。

   今日出掛けた場所は、JRと私鉄の丁度真ん中辺り。
  いつもJRを利用するのですが、今日は反対側の私鉄を利用する事に。

   “アラッ、素敵なお店・・”
  お店の前にさり気なく置かれた、ブリキの如露も。
  “ドアの色も素敵だわ~!” 心の中で独り言。

   どうやら喫茶店らしいです。今度、友達を誘って入ってみましょう。
  最近は、喫茶店がいつの間にかなくなっているご時勢ですから貴重です。

   そして大きな樹木に囲まれた邸宅。塀には紅葉する蔦(つた)も。私の憧れ。
  この奥には、チョコレート色のクラシックな日本家屋。
  どうやら土地の地主さんのようです。

   前述もしましたが、日中は暖かった今日。
  やはり夜の帳(とばり)が降りますと、冷えて来ました。
  そろそろストーブも用意しませんと。

   冒頭の写真の薔薇も、庭から切り取って来ました。
  今、目の前に。秋の薔薇は芳香も一段と高いようです。

今日は秋彩御膳

2011-10-26 16:28:56 | 四季のスケッチ

【上から 「柿」・「セージ」・「藜(アカザ)」 の葉っぱ】


【「半夏生(ハンゲショウ)」】

 
【ドクダミ】 





空中には魔術が漂っていた。
かえでの枝越しにちらっと港の青い海が見えた。
芝生に垂れ下がる柳は
柔らかに降り注ぐ黄金の雨のようだった。
広大な空の庭園が弧を描く下には豊饒な土地が、
信じ難いほどの色彩、まどかな光と
伸びる影の土地が秋を一人占めにしていた。
                   【「炉辺荘のアン」 第28章】
 




   
【インウォールクラータ】
 

   昨日以上の重い空で明けた今朝。
  逆に日中は良いお天気。
  青空が広がっています。

   青い空に白い雲がポカン、ポカン。
  それは夏の空と何ら、
  変わりないように見えますのに・・。

   典型的な11月の空。
  寒々しいと申しますか、
  枯葉が舞い散る頃のような。

   と言っても昔の11月ですが・・。
  ここ何年か11月は暖かかった
  印象しかありませんから。

   昨日の天気予報通り、
  今日は10度近く下がった気温。

   でも、その心構えがあったせい
  でしょうね、それ程には感じません。

   この事からも予報の必要性、
  大切さが分かります。

   とは言え、10月は今日を含めて後6日。
  せいぜい満喫すると致しましょう。

   さて、こちらの世界は 『アンの世界』 のような風景描写になるには、
  もう少々の時間が必要なようです。
  
   それでも庭には、沢山の秋がこぼれています。
  今日は、その秋がご馳走です。題して 「秋彩御膳」。

   それにしても葉っぱの色。
  柿色、栗色、芥子(からし)色、朽葉(くちば)色・・そして支子(くちなし)色。
  まるで、パレットの中のよう。

   でも、これらの葉っぱは・・
  誰が付けたのでもない、自然の色なんですものね。

   この自然、今年は大きな厄災をもたらしましたが、
  私達人間は、この自然に対して敬虔(けいけん)な
  気持ちを持つ事をいつの間にか忘れていたのかも知れませんね。

組合せのハーモニー

2011-10-25 18:37:58 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編





・・・ポアロと私は 暖炉 の前に座って、
赤々と燃える火の方へ足を伸ばしていた。
2人の間には小さなテーブルが置いてあって、
私に寄った方には、丹念に調合した トディ
載っており、ポアロの方には、
私なら100ポンドくれたって飲む気に
なれないような、こってりした
チョコレートの入ったカップが載っている。
彼は、薄桃色をした陶器のカップに入った、
そのこってりした茶色の代物をすすっては、
いかにも旨そうに溜息をついているのだ。
  【A・クリスティー作 「チョコレートの箱」~「ポアロ登場」より】
 【注 : トディ (ウィスキー、その他の酒に湯と砂糖とレモンを加えたもの)】 




