1970年に大阪万博が開かれた時、日本館でリニアモーターカーの模型が展示されているのを、初めて見ました。それは東京ー大阪を1時間で結ぶ「夢の超特急」と説明されていました。
レール上を走るのではなく、磁気の反発吸引力を利用して浮上走行する列車とのことで、よくわからないながら夢の様な話だなぁと思ったのを今でもよく憶えています。
あれから44年(何だか、きみまろ調になってきた!)、模型だったものが、東京ー名古屋を最高時速500㎞、40分で結ぶリニア中央新幹線として、先日着工許可され、現実のものとなろうとしています。
大阪万博で初めて模型を見た時、数十年後の実用化なんて思い浮かびませんでした。長い距離をレールの上じゃなく浮いて走るって、そんなこと出来るのかなぁと思いました。山陽新幹線もまだ来てなかった頃ですからね~。
その後、宮崎や山梨で実用化実験が行われているとのニュースをTVでたまに見ることがありましたが、先日「山梨リニア実験線」で一般向けの体験乗車が行なわれ、時速500㎞のリニア新幹線の世界を体験中の映像をテレビで見ました。驚くとともに、いよいよだな~と感じました。
2005年に上海に行った時、空港から中心部までを7、8分で結ぶリニアモーターカー(ドイツの技術で建設)に乗ったことがあります。時速は400㎞を超えていたと思います。上海のリニアは短距離(60km)ですが、日本は最終的に東京~大阪500kmを走らそうとの壮大な計画で、そのスケールにおいて、中国のリニアとは別のものと言っていいんじゃないでしょうか。
特に日本の場合、リニアの建設ルートの南アルプス地域は「糸魚川ー静岡構造線」が通っていて、技術的にさまざまな困難が指摘されているのだそうです。
又、「既存の新幹線でも時速400㎞は努力すれば出せる、大金をリニアにつぎ込むべきではない」や「強い磁気の人体への影響」、「今後人口減少が進み新幹線から利用客が流れる以上に、リニアにどれほどの需要が見込めるのか」など、様々な問題点も挙がっているようです。
リニア中央新幹線の工事は年明けにも本格的に始まる見通しだそうですが、新聞には「日本再生の切り札か、あるいは時代にそぐわない巨大プロジェクトか」などの文字が躍っています。
交通の歴史というのは、速度を上げる歴史でもあることを思うと、リニア中央新幹線は、様々な困難さや問題点があっても、それを最大限克服し、そして挑戦する価値のある、夢のある事業のように私には思えるのです。
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