【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

一品の優しい余韻

2014-12-28 17:23:53 | リラのお気楽ユメ日記













ついにその日は
自分が年老いて来た事を悟り始めた。
するとその美しさにある憂愁の色が加わり、
その美しさを霞ませはしたが、
却って強める事になった。
鋭い角度、ぴかぴか光る点などが
優しい曲線となり、魅惑的な微光となった。
白い港は柔らかな灰色とピンクの衣裳をまとい、
遥か彼方かなたの丘は紫水晶となった。
「古い年が美しく去って行くわ」
と、アンが言った。                   
                  【「アンの夢の家」 第16章】








   雲一つない空で明けた今朝。
  こんな朝は殊の外(ことのほか)、冷えますね。
  今朝も昨日同様、この冬2番目くらいの寒さになっています。

   ただ、時間の経過と共に太陽はその光を出し惜しみ。
  夕方には、ポツポツと雨も降って来ました。
  













   「前に頂いた、ちりめん山椒、美味しかったわ」
  電話で、そんな風に従姉に話したのは、つい何日か前。

   その 「ちりめん山椒」 が、朝一番の宅急便で届きました。
  何だか催促したようになってしまって、
  申し訳ない気持ちで一杯です。

   それは、「神宗(かんそう)」 のもの。
  1781年、(天明元年)創業と言いますから、
  かれこれ230年余りの老舗。
  包装紙にも伝統が感じられます。

   デパートでは高島屋で売っているそうですが、
  自然素材にこだわっていて、なくなればそれでお終いとか。
  当然、行列の出来るお店です。







 







   さて、今年も残す所、3日となりました。
  今日でブログ納めとさせて頂きます。

   最近は、ともすれば滞りがちなブログですが、
  ここまで続けて来られたのは、
  ひとえに皆様のお陰と感謝しています。

   相も変わらず、日常の徒然をつらつらと書き連ねる
  だけですが、どうぞ、来年もよろしくお願い致します。
  それでは良いお年を。ごきげんよう!!

年惜しむ師走

2014-12-27 17:37:07 | 四季のスケッチ

【師走の紅葉】


【薔薇色の背景】


【背景変われば・・】









「スゼット、君は本当に美しいね。
この世の人とは思えない。
君ほど素敵な人に
僕はお目にかかった事がないよ」
ディックが言った。 

「女性に出会えば、誰にでも
30分後には必ずそう言うんでしょう?
私はもうとっくにオールドミスの
仲間入りをしているんですからね」

「心からそう思えば、正直にそう言うさ・・・
心の底で思った事はその瞬間に言おうって、
僕は最近心にきめたんだよ。
リラ・フォード夫人は、
いつもそう心掛けているんだって。
日常生活を活気づけるには、
これほどいい方法はないよ」      
                  【「アンの思い出の日々」】










【透明な朝 ~ 午前7時の空】







   今日も透明感のある冬らしい空で明けました。
  冬の空は、(特に朝の空に限れば)春から夏にはない、
  独特な雰囲気があって好きです。

   ただ今日は昨日と違って、あまり日射しがありません。
  従って体感温度は、すこぶる寒くなっています。










【木香薔薇】

   


                                     【蔓性植物】
   さて、クリスマスも
  終わり、今年も残り
  僅かとなりました。

   冒頭の写真は、
  お隣の紅葉(モミジ)。

   それにしてももうすぐ
  お正月になろうとする
  この時期に未だに紅葉を
  見る事が出来るなんて。

   これも温暖化の
  現象なのでしょうね。

   もう随分前、
  「紅葉の季節は、
  お正月に」

   そんな新聞記事を
  目にした事があります。

   その時は、俄かに
  信じられない気がした
  ものですが、いよいよ
  現実のものになろうとしています。

   ともあれ、最近は一部の木を除いて、
  冬枯れの現象さえあまりなく、季節感が乏しくなっています。
  後、数日でお正月・・本当に信じられないのです。








 