   こんな空で明けた今日。
  一旦、日の出は見たものの、
  重い空になっています。

   ただ、雨は降っていません。
  降りそうで降らない空。

   今朝も、これまでと同様、
  随分暖かい朝でしたが、
  逆に日中は、ほとんどそのまま。

   これを期に一気に秋は、
  深まるのでしょうか・・。



   さて、およそ10日振りでしょうか・・。
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、
  オープンと致しましょう。

   それというのも先日、山口に住む
  叔母が旅行の途中に立ち寄ってくれて、
  大好物のお菓子、「月でひろった卵」 を
  持って来てくれましたから。

   尤も叔母には時を経ずに
  すぐ又、会うのですけれど。

   今日のティータイムは、和洋折衷。
  でも、それは良く言えばであって、
  悪く言えばバラバラですね。

   おまけにティーカップは土物、
  受け皿は漆塗りのお皿と来ています。

   実は、漆塗りのお皿は土物に大層、
  相性が良いのだそうですね。     
    
   ともすれば、しまいっ放しに
  なりがちなお皿をこういう風に使えば、日の目を見る事も出来ますし、
  気分も変わりますものね。一石二鳥という訳です。

   それを難なく受け入れて
  くれるのが、「JAPAN」 こと、
  そう、これら漆器だそうです。

   そうそう、スプーンは
  先日の 【輪島塗】 のもの。

   ただ、ちょっと分かりにくいですね。
  茶色に黒ですから。

   ところで今日の引用文。
  暖房は、まだちょっと早いけれど、
  後1週間もすれば、11月ですものね。

     11月・・自分で記していながら、
    いつの間に・・と驚いています。

         となれば・・。
   暖炉の恋しい季節となりますね。
  
    赤々と燃える火に足を伸ばす・・
    これって、私もよくします。
    勿論、ストーブにですけれど。

       それにしても・・。
       たまたま付けていた、
     再放送のテレビドラマの会話。

   「時はただ去り行くのみ。
  10年なんて、アッという間よ」
  
       いやはや・・。

魅惑の扉

2011-10-24 17:35:17 | 薔薇の追憶

【「触れなば落ちん」 の風情】






アンはいつも日の出前の、妖精と昔の神々の
ものであるあの神秘的な30分に間に合うよう
早く起きるのが好きだった。
アンは教会の尖塔せんとうの後ろだけ金色の、
薄い薔薇色の朝空や砂丘の上に広がる
薄い半透明の日の出の輝き、
村の家々の屋根から勢い良く渦巻きながら
立ち昇り始める煙を眺めるのが好きだった。
                 【「炉辺荘のアン」 第15章】









   ふと目覚めた朝。
  反射的に時計に目を遣ると午前6時。

   目覚ましはまだ鳴っていませんが、
  そろそろ起きなければ・・と何気に目はカーテンに。

   ピンクのカーテンが、オレンジに染まっています。
  もしや・・と思って慌ててカーテンを開けました。

   そこには、こんな空が広がっていました。(東の空) 
  一気に目覚めたものです。



   さて、先日の微笑んだばかりの薔薇は、
  あれから3日も経つとこんな風に満開に。

    まさに、「触れなば落ちん」
         といった風情です。

    それでも貴婦人ですから、決して
     大口なんて開けて笑いません。
    あくまでも微笑。しかも優雅です。

      おまけにこの季節ですから、
        その恩恵に長い事、
      浴する事が出来るのです。
      しかも豊潤な芳香とともに。

     秋は、薔薇の1番美しい季節。
   その魅惑の扉を開いてみたくなります。

       先日も触れましたが、
    薔薇を 「花の女王」 に変えたのは、
      マリー・アントワネット初め、
        フランスの姫君たち。

   華麗な女性たちは薔薇によって伝説になる・・。
  「英国の薔薇」 のダイアナもそうですし、「グレース・ケリー」 も。
  薔薇の薔薇たる所以(ゆえん)ですね。

秘密の散歩道

2011-10-23 18:10:18 | レトロ(素敵)な空間~散策

【「旧笹井家住宅」 正面から】


・・・スポフォード街が平らな道に消えて行く
いただきの所に、小さな白い木造の家が建っており、
両側に群がり生えた松がその低い屋根の上を
かばうように枝を差し伸べていた。
一面に赤や金色のかずらに覆われている中から、
緑色の鎧戸よろいどの下りた窓が覗いていた。
家の前は小さな庭になっており、
低い石垣で囲まれていた。
10月にも関わらず、庭は懐かしい昔風の
浮世離れのした花や灌木かんぼくで、
今なお美しく色取られていた。
                  【「アンの愛情」 第6章】


