【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

迷い込んで昭和

2013-09-29 18:03:33 | レトロ(素敵)な空間~散策





【三軒長屋】





・・・アンは雛菊ひなぎくの咲く小道を
通って歩いて行った。
その道は気持ちの良い
涼しく美しい丘の頂に出て、・・・・・
(中略)
灰色のうねうねしたさくが立っており、
急な小さな坂道があったり、
それは少し単調な街道であった・・・・・
(中略)
アンは通りすがりの庭一つ一つに
足を止めて眺めた。
庭に対するアンの興味は
尽きる事がなかった。           
               【「炉辺荘のアン」 第18章】




   快晴の天気が続きます。
  最高気温は、まだまだ高いのですが、
  湿度がありませんので、不快感はありません。
  それに朝晩は随分、しのぎやすくなって来ましたし。

   真丸(まんまる)だった、お月様はいつの間にか半月に。
  27日(金)が 「下弦の月」 だったのですね。

   昨夜も例の如く、就寝前にベランダ(南側)から
  月を眺めたものです。ところが、どこにもありません。
  何と東の山の上にぽかり。ベランダからは見えない筈ですね。






【こちらは二軒長屋?】


                                【私の中の 「紫苑」】
   さて、恒例の道草です。
  迷い込んだのは、駅近くの路地裏。
  こちらは初めての場所です。

   くねくねと入り組んだ路地。
  こんな所に昭和・・?
  と思えるほどのレトロ感。

   先日、【京都】 で初めて見て
  感激した三軒長屋があれば、
  二軒長屋? も。

   迷路のような道を探検気分で
  気の向くまま辿って行けば・・。

   アレッ!? どこかで見た光景。
  いつかの 「リザルブ珈琲店」
  のある街道に。

   “ではこちらの道を行きましょう”
  と反対側の道を辿ったのですが・・。

   又々、同じ場所に。
  やはり、ここは迷路だったのですね。

   ~なんて。そろそろ疲れて来たのかも知れません。
  家路を急ぐ事に致しましょう。   

黄色い花の花言葉

2013-09-28 16:01:11 | 香る庭の花綴り



【ユリオブスデージー】
 





イルゼがそこへ来た ――
イルゼは道を走って来た。
髪の色と同じ 黄色 の絹のガウンを着、
眼の色に合った茶色がかった 金色
帽子をかぶったイルゼは、
庭に咲き誇っている大輪の 黄色
薔薇の感じを出していた。                   
          【「エミリーの求めるもの」 第13章】





   一片の雲もない空で明けました。見渡す限り、な~~んにもない空。
  こちらは今日も快晴です。カラッとした本当に爽やかな天気。

   今日の目覚めは小鳥の声。
  ただ美しい鶯(うぐいす)の声ではなく、(さすがに今では聞きません)
  一定のリズムを付けて鳴く、到底美しいとは言えない声。

   この声は・・季節を選ばない鳥。
  何の鳥か知りませんが、数は限られていますね。












   さて、黄色い(金色)花、「ユリオブスデージー」 が今、
  満開です。尤もこの花、一年中咲きますけれど。

   それに私は長いこと 「ハロー・エンジェル」 だと思っていて。
  というのも初めて求めた時、花の栞(しおり)に書いてありましたから。

   勝手に付けた園芸名だったのでしょうが、
  そのロマンティックな名前に魅かれたのも事実です。

   エンジェル(蝶)もこの花には
  良く止まりますから、あながち嘘ではないと思ったり。

   とは言っても黄色(金色)は、
  そんなに好きな色という訳でもありません。

   でも一般的には 「幸せ」 のイメージが強いですものね。
  その上、黄色い財布には、お金が入ると言いますし。

   因みにユリオブスデージーの花言葉は、
  「円満な関係」 「明るい愛」 「夫婦円満」。
  やはり幸せに縁がありますね。

   そしてもう一つの黄色い花、「ハイビスカス」 も咲きました。
  こちらの花言葉も 「上品な美しさ」 「信頼」 「繊細な美しさ」。
  魅力的な花言葉が並びます。

   黄色のハイビスカスに限れば、「輝き」 。
  クレオパトラも愛した花だそうですね。
  そう思うと余計に、キラキラ輝いて見えます。 

これは何色? 秋の色

2013-09-27 19:16:38 | 路傍の花~道草



【秋色の 「昼顔」】






【「萩」 の花 ~ ピンク&ブルー】







・・・アンとダイアナ・バーリーは、今、
日溜りでほっと息を付いているところだった。
あざみの綿毛の空軍が風の翼に乗って、
ふわふわとこの一隅へ押し寄せて来たが、
「お化けの森」 の羊歯の上を吹く
かぐわしい風にはまだ、
快い夏の名残りが漂っていた。
だが、二人を巡る風景は
全て秋を囁いていた。                 
                   【「アンの愛情」 第1章】