   話は、ガラッと変わります。
  昨日、折角外出しましたのに、肝心の振込用紙を忘れ、
  今日再度、出掛ける羽目になってしまった私。

   しかもこんな調子ですから、
  “ちょっとそこまで・・” のコンビニですら、
  着て行く服に、あれこれ迷い、思わぬ時間の浪費。

   結局、普段着にコートを引っ掛けただけというお粗末さ。
  玄関先の鏡に映った姿も気に入らず、渋々出掛けました。

   払い込んで、領収書を貰ったその時、
  店員さんに言われた一言。

   「お洋服、素敵に着こなしていらっしゃいますね。
  私もそんな格好をしたいと思っているのですが、
  似合わないから・・」 と。

   「エッ・・? 嘘!!」 
  まさかの店員さんの言葉に咄嗟(とっさ)に、
  そんな言葉を返してしまった私。

   本当にそう思っていたからなのですが、
  「嘘」 という言葉は失礼だったかな・・? 
  と瞬間的に思ったものです。

   「私は、嘘は言いません」
  そんな風に返され、「実は・・」 と事の顛末(てんまつ)を。

  「気分が塞(ふさ)いでいましたから、
  そんな風に言って頂いて凄く嬉しかったです」
  と、お礼を言って、お店を後にしました。

   その店員さんの言われた言葉が、
  「私は、いいな・・と思ったらその場で口にするのですよ」

   こんな世の中、褒められて悪い気はしませんものね。
  それだけの事で、出掛ける前と後では気分は大違い。

   私も、これから心掛けると致しましょう。
  確かに日常生活を活気づけるには持って来いです。

野趣に富んだ昭和の家

2014-12-26 22:22:18 | レトロ(素敵)な空間~散策












ドーリッシュ街道は曲がりくねった道であり、
その日の午後は ぶらぶら歩き するのに
あつらえ向きであった ――
この街道をぶらつく
アンとルイスにはそう思われた。
二人は木の間から不意にちらっと覗く
サファイア色の海峡を足を止めて眺めたり、
特に美しい景色や、木の葉の繁った窪地の
絵のような小さな家を写真に撮ったりした。                  
                  【「アンの幸福」 第2年目2.】







   今朝は、冬らしい透明感のある空になりました。
  尤も写真はありませんが。   
  それにしても一昨日のピンクの美しい空。

   真っ赤やオレンジ、はたまたサフラン色は
  数多くあれど、あのようなピンクの空は珍しくて。

   空の神様から、
  思わぬクリスマスプレゼントを貰ったようです。

   さて、今日の写真。
  野暮用で出掛けた帰り道の、いつもの道草だったのですが・・。

   それにしても一体、どうしてしまったのでしょう。
  何枚か撮った写真のほとんどがピンボケ状態。
  かろうじてこの2枚となりました。

   それにしても冬日和とは言え、今の季節、
  アン の言うぶらぶら歩きの出来る気候ではありませんね。
  いいえ、元来寒がりの私ですから、しようとも思いません。

   そんなどうしようもない気持ちも、
  写真の “ぶれ” となって現れたのかも知れませんね。 

心の琴線に触れる時

2014-12-24 20:31:08 | 心の宝石箱

【午前7時の空】


【午前7時10分の空】









「あたしはいつも必要な人間になりたいわ」
アンはダスティー・ミラーに
向かって話しかけた。
「ねえ、ダスティー・ミラー、誰かに幸福を
与える事が出来るという事も素晴らしいわ。
(中略)
例えあたしが80まで生きたとしても、
アドニラム・ギブソンのおばあさんの
ようにはならないと思うわね?」
                 【「アンの幸福」 第1年目15.】






   クリスマスイブの今日は、
  いつもの朝とは趣きの違った空で明けました。

   午前7時の空は、一面のピンクの鱗雲(うろこぐも)。
  その僅か10分後、今度は珊瑚(さんご)色に。美しい空です。

   おまけに、今日も過ごし易い気温。
  今年も、こちらはグリーンクリスマスです。
  尤も北日本や日本海側の地方は、ホワイトクリスマスですね。







 





   

   さて、今日は夕刊に毎日掲載されている、
  読者投稿からなるエッセイの話題を。

   つい2、3日前の事、そのエッセイの
  月間賞なるものが発表されていました。

   何気に目にした、その記事。
  何と私自身、胸を打つものがあって、
  切り取っていたものではありませんか。

   御年(おんとし)90歳の
  女性のエッセーは、こんな風に始まります。

   『私が40歳の時、47歳の主人を亡くし、
  現在は1人ぽっちの90歳、人々の負担に
  なる存在、そんな引け目を感じています。
  でもね、最近、“ポッ” と明りが灯ったのです
   