   昨日は変わりやすい天気でしたが、
  今日は概ね晴れの天気になりました。それでもほんの一時、パラッと来て。

   「男(女)心と秋の空」とは良く言ったものですね。
  女心もそうですが、一茶も 「恥しやおれが心と秋の空」  
  と詠んでいますから、男心も相当に変わるのでしょうね。

【「花梨(カリン)」 のある家】


【大きな木のある家】


【紅葉した梨の葉っぱ】


   今日も汗ばむ陽気となりました。
  そんな中、外出した帰り道、
  今日も道草です。

   先ずは、随分遠廻りになりますが、
  【旧笹井家住宅】 へ。
  
   先日は屋内こそ、写真がありましたが、
  外観の写真がありませんでしたから。

   ここは公園になっていますので、
  秋を感じながら、ゆっくり
  散策するのに持って来い。
  
   木々の葉っぱは、漸く色付き始めた・・
  といった処でしょうか・・。
  
   公園を抜けても昔ながらの、
  しっとり落ち着いた佇まいの
  街並みが続きます。

   そして道草のフィナーレは・・。
  やっぱり “アン気分に浸れる場所”。

   檸檬(れもん)色の実は、花梨(カリン)でしょうか・・。
  そしてワイン色に色付いた梨の木。折しも雲が晴れて青空に。
  青空にワイン色の葉っぱが映えます。
  
   3枚目の写真の天に届かんばかりの大きな木は、
  もう少しすると、オレンジに色付きます。
  
   そうそう、ここは公孫樹(イチョウ)の黄葉も楽しみです。
  これからの季節、まだまだ目が離せません。  

神秘のヴェールを脱ぎ捨てる時

2011-10-21 17:13:17 | 薔薇の追憶

【昨日の目覚めたばかりの薔薇】

【ゆっくり、ゆっくり・・】





暑い月はだんだんに老いて来たが、
まだ夏の気分の漂っている秋で、
集りの日は10月と言うよりも6月のようであった。
                 【「炉辺荘のアン」 第34章】


   こちらは昨日と同様の空になりました。
  それにしても暖かい!
  
   動けば汗ばむような
  陽気になっています。
  10月の今、窓を開けているなんて。

   こんな時、(何度も引用していますが)
  やはり 『アンの世界』 を思います。

   あの世界にも10月に6月のような
  天候があったのですものね。

   こんな風に、しかもこれに留まらず、
  100年前の 『アンの世界』 にも
  現代に通用する様々な共通点を
  容易に見つけ出す事が出来ます。

   さて、昨日から2日間かけて
  真紅の薔薇が、
  ここまでヴェールを脱ぎました。

   今の季節は殊更、
  ゆっくり、ゆっくり・・と。
  
   こちらは、リラ版 「公爵夫人の薔薇」 ですね。
  もう何回目の 「初めまして~!」 になるでしょう。





   ところで、薔薇、公爵夫人・・と来ましたから、
  次は、これも薔薇をこよなく愛した、マリー・アントワネットの事を。
  時は18世紀のヴェルサイユ宮殿。
  
   信じられない話ですが、当時のフランスには、
  ヴェルサイユ宮殿なれども、トイレなるものがなかったのだそうですね。

   その上、入浴の習慣というのもなく、
  顔を水や薔薇水で拭く程度のたしなみが一般的だったそうです。
  薔薇水と聞きますと、“優雅・・”~なんて思いますけれど。

   そんな風ですから、貴族たちは香水を使って悪臭を隠したと言います。
  しかしながら、その香水は刺激的な匂いの動物的香水が、ほとんどだったとか。
  
   そこに薔薇や菫を使った、
  フローラル系の香水を作らせたのが、マリー・アントワネット。
  香水革命を起こしたという訳ですね。

   囚われの身となってからも処刑の前日まで
  召使に香水を買いに行かせたという逸話も。 
  最後まで気品と優雅さを失わない事は・・かくも大変な事ですね。 

スプーン1本の洗練

2011-10-20 19:56:16 | 趣味の器(壺)~その他



【「輪島塗」 のスプーン】



「台所へ行って、銀のスプーン を磨きましょうよ。
別にたいして頭を使わなくても出来る仕事だから、
丁度いいわ・・・だって、今夜ばかりは
頭を使って考え事なんて出来ないんですもの。
そうすれば時間も経つし」
                   【「アンの青春」 第28章】


