コンヤから更に東へバス移動し、カッパドキアに向かいました。このトルコの内陸部を走る道の両側には、時期が晩秋なので作物はあまり作られてはいませんでしたが、よく耕されたすばらしい畑が、果てしなく続いていました。ガイドさんによると、トルコは食料はほぼ自給出来るそうで、近年は工業化を進めているそうですが、人々に何となくゆとりが感じられるのは、食料自給と無関係ではないでしょう。
カッパドキアには6000年前の火山噴火で堆積した火山灰が、長い年月をかけて侵食され出来た、異形ともいえる奇岩群があります。「妖精の煙突」とも呼ばれる巨大なきのこ群や、ラクダの形の奇岩、また何ともいえない不思議な形の奇岩に圧倒されました。そして今、ここにいる人々は、観光やそれに関するその他の仕事をしながら、ここで普通に暮らされています。
カッパドキアの中心部のギョレメには幾つかの洞窟教会がありました。これらは5~12世紀のビザンチン帝国による聖像破壊やイスラム教徒による迫害などを逃れ、この地方に移り住んできたキリスト教徒によって造られました。入り口は目立たない造りですが、聖堂内には華麗な色彩の聖像画が書かれていました。11~12世紀の聖像画が多いそうです(内部は撮影禁止でした)。
カッパドキアには、多くの地下都市があるそうで、今回はカイマクル村の地下都市を見学しました。地下都市は地下何層にも造られ、迷路のようになっていて、通路でつながっています。その多くは5~10世紀に造られたと考えられるそうです。そして多くのキリスト教徒が迫害を逃れ、ここで息をひそめる様に暮らしていたのだそうですが、まだまだわからない事が多く、謎のままの部分が多い様です。
石で出来た円盤状の扉も幾つか見ましたが、敵の侵入時にこの石の扉を転がして進路を塞いだと考えられるそうです。
現代の人々はこの奇岩を観光に生かして、洞窟レストランなどに改良して、利用しておられました。私達が昼食をとったのもそんな洞窟レストランの一つでした。入り口に階段が付けられています。
内部はこんな感じで、ロマンティックな造りです。
茫々とした時間と自然と人間の営みが織り成す、幻想的な風景が広がるカッパドキアは、トルコ観光のハイライトと言えるのでは、と思いました。