   ポッと灯った明り・・。気になりますね。
  今は、老人ホームでお暮らしとの事。

   すでに2人の娘さんも亡くされているようですが、
  (長女は65歳、次女は23歳で)時々、ホームに訪ねて
  来てくれるのは、それぞれの娘さんの友人との事。

   そんな事もあって、長女の友人に手作りの
  化粧ポーチをプレゼントしたら、
  「縫い方を教えて欲しい」 と言われ・・。

   又、次女の友人には、彼女の履いている、
  これも手作りの毛糸の靴下を見て、
  「編み方を教えて欲しい」 と。

   続けて2人に教えて欲しいと言われた事が、
  「人の役に立ったのだ」 という思いで一杯だったとか。

   それは同時に、「生きていてくれて良かったわ」
  と言われたようで、心に明りが灯ったと言います。

   何という感性、何という素敵な女性でしょう。
  自分の子供でさえ、親を見舞わない者が増えている昨今。

   この女性には、それだけの徳もあるのでしょうね。
  この話を仲の良い従姉にしましたら・・。

   「うちの母は駄目。何でも自分が全てと思っているから。
  ほんの少しでも謙虚さがあればいいのだけれど」
  ~なんて言っていましたっけ。

   自分が全て、ある意味仕方ない事ですし、
  気の強さが生きる原動力になる点もありますものね。

   ただ、年を重ねれば重ねるほど人間は、
  謙虚にならなければ・・と痛切に思います。
  頑固になるのだけはやめて。

   そう言えば元気で長生きされる方は、
  どなたも感謝の言葉を必ず口にされますものね。

   そうそう、「小さな生きがいの遠い目標」
  と仰っていた、東京オリンピック。
  観戦実現は、この方には単なる通過点に違いありません。きっと。 

冬の “凛”

2014-12-23 18:56:28 | 四季のスケッチ



【俯く 「山茶花(サザンカ)」】


【息の長い 「藜(アカザ)」 の紅葉】









1年又1年と、時は彼女の前を通った。
春の菫の匂う谷 ―― 夏の花 ――
秋に歌う樅の木 ――
冬の夜の銀河の淡い炎 ――
静かな新月の四月の空 ――
月光に向かうロンバーディー杉の
妖精のような美しさ ――
十月の黄昏時に淋しく落ち散る木の葉 ――
果樹園の月の光 ――
ああ人生にはまだ美があった ――
人間の情熱のあらゆる汚点しみの
向こうに不滅の美が。                  
               【「エミリーの求めるもの」 第26章】












【黄昏の空】







   意外にも雲の多い空で明けた今朝。
  昨日が何もない快晴の空でしたから、尚更です。

   でも、そこは「朝曇り、晴れの元」
  という諺(ことわざ)もあるほどですから気を取り直して。
  案の定、日溜りがとりわけ暖かい、冬日和となりました。

   ところで最近、小鳥が多いように感じてなりません。
  今、高速道路の建設中で、益々山が削られ、
  住む所を失ったせいかも知れません。

   今まで庭に小鳥が下り立つなんてありませんでしたから。
  ただ人の気配には大層敏感で、窓を開けると
  すぐさま飛び立って行きますけれど。








【柿の木】



                                【新芽を付けている 「紫陽花」】
   さて、今日のタイトル。
  「凛」 という言葉は、
  漢字も響きも、
  大好きな私です。

   普通、「凛として」
  などと形容詩的な
  使い方をしますが、
  この言葉には寒さが
  厳しい事、きりりと身の
  引き締まるさま・・

   ~などと言うように、
  名詞的な意味合いも
  あるのだそうですね。

   その言葉と既に
  葉っぱを落として
  しまった紅葉や柿などの
  広葉樹が重なりました。

   確かに多くの葉を
  バッサリ脱ぎ捨てた、
  潔いこれらの木を
  眺めていますと、
  きりりと身が引き締まる思いです。

   そして美は、至る所にある事を思い知らされてもいます。
  同時に感性も磨かねばなりませんね。  

クリスマス色に染まって ~ その2

2014-12-21 18:07:58 | 四季のスケッチ















その晩は忙しい晩だった。
ヒイラギやヤドリギが大量に持ち込まれ、
食堂の片端にクリスマス・ツリーが立てられた。
誰もが、その飾り付けや、ヒイラギの枝を
絵の額縁の後ろに挿したり、
ヤドリギをホールの
適当な所に下げる手伝いをした。
「まだこんな古めかしい事が
行なわれているとは、夢にも知らなかったよ」
                       