   カラッとして本当に気持ちの良い秋晴れとなりました。
  こんな快晴の空の下、近くの中学校では運動会をやっているらしく、
  風に乗って、そのざわめきが伝わります。

   これから本格的な秋に向けて色々な秋の行事が
  目白押しですね。楽しみです。




 




【曼珠沙華】



 
【韮(ニラ)】


   さて、本当に久し振り
  野の花です。

   最近は何かというと、
  古い家ばかり撮って
  いましたものね。

   ついこの間まで、
  ムッとした草いきれに
  強烈な “夏” を感じて
  いたいつもの散歩道は、
  少しずつ秋色に変遷。

   あの暑かった夏、炎天下にも関わらず元気一杯、
  ピンクの花びらを付けていた昼顔が薄紫色に色を変えれば、
  その向こうにある燃える赤の大群は 「曼珠沙華」。

   少し離れた所に今度は白い群れ、「韮(ニラ)」 と・・
  秋の植物の出現に、あっちにキョロキョロ、こっちに・・状態の私。

   そうそう、薄紫色に変身した昼顔は、題して 「秋色昼顔」。    
  この秋色昼顔、次から次へと蔓を伸ばし、
  土手一面を覆っています。そこは、ちょっとした薄紫色の絨毯。

   そして、その葉っぱも。(冒頭の写真)
  まだほとんど緑ですが、中には秋色に変色しているものも。

   それにしても緑一色だった葉っぱが日毎に、
  こんなに個性的な色になるなんて。
  四季のある日本って、本当に有り難いですね。

   かと思えば、真っ青な空を背景に小さなピンクの 「萩」 の花。
  萩は盛りを過ぎていましたが、思わず感嘆。

   何となくですが、古人(いにしえびと)に一番愛された
  花だという事が、今日の花を見ていると実感出来ます。

   散歩道・・これからもっと秋が深まるにつれ、
  更にワクワク道になる事、請け合いですね。

秘めたる小説の力

2013-09-26 17:13:37 | A・クリスティーの館








   こちらは今日も概ね晴れの天気になりました。
  随分、風が強くなっています。

   その風が空気を洗ったのでしょうか・・
  今見上げた空は、真っ青な空に白い雲がポカン、ポカン。

   朝方は冷えましたが、まだまだ日中は動くと汗ばみます。
  従って長袖からもう一度、着替える羽目に。
  この季節、着る物に悩みますね。







   さて、「A・クリスティーの館」
  も本当に久し振り。

   思わぬ時間がかかって
  しまいましたが、
  A・クリスティー作、
  「フランクフルトへの乗客」、
  読了。

   そもそもこの本を読む
  きっかけになったのは、
  タイトルに、ある種の郷愁と
  憧れを感じて。

   しかも物語のプロローグが
  フランクフルト空港で、
  一人の謎の美女に出会い、
  頼み事をされた・・

   ~という、何とも
  ロマンティックな出来事で
  始まったのですから。

   ところがいつまで経っても、
  お馴染みのポアロも、
  大好きなミス・マープルも出て来ません。

   そしてそれは、ミステリーと言うより、スパイ小説です。
  読みながらも・・ “ミスったかな・・?”
  ~なんて思ったものですが・・。

   一言で言えば、人生に退屈していた一人の外交官が
  フランクフルト空港で巻き込まれた、国際的陰謀。

   おまけに若者の革命戦争やハイジャック、
  果てはヒトラー論まで出て来て。

   当時の政治の世界を垣間見るというだけでなく、
  過去の歴史、かと思えば今にも十分通じる政治の世界を見た気がして。

   それにしても作品が書かれた時期が、
  クリスティーが80歳、1970年(昭和45年)というから驚きます。

   兎にも角にも物語は空港で始まり、空港で終わります。
  読み終わった今になりますと、登場人物がやたら多くて
  理解出来ない部分が多いですけれど。
  私の文章もまとまりのないものになっています。

   最後に。先の麻生発言でも話題になった、ヒトラーの事。
  そのせいもあって、ヒトラーの記述が心に残りました。

   それにしても・・まさか、クリスティーの小説で、
  その演説がどういうものだったかを知る事になるなんて。
  でも分かり易くて納得です。少しだけ記してみましょう。

   教養のある大使館員の妻がヒトラーの演説を聞きに行きます。
  彼女はドイツ語が良く分からないながらもいたく感動し、
  彼の言った事、それ以外に物の考え方はなく、
  人々が彼に従いすれば、全く新しい世界が出現する・・と思い。

   ただ、素晴らしい演説でしたから、後になって
  文章に書き留めようとするのですが、何も思い出せません。

   よしんば断片的に思い出しても、文章にすると違った
  意味のような気がするし、又、無意味にも感じると言うのです。
  その事が彼女にとっては、どうにも不思議で仕方がない・・。
  ~といったような具合。

   選挙の時、巷で言われていた 「風が吹く」 というのも、
  程度の差こそあれ、ある意味、似たようなものかも知れませんね。
  



「世の中には他の人々に熱狂を、
ある種の生活と事件の幻を吹き込む
能力を持った人間がいる。
彼らは口に出す言葉や、我々が耳で聞く言葉や、
文字で書かれた思想に頼らなくとも、
そういう事をやってのける
力を持った人間がいる。
言葉や文字とは別のものがある。
それはごく少数の人間にしか
備わっていない磁力、
ある事を始動させ、一つの幻を
創り出す磁力のようなものだ。
おそらく彼らの人間的魅力、声の響き、
肉体からじかに発散するものが
そうさせるのだろう。
(中略)
これらの人々には力がある。
偉大な宗教上の師と言われる人が
この力を持っていた。
そして邪悪な精神の力も又しかりだ」
(中略)
「ヤン・スマッツが言っている、
統率力は、偉大な創造力であると同時に、
悪魔的な力にもなりうる・・・と」              
           【A・クリスティー作 「フランクフルトへの乗客」】
  

時めいて深紅の薔薇

2013-09-25 15:38:58 | 薔薇の追憶











小さなエリザベスは始終、
『明日』 の事ばかり話しておりますが、
トムギャロン家の古い屋敷は
『昨日』 なのです。
あたしは自分が 『昨日』 の中に
生きているのでなくて良かったと・・・
『明日』 が今なお友であって
良かったと喜んでおります。
(中略)
おお、ギルバート、
やがてあたしたちがどんなに年を取っても、
人生をすっかり悲劇とみなし、
それに耽溺たんできするなどという
事のないようにしましょうね。・・・」
                【「アンの幸福」 第3年目11.】
 











   今朝も、こんな穏やかな空で明けました。
  午前6時頃の東の空。

   今現在も(15時)青く晴れ渡った空になっています。
  おまけに日中は30度を越えていますから、
  真夏の暑さになっています。

   しかしながら、この暑さも今日までとか。
  明日からは、ぐっと気温も下がるそうです。











   さて、昨日に引き続き、
  今日は深紅の薔薇を。
  リラ版 「公爵夫人の薔薇」。

   格調高さと端麗さ・・
  薔薇多しと言えども群を
  抜いている気がします。

   小さくても大きくても、
  あるいは個性派でも・・
  女王の風格が宿るのは、
  この色だけでしょう。

   決して後ろを振り向かず、
  澄んだ強い意志を秘めた瞳は
  前だけを見つめ・・。

   そう、その姿は凛として。
  『明日』 に咲く花。

   それでいて、ふわりと開く
  花びらに、そよりと香る、
  その甘さに心癒され、
  心奪われ、乱され。

   特に秋薔薇は、
  虫も付かず、最高ですね。

時めいて白薔薇

2013-09-24 16:21:38 | 薔薇の追憶













輝かしい、緑がかった夕焼けが
まだ西の空を染めていたが、
月が上り始め、その光を受けて
水は大きな銀の夢のように横たわっていた。
思い出は若い二人の上に甘い、
得も言われぬ魔力を織り成した。
「随分、おとなしいね、アン」
とうとうギルバートが口を切った。
「あたし、沈黙を破ったら、
この素晴らしい美しさが消えてなくなりは
しないかと思って、ものを言う事も、
身動きする事も出来ないのよ」 
                  【「アンの愛情」 第1章】




   快晴の空が続きます。
  あの18号の台風以来ですから、もう一週間以上続いているのですね。
  お天気、この時期、珍しい程安定しています。

   ただ今日は少々、風が強くなっています。
  これも南の海上にある台風の影響でしょうね。(20号)

   そうそう、昨夜の 「寝待月(ねまちづき)」。
  お月様も19日となりますと、さすがに欠けて来ました。

   そして20日の月は 「更待月(ふけまちづき)」。
  名前の通り、夜も更けて出て来るそうです。

   満ちる月ではなく、欠けて行く月への人々の思い。
  格別なものだったのでしょうね。今も昔も。

   今日の 『アンの世界』 の光景は、
  丁度、【一週間前】 位のものなのでしょうね。
  薄紫に染まった空が美しくて私も思わず写真に撮りましたから。

   





【出番を待つ次の薔薇も・・】





   
   さて、ご覧の通り、庭の薔薇が今、再び花を咲かせています。
  初夏の薔薇は瑞々しさに満ち溢れていましたが、
  この季節の薔薇は、洗練されて匂うような美しさ。

   尤も本当に香り高いのですが。
  もし薔薇に香りがなかったら、
  薔薇はこれほど愛されてきたかしら・・と思うほど。

   香りも美しさも、より濃密になり、
  一段と成熟して登場している気さえします。

   先日は開きかけの蕾の薔薇でしたが、今日は満開のものを。
  それでも白薔薇の持つ特性でしょうか・・。

   気品のある笑顔。ある種の恥じらいと愁いを含んだような。
  そして白の持つ深さと味わいに、より近付いている気がします。

曲がり角の誘惑

2013-09-23 18:28:58 | レトロ(素敵)な空間~散策

【街角の床屋さん】


【こんな所に古道具屋さんが・・】 




【右へ? 左へ? ~ 曲がり角の浪漫】






「・・・この道を行ってみましょうよ。
あたしは元々横道が大好きなの。――
(中略)
それに、この道にはきっと家が
ある気がするの。
・・・ある種類の家が・・・
写真におあつらえ向きなのがね」
アンの第六感に誤りはなかった。
まもなく、一軒の家に出た ――
おまけに、ごく写真向きの家だった。
野趣に富んだ古風の家で、
のきは低く、四角い小さな
硝子窓が付いていた。
                 【「アンの幸福」 第2年目】




   
   穏やかな、まるで春のような桜色の空で明けました。
  ただ、日中は今日も30度越え。
  従って一日の気温差は相当なものになっています。

   ところで昨夜の 「居待月(いまちづき)」 は、
  ついうっかり見逃してしまう羽目に。

   今宵は寝ながら待つという 「寝待月(ねまちづき)」 。
  寝ながら待つのですから、月の出も大分遅くなるようですね。
  気長に待つと致しましょう。











 
【地元の造り酒屋】


   さて、久し振りの道草です。
  そしてこちらも随分、
  久し振り。曲がり角の浪漫。

   この曲がり角、どちらに
  行きましょう、右? 左・・?
  こんなワクワク気分も久し振り。

   しかも、この所の恒例と
  なっていた京都伏見では
  ありません。何と地元。

   タイムスリップした、
  昭和の町並みです。
  探せばあるのですね。

   『アンの世界』
  違って住宅密集地の事、
  野趣に富んだ家を
  探すのは容易です。
  と言いますか・・。

   この界隈(かいわい)は、そんな家ばかり。
  角に床屋さんがあれば、しもたやの並ぶ通りに、
  突然現れた古道具屋さん。壺などが所狭しと置いてあります。

   かと思えば・・。京都伏見にだって負けていません。
  1822年創業の老舗の造り酒屋が。何と江戸時代ではありませんか。

   そんな通りですから、道幅は確かに狭いです。
  でも敷地は広く、蔵が必ずある大きなお宅が多くて。

   横道にちょっと入れば、そこは別世界。
  又、機会があれば、訪れてみたいと思います。

陶粋の瑠璃色

2013-09-22 16:26:36 | 香る庭の花綴り












「あれがなくては淋しいわ」
アンは嘆いた。
「玄関上のあの部屋もあの木なしでは、
今までの部屋とは思われないわ。
窓から外を見る度にあれのない淋しさを
味わなくちゃならないのね・・・」                    
                【「アンの愛情」 第39章】
 










   朝方は、こんな秋らしい空が広がっていましたが、
  今日も快晴の空になっています。
  ただ今日は少々、蒸し暑い気がしないでもありません。

   ところで 「立待月(たちまちづき)」 の昨夜の月。
  就寝前、いつものように月を眺めようと・・。

   ところが、その月がどこにも見当たりません。
  何と遥か頭上に。これでは横になりながら月を眺める・・
  ~なんて風流な? 芸当は出来ません。

   真上ですから身を乗り出して眺めたものです。
  そして今宵は 「居待月(いまちづき)」。

   座って月を待つそうですが、
  果たしてどんな月になるのでしょう。又々、楽しみです。







   今日も瑠璃色花を。
  昨日の続きです。

   今日は、朝顔の別品種も
  顔を見せてくれました。

   まるで、「私を忘れないで」
  と言っているかのように。

   地面を這(は)うように、
  低く、低く。

   まさか、土下座?
  ではありませんよね。

   そしてもう一つの
  瑠璃色花、「セージ」。

   今日は、切り取って
  相性の良い土物の花瓶に。
  備前焼です。

   庭では右を向いたり、
  左を向いたり、自由奔放に
  咲いていますから、
  無造作に投げ入れて。まさに、野の花感覚です。

   そうそう、お隣の大きな木槿(むくげ)の木が、
  昨日、バサッと切られました。

   それは高く高く伸びていて。
  階段の踊り場からピンクの花を眺めるのを
  楽しみにしていたのです。今日のアンの気持ちと全く同じ。

   尤も、お隣の方の与(あずか)り知らぬ事です。
  私自身、なくなって初めて、その存在の大きさを知ったのですから。   

瑠璃色美人~朝顔

2013-09-21 16:10:26 | 香る庭の花綴り

【木の上に高く高く・・】





「私には ものを楽しむ力
なくなって来たのじゃないかしら」
と考えて、ルシンダは味気なさを覚えた。
「そうだわ、 のせいに違いない。
社交的な儀礼を退屈に感じだしたのは
そのためだ」                    
                   【「アンの友達」 5.】




   
   こちらは今日も良いお天気となりました。
  美しい空。淡い水色の空に真っ白い雲が流れるように。
  思わずその空に、しばし見とれていたものです。

   おまけに夜は夜で連日、美しいお月様。
  昨日が 「十六夜(いざよい)」 なら、今日は 「立待月(たちまちづき)」。

   まだ肉眼的には、ほとんど変化のない月ですが、
  欠ける月にそれぞれ名前まで付けて名残りを惜しんだ昔の人。
  さて、さて今宵は、どんな月に出会えるか楽しみです。









【低く地面に】





   さて名残りと言えば、「朝の美人」 こと、こちらの朝顔。
  ゴーヤや胡瓜と一緒に緑のカーテンとして植えたそれは、
  葉っぱも黄色くなり、そろそろ終わりかけています。

   一方、余った種を単独で庭に自在に撒(ま)いたものは、
  まだまだ元気そのもの。今日は、こんな美しい笑顔を見せてくれました。

   それにしても植物の習性でしょうか、
  紅葉(もみじ)や藜(あかざ)と一緒に植えたものは高く高く・・。

   スカエボラの隣りに植えたものは、低く、低く。
  面白いですね。

   そして私は、今日も 「想像の余地」 の世界へ。
  瑠璃色から 「源氏物語」、引いては 「朝顔の君」 へと・・
  それは留まる事を知りません。

   源氏物語では 「空蝉(うつせみ)の君」 が魅力的で好きなのですが、
  (尤も名前と語感の美しさにも魅かれた理由です)
  「朝顔の君」 も 「空蝉の君」 同様に、高潔な女性のようですね。
  「あさきゆめみし」 に詳しく書かれています。

   そうそう、今日の例文。
  ものを楽しむ力は、まだ残っているな・・と自問自答。

   しかしながら、社交的な儀礼は疲れます。
  そんなこんなで。引き分け? としましょうか・・。

月夜の微笑~白薔薇

2013-09-20 15:15:01 | 薔薇の追憶











部屋の床は静かな銀色の
冷たい月の光を浴びていた。
アンは開いている窓の所へ行き、外を眺めた。
(中略)
ロンバルディの葉は月光を受けて
銀のように光っている。
周りの家は今夜はひそひそ
ささやいているようだった。
                   【「炉辺荘のアン」 第43章】




   昨夜は澄み渡った空に本当に美しい月でしたね。
  白く冴え冴えと光り輝いて。

   灯りを消して暗くした室内に、一条の銀色の月の光。
  それは幻想的な光景でもありました。









   さて、そんな美しいお月様を連想する 「白い貴婦人」 こと、
  アイボリーの薔薇が満を持して咲き始めました。凛として気高く。

   深紅の薔薇もいいけれど、この薔薇も大好き。
  おまけにこの色は、光線の加減によって、
  いかようにも変わりますものね。

   月光を帯びたこの薔薇は、さぞかし美しい事でしょう。
  今宵は、月夜の薔薇も忘れずに見る事に致しましょう。

   そうそう、アンは月が大好き。
  でも私は、どちらかと言えば、太陽でしょうか・・。

   尤も、月光の方が文字からしてロマンティックですけれど。
  後、なぜか淋しそうな気がして。でも雰囲気は最高。絵になります。

   そう言えば月光は 「微笑」 が似合いますね。
  太陽は満面の 「笑顔」。太陽の下で思い切り笑って暮らしたいです。