   こちらは今日も秋晴れとなりました。
  昨日の朝の鱗雲、どうやら1日ずれこんだようで、
  お天気の崩れは明日からのようです。

   尤も、こんな外れは大歓迎ですけれど。
  おまけに今日は、昨日以上の暖かさになりました。
  それは暖かいを通り越して、夏日です。







   さて、ずらりと並んだスプーン。
  ご覧のように今日は、陶器と輪島塗のスプーンです。

   陶器の物は素朴で尚且つ、1本、1本の表情が面白くて、
  これまで折に触れ、買い求めて来たものです。
  勿論、無くしたもの、割ってしまったものは数知れませんが・・。
  
   そして 「輪島塗」 のスプーン。 【前回】 の 「根来塗」 に次いで2回目。
  最近、その良さに目覚めたばかりです。
  
   何より耳に不快な摩擦音がありません。
  尤も金属製のそれとは違って、陶器の触れ合う音は時に情緒も感じますが・・。
  
   陶器製も作った人の温もりを感じますが、
  漆塗りのものは、それ以上の温もりプラス、包み込むような優しさも。

   ところで、スプーンと言えば、何と言っても銀製ではないでしょうか。
  上記の アン のように銀製品は、せっせと磨かなければなりませんね。
  
   でも、磨きさえすればどんなに古い物だって、その光沢は永遠のもの。
  却って、時と人の手を経た事による物語を感じたり。

   これら銀製のスプーンなどのカトラリーや、
  小物があるだけで、テーブルに格調が生まれます。
  それこそ、ミス・マープル 言うところの 「ヴィクトリア調」 ですね。

   何だか話が逸(そ)れてしまいました。
  布の 「絹」 と、カトラリーや小物の 「銀」 は、
  私にとって永遠の憧れかも知れません。 

秋色滲むお茶時間

2011-10-19 17:13:03 | 四季のスケッチ




「・・・ 風が出て来たでな。
今夜の空に気が付きなすったかな?
いわし雲空マツカレルスカイ馬の尾雲メーアステイル
高い船にもをかけさせる』 ですわい」
                【「アンの夢の家」 第24章】





   今朝は、こんな鱗雲の空で明けました。
  しかしながら日中は、雲一つない青空に。
  
   それにしても昨夜から気温が下がり、
  今朝の居間の気温は何と18度。
  20度を下回ったのは、この秋、初めてです。

   ところで、この鱗(うろこ)雲。
  この雲が出ると、翌日は雨なんだそうですね。
  (確率的には73%とか)

   フランスには、次のような諺(ことわざ)があるそうです。
  厚化粧の女・・云々には笑ってしまいますけれど。
  
   「連鎖状の斑雲まだらぐもが出た時には
  天気は長続きしない。厚化粧の女 も同じ」

   




【拾って来た “秋”】

【秋色パレット 「半夏生」・「藜」】


   さて。となれば・・この貴重なお天気を戸外で享受すると致しましょう。
  昨日も出歩いた事ですし、今日は手っ取り早く庭で。
  ポットも土物ですし、ちょっぴり和も取り入れて。

   そして昨日の秋の拾い物、「椎(しい)の実」 と 「松ぼっくり」も。
  庭からは「半夏生(ハンゲショウ)」 と 「藜(アカザ)」 の葉っぱを。
  
   グリーンから黄色、茶色、はたまた赤色へ・・。
  自然の色の移ろいも、今日のご馳走の一つです。

   半夏生の葉っぱは、先日覚えたばかりの 「支子(くちなし)色」 にも。
  又、名前を付けようもない色も滲んでいて魅了されます。

   ここで1話ずつ読む、アガサ・クリスティーの短編は、
  今日は、「チョコレートの箱」 を。7話目読了です。