         【A・クリスティー 「クリスマス・プティングの冒険」】






   昨日の雨は上がりました。
  そして今日は、一時のあの寒さからも一息付いています。

   今日くらいの気温でしたら、庭でごそごそ出来ますものね。
  それにしても人間とは現金なものです。

   身を切る寒さだった一昨日などは、
  ほうほうの体(てい)で引き揚げましたもの。












   さて、今日も
  昨日の続きを。

   年の終わりの
  最大イベント、
  クリスマスグッズを
  お部屋のあちこちに
  飾る事は、いくつに
  なっても心弾みますね。

   それはお雛様を
  飾る時の心境にも
  近いかもしれません。

   そう言えば、仲の良い
  従姉の所などは毎年、
  家全体を電球で飾る事を
  家族総出でやっています。

   私にはそこまでの
  熱意はありません。

   そこそこ手作りして
  そこそこ飾るだけ。

   負担にならない程度の
  小さな楽しみ・・と言った所でしょうか。

   ところで上記の例文、A・クリスティーの
   「クリスマス・プディングの冒険」 は、1960年作。

   森からクリスマスツリーにする樅の木などを
  取って来るのは 『アンの世界』 でもお馴染みです。

   それから時代が数十年進めば、
  英国でも既に古めかしい事に。時代背景を感じます。    

クリスマス色(赤&緑)に染まって

2014-12-20 18:56:56 | 四季のスケッチ















それはストーブというストーブの中でも
この上なしの小ささで、
手で持ち上げられるほどです。
丁度4本の鉄の鰐足わにあしをふんまえた
生意気な小さい黒犬にそっくりです。
けれど、中に硬木のまきを詰めますと、
薔薇色がかった赤い色に輝き、
驚くべき熱を発散し、どんなに心地良いかは
お分かりにならないほどです。
あたしは今、ストーブの前に座り、
その小さな炉辺に足を載せ、
膝の上であなたへの手紙を書いております。        
                       【「アンの幸福」】







   今にも降り出しそうな・・重い空で明けた今朝。
  午前9時頃から降り出すという雨も、なかなか降らず、
  降り出したのは、もうお昼近くになってから。

   と言っても、この雨を待っていた訳ではありません。
  もし降らなければ、その間隙(かんげき)を縫って、
  自転車で、ちょっと外出しようなんて思ったりしたものですから。

   しかしながら、その割にほっとしている私がいます。
  尤も、いつもの事ですけれど。
  それにしても12月って、こんなに雨が多い月でしたっけ・・?
  











   さて、クリス前の
  師走のこの時期。

   今は冬至(22日)
  に向けて、とりわけ
  昼の短い季節。

   しかも雨の日は、
  部屋全体が薄暗くて。

   でも大丈夫!
  外は冷たい雨でも
  暖炉の薪がパチパチと
  爆(は)ぜていますから。

   ~なんて、すっかり
  その気分になっています。

   いいえ、そんな大層な
  ものでなくても、上記の
  ような小さな薪ストーブ
  で十分なのですけれど。

   話が逸れました。
  兎にも角にも部屋の一角の
  この場所(赤と緑のクリスマスグッズで飾られた)
  に、朝からこもっています。

   それでいながら先日、ハワイに住む叔母から
  貰った、クリスマスカードの返事はまだ。

   のんびり構えていては間に合いませんね。
  新年のカードに変更して、急いで書きましょう。

   最近、何かにつけてもたもた、ぐずぐずしています。
  師も走る 「師走」 ですから、さっさとしなければ!

晩愁香のアルバム ~ その2

2014-12-18 20:00:00 | ハーブと香り雑学





【「マトリカリヤ」 & 「レモンユーカリ」 のポプリ】












「今日は 身を切る風と暗き空だわ」
と、・・・・・ リラが言った。
あまり寒いので居間の暖炉に火を入れた。
陽気なほのおは外の寒さに対抗して大活躍だった。 
                    【「アンの娘リラ」 第33章】






   チラチラ程度ですが、今日はこの冬、初めての雪となりました。
  昨日も相当寒かったのですが、それ以上の寒さに。
  日々、最低気温を更新している有様です。

   そうそう、こんな雪の降り方は、
  “風花が舞う” と言うのでしたね。
  こんな美しい言葉は使わねば、勿体ないですね。












   さて、「晩愁香のアルバム 」
  第二弾。(前回は 【こちら】

   前述のように今年、
  一番の寒さとなった今日。

   『アンの世界』
  のように“暖炉に火”・・
  でしたら、申し分ないの
  ですが、ストーブで十分、
  そのつもりになっています。

   そんなこんなで、
  室内にこもりっきり。

   それでも気分転換に、
  庭に出てみるのですが、
  それこそ身を切る寒さ。

   とは言え、今日は
  風は吹かず、又、
  暗き空でもありません。

   尤も、『身を切る風』 は、
  昨日ならピッタリ。
  今日は、風こそありませんが、底冷えしています。

   そんな今日。家の中でポプリ遊び。
  既に登場したものもありますが、
  これらは、今年一年の収穫物。

   草っぽいあの香り、この香り、
  はたまたリラックス香と。それぞれの思い出が蘇ります。

   そう言えば、松ぼっくいなど金や銀色に色を塗りましょう。
  クリスマス用にいいですものね。
  ついつい夢中になって時間を忘れるひと時です。  

冬の花空間

2014-12-17 18:16:58 | 四季のスケッチ

【薔薇色の背景と 「ゼラニウム」】


【開花した 「山茶花」】








リラは物悲しく辺りを見回した ――
谷の向こうに灰色に広がる人気ない休閑地きゅうかんちを。
(中略)
小川が曲がって流れている所に差し出た
浜茄子はまなすにはまだ 紅い葉がしがみついている 。
その茎には少し前に降った小雨の雫が
真珠のように光っている。
(中略)
風は霜枯れて褐色になった羊歯しだの間で
溜息をつき、ガサガサ言ってから
悲しげに小川の方へ消えて行った。                 
                    【「アンの娘リラ」 第10章】







   ほとんど何もない空で明けました。
  それにしても寒かったこと!

   それでも凍結はありません。
  すんでの所で、0度にはなっていないのでしょう。

   ただ今日は、こちらには珍しく、冷たい北風が吹いています。
  普段は、ほとんど縁のない風。こんな時・・。

   厳しい冬の続く、とりわけ風の描写の多い、
  『アンの世界』 を思わずにはいられません。







                              【緑から彩りの葉へ 「ヒマラヤ雪の下」】
   さて、昨日の雨と
  今日の強風でも
  お隣の紅葉は、
  まだまだ健在。
  踏みとどまっています。

   従ってゼラニウムは、
  寒風の中でも薔薇色の
  背景でお澄まし。

   この色のお陰で、
  見た目は暖かそうですね。

   一方、我家の紅葉。
  もうほとんどの葉が、
  茶色に変色して枯葉状態。

   尤も、そんな中でも
  上記の如く、かろうじて
  1枚か2枚、紅い葉が必死に
  しがみついていますけれど。

   そして、先日の蕾の
  山茶花は開花。

   どこかあどけなく
  控え目で、可愛い花ですね。

   「山茶花や
  屡々(しばしば)来る雨寒し」

  こんな句がぴったり来ます。

年深き臘月の瑠璃時間

2014-12-16 18:07:38 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編














【冬の歌】
今宵こよい見慣れた世界を霜がすっかり覆い尽くす
我々の愛する大地は 冷たくせ衰え
雪の織物の下に眠る 我々の森はあおざめて
友というより敵のよう

しかし 黄昏たそがれを迎える時
我々は赤く燃え盛る暖炉の前に集い
過ぎ去りし春の日を懐かしみ
金色に輝く夏に思いを馳せる
森の中の集いのように
炉辺で永遠の友情を温め合う

谷間の菫はもはや枯れ 
薔薇や水仙ももはやなく
そぞろ歩いた丘は冷たく寂しく
もはや歌も聞こえない
(中略)
しかし傍らに手ずれた本があり
我々の夢は果てしなく 
冬空の柔らかな光に包まれて重い扉を閉ざし
暖炉には愛の灯火が灯り 永遠に我々を誘う
                【「アンの想い出の日々(上)」】









   起床時こそ雨は降っていませんでしたが、
  それは、今にも降りそうな重く垂れ込めた灰色の空。

   予想に違(たが)わず、まもなくしとしとと降り出しました。
  昨日の朝より気温は高いものの、体感的には冷たい雨です。

   丁度、視線の先にある水仙も大分、花芽を付けました。
  雨に濡れた俯く水仙。それはそれで風情がありますね。

   雨が降らないうちに摘んで置けば良かったと、
  ちょっぴり後悔。何と言っても香りが素晴らしいですから。
  
  















   さて、今年も
  満ちつつある
  今日この頃。

   12月(師走)を
  臘月(ろうづき)、
  そんな美しい言葉が
  あるのを知ったのは、
  去年の丁度今頃。

   静かな臘月の
  雨の日の午後、
  お茶タイムと
  致しましょう。

   幸い、頂いた
  お菓子もありますし。

   「叶匠寿庵」
  (かのうしょうじゅあん)
  のもの。
  (滋賀県大津市)

   そんなこんなで。
  『カフェ「薔薇の詩
  (ポエム)」』、開店です。

   三段の菓子箱から取り出したのは、「葉守」。
  小豆こし餡をパイ生地の木の葉で焼き上げたもの。
  博多の有名なお菓子、「祇園太鼓」 に似た味です。

   尤も、どちらが先なのかは知りませんが。
  美味なのは言うまでもありません。
  それにしても、世の中には似たようなお菓子が多いですね。

   そうそう、今日も土物のカップで。
  このカップの色で 「瑠璃時間」
  ~なんてしましたが、生憎、何焼きか分かりません。
  薫り高い珈琲が入りましたよ ~