ニースは多くの人々を惹きつけるコート・ダジュールの中心地です。ニースの海岸線にはプロムナード・デザングレと呼ばれる長い遊歩道が作られ、ここでベンチに腰掛けて海を見たり、ジョギングしたり、又恋人同士でそぞろ歩いたりなど、それぞれが思い思いにリゾート地、ニースでの時間を楽しんでおられる様でした。
ニースの中心部から北へ坂道を上ったところはシミエ地区とよばれ、深い木立に囲まれた家々が多い高級住宅地になっているようですが、この地区にシャガール美術館やマティス美術館があります。
シャガール美術館は彼が11年がかりで完成させた12枚の「聖書の言葉シリーズ」の絵(雅歌を含め17枚)を展示する為に開館した美術館です。世界中から多くの人々が訪れ、色彩に溢れた彼の絵を鑑賞していました。館内はフラッシュ撮影以外は可となっていました。
又この美術館にはシャガール作の「天地創造」のステンドグラスに囲まれた、小さなコンサートホールが併設されていて、クラシックコンサートや大学の講演などに使用されているようです。
モナコ公国はニースからバスで3、40分のところにあり、国土が日本の皇居の2倍程度というホントに小さい国ですが、国連に加盟している立憲君主制の独立国で、公用語はフランス語です。ここではモナコ大公宮殿、モナコ大聖堂を見学しました。
大公宮殿はモナコの旧市街、モナコヴィル地区の小高い丘の上にあります。あまり装飾のないクリーム色のシンプルな建物で周囲の環境にシックリ溶け込んでいました。
下の写真は大公宮殿がある丘からの眺めで、写真右側がモナコ港、その少し左に小さく青く写っているのが、数日前に行われた「モナコF1グランプ」の観覧席の一部、手前の茶色の屋根はモナコの旧市街、その向こうのビル群がモナコの日常生活エリアです。
大公宮殿近くにこんな写真が掲示されていたのでパチリしました。
モナコ大聖堂は大公宮殿と同じモナコヴィル地区にあります。ここはカトリック教徒であるモナコ公室の公式行事が行われる場所で、レニエ大公とグレース・ケリーもここで結婚式を挙げました。又公国歴代君主の墓所でもあり、レニエ大公、グレース妃もここに葬られています。
手前がグレース妃、向こうがレニエ大公のお墓です。
モナコからの帰りに、コートダジュールの鷲の巣村の一つ、エズに行きました。
鷲の巣村とは南仏に数多くある、急斜面の石灰岩質の岩山頂上に民家が密集している村で、元はイスラム教徒の侵入、攻撃から守るために相手から見えない場所に村を作ったのが始まりなのだとか。その様子を切り立った崖に鷲が巣を作っているのに例えているようです。
このブログで前にふれた、レ・ポー・ド・プロヴンスやヴァンス、サン・ポール・ド・ヴァンスは、南仏の代表的な鷹の巣村で、コートダジュールだけでも100以上の鷲の巣村があるとのことです。
海抜420mのエズの村も、イスラム教徒の攻撃を防ぐ為、海から見えないように造られている為、山の下からはここに村がある様には見えません。
細い道の両側の中世からある石造りの家々は、今はオシャレなアトリエやショップになってるものが多いです。420mの山頂にはサボテン園がありましたが、海から垂直に切り立った、この場所から見える地中海の美しさは格別